今日の産経ニュースほか(2019年9月28日分)

WEB特集 日本からノーベル賞受賞者が出なくなる!? | NHKニュース
 まあ、中国が科学技術振興を目的にかなり予算を付けてるのに対し、日本はその逆ですからねえ。
 「利口な独裁者」のほうが「馬鹿な民主的に選ばれた政治家(安倍を民主的に選ばれた政治家と言っていいかは疑問符がつきますが)」より「科学振興には役立つ」とはいえるでしょう。
 なお、「企業との連携でカネを引っ張ればいい(結論)」つうこのNHK記事には「おいおい」ですね。それが出来るのは主として「金儲けに直接つながる学問分野」、特に「理工系の応用科学」でしょう。全ての学問(典型的には人文科学、社会科学、理工系の基礎科学など)が「金儲けにつながるわけではない」のはいうまでもありません。
 結局、この記事の結論は「政府の科学予算削減方針は変わらないから企業からカネ引っ張るしかない*1」という諦念(さすがに積極的にそれを支持してるわけではないでしょうが)を前提としており、記事タイトルと結論がかなり乖離してるように思います。
 結局、安倍が怖くて「基礎科学にもっと政府予算を付けるべきだ」とはいえないわけです。


【ラグビーW杯】中谷元・議連会長「運ではなく実力」「サムライ精神発揮」 - 産経ニュース
 「サムライ精神って何ですか?」「サムライ精神のせいで勝てたんですか?」と聞きたくなりますね。そもそも外国人選手が多数いるのにサムライ精神もないでしょう。まあ、それ以前に「日本人であっても先祖が武士ではない人間(ほとんどの日本人はそうでしょう)」にどんな「サムライ精神」があるのか謎ですが。


城島さん結婚、父親に 「TOKIO」メンバー - 産経ニュース
 相手が「一般人」ではなく過去に共演した女性タレントで、すでに妊娠*2とは、「事務所や城島」が結婚発表するまで、芸能マスコミが交際の事実に気づかないとはとても思えません。
 しかし「事務所や城島の発表前」に、週刊誌やワイドショーで「スクープ・城島に女性タレントとの交際発覚、来年三月に出産予定」などとはならないのはやはり「ジャニーズの力」でしょうか。
 しかし「年齢差が20歳もあって、城島と、結婚相手の両親の年齢がほぼ同じ」つうのには苦笑します。


窃盗やセクハラで巡査懲戒 石川県警、公表せず - 産経ニュース
 私的行為だからすぐには公開しなかったというのは詭弁にもほどがありますね。隠そうとしたのに隠しきれなかっただけでしょうに。  


【昭和天皇の87年】スターリンさえ手玉に…松岡洋右の“電撃外交” - 産経ニュース

 松岡は当時、焦燥感にかられていた。アメリカを牽制しようと日独伊三国同盟に踏み切ったものの、かえって対日制裁の拡大を招いた。ドイツの仲介で進めようとした対ソ交渉も、ほとんど成果を上げていない。そこで松岡は、自らベルリンに乗り込んで枢軸関係の強化を誇示するとともに、モスクワにも足を伸ばして不可侵条約を締結し、アメリカにさらなる圧力をかけようとしたのだ。

 産経も書いてるように松岡も「いざとなったら三国同盟で日米戦争」を覚悟しているとはいえ原則として同盟は「核兵器をネタにした北朝鮮瀬戸際外交」のようなもんです。
 「核保有してほしくないなら米国は制裁解除しろ」「我が国には中露の支援があるんだ、だから米国に開戦の選択肢はないはずだ」(北朝鮮)と同様に「いざとなったら、三国同盟で戦争する用意がある(それがいやなら米国は妥協しろ)」つう瀬戸際外交を松岡は狙っていた。問題は今のところ北朝鮮瀬戸際外交が戦争になど発展してないのに対し、松岡の場合「戦争がやれるもんならやってみろ、こっちこそ三国同盟なんか怖くない。日本の方こそぐちゃぐちゃ言ってないでとっとと中国から撤退しろ(米国)」「そうだ、米国なんか怖くない、戦争しよう(日本国内の反米派)」となってしまい瀬戸際外交瀬戸際外交でなくなり、日本から開戦したあげく敗北し、戦後、松岡が戦犯として訴追されたことです。松岡にとっては本当に不本意だったでしょう。

 シベリア鉄道の車中で、松岡は随員らを相手にしゃべりまくった。
 「ロシア革命に干渉したシベリア出兵はアメリカの謀略だった、アメリカの策謀が日本の真意をあやまらせた、日本はソ連と結ばねばならぬ」
 車内に盗聴器が仕掛けられていることを知っての、“リップサービス”である。こういう芸当ができるのも、松岡の持ち味の一つだ。

 こうした行為を本当に松岡がしたのかどうか、ただの都市伝説に過ぎないのかはともかく、この松岡の話こそが

そんな程度の人間が偉そうに何を言う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
 盗聴を前提として、わざと先方に聞かせ、交渉を有利に運んだとされるのが、平成14年に、当時の安倍晋三官房副長官が、小泉純一郎首相とともに電撃訪朝した「小泉訪朝」です。
 会談で拉致問題を認め、謝罪しようとしない北朝鮮側に対し、安倍氏は宿舎で「謝罪がないなら、平壌宣言への調印は止めて帰りましょう」と大声をあげ、その直後の協議で、金正日総書記が謝罪しています。

と言う与太話のルーツなのでしょう。
 まあ松岡の話にしたって

そんな程度の人間が偉そうに何を言う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
・馬鹿。三文映画じゃないんだから(笑)、いいかげんにしろよ。
 常識的に考えて、(ボーガス注:松岡の場合、日ソ外交は)実務者交渉の段階でつめられているし、仮に詳細が未定であったとしても、そんな発言で左右されるようないいかげんなものではありません。
・どうでもいい話ですが、産経新聞や国家基本問題研究所系の連中は、北朝鮮の調査や発表その他を「猿芝居」とか罵りますが、この話のほうがよっぽど馬鹿でしょう(笑)。ばかばかしいにもほどがあります。

でしょう(事実なら松岡が、都市伝説ならこんな話をでっち上げた奴が「バカ」)。

 モスクワに着いた松岡は3月24日、クレムリン宮殿にソ連外相のモロトフ*3をたずねた。しばらくしてスターリンも姿をみせ、2人は固い握手を交わす。
 その場で松岡は、臆することなく一席ぶった。
 「日本人は道義的共産主義者である。この理念は遠い昔から子々孫々受け継がれて来た…」

 プーチンに媚びまくる安倍を連想させます。「道義的共産主義とは何のことか?」と聞かれたらどう答える気だったんでしょうか?


【昭和天皇の87年】戦争回避のラストチャンス!? 野村吉三郎の“湊川の戦い” - 産経ニュース

 野村*4のもとに、外相の松岡洋右*5から「お会いしたい」との電報が届いた。松岡は当時、日独伊三国同盟の締結に向けて奔走しており、いわば時の人だ。同盟に否定的だった自分に何の用だろうと、首をかしげて帰京した野村の自宅に、松岡が早速たずねてきた。
 「駐米大使に御苦労願いたい」

 これからわかること、それは三国同盟派の松岡ですら「対米戦争は回避したい」と一応は思っていたと言うことですね。


リベラル21 消費税減税は左派ポピュリズム
 消費税減税は左派ポピュリズムではなく*6「当然の施策」、「その代わりに法人税所得税累進課税を高めるべき」と小生は思いますがそれはさておき。
 れいわや共産*7が唱える「消費税減税」が必ずしも支持されないのは両党の問題というよりは
1)いわゆる三党合意により主要政党(自民、公明、民主(今の国民民主と立民))が消費税の立場であることを示した
2)日本のメディアもこの件では消費税増税容認派が非常に多いこと
 つまり「消費税増税が正しいという情報があふれて、そのように無意識のうちに思い込まされてること(こうしたことを「無限のリヴァイアス」ではなく、「無意識のバイアス(偏見)」と言います*8)」や「仮に間違いでもそれが世間の趨勢だから逆らえないと諦めさせられてること(過労死などで見られるいわゆる「強制された自発性」という現象のこと)」の影響であって

 前向きの実現可能な政策を練ることなく、後ろ向きの政策で、当座の支持を増やそうという見え透いた魂胆は、簡単に見破られる。安易な政策提言は党の信頼性を損なうだけである。

などという話では全くありません。
 「マスコミがアンチ韓国情報ばかり垂れ流したため、安倍の嫌韓国行為への批判が必ずしも高まらない」のと全く構図は同じです。
【参考:無意識のバイアス】

カーテン1枚で変わった男女差 無意識の偏り気づくには:朝日新聞デジタル
 1970年代以降、米国の多くの交響楽団がカーテン越しに(ボーガス注:演奏を聴いて)団員を審査する方法を採りました。当初はバーンスタイン*9を始め、多くの楽団監督がこの方法に反対しました。『我々は外見には左右されない。音楽の質しか気にしない』と。でも現実は、女性演奏家の割合が5%から35%に増えたのです。

無意識の偏見、自覚して 女性活躍の妨げ、静岡県各地で対策講座|静岡新聞アットエス
 「子育て中の女性は泊まりがけの出張はできない」「男性の方がリーダーに向いている」。
 このように考えたことはないだろうか。「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」と呼ばれる先入観や思い込みが女性活躍や組織の多様性を妨げるとして、対策を講じる動きが静岡県内の自治体や企業に増えている。

会社内差別を生む「無意識バイアス」の正体 | ワークスタイル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
 「あなたは同僚を性別で差別していますか?」。
 面と向かって聞かれたら、ほとんどの人は「いいえ」と答えるだろう。では、こう聞かれたら、どうだろう。
 「1歳の子どもがいる社員に海外出張の打診をしますか?」。
 部下が男性だった場合と女性だった場合に分けて考えてほしい。「答えに迷った」という人は、ぜひ、続きを読んでほしい。

「女性は…」無意識の偏見、登用・成長機会に影響|WOMAN SMART|NIKKEI STYLE
 働き続ける女性は増えたが、登用は遅れが目立つ。要因の一つは誰にでもある「無意識の偏見」。「女性は管理職に向かない」など知らず知らずの思い込みが判断をゆがめる。まずはそうした偏見があると知り意識することが大事。管理職らには個として部下に向き合う姿勢が求められる。
 無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)とは「特定の人や属性に対して知らず知らずに持つ偏った見方や意見。人間の機能として持っていて誰にでもある」。
 こう説明するのは、米国など海外のダイバーシティ(人材の多様性)の動向に詳しいコンサルタントのパク・スックチャさん。「無意識に対しては意識で対応するしかない。まずは何にどういう偏見があるか認識することが必要」と説く。

 ググった限りではこのように「女性管理職が少ない理由=無意識のバイアス」と言う記事が多いですが、もちろん「無意識のバイアス」はそれにとどまるものではありません。
【参考:終わり】

 そもそも「見え透いた魂胆は、簡単に見破られる」などというお利口な国民なら「安倍の嫌韓国行為」などもっと批判してるでしょうし、そもそもそんなお利口な国民ばかりなら「上から目線で説教たれるリベラル21」など存在しなくてもいっこうにかまわないわけです。
 というか

日本的な社会保障を維持したまま、マレーシアに倣って消費税廃止という論理は、まったく説得力がない。

っていつそんなことを共産が言ったのか。
 そんなことを言ってるのは「れいわ」であり、以前から共産は盛田が主張する「所得税法人税累進課税強化」も主張しています。
 まあ、「数少ない消費税減税派れいわ」に配慮して、共産はこの件では「れいわ批判(マレーシアと日本は単純比較できない、なそ)は自重している」かもしれませんが、それは「日本的な社会保障を維持したまま、マレーシアに倣って消費税廃止」つう話では全くありません。
 むしろ「民主党霞が関埋蔵金論を非現実的と批判」「安倍の嫌韓国行為を批判する」「朝鮮学校無償化除外に反対する」「天皇制廃止を唱える」など共産ほど「悪い意味でのポピュリズムから遠い政党もない」でしょう(だからこそ悪い意味でのポピュリズムが大嫌いな俺は共産を支持しますが)。
 つうかなんで阿部治平と言い、広原と言い、今回の盛田某と言い、何でこうリベラル21の連中は日本共産党をやたら敵視するのかさっぱりわかりません。「日本共産党を評価しますと言う文章は載せない」と言う申し合わせでもあるのかとか、共産党員の参加お断りなのかとか聞きたくなります。
 まあ、そもそも

盛田常夫*10(経済学者、在ハンガリー)

なんて「新聞やテレビの情報でしか日本のことを知らないであろう人間」に「日本人」で「リベラル21幹部連の知人友人」だからといってこんな文章を書かせること自体に俺は呆れますが。

*1:そもそも大学は企業の金儲けのために存在してるわけではありません。

*2:知らない人ですが、これを機に引退するのかどうか気になるところです。

*3:スターリン時代の外相。フルシチョフ政権でも引き続き外相を務めたが次第にフルシチョフと対立。外相を更迭された。

*4:軍令部次長、呉鎮守府司令長官、横須賀鎮守府司令長官、阿部内閣外相、駐米大使、枢密顧問官など歴任

*5:満鉄総裁、第二次近衛内閣外相など歴任

*6:というかそもそも「左派」と付ける必要はどこにもないでしょう。日本の右派に消費税減税論を唱える党派が少ない(全くないわけではありません)とはいえ、これは右派左派関係する問題ではありませんので

*7:なお盛田は「れいわの主張に共産が飛び乗った」などとデタラメ書いていますがれいわが存在する以前から共産党は減税論を主張しています(正確には最終的には廃止だが当面は減税。減税も3%や5%に下がればいいが当面は8%現在)。無知なのか嘘つきなのか知りませんが「盛田はいい加減にしろ」といいたい。

*8:すいませんね、くだらないだじゃれで(俺はそういう人間です)。まあ、それはともかく「ハンセン病は隔離が必要な病気」「黒人はスポーツの才能がある」とか「無意識のバイアス」は昔からいくらでもあります。

*9:1918~1990年。作曲家、指揮者、ピアニスト。

*10:著書『ハンガリー改革史』(1990年、日本評論社)、『ポスト社会主義の政治経済学:体制転換20年のハンガリー』(2010年、日本評論社)など。つまり経済学者といったところで盛田の専門は「ハンガリー経済」に限定されます。