黒坂真に突っ込む(2019年9月23日分)

■黒坂ツイートにコメント

黒坂真リツイート
・お笑い日本共産党
‏ ひと昔前まで共産党は「共産党以外はオール与党*1」と言って気を吐いていましたね。
 僕は共産党は支持してませんが、あの頃の共産党が僕は好きで、ある意味魅力がありました。批判*2のし甲斐*3がありました。今は旧民主党系に気を使いすぎ。足元見られるよ。

 あまりにもばかばかしくて吹き出しました。いやもちろん「参院選の京都、大阪選挙区」での反共的態度を見ても、立民は明らかに図に乗ってる。今後、今以上に思いあがった態度をとる危険性があることは「共産支持者の俺」も否定はしませんし、正直危惧しています。そうした危惧は沢藤統一郎氏も野党間の選挙共闘は難しい。 | ちきゅう座で表明しています。
 しかし「アンチ安倍&共産支持」の俺や沢藤氏ならともかく「安倍万歳&反共」の黒坂や類友が本気でそんな心配してるわけがないですからねえ。
 「立民や国民民主なんかに気を使いすぎていいのか、共産のオリジナル性がなくなる」と共産支持者をけしかけて、野党共闘がぶっ壊れれば自民に有利で御の字くらいのことしか考えてないでしょう。で黒坂とお仲間連中も、ほとんどの野党共闘支持者には自分らの言動が「そのように見透かされてる」とわかっているであろうにこういうことを言うのだからその恥知らずぶりには心底呆れます。
 沢藤氏も言うように、困難ではあっても「立民などの態度には批判的、警戒的態度」を持ちながらも、しかし「野党共闘は何とか続けていく」、そのうえで「共産のオリジナリティも出していく」つう方向性しかないでしょう。

吉岡正史
‏ 「インドの独立・建国の父の一人、ネール*4は『父が子に語る世界史*5』で『その(日露戦争)直後の成果は、少数の侵略的帝国主義諸国のグループに、もう一国をくわえたというにすぎなかった。そのにがい結果を、まず最初になめたのは、朝鮮であった』と指摘しています」

 さてこれについての呆れるほかない黒坂のツイート。

黒坂真
 吉岡正史さん。ネールはかなり親ソ、親中の傾向のある人物でした。インドを90年くらい支配したのは大英帝国ですから、大英帝国と対決したロシア、ソ連が進歩的で素晴らしい国と思えたのでしょう。

 おいおいですね。まるでネールが「日露戦争での日本勝利を当初から残念がったかのようにデマ飛ばす黒坂」ですが、吉岡氏の引用する文章の前でネールは「日露戦争でアジアの国・日本がヨーロッパの大国ロシアに勝利したことに当初はアジア人として感動した」という趣旨のことを述べています(ちなみにこの「当初は感動した」という部分のみをつまみ食い引用して、「ネールも日露戦争での日本の立場を支持した」「日本の日露戦争勝利はネールらインドの独立運動家を勇気づけた」とデマ飛ばすのが一部のウヨです)。
 しかし後に、「日本の勝利は少数の侵略的帝国主義諸国のグループに、もう一国をくわえたというにすぎなかった」という考えにネールは意見が変わります。それは日本が「ネールのインドはもちろんのこと」その他のアジア、アフリカの植民地独立には何の関心も興味もなく、それどころか「朝鮮を植民地化したから」です。こうしたネールの意見を、黒坂のように歪曲理解するのはあきれて二の句が継げませんね。
 まあ黒坂も故意にデマ飛ばしてるのでしょうが。ネールに対して全く無礼の極みです。

黒坂真
 吉岡正史さん。家庭内暴力(Domestic Violence)ですが、新潟の日本共産党元幹部の方が、奥様を殺害してしまった事件がありましたね。一体どうしたのでしょうか。

 元共産党県幹部を逮捕 新潟、自宅で妻殴り死なせた疑い - 産経ニュース*6のことですが、もちろん吉岡氏が「日本共産党はDV防止に力を入れています」とツイートしたことへの黒坂の言いがかりです。そりゃ中には残念ながらそんな人間もいるでしょうね。
 黒坂のやってることは「日本共産党はセクハラ防止に力を入れています」という主張に「でも筆坂政策委員長・参院議員(当時)がセクハラやったやん」と因縁つけるくらいくだらない行為です。

黒坂真
‏ 今の国境を基準にして侵略を定義するなら、モンゴル人はユーラシア全体に謝罪しまくらなければいけませんね。

 あきれて二の句が継げませんね。今時「モンゴル帝国の侵略についてユーラシア全体(中国、ロシア、中央アジア諸国、ベトナムなど)にモンゴルは謝れ」「モンゴル帝国の侵略(元寇のこと)について日本にモンゴルは謝れ」なんて誰も言いません。そんなことで「だから日本も中国、韓国、東南アジア侵略を詫びなくていいのです」なんて言ったら正気を疑われますよ。
 韓国側だって問題にしてるのは「明治以降の侵略」であって「秀吉の侵略」なんか今頃問題にしないわけです。
 つうか、この黒坂理論なら「スターリンがモンゴル相手に無茶苦茶やった?。うるせえな、そんなことよりお前らモンゴルは、モンゴル帝国の侵略をロシアにわびろ!(ロシア右翼)」とも言えてしまうわけですが、それを黒坂は支持するのか。

黒坂真リツイート
‏ 吉岡正史さん。明治日本に、殖産興業、富国強兵から海外進出という道以外、どんな選択肢がありましたか。この疑問に対し、私見では日本共産党と左翼歴史学者*7は一切答えらえれない。ロシアに蹂躙されることを甘受すべきだったという話。

 問題にされてるのは「殖産興業や富国(経済の発展)」ではなく「強兵」「海外進出」、つまり侵略行為であり、もちろんそうした侵略路線は別に必然ではありません。
 「台湾や朝鮮を植民地にしたい」という日本の主体的意思で選ばれたわけです。
 そして「ロシアに蹂躙」なんてことと「日清、日露戦争」はまったく関係ありません。これらの戦争は「韓国から清朝やロシアの影響を排除し、韓国を日本の植民地化するために行われた」もの(ただし当初目的だけでなく、日清戦争では賠償金と台湾を獲得、日露戦争では満州利権と南樺太を獲得)でありロシアの侵略の脅威に対する防衛戦争ではありませんので。
 そもそも「ロシアの侵略の脅威」なんてもんは「当時の日本政府がそう言い訳していただけ」で、客観的に見て当時どこにもありません。
 それにしても黒坂も「ただの放言*8でしょう」が「一切答えらえれない」とはまたずいぶんと無茶苦茶なことを言うもんです。
 大体「ほかに道があったのか」と言ったら、黒坂が忌み嫌ってるであろう「ロシア革命」も「新中国建国」などもほとんどが「ほかに道はあったのか?」「ほかに道はないのだから仕方ない」といえるでしょうね。たいていの歴史的事件には「そういう方向に行った、それなりの必然性があるから」です。

*1:まあその頃は民主党が共闘に非常に否定的でしたし、一方自民も今の安倍ほどひどくなかったのでねえ。

*2:まあ黒坂とか同類のやってることは批判ではなく言いがかりですが。

*3:まあ黒坂らウヨ連中の批判は「日本共産党ソ連と同じだ」みたいな批判が多いですからねえ。それが「野党共闘」なんぞされた日には「野党共闘してるのにソ連と同じなの?」と「野党共闘支持者」から突っ込まれて「弱ったこと」になりますからね。「批判のし甲斐」とやらもなくなるでしょうよ。

*4:インド初代首相

*5:邦訳はみすず書房

*6:ただし、この産経記事だけでは詳しいことがわからないので評価は困難です。殴っていい、死なせていいとは言いませんが「常習的に殴っていたのか、そうではないのか」「死んでもおかしくないような殴り方なのか、打ちどころが悪くて死んだような不運な事件なのか」で評価は変わってきます。

*7:具体的に誰のことなのか?

*8:そもそも一共産党員にすぎない吉岡氏相手にこんな放言しても全く無意味ですので。黒坂が本気でそう思うのなら「左翼歴史学者」とやらに公開質問でもしたらどうか?