今日の中国ニュース(2019年9月17日分)

「西側デモクラシー」と「中国デモクラシー」の違い|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 浅井先生が紹介する中国共産党機関誌『求是』の主張は俺の認識では以下の通りです(詳しく知りたい方はリンク先を読んでください。まあ、そんなに間違った要約ではないと思いますが)。
1)欧米は中国に民主主義がないと批判する。しかし中国にも「議会的システム」として、全人代全国人民代表大会)と政協(人民政治協商会議)が存在し、全く「民主主義が欠落している」わけではない。
 もちろん「共産党の指導的地位」を認める点で中国型民主主義(浅井先生の表現だと「中国デモクラシー」)は「欧米型民主主義(浅井先生の表現だと「西側デモクラシー」)」とは異なるが。
2)アメリカでの「トランプvs反トランプ」、英国での「EU離脱派vs存続派」の深刻な対立を考えるに欧米型民主主義は完全無欠ではない。少なくとも一部の国(例:米英)では深刻な内部対立を生んでいる。いまだに英国はEU離脱問題を決着できない。
3)いまだ「都市と田舎の経済格差」「民族間の対立」など様々な矛盾を抱える我が中国が、欧米型民主主義を「中国化せずに導入すること」は内部対立を激化させ、経済成長を阻害し国益を害する危険性が否定できない。
4)そもそも「欧米型民主主義でない国」は発展途上国を中心に他にもあるのに欧米が我が中国ばかりを非難するのはダブルスタンダード
(以上終わり)
 もちろん自己正当化という面は明らかにあるでしょう。しかし全くの嘘というわけではないでしょう。それなりに本心でしょう。
 そして浅井先生も「手放しでは支持できないとはいえ『求是』の主張は一面の真理はある」「中国民主化は漸進的な進み方が現実的で望ましいだろう」としています。俺も同感ですね。
 漸進的な形でしか中国の民主化は進まないでしょうし、下手に進めたらそれこそ『求是』や浅井先生が危惧するように国内対立を助長しかねないでしょう。
 などと書くと小生や浅井先生が、一部の人間(例:阿部治平)から「中国に甘い」とみなされるのはよくわかっていますが、俺はそう思っています。
 いずれにせよ浅井先生や俺の中国認識に関係なく、浅井先生がおっしゃるように「中国の政治的考えがわかりやすい」という意味で『求是』論文は重要な価値があるのではないかと思います。
 なお、浅井先生や『求是』も批判していますが、「ほとんど中国と同じ理屈」でサウジなどが反民主的な部分を正当化してることを欧米が容認してることを考えれば、まあ、欧米の「民主主義をネタとした中国批判」ははっきり言ってでたらめですよね。