今日の産経ニュースほか(2019年9月10日分)

中国のウクライナの航空エンジン会社買収の真相 グレンコ・アンドリー(ウクライナ出身の国際政治学者) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 ペマ・ギャルポのような「反中国、反ロシアの日本ウヨ」しか相手にしてくれない自称「国際政治学者」の駄文です。

 最近、ウクライナの航空エンジンメーカーが中国国有の航空エンジン開発・製造企業グループ「中国航発」の子会社による買収攻勢にさらされ、注目されている。
 中国航発は「モトール・シーチ」株の50%を買収する所まで来た。
 しかし、中国企業は取引先の外国の企業から技術を頻繁に盗むことで有名である。だから「モトール・シーチ」からも技術が盗まれ、中国はそれを好き勝手に使うのではないか、と懸念されている。
 8月下旬、ウクライナを訪問したボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は記者会見で、中国企業による「モトール・シーチ」買収の可能性について、個別の企業や取引案件はウクライナの主権に関わるためコメントは控えると述べる一方、「米国内で目にしてきた中国の不公正な貿易慣行や安全保障上の脅威に対して、われわれは懸念を表明した」と語った。
 「モトール・シーチ」が持っている技術を中国が手に入れたら、中国の軍用機の性能は格段に向上すると言われている。それについて強い懸念を示しているのはアメリカである。
 理解しておかなければならないのは、「モトール・シーチ」は民間企業だということである。
 ソ連崩壊後、ウクライナが独立した時に、多くの大型国営企業が民営化された。「モトール・シーチ」もその一つで、1990年代から民間企業となっている。そこにはオーナーがいて、そのオーナーが経営方針を決めている。中国企業との取引は、そのオーナーの意向で行われ、ウクライナ政府の意思とは関係ない。
 非常に残念なことではあるが、「モトール・シーチ」のオーナーは、(中略)ウクライナの防衛や安全保障については全く考えていない。だから、彼にとっては、ロシアや中国と取引をすることはごく自然なことである。
 2015年に中国企業が「モトール・シーチ」に興味を示した際、彼は喜んで応じたのである。それ以降、「モトール・シーチ」に中国資本が進出していった。

 で少なくとも「金儲けのことだけ考えれば」、中国企業への売却はお得でしょう。まあ、そもそも国基研のいう「安保上の懸念」が本当に存在するか自体疑問ですが。

 可能性としては、ウクライナ政府が「モトール・シーチ」を強制的に再国営化することもありうる。しかし、それはかなり強硬な手段であるので、法律に抵触しかねない。いくら安全保障のためとはいえ、所有者の意思に反して所有財産を強制的に国営化するのは非常に強引なやり方であり、国際的にも印象が悪い。
 筆者の意見では、勿論、強引な方法でも、この取引を止めるべきである。だが、ウクライナの現政権にはそこまでの根性があるかどうかは疑わしいというのが現状である。

 「国が株式のほとんどを持ってるようなケースならまだしも」再国有化なんか出来るわけがないでしょう。


人民解放軍は既に香港に介入している 太田文雄(元防衛庁情報本部長) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 「デモが暴徒化すれば軍事的介入もあり得る、と牽制してること自体が軍を使った政治的介入」と言う話です。

 西側諸国が、香港の人権や中国の武力介入に懸念を表明しているのに、日本政府は「憂慮しており、早期収拾に期待」と表明するにとどめている。そして安倍晋三総理は12月に訪中し、来年4月には習近平主席を国賓として迎えるという。これでは、日本は現状を是認しているとの誤ったメッセージを中国に送ることにならないか。

 と国基研がいったところで安倍は12月に訪中し、そして4月に習氏を「来賓として招く考え」でしょう(来年4月に安倍政権など勘弁してほしい、その前に退陣してほしいですが)。
 そしてそれでも国基研は安倍批判など出来ないわけです。


【主張】韓国の法相任命 「法の支配」の原則に還れ - 産経ニュース
 言ってることがまるきり意味不明ですね。「疑惑の政治家」を「最側近だから」として法相に任命することの是非はともかく、それは「法の支配(法治主義)」云々という話ではない。政治的是非はともかく違法行為ではないからです。
 例えば「UR疑惑の甘利(第一次安倍内閣経産相自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党選対委員長などを歴任した安倍のお気に入り)」が今後、仮に入閣したとしてもそれは「法の支配」云々という話ではない。
 「森友学園への不正・違法な国有地売却」「加計学園への不正・違法な大学設置認可」のような話が「法の支配」云々という話です。
 まあ、法相への捜査を「政治的圧力で中断させる」ような「吉田政権の造船疑惑での指揮権発動(自由党の佐藤*1幹事長、池田*2政調会長を捜査から守った)」のようなまねを文大統領がすれば「法の支配に反する」とはいえるでしょうが。


【遠藤良介のロシア深層】プーチン流「疑似民主主義」(1/2ページ) - 産経ニュース

 ロシアの選挙では現職が圧倒的に有利だ。報道での露出度が非常に高く、政権や地方当局は、公務員や国営企業の従業員を投票に大量動員できるためである。

 吹き出しました。「現職が不利な選挙」なんてどこの世界にあるのか。産経がここに書いた「有利な理由」は日本や欧米など他の国にも当てはまることでしょうに。「よほどの悪政か、よほどのスキャンダル発覚」でもない限り現職が有利なのはどこの国も同じです。

 今回の統一地方選については「与党圧勝の勢い」と報じられている。それはしかし、事前の首長すげ替えを含むさまざまな策を弄し、政権が必死のてこ入れを行った結果だ。もはや20年近くとなったプーチン体制の綻びは、今回の選挙結果をもっても変わらない。

 というのは「アンチロシア産経」の願望に過ぎません。むしろ「産経がどう強弁しようとも」、手練手管で20年の長期政権を築いてきたプーチン政権は今のところ「政権崩壊に至るほどのほころびは見えない」というべきでしょう。勿論、こうした俺の指摘は「単なる事実の指摘」にすぎずそれを肯定しているわけではありませんが。


萩生田、西村康氏初入閣へ 農水相は江藤氏、加藤氏再入閣 - 産経ニュース
 ろくに政治的実績もない萩生田*3や西村*4を「安倍好みの極右だから入閣」とは全くデタラメなもんです。
 なお、萩生田については
外相に茂木氏 防衛相に河野氏 文科相に萩生田氏 起用へ | NHKニュースということで、「文科相説」がでていますが、勘弁してほしいですね。「下村と同類の歴史修正主義ウヨ=萩生田」ですから、そんなことをしたら、日韓関係の悪化にも「大いに貢献する」のではないか。そして「萩生田が本当に文科相になるかどうかはともかく」「韓国は勿論」中国にしてもこんな噂話が出てくる「反動極右」安倍を内心ではかけらも評価も信用もしてないでしょう。
 「安倍は中国ビジネスを切って捨てられずに、『来年4月に習主席を招待したい』などと俺たちにすり寄ってる。しかし、あいつの本質は中韓を敵視する反動極右だ」「俺たちの方も日本ビジネスを切り捨てるわけに行かないから安倍と付き合うが、福田康夫のようなまともな人間に早く首相になってほしい」(中国政府)としか見てない。

 甘利明党選対委員長は交代し、党税制調査会長への就任が内定した。

 確かに要職ではあるのでしょうが「一時噂された総務会長」にはさすがにできなかったようです。
 安倍も「UR疑惑で経済財政担当相を辞めた以上、大臣や党三役というマスコミや一般人が注目するポストは諦めてくれ」と甘利に引導を渡してるのでしょうか。

*1:運輸次官から政界入り。吉田内閣建設相、郵政相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相などを経て首相

*2:大蔵次官から政界入り。吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*3:福田、麻生内閣文科大臣政務官、第三次安倍内閣官房副長官自民党幹事長代行など歴任

*4:福田、麻生内閣外務大臣政務官自民党総裁特別補佐、第三次、第四次安倍内閣官房副長官など歴任