黒坂真に突っ込む(2019年8月25日分)

■黒坂ツイートにコメント

黒坂真
 日本共産党本部の皆さん。皆さんは侵略、植民地という語をよく用いていますが、その際現在の国境(領土、領海)を前提としていますね。その前提で謝罪云々を言うなら、モンゴル人が最も謝罪せねばならない民族だ、という結論になりませんか。

 黒坂にはいつもながら「やれやれ」ですね。
 もちろんここでモンゴル云々というのは「歴史上、最大の帝国」とされ「日本史でも元寇文永の役(1274年)、弘安の役(1281年))で知られる」モンゴル帝国のことですが「侵略云々というなら、歴史上、最大の帝国を建設したモンゴルの責任が一番重い」「モンゴル政府は、モンゴル帝国南宋を滅ぼしたことを中国に謝罪したのか、元寇を日本に謝罪したのか」「モンゴル帝国は今の東欧諸国や東南アジア諸国にも侵攻したがそのことをモンゴル政府は各国政府に謝罪したのか」なんていったら正気を疑われるでしょう。
 そんなもん今更、モンゴル政府に謝罪されても、どこの国も「700年以上前のことを謝罪されても?」「関係者皆死んでるし」と困惑するだけです。
 植民地支配として一般に問題にされる「19世紀以降の欧米や日本の植民地支配」と「モンゴル帝国時代(13~14世紀)」ではあまりに時間差がありますし、独立が1945年以降のために「侵略、植民地支配の被害者が今もいる欧米や日本の植民地(東南アジアやアフリカ)」と違って、「モンゴル帝国の侵略が許せない」なんて人はどこにもいないでしょう。日本だって「モンゴルでの日本兵抑留*1」について「モンゴルは日本兵抑留問題での反省が足りない*2」などとモンゴル批判する人間ならまだしも「モンゴルは元寇を謝罪しろ」なんて人間はどこにいるのか*3
 大体その理屈なら日本は「秀吉の侵略(文禄の役(1592~93年)、慶長の役(1597~98年))を中国や韓国に謝罪しなければいけない」ことになるでしょうに。秀吉の侵略(16世紀)は「モンゴルの侵略(13世紀)」より後のことですのでね。

参考

モンゴル帝国ウィキペディア参照)
 創始者チンギス・ハン(ジンギス・カン)とその後継者たちはモンゴルから領土を大きく拡大し、西は東ヨーロッパ、アナトリア(現在のトルコ)、シリア、南はアフガニスタンチベットミャンマー、東は中国、朝鮮半島まで、ユーラシア大陸を横断する帝国を作り上げた。最盛期の領土面積は約3300万km²で、地球上の陸地の約25%を統治し、当時の人口は1億人を超えていた。

*1:ほとんどはシベリア抑留ですが一部は、「ソ連の衛星国家」モンゴルに抑留されました。

*2:この辺り知識がないのでモンゴル政府の対応についてはなんとも評価できませんが。

*3:とはいえ、現在の視点では「チンギス・ハンとその後継者たちの行為は侵略」なのでモンゴル人が無邪気に「チンギス・ハンら、モンゴル帝国の建国者たち」を英雄視している「らしい」ことには正直「元寇の被害国民(?)」として違和感(あまり非難する気もないが、無邪気すぎねえか、無神経すぎねえか、となんか釈然としない感情)はあります。