「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2019年8/31分:荒木和博の巻)

文在寅は労働党員?【調査会NEWS3061】(R01.8.31): 荒木和博BLOG

 「月刊Hanada」10月号にジャーナリストの篠原常一郎さんが「文在寅朝鮮労働党秘密党員疑惑」という論文を書いています。

 荒木の駄文は「労働党員=隠れ朝鮮労働党員=朝鮮労働党秘密党員」と言う与太です。残念ながら(?)「文はまるで朝鮮労働党員のようだ、南北友好は大事だが、どこまで北朝鮮に媚びれば気が済むのか。どっちの側を向いてるのだ」なんてレベルではありません。
 なお、日本でも過去に「松本清張*1(創共協定の仲介者)は秘密党員だ」「(赤旗日曜版に連載したことがある)手塚治虫*2は(以下略)」とか、この種の与太がありました(ググったら高世が二人の「スパイ」の息子に会った日 - 高世仁の「諸悪莫作」日記で堂々とその与太「松本清張は」をかっ飛ばしていて改めて高世には呆れました)。
 呆れて物も言えませんね。荒木とてまさか本気ではないでしょう。金大中氏、盧武鉉氏と比べて、文在寅*3外交政策が特に北朝鮮寄りという事実はありません*4。彼は金氏が開始し、しかし朴クネが中止してしまった開城工業団地を未だに再開できていませんし。
 こんなデマは「月刊ハナダ」のようなデマ右翼雑誌しか相手にしていません。
 良くもこんな酷いガセネタが流せるもんです。こんなんは近衛上奏文の「東条英機*5ら陸軍統制派は隠れ共産党」なみの与太でしかない。
 あるいは大森勝久氏の「近衛*6スターリンの手先」なみの与太でしかない。
 あるいは自民党の親中国派政治家(日本国際貿易促進協会会長の河野洋平*7など)に加えられる「中国の手先」などという誹謗と同レベルでしかない。
 そもそも「嫌韓国極右、戦前美化の安倍*8が総理だから」今ああなってるわけで、総理が石破*9や石原*10、岸田*11や谷垣*12ならこうはなってないでしょう。
 なお、荒木が紹介する篠原某*13ですがもともとは筆坂秀世*14議員秘書だった男で「なんちゃってジャーナリスト」でしかありません。筆坂とともに(筆坂の子分として?)今は「反共右翼活動」に励んでる人間のくずです。とはいえ筆坂も篠原も、「櫻井よしこ」などの「大物(?)右翼」に比べれば「右翼業界の小物」でしかありませんが(苦笑)。
 だから月刊ハナダのようなデマ右翼雑誌しか篠原なんぞ相手にしない。
 しかし筆坂も当初は『私たち、日本共産党の味方です』(鈴木邦男氏との共著、2007年、情報センター出版局)なんて本を出していたのに今や公然と「河野談話否定論」を公言するまでに落ちぶれるのだから呆れたバカです。

*1:著書『天保図録(上)(中)(下)』(朝日文芸文庫) 、『佐渡流人行』、『小説帝銀事件』、『松本清張の日本史探訪』、『野盗伝奇』(角川文庫)、『信玄軍記』(河出文庫)、『大奥婦女記』、『北一輝論』、『彩色江戸切絵図』、『増上寺刃傷』(講談社文庫) 、『黒革の手帖(上)(下)』、『けものみち(上)(下)』、『小説日本芸譚』、『砂の器(上)(下)』、『ゼロの焦点』、『点と線』、『迷走地図(上)(下)』、『目の壁』、『わるいやつら(上)(下)』(新潮文庫)、『小説東京帝国大学(上)(下)』、『砂の審廷:小説東京裁判』(ちくま文庫)、『五十四万石の嘘』、『古代史疑(増補新版)』、『ミステリーの系譜』(中公文庫) 、『対談 昭和史発掘』(文春新書)、『神々の乱心(上)(下)』、『球形の荒野(上)(下)』、『史観宰相論』、『私説・日本合戦譚』、『昭和史発掘1~13』、『日本の黒い霧(上)(下)』(文春文庫) などミステリー、歴史小説など幅広い分野で多数の著書を残した。

*2:代表作として『アドルフに告ぐ』『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『火の鳥』『ブッダ』『ブラックジャック』『リボンの騎士』など

*3:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*4:とはいえ荒木のようなクズは金氏や盧氏も「北朝鮮の手先」呼ばわりしますが。

*5:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任。戦後、死刑判決。後に靖国に合祀。

*6:貴族院議長、首相を歴任。戦後、GHQの戦犯指定を苦にして自殺

*7:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任

*8:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*9:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*10:小泉内閣国交相自民党政調会長(第一次安倍総裁時代)、幹事長(谷垣総裁時代)、第二次安倍内閣環境相、第三次安倍内閣経済財政担当相など歴任

*11:第一次安倍、福田内閣沖縄・北方等担当相、第二次、第三次安倍内閣外相を経て自民党政調会長

*12:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相、自民党幹事長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*13:著書『いますぐ読みたい 日本共産党の謎』(筆坂との共著、2009年、徳間書店

*14:著書『野党という病い』(2016年、イースト新書)、『日本共産党中韓:左から右へ大転換してわかったこと』(2015年、ワニブックスPLUS新書)、『日本共産党の最新レトリック』(2019年、産経新聞出版)、『大手メディアがなぜか触れない 日本共産党と野党の大問題』(上念司との共著、2019年、清談社Publico)など反共著書多数。