「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年8/12分:荒木和博の巻)

姜錫柱の謝罪【調査会NEWS3047】(R01.8.11): 荒木和博BLOG
 記事タイトルの「姜錫柱」とはウィキペディア「姜錫柱」によれば

・1939~2016年。
最高人民会議外交委員会副委員長、第一副外相、朝鮮労働党書記(国際担当)、朝鮮労働党国際部長など外交関係の役職を歴任
・2002年9月と2004年5月の日本の小泉純一郎*1首相と金正日国防委員長・朝鮮労働党総書記との日朝首脳会談に同席。
・2016年、食道がんにより死去。

と言う人物です。

 拉致とは関係ありませんが最近様々なところで混乱が起きている簡保とか郵政の問題は(ボーガス注:郵政民営化を実施した)小泉政権に相当責任がある

 確かにそうでしょうが、拉致に関係ないことを「拉致問題をネタとした場所」で書く必要はないわけで、荒木が小泉訪朝によほど不快感を感じてることが改めて伺えます。
 大体、安倍政権下での不祥事発覚なのだから、荒木は日本郵便の件についてはまずは安倍批判すべきでしょうに。

 何度もご紹介している太永浩・元英国駐在北朝鮮公使の著書『三階書記室の暗号』(邦題『北朝鮮外交秘録*2』)で平成14年(2002)9月の小泉訪朝についての部分はなかなか興味深いです。下にその部分を載せました。
 当時私たちから見ていれば日本政府は北朝鮮に譲歩しすぎのように感じられましたが、北朝鮮側からすると逆で、彼らは日本が徹底して拉致問題で強硬だったと感じたようです。

 つまりは北朝鮮は「俺たちは大分譲歩した」と認識していたわけです
 まあ、別に太永浩の本なんか読まなくても「予想の範囲内」ですが。というか俺も北朝鮮は「拉致被害者帰国」と言う形で大分譲歩したと思いますが。
 日朝平壌宣言での「国交正常化時の経済支援(日本の見返り)」なんか日韓国交正常化でもやった話であり、ある意味当然です。「日韓国交正常化では経済支援するが日朝国交正常化ではしない」なんてのはおかしいでしょう。まあおかしいと思わないのが荒木らウヨですが。というかそもそも日朝国交正常化を否定してるのが荒木らウヨですが。
 それはともかく北朝鮮は当然「譲歩しただけの見返り」が来ると思ってた。見返りもないのに譲歩する人間はいません。小泉政権も「国交正常化時の経済支援」と言う形で見返りを出す旨、日朝平壌宣言に書いた。
 ところが国交正常化を潰したい右翼団体「巣くう会」のいうがままに、北朝鮮制裁など唱えて見返りを出すなと言ったのが家族会です。そして小泉政権も「安倍晋三(当時、官房副長官。現首相)など党内のウヨ議員が制裁に同調していること」もあって家族会を恐れてそれに従ってしまった。
 そんなことをすれば北朝鮮の態度が硬化して、拉致解決を阻害することはわかりきったことです。今更ながら「実に愚かだった」としか言いようがありません。「小泉訪朝から17年も時間を浪費した」とはいえ、今からでも制裁は即刻解除すべきでしょう。

北朝鮮から日本政府が強硬に見えた理由は拉致問題での世論が高まり、政府も棚上げできない状態になっていたからです。
・家族会の皆さんをはじめ全国の心ある支援者、そして多くの一般国民が拉致問題を許せないということで一致したのが政府や国会を動かしたと言えます。
 今、猛暑の中でも各地で街頭に立って署名活動をして下さっている方々がおられます。本当に大変だと思いますが、17年前、地道な努力が金正日に拉致を認めさせ、5人を取り返すこと*3につながりました。
「人間には最後まで希望を持ち続ける権利がある。その権利を行使せよ*4」。
 がんばりましょう。

 まあばかばかしいですね。この猛暑の中署名活動なんかしても今更どうにもなりません。熱中症になる危険があるだけです。荒木が「熱中症になる危険があっても俺たち巣くう会に従順に従うか。これは俺たち巣くう会に拉致被害者家族がどこまでついてこられるかを調べる踏み絵だ」と思ってやらせてるだけじゃないのか。そんな踏み絵は「踏めねえと思ってるのか!。踏んでやるよ!。ふざけんな!」「こんな猛暑で署名活動なんか出来るか、バカ。やりたければ手前ら巣くう会だけでやれ!」「手前ら巣くう会とは縁切りだ。小泉訪朝から17年、手前らのいいなりでやってきたが何の成果もねえじゃねえか!」でいいと思うんですが。
 そもそも「小泉訪朝前」「小泉訪朝直後」ならともかく「小泉訪朝から17年」の今、もはや署名に応じる人間もほとんどいないでしょうし、いても「荒木の右翼仲間」か「しがらみで仕方なく署名(トラブりたくないだけで本心は署名したくない)」がほとんどでしょうが。日朝交渉するしか手はない。
 しかし「日朝国交正常化を妨害したい」荒木には「日朝交渉で取り替えそう」とは言えない。
 結局荒木ら巣くう会は「本音では拉致なんか解決しなくていい。北朝鮮を叩くため、あるいは日朝国交正常化を妨害するため、むしろ解決しない方がいい。しかし建前では解決希望と言わざるを得ない」だけの話です。
 そうした建前があるから「何か解決策を言わざるを得ない」。しかし「外交交渉以外に解決策はないが、それは否定せざるを得ない」から「署名」云々などというくだらない話になるわけです。もはや「経済制裁すれば拉致が解決する」と言う元気もないようです。
 こんなくだらない話しても「小泉訪朝から17年も経つのに馬鹿の一つ覚えみたいに署名して何の意味があるのか」「テレビでも拉致なんか取り上げなくなったじゃん」という反応が国民に増え、拉致が風化するのも当然の話です。

*1:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*2:2019年、文藝春秋

*3:5人を取り返した直接の功労者は田中均氏ら外務省であって荒木ら巣くう会ではありません。外務省の手柄を自分の手柄のように宣伝するとは荒木も呆れたバカです。

*4:希望を持つことは大事ですが、合理性のない「間違った方法論(例:拉致の場合、北朝鮮への経済制裁)」では希望は叶えられません。がんの治療にインチキ民間療法にすがったら悲惨なことにしかならないのと同じです。「間違った方法論」しか言わない巣くう会とは家族会は縁切りすべきです。まあ、そもそも巣くう会は「拉致解決を妨害したい」からこそ故意に「間違った方法論」を主張するわけですが。