新刊紹介:「前衛」11月号(追記あり)

 「前衛」11月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。「興味のある内容」のうち「俺なりになんとか紹介できそうな内容」だけ簡単に触れます。「赤旗記事の紹介」でお茶を濁してる部分が多いです。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
■グラビア「午後の公園」(久保田容子)
(内容紹介)
 「じゃんぼさん」の芸名で紙芝居を行う女性が取り上げられています。

JR目白駅前「ジャンボさんの紙芝居」大拍手! - なつかし亭巡業日記 - 人をつなぎ 時代をつなぐ、なつかし亭紙芝居
 東京目白駅前の紙芝居に勉強に行きました。出演の「じゃんぼさん」こと”岡本りおさん”は、日本を代表する街頭紙芝居師の梅田佳声先生*1と並ぶ永田為春先生に師事し多方面で活躍しています。
 会場では、昭和のなつかしい「カタ抜き*2」「ソースせんべい」「梅ジャム」などが販売され楽しい昭和の街角が再現されました。

東京新聞:紙芝居 待つ子がいる限り 江戸川「最後の1人」継いだ女性:社会(TOKYO Web)
 最後の街頭紙芝居師と呼ばれた永田為春(ためはる)さん(91)が引退したのち、その意思を継ぎ、子どもたちから「じゃんぼ」の愛称で親しまれる女性が東京都江戸川区の路上で紙芝居を続けている。
 「じゃんぼ」の正体は豊島区の岡本理世(りよ)さん(年齢非公表)。大学で演劇を学び、東京の劇団で芝居に打ち込んだ。だから、紙芝居は臨場感たっぷり。
 「じゃんぼ」は、身長が一七三センチあることから劇団時代に付いた愛称だ。
 江戸川区に住む永田さんとは、知人を通じて二〇〇七年に知り合った。一心に演じる迫力に「これで生きてきたという自信に満ちていた」と魅了された。
 七年ほど前、高齢を理由に引退した永田さんから「やる気があるならやってみたらどうだ」と言われ、自転車や道具を譲り受けた。駄菓子の売り上げやイベントの出演料で生計を立てる。

http://blog.canpan.info/unineu/archive/1
 日本で唯一残る紙芝居の原画。その原画を使った「三邑会」の紙芝居師「じゃんぼさん」の紙芝居です。
 東京で活躍するじゃんぼさんが、月に1回大阪にやってきてきてくれますよ!!
 「じゃんぼさん」は、関東で活躍する89歳現役紙芝居師「永田為春さん」の最後の弟子で、元「水森亜土さん*3」の付き人という異色の経歴の持ち主です。


新版『資本論』刊行記念講演会
■あいさつ:「ルールある経済社会」と『資本論』―新版刊行によせて(志位和夫*4
■21世紀のいま、なぜマルクス新版『資本論』を学ぶのか(萩原伸次郎*5
■新版『資本論』の特徴と魅力(山口富男*6
■記念講演:『資本論』編集の歴史から見た新版の意義(不破哲三*7
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。正直な話、小生はマルクスを「偉人」として尊敬はしていますが、その尊敬は「マルクス主義信奉」と言う意味合いではないし、バカなのでマルクス主義もよく分かりません。共産党支持も決して「マルクス主義支持」ではなくむしろ「福祉や教育の重視」「護憲軍縮」「財界批判が出来るのは共産党だけ」つう意味合い(つまり1980年代なら小生は社会党社民連を支持した可能性が大)ですので、記事紹介だけで特にコメントはしませんがご容赦下さい。もちろん「新版」が出来たのには「旧版」ではダメな理由があるわけですがそれを評価するだけの能力は小生にはありません。
 なお、ご存じの方も多いでしょうが資本論は「全三巻」ですが、マルクス生前に刊行されたのは「第一巻」だけです。第二巻、第三巻は「草稿しか残っていなかった」のをマルクス死後、盟友エンゲルスが編集したものであり、それが今回の「新版編集」にも影響してるわけです。
 つまり以前から「エンゲルスの編集は果たしてマルクスの真意を正確に伝えてるものなのか」と言う議論があり、そこで「全て正確に伝えてる」「正確に伝えてないところもある、ここはこう編集すべきだった」など意見百出であり、それをどう認識するかで資本論理解、マルクス・エンゲルス理解も大きく変わってきます。とはいえ小生はそうしたことを正確に理解できるほどの脳みそが残念ながらありませんが。


マルクス『資本論』のすすめ/新版の刊行によせて/不破哲三・萩原伸次郎・山口富男 3氏語る
マルクスの学説 到達点鮮明に/新版『資本論』刊行記念講演会開く/志位氏あいさつ 不破氏が講演
新版『資本論』刊行記念講演会/『資本論』編集の歴史から見た新版の意義/不破哲三党社会科学研究所所長の講演(詳報)
新版『資本論』刊行記念講演会/今なぜ新版『資本論』を学ぶのか 萩原伸次郎 横浜国立大学名誉教授/新しい条件生かした新版の魅力 山口富男 日本共産党社会科学研究所副所長


■2019年参議院選挙と憲法運動の「新たな段階」(奥野恒久*8
(内容紹介)
 Q&A形式(架空問答)で書いてみます。
Q(俺)
参院選結果について感想をお聞かせ下さい」
A(奥野氏)
新刊紹介:「前衛」10月号(追記あり:日本ラグビー代表、事前予想を裏切り決勝トーナメント進出) - bogus-simotukareのブログでの上脇博之さんや佐々木森夢さんの意見とかなり共通しますが、まずは『改憲派2/3が阻止できてホッとした』というところですね。安倍政権が下野しなかったと言う点では到底ベストとは言えません。また、N国党が議席を獲得する、投票率が48%と非常に低かったなど嘆かわしいところはありますし、そこをどう克服するかという問題はありますが、改憲派2/3という最悪の事態を避けられたことは良かったと思います。そしてこの事は改めて野党共闘の重要性を示していると思います。なお私個人は、近年、日本でも注目されている政治学シャンタル・ムフ*9やエルネスト・ラクラウ*10が主張する左派ポピュリズムという議論に注目しています。それぞれの国の事情は違いますし単純評価も出来ませんが、米国のサンダース、英国のコービン労働党を左派ポピュリズムの代表とみるムフやラクラウは左派ポピュリズムを『これからの左派が目指すべき道ではないか』としています。彼らはポピュリズム全否定の立場ではない。右派ポピュリズム(米国のトランプ、英国のEU離脱派、フランスのルペンなど)を支持する人間のウチ、一部は『必ずしも極右イデオロギー支持ではなく既成政党への不満がポピュリズムに向かっている*11』とし、そうしたポピュリズム支持を一方的に批判するだけでなく、そうしたポピュリズム支持層をどう左派が右派から取り返していくかというような議論の立て方をしています。
 手放しで礼賛する気はありませんがムフらの議論や、彼らが評価するサンダースやコービンの健闘から日本の左派が学べる点は多々あるのではないかと思っています。米国では「レーガン再選(1981~1989年)」、英国でも「サッチャー長期政権(1979~1990年)」ということで英米では左派が苦境にあった時期があるわけです。そこからサンダースやコービンが健闘するまでに巻き返してきた。
 また、左派である私の願望込みではありますがれいわの2議席獲得を考えるに日本でも左派ポピュリズムの成立の可能性は充分ありうるのではないでしょうか。また左派ポピュリズムと評価すると当事者には怒られるかもしれませんが、過去の『おたかさん*12ブーム』などもある種の左派ポピュリズムと見なせるかもしれません。土井氏も委員長就任当時はサンダースやコービンのような反主流派だったわけです」 

 つうことで左派ポピュリズムに注目する奥野氏の主張をオレ流に紹介してみました。
 俺的に興味深いのはこうした意見が党機関誌である前衛に掲載されるところですね。もちろん外部筆者の意見は党の意見とイコールではない。
 とはいえ、左派ポピュリズムというのは従来の日本での左派の主張とはやや異なるところがあります。そうした意見を掲載する程度には前衛には一定の自由があるわけです。阿部治平など一部反共分子が悪口雑言するほど共産党は旧態依然なわけではないでしょう。むしろそのような阿部らの悪口の方が共産党に対する見方が「旧態依然、事実無視」ではないのか。
 あるいは安直に物を言うのは禁物ですが、昨今の共産党のソフト化路線と言うのもこうした左派ポピュリズムという議論に対する対応とみなすことも可能かもしれません。小生はムフやラクラウの本を読んでないのでなんとも評価できないのですが奥野氏はムフやラクラウの指摘として「経済問題は重要だが、従来の左派は経済問題を政策の中心に置くととともにそうした経済問題の解決をマルクス主義理論に基づく体制転換によって一気に解決しようとする傾向があった」「それでは脱原発運動、LGBT差別撤廃などといった経済と直結しない問題は抜ける危険性があるし、政府の経済施策に疑問を感じる人間でも体制転換までは望まない人間を遠ざける傾向があった」「より広い層にアピールする運動を展開していく必要がある」という指摘を挙げているからです。

【参考:左派ポピュリズムについて】
いま「左派のポピュリズム」に注目すべき理由 :朝日新聞GLOBE+
 ラクラウ『現代革命の新たな考察』(2014年、法政大学出版局)やムフ『左派ポピュリズムのために』(2019年、明石書店)の訳者であり、『不審者のデモクラシー:ラクラウの政治思想』(2016年、岩波書店)と言う著書もある山本圭立命館大准教授(1981年生まれ)へのインタビュー記事です。しかし「山本圭」ねえ。ご両親が山本圭 - Wikipedia(1940年生まれ)のファンなんでしょうか?。
 岡田奈々 (AKB48) - Wikipedia(1997年生まれ)はご両親が岡田奈々 - Wikipedia(1959年生まれ)のファンらしいですが。

社会主義やマルクス(エンゲルス)などが世界的に復権しているようだし、極右への反発も生じている(しかし日本は?) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
今週の本棚:中島岳志・評 『左派ポピュリズムのために』=シャンタル・ムフ著、山本圭・塩田潤・訳 - 毎日新聞
不確かな立場の人々つなぐのは|好書好日
〔週刊 本の発見〕シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』


■教員を、これ以上長く働かせるというのか:「一年単位の変形労働時間制」法案への批判と対案(藤森毅*13
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
教員に変形労働時間制/中教審 文科省、論点を例示
教員変形労働盛る/文科省骨子案 懸念・疑問相次ぐ/中教審部会
変形制導入に教育現場懸念/「長時間労働さらに加速」
変形制は長時間労働助長/吉良議員 教員増と授業数上限を/参院文教科学委
変形時間制 教育危うく/東京 教員の長時間労働考える集会
教員の疲労困ぱい 正そう/教育関係者・過労死遺族ら発言/変形労働制撤回求め集会
教員の変形労働制反対/教職員増やして 全教国会前行動
教員の変形労働導入に反対/安倍政権の特別措置法改定案提出/共産党、長時間勤務なくす「提言」/小池氏が記者会見
教員をこれ以上、長時間働かせるのか――「1年単位の変形労働時間制」導入に強く反対する/2019年10月21日 日本共産党
主張/教員の変形労働制/教育に大きな弊害 導入許すな
【2019年11月15日追記】
教員変形制導入 緊迫/衆院文科委 畑野議員が批判
公立教員に変形労働制/与野党合意なく自公賛成で可決 畑野氏が反対討論/衆院文部科学委
“教員の過労死促進”/畑野氏 変形労働制を批判/衆院文科委
【2019年12月8日追記】
日米貿易協定 教員変形労働制 採決に抗議/共同の力で安倍政権倒そう/国会前で緊急行動
 残念ながら法が成立しましたが、これは「変形労働が可能だ」と言うだけの話であり、「変形労働しなければいけない」わけではありません。
 また「変形労働がなければ過労がなくなるわけでもない」。現状においても教員は過労状態にあるわけです。
 この法が仮に不成立に終わっても(残念ながら成立しましたが)それだけでは戦いは終わらないわけです。
 ひとまずは「変形労働の導入を阻止する現場の戦い」が重要になるでしょう。もちろんそれとは別途「法の再改正」「変形労働問題にとどまらない様々な過労防止の取り組み(30人学級の導入など)」などいろいろとすべきこと、目指すべきこともあるわけです。


■問われているのは日本の植民地支配への反省(加藤圭木*14
(内容紹介)
Q&A形式(架空問答)で書いてみます。
Q(俺)
「日韓関係の悪化についてお考えをお聞かせ下さい」
A(加藤氏)
「私個人は日本社会に『日本が韓国を植民地支配した加害者である』にもかかわらず『被害者である韓国側の声に虚心に耳を傾け、日韓間の共通理解、合意、和解を目指す』という考えがあまりにもなさ過ぎる点に問題があると思います。
 これは韓国に限った話ではなく中国や東南アジアもそうですし、以前から笠原十九司*15林博史*16、吉見義明氏*17など多くの歴史学者が指摘していることでもありますが、日本人には加害認識が余りにもなさ過ぎます。8月にもっぱら語られるのは東京大空襲や原爆投下といった被害の話ばかりです。
 だからこそ南京事件否定論などと言うデマが未だに産経新聞などに掲載される。加害者(日本)が被害者(韓国)を反日などと罵るとは常軌を逸しています。アメリカ人が『原爆ドームは反米だ』といったら、ロシア人が『北方領土は我が国が合法的、正当に得た領土であり、日本の北方領土返還要求は言いがかりであり反ロシアだ*18』といったら日本人の多くは怒るのではないでしょうか。しかし安倍政権が韓国相手にしているのはまさにそういうことです。日本人はまず『自らが加害者なのだ』ということを直視すべきでしょう。問題は韓国側よりももっぱら日本側にあると思います。」 
「例えば徴用工判決については、安倍政権の『日韓協定違反だ』などという意見が一方的に垂れ流されています。しかしそれは「争いのない当然の話」などでは全くありません。
 それはたとえば
徴用工問題の公正な解決を求める――韓国の最高裁判決について/志位委員長が見解
「被害者個人の請求権は消滅せず」の一致点で解決に努力を/志位委員長の一問一答
という『韓国最高裁判決を日韓協定違反だとする安倍政権の主張は間違ってる』と批判する日本共産党・志位委員長の意見を見れば明白でしょう。ところがこうした志位氏のような意見はマスコミでは、特にテレビワイドショーではほとんど取り上げられません」
「なお、私としては『日韓協定違反』などという法的問題に話を矮小化することにも大変問題があると思います。仮に韓国最高裁判決が日韓協定違反なら日本の韓国植民地支配には何一つ問題はなかったのか(私個人は韓国最高裁判決を志位氏同様、むしろ評価していますが)。そういう話ではないでしょう。損害賠償という法的問題をどう考えるか、と言う前にまず『日本の植民地支配は道義的、政治的に問題があった』ということを認めるべきでしょう。たとえば仮の話ですが、北方領土問題について結局『今のままの状態』で法的に決着したとしましょう(今のままではそうなる可能性が高いと私は思っていますが)。ならば『日本の四島返還要求は最初から間違っていた』『ソ連の侵攻は正しかった』のか。そういう話ではないでしょう。法的な問題と政治的、道義的な問題は別問題です」
 「私が極めて問題だと思うのは世間的に、『韓国通』『韓国研究者』扱いされている人間に『日本が正しい、韓国が間違ってる』という主張をメディアで垂れ流してる人間が多数いることです。たとえば彼らの著書の一つ『だまされないための「韓国」*19』(2017年、講談社)などという著書は書名(どう見ても「韓国にだまされないための」としか理解しようがない)からし嫌韓国以外の何物でもないでしょう。
 マイナー極右出版社ならまだしも、こうした嫌韓国本が大手出版社・講談社から出版され、大手出版社・小学館週刊ポストには嫌韓国記事が平然と載る。日本の言論状況に改めてため息が出ます。
 彼ら「韓国通」の言動は『山野車輪立川志らくと何ら変わりない嫌韓国言動』と言っても過言でないと思います。私も韓国研究者の一人として「韓国通」として扱われる彼らのような意見にどう対決していくべきか真剣に考えざるを得ません。彼ら「韓国通」の存在が「韓国通も韓国批判している」として嫌韓国をあおってることは間違いないからです」
「なお日韓友好は勿論大事なのですが、それだけで話をすると抜け落ちてしまうところがあると思います。たとえばホワイト国除外をきっかけとするジーソミアの延長停止。もちろん安倍政権の行為はWTO違反の疑い濃厚な愚劣な行為であり即刻撤回してしかるべきです。また安倍政権の無法な行為がなければジーソミアの延長停止はおそらくなかったでしょう。なぜなら、安倍政権がホワイト国除外をする以前には、文政権はジーソミアを延長しているからです。安倍政権がこうした無法な行為を撤回すればジーソミアは延長される可能性もあると思います。ただしそれではジーソミアが延長されることは無条件でいいことなのか。北朝鮮ジーソミアについて強く反発していることを考えれば、朝鮮半島の緊張緩和に配慮し、ホワイト国除外が撤回されても、あえてジーソミアを延長しない、あるいは延長するにしても、別途北朝鮮の反発を和らげる施策を行うという考えもあり得るわけです。ジーソミアの是非はともかく、ジーソミアを続けるというのは一つの政治的価値判断であり、当然の考えではありません」

「いろいろとご意見ありがとうございます。加藤先生の言う『韓国通』『韓国研究者』扱いされている人間とは、具体的には浅羽祐樹*20同志社大学教授、木村幹*21神戸大学教授、武藤正敏*22・元駐韓大使などのことですね。彼らは「元外交官(駐韓大使館勤務)」「大学教授(韓国研究)」と言う肩書きを持つが故にその害悪は「素人扱いされてる」山野や志らくより大きいと言ってもいい気がします。
 浅羽や木村については
従軍慰安婦問題についての浅羽祐樹教授の見解がよくわからない - 法華狼の日記
浅羽祐樹『韓国化する日本、日本化する韓国』巻末の読書案内を読んで、池上彰氏と同じくらいの信頼性と感じた件 - 法華狼の日記
木村幹氏が吉方べき氏に剽窃されたと主張している件についてメモ - 法華狼の日記
木村幹氏は吉方べき氏より先に自分の記憶力を疑うべき - 法華狼の日記
SYNODSの鼎談記事で、談話順守の要求を浅羽祐樹氏が「極論」にふくめていた件 - 法華狼の日記
浅羽祐樹『韓国化する日本、日本化する韓国』において、「強制連行はなかった」等の事実誤認が「いちいちもっとも」と評されていた件について - 法華狼の日記
「韓国化する日本」という言葉について、タイトルにもちいた浅羽祐樹氏による説明と、実際の使用例の乖離 - 法華狼の日記
村山富市氏に対する木村幹氏の魔女狩り論理 - 法華狼の日記
と言った批判を参考に紹介しておきます」
「話は変わりますが、日本の韓国植民地支配を近代化、経済発展に貢献したと美化する意見についてはどうお考えですか」

「まず第一に経済発展すればそれでいいのか、と言うことですね。であるならば、『中国共産党の政策によってチベットウイグルは豊かになった、チベットダライ・ラマ)やウイグルラビア・カーディル)から中国政府に反発する意見がなぜ出るのか。反発するのはおかしい』『中国を批判するI濱Y子*23早稲田大教授やM谷N子*24・明治大准教授はおかしい』という話になってしまいます。しかし韓国植民地支配を経済発展で美化する産経など極右は、チベットウイグル問題でそんな「中国政府擁護」は言わないわけです。『仮に経済発展していても民族性が否定され同化政策がされてるなら問題だ!』『一部報道に寄ればウイグル自治区ではイスラム的行為(モスクの参拝など)が不当に制約、侵害されているらしい!』などと中国を非難する。ならば韓国植民地統治だって話は同じはずです。豊かにすれば神社参拝や創氏改名の事実上の強制と言った同化政策、民族性否定政策をしていいのか。そんな馬鹿な話はないでしょう」
「第二に『近代化して経済発展して豊かになった』という物言い自体が極めて一面的で問題があります。これからの私の話は『チベット(あるいは内モンゴル)が近代化しても漢民族にしかメリットがなかった、チベット人(あるいはモンゴル人)に何のメリットもなかった』という、ボーガスさんが『そんなわけねえだろ、ペマ(あるいは楊)はデタラメ言うな!』と批判されている『ペマ・ギャルポや楊海英の中国批判』と同じように聞こえるかと思います*25が(苦笑)、植民地支配というのは基本的に『宗主国(韓国植民地支配の場合、日本)の利益のため』に行われるわけです。「宗主国にしか利益はない」ということはさすがにありませんが、当然ながら、植民地統治は必ずしも現地住民の利益を目的としていませんし、現地住民の利益を犠牲にすることすらあります。これについては、私の著書『植民地期朝鮮の地域変容:日本の大陸進出と咸鏡北道』(2017年、吉川弘文館)でも論じましたのでお読み頂ければ幸いです。こうした問題について例えばウィキペディア『朝鮮産米増殖計画』を見てみましょう」

ウィキペディア『朝鮮産米増殖計画』
1920年代に当時日本領であった朝鮮半島で行われた朝鮮総督府主導の土地・農事改良事業。
 明治以後、日本は急激な人口増加と生活向上に伴って米の需要が高まったが、当時の日本国内の生産力はその需要に対応しきれず、20世紀に入った頃には日本は米の輸入国になっていった。当時の日本では工業生産性を維持するために賃金の抑制を図る必要があったが、そのためには賃金の動向に大きな影響を与える主食である米の価格(米価)を抑制していくことが重要であった。米価の抑制のためには大量の米を日本本土に輸入する必要があったが、安定的な輸入は困難で、日本の国際収支の悪化要因にもなっていた。第一次世界大戦中にはその問題は深刻化して、1918年の米騒動へと発展した。
 1920年朝鮮総督府は30年計画で80万町歩相当の土地改良を行うことを目標とし、まず最初の15年で2億4千万円の経費を投じて43万町歩分の土地改良を行おうとした。これによって900万石分の米の増産が図られ、うち700万石分を日本本土へ移出することで日本国内の米価が下がり、更に朝鮮半島住民の生活も向上して独立運動が沈静化するという目論見であった。
 だが、第一次大戦終戦後の戦後恐慌の影響もあって最初の数年で計画通りの実施が困難となり、実際に行われた土地改良は9万町歩に過ぎなかった。1926年に「産米増殖更新計画」として改訂して再出発した。だが、世界恐慌の影響による資金不足で事業遂行が困難となり、更に朝鮮米の大量移入は日本本土の農村恐慌を悪化させるとした世論の批判も登場するようになった。このため、1934年に事実上の計画打ち切りとなった。
 この間、土地改良や水利改善によって生産性の向上はあったものの、その反面大地主(日本人が多い)への土地集積や融資の返済に苦しむ中小農民の生活苦の深刻化、更には日本本土への米の移出増大を達成するために、却って朝鮮半島における1人あたりの米消費量が減少するなど、朝鮮総督府の目論見には程遠いものであった。
■参考文献
・田中慎一「朝鮮産米増殖計画」(『国史大辞典 9』(吉川弘文館、1988年))
・村上勝彦「朝鮮産米増殖計画」(『日本史大事典 4』(平凡社、1993年))
・田中慎一「朝鮮産米増殖計画」(『日本歴史大事典 2』(小学館、2000年))

「このウィキペディアの記述だけでも
1)朝鮮産米増殖計画が『日本の米不足を解決する』というもっぱら日本側の事情で始まったこと
2)計画中止も『日本の農村恐慌をかえって助長する』というもっぱら日本側の事情で中止されたこと
3)計画が『地主(日本人が多い)への土地集積や融資の返済に苦しむ中小農民の生活苦の深刻化、更には日本本土への米の移出増大を達成するために、却って朝鮮半島における1人あたりの米消費量が減少する』といった弊害をもたらしたことが分かるかと思います。
 また、戦前の朝鮮では「南部より北部が工業化されたこと」は有名ですが、これも朝鮮の事情というよりは「満州の工業地帯と連係させる」という日本側の思惑があったことは有名かと思います。
 もちろんだからといって『韓国が植民地支配の下で近代化しても日本人にしかメリットがなかった、韓国人に何のメリットもなかった』といったらウソになってしまいますが、『日本による近代化で韓国民が豊かになって良かった』と単純に言える話ではないことは明白でしょう。これは日本に限らずどこの国の植民地統治も同じだと思いますが」

【参考:韓国植民地統治美化への批判】

「韓国併合」100年/日本は植民地支配で何をやったか
・「併合」にあたって明治天皇詔書を発し「民衆ノ福利ヲ増進」「其ノ康福ヲ増進スベク」と韓国民にとって至れり尽くせりのことであるかのように描きました。しかし、軍隊による厳重監視の下、クーデターのように強行したのが「併合」の実態であり、その野蛮さは36年間にわたる過酷な植民地支配にくっきりあらわれました。
・なによりも、「朝鮮の独立」や「民族自決」を求める朝鮮民族の運動を徹底的に弾圧したことです。併合から9年後の1919年3月、朝鮮全土に広がった「三・一独立運動」では、日本軍・警察による凶暴な弾圧で、死者7600人、投獄者5万人にのぼる犠牲者を出しました。
・「皇民化」の名で朝鮮民族に押しつけたことは、朝鮮語の追放・日本語の常用化、神社参拝の強要、朝鮮式の名前を奪った「創氏改名」でした。

いま振りかえる 植民地支配 歴史と実態(2)/抑圧36年、日本は朝鮮で何をしたか
・警察と憲兵が一体となった憲兵警察制度は、朝鮮の人々を苦しめました。全国すみずみに憲兵と巡査を配置し、暴力的な支配を行い、「武断政治」と呼ばれました。
 1910年から18年まで行われた土地調査事業は、多くの農民が書類の提出ができず、土地の所有権を失いました。取り上げた土地の大部分は総督府のものとなり、そのほとんどが日本人に安く払い下げられました。農民の80%が小作人になります。中国東北部や日本へ移住し、低賃金労働者となり苦しい生活を強いられた人もいました。
・日本は、朝鮮の全ての村に神社をつくり、参拝を強要しました。神社には天照大神明治天皇をまつり、天皇崇拝を押し付けます。これにはキリスト教徒の抵抗もあり、神社は戦後すぐ、ほとんどが取り壊されました。
・1938年に朝鮮教育令の改定で、朝鮮語の科目が消えます。学校で一切の朝鮮語が禁止され、日本語だけで教育を受けさせました。朝鮮語による新聞や雑誌が発売禁止となり、言論がますます統制されていきます。
・朝鮮の人々は一族の系譜を記した「族譜」を大事にしてきた民族です。1940年に日本が実施した創氏改名は、名前を日本式に変えさせようというものでした。拒否する人にはさまざまな圧力が加えられました。

『反日種族主義』批判の日本人学者「朝鮮人が貧しくなったのに収奪・搾取なかった?」 : 政治•社会 : hankyoreh japan
 日帝植民地36年間、日本が朝鮮人を収奪したり搾取したことはなく、むしろ朝鮮経済が大きく発展したという一部学者の主張が相次いでいる。植民地近代化論に力づけられたためなのか、最近の保守派の集会には、甚だしくは日章旗が登場したりもする。しかし最近、日本人学者が植民地に対する収奪がどう行われたのかを暴いた本を出した。ソウル大学で博士学位を得た鳥海豊氏に25日、ソウル市麻浦区(マポグ)孔徳洞(コンドクトン)のハンギョレ新聞社で会った。
■記者
反日種族主義』を全部読んだか?
■鳥海
「大体は読んでみた。2003年に韓国に初めて来た時も、植民地近代化論が話題だった。あの時もキム・ナクニョン*26、イ・ヨンフン*27教授などが同じ主張をしていた。あの本には個人的にはありがたく思う部分もある。私が論文を書いて本を出しても、ほとんどの人は既存の植民地収奪論に関するものではないかと言って特に反応を示さなかったが、『反日種族主義』が出てからは、私の論文が注目されてきた(笑)。もちろん、植民地近代化論に対しては、初めから変だと感じた部分があった」
■記者
 どのような点がそうなのか?
■鳥海
「私の疑問は、収奪や搾取がなかったのに、なぜ朝鮮人はあのように貧しかったのだろうかという点だった。日帝時代、朝鮮に来た日本の人々は、大部分が貧しかったり職がなかった。それなのに、彼らは皆金持ちになった。朝鮮人はさらに貧乏になったが、日本人はほとんど全員が大金持ちになったというのが、とても不思議でおかしくはないか。結局、収奪があったからである。したがって、植民地近代化論は正しくないという結論に至った」
 鳥海豊博士は、今回の本の土台となった博士学位論文(「日帝下の日本人土木請負師の活動と利潤創出」、ソウル大学国史学科、2013年)で、日帝が植民地朝鮮に「投資」したという資本がどう使われて、結局、誰のポケットに入ったのかを究明した。日帝強占期の鉄道建設や産米増殖計画の水利組合事業など、公共工事に必要な資金は、毎年日本本国から朝鮮総督府に与える金でその相当部分が充当された。しかし、それらの金は日本の土木請負師(土木建設業者)にそっくりそのまま渡った。大韓帝国時代には、朝鮮人の土木請負師が少数いたが、日帝強占期には、ほとんどが芽を潰された。朝鮮総督府が公共事業発注で、競争入札ではなく指名入札や随意契約の方法で、朝鮮人の参加を根本から排除したからである。
■記者
 土木建設事業以外でも構造的収奪が行われたのか?
■鳥海
 「二つの重要な仕組みがある。一つは金融だ。大韓帝国時代に作られた銀行を、合邦後に日帝が完全に掌握し、その時から日本人と朝鮮人を差別した。すなわち、日本人には低金利での貸し出しを積極的に行ったが、朝鮮の人々にはしなかった。それで朝鮮人は周りにいる日本人に高金利社債を発行しなければならなかった。結局日本人は朝鮮人を相手に投機をして、結局朝鮮の人々の金が日本人に流れたのだ。もう一つは、植民地時代の構造的な暴力である。回顧録などの当時の記録によると、日本人が朝鮮の人々が運営する店に行き、代金が高いと言いながら殴って値段を下げさせたという話が出てくる。このような私的暴力を警察は放置したため、朝鮮人たちは損害を被っても堪えるしかない状況だった。日本人事業主がまったく賃金を支給せずに逃げる事例も多かった。このように日本人は暴力などを利用して実生活で利益を得たが、朝鮮人は損害を被る構造だった」
 彼は著書で、日帝が意図的に植民地朝鮮を「コメ・モノカルチャー(単一作物)経済」にしたという点も強く指摘した。1941年に総督府の政務総監と会った京城商工会議所の関係者の回顧によると、日本本国の官僚や政治家は、日本本土の工場と競争することになり得るという理由で、朝鮮で工業を興してはならないという方針を持っていた。実際に明治維新の初期に自国では「殖産興業」(政府が主導的に産業と工業を発展させること)を通じて工業を発展させた日本が、朝鮮では官営工場を全く作らなかった。満州事変(1931年)以後に朝鮮半島の北部地方に工場が建てられたが、これは満洲という新しい市場に進出するための踏み台であり、朝鮮の工業発展を企てるものではなかったということである。
■記者
 日本人として日帝の朝鮮収奪論を話すのは容易な事ではないだろう。日本で攻撃を多く受けるのではないか。
■鳥海
「私に対する攻撃は多いが、怖くはない。日本の右翼が誇らしく思う人は、日本のために熱心に仕事をした人ではなく、むしろ外国人のために熱心に仕事をして外国人に誉められる人々だ。例えば、杉原千畝第二次世界大戦末にリトアニアの日本領事館で外交官を務めた人物で、本国政府の拒否命令に反し、日本を経由して米国に行こうとしていたユダヤ人数千名にビザを発給し、彼らの命を救った)の様な人である。杉原は戦争が終わった後、外務省を解雇され貧しく暮らしたが、イスラエル政府が感謝状を与えるとすぐに日本の右翼は、『これが日本精神である』と言いながら彼を担いだ。このようなことを見ると、彼らも今は私を攻撃しているが、10年後には好きになっていると思う(笑)。」
 東京で生まれ育った鳥海豊博士は、日本の早稲田大学経済学科を卒業(1986年)後、職場生活を過ごし、2000年に一歩遅れて韓国史に関する勉強を始めた。日本軍「慰安婦」問題など韓日間の過去の問題が毎日ニュースに流れるのを見て、本格的に韓国に対して関心を持つようになった。ちょうど母校にアジア太平洋研究科が設立され、修士課程に入学した。日本では韓国史の博士課程を勉強できるところがなく、2003年に韓国に渡ってきた。現在、韓国歴史研究院(院長イ・テジン)の常任研究委員として働き、鮮文大学で講義している。


■強制連行・強制労働の犠牲者の遺骨発掘・返還を通じた韓国との交流(殿平善彦*28
(内容紹介)
 貧困と自殺に取り組む僧侶たち - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)などが紹介する社会問題に取り組む僧侶の一人が殿平氏の訳です(殿平氏の場合「強制連行・強制労働の犠牲者の遺骨発掘・返還」)。
 神社の関係者で、戦争の反省を述べた人、神社の戦争責任を述べた人など見たことがない - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)が批判する「戦争に無反省な右翼集団」神社本庁とは「月とすっぽん」とやはりいうべきでしょう。
 Q&A形式(架空問答)で書いてみます。
Q(俺)
「殿平さんがこうした運動に取り組まれたきっかけは何でしょう?」
A(殿平氏
「『常紋トンネル:北辺に斃れたタコ労働者の碑』(1991年、朝日文庫)、『鎖塚:自由民権と囚人労働の記録』(2018年、岩波現代文庫)などの著書で知られる小池喜孝氏(1916~2003年)の運動に関わったことがきっかけです。私は北海道での朝鮮人(韓国人)強制労働には、本土とは違う特徴があると思います。小池著書でも描かれていますが、それは朝鮮人強制労働以前から囚人労働という形で、違法な強制労働が実行されていたと言うことです。そういう意味では北海道では強制労働には抵抗感があまりなかったと言えるのではないでしょうか?」

朝鮮人強制労働の資料館で殿平さんも運営に関わっておられる『笹の墓標展示館(旧光顕寺)』が倒壊の危険性があると言うことで現在閉館状態ですが、再開の見込みは如何でしょうか?」

「再開するために建物を補修する必要があるため、現在、3000万円を目標に募金活動に取り組んでいます。いくら集まるかはわかりませんがなんとか再開にこぎ着けたいと思っています」


【参考:小池喜孝氏】

高倉健「網走番外地」はフィクションではなかった 『鎖塚』 | J-CAST BOOKウォッチ
 「鎖塚」と聞いて、何のことか、すぐわかる人はかなり北海道の歴史に詳しい人だ。公知のように、北海道開拓には多数の「囚人」が動員された。彼らは逃亡しないように、両足に約4キロの鉄玉を付け、ペアとなる囚人と鉄の鎖で繋がれていた。重労働の末に亡くなった人も多かった。鎖を付けたまま埋められた彼らの墓を「鎖塚」というのだ。
 網走から北見に抜ける「北見道路」(163キロ)は「囚人道路」と呼ばれている。
 突貫工事の苛酷な労働だったから逃亡者も出た。「逃亡せる者は斬殺」とされていた。まず足を銃撃し、抵抗すると斬る。「拒捕斬殺」という。これは看守の権限とされた。毎日のように脱走者が出たという。いわば見せしめのために鎖や縄を付けたまま埋葬した。
 著者の小池喜孝さん(1916~2003)は民衆史研究者として知られる。東京生まれ。出版社員などを経て北海道に渡り、北見工業高校の教員になる。オホーツク民衆史講座を主宰し、のちに北海道歴史教育者協議会の副会長も務めて歴史に埋もれた人々に目を向けた。
 小池さんは、民衆史研究者として、1884(明治17)年に埼玉県で起きた「秩父事件」を追っていた。自由民権運動では最大級の事件とされる。首謀者の何人かは懲役10年以上の刑で北海道に送られている。その足取りを調べているうちに、北海道の刑務所に関心を持つようになる。
 北海道には1881(明治14)年以降、樺戸(現月形町)などあちこちに「集治監」(現在の刑務所)ができていた。収監されるのはおおむね重罪の囚人だった。その中には、通常の刑法犯だけでなく、政治犯も含まれていた。西南戦争の敗惨囚もいた。
 本書は「秩父事件」の関係者の消息探しから始まり、さらに「囚人労働廃止をたたかった人々」「朝鮮人・中国人の強制連行と労働」「三池炭鉱から送られた人たち」など地域やテーマが次第に広がっていく。そして、北海道がどのような手立てで開拓されたか振り返る。

■小池喜孝(1916~2003年、ウィキペディア参照)
・1951年(昭和26年)に三笠書房に編集者として勤務。モンゴメリ著、村岡花子訳『赤毛のアン』の刊行に尽力する。
 その後、三笠書房を辞し、1953年(昭和28年)8月に北海道北見北斗高等学校へ社会科教師として赴任。
 1963年(昭和38年)に埼玉県より、秩父事件の中心人物で1918年(大正7年)に野付牛町(現:北見市)で死去した井上伝蔵の足跡についての調査依頼があったことをきっかけに、民衆史の研究に取り組むようになる。
 1966年(昭和41年)に北海道美幌高等学校、1973年(昭和48年)に北海道北見工業高等学校へ異動。北見歴史を語る会を組織。北海道開拓の犠牲者やアイヌ民族等にも目を向け、1976年(昭和51年)には「オホーツク民衆史講座」に発展。小池は1977年(昭和52年)に北海道歴史教育者協議会副会長、1978年(昭和53年)には「人権と民主主義を守る民衆史掘りおこし北海道連絡会」事務局長となった。
 1978年(昭和53年)に北見工業高校を定年退職し、1982年(昭和57年)には息子が教師に就職した埼玉県東松山市に移住。2003年(平成15年)11月28日、肺炎のため埼玉県川越市の病院で87歳で死去。
■『赤毛のアン』の命名
 小池は戦後の一時期三笠書房に勤務するが、その頃、三笠書房は、戦前に出版したマーガレット・ミッチェル作・大久保康雄訳『風と共に去りぬ』を戦後に復刊したところ、女性読者に好評を博していた。社長の竹内道之助(1902~1981年)は、これに続く女性読者を視野に入れた新しい翻訳作品を求めていた。そこで編集者となった小池が、戦前からそうした翻訳書のある村岡花子(1893~1968年)のもとを訪れ、何か新しい作品がないかどうか尋ねた。
 村岡はその時、戦時中に翻訳したL・M・モンゴメリ作 Anne of Green Gables の訳稿を持っており、小池が村岡より訳稿を託された。小池はそれを持ち帰って竹内に見せ、相談したところ、三笠書房からの刊行が決定した。
 しかしその後、タイトル決定が難航することになる。原題にある Gables を訳した「切妻屋根」が日本人になじみがないことから、村岡は『夢見る少女』『窓辺の少女』『窓辺に倚る少女』等の候補を考えた。そして、さんざん三笠書房で話し合った挙句に『窓辺に倚る少女』に決めて帰宅した夜のこと、村岡は竹内から、小池が「『赤毛のアン』はどうだろう」とタイトルを提案したとの電話を受けた。
 村岡は「『赤毛のアン』なんて絶対嫌です」と言って断った。しかし、その後の家族との夕食の席でそのことを話題にしたところ、20歳になる娘のみどりが『赤毛のアン』というタイトルの方が気に入り、譲らなかった。それで村岡は竹内に電話を入れ、娘のような若い読者の感覚に任せることにしたと告げ、小池が提案した『赤毛のアン』というタイトルを受け入れたという。


【参考:笹の墓標】

2016夏・東アジアワークショップ「記憶を刻む平和の旅」/東アジアの若者集う | 朝鮮新報
 朱鞠内(雨竜)ダム建設によりできた日本最大の人口湖である朱鞠内湖。1935年から37年まで行われた名雨線*29鉄道工事、38年に王子製紙が着工し、43年に完工した「雨竜電力株式会社・雨竜ダム」の建設には日本人タコ部屋労働者とともに多くの朝鮮人が従事させられた。真冬には零下40度を下回る劣悪な作業環境の下での犠牲者数は、現在判明しているだけで200人を超す。

[対談]強制動員の遺骨発掘、40年にわたり韓日市民社会が取り組んできた理由 : 政治•社会 : hankyoreh japan
殿平:
『私が強制動員被害者の遺骨問題に初めて接したのは40年前だ。1976年に北海道でも奥地とされる朱鞠内ダムの工事現場近くにある寺で朝鮮人の位牌を見た。今日も持ってきている。ファン・ビョンマン、昭和18年(1943年)9月10日と書かれている。ファンさんがダム工事の過程で死亡したという位牌だった。寺で他の位牌も見つけた。この人たちはどこから来たのか、どうしてこうなったのかと思った。この人たちは山の中に埋葬されていた。このままではいけないと思い、遺骨発掘などの作業を始めた。
 1982年に韓国に初めて行った。慶尚道忠清道を回って直接遺族を訪ね歩いた。遺骨を返せば遺族は喜ぶだろうと思った。しかし、最初は遺族が私を見るとすごく怒った。「うちの父、祖父を連れて行って何の補償もせず、謝罪もせず、何を考えて来たのか」という。当時、衝撃が大きかった。私たちは彼らの恨みと怒りを全く知らなかったと思った。安倍首相は1965年の韓日請求権協定で、強制動員などのすべての問題は解決されたという。しかし、私が出会った韓国人たちの現実は何も解決していなかった。
 強制動員の被害者に対しては日本政府と企業に責任がある。彼らがやらなければ根本的な解決は難しい。日本の市民が安倍政権に対して、この問題を解決するよう要求する責任がある。しかし、市民領域でできることをしていくことも重要だ。深い謝罪の気持ちで遺骨を返すことで、深い謝罪と和解、心と心を結びつけることは私たちがしなければならない。国益を考える政府、利益を考える企業は容易ではないだろう。韓国がうらやましい。私たちは100万人でデモをするのは不可能だ。私たちがどこまでできるか分からないが、頑張りたい。
 強制動員の被害者に対する基本的な責任は、日本政府と日本国民にある。歴史的責任についてもっと深く自覚しなければならないと思うが、申し訳ないことに日本国民の中で共有されていない。さらに努力する。国連などで国際的な問題に広げようということに共感する。』
「韓国の市民社会にも参加をお願いしたい。強制労働関連の唯一の資料館である『笹の墓標展示館』を守っていくことを決心した。再建のために募金を行っている」。
 対談を行った殿平さんが最後に強調した。展示館に何が起こったのだろうか。
 殿平さんが語った「笹の墓標展示館」は、北海道の朱鞠内ダムのそばにある建物だ。「笹で覆われた墓」という意味を持つここは、最初は「光顕寺」という寺だった。強制動員の労働者が亡くなると、葬儀を行う前にここに遺体を安置したという。今は展示館に変わり、朱鞠内での強制動員の犠牲者に関するさまざまな資料と位牌がある。戦争が続いていた1930年代末から1940年代初め、朱鞠内では鉄道と水力発電ダムを作る土木工事があった。朝鮮、中国から連れてこられた労働者が劣悪な環境で厳しい労働に苦しみ、寒さや栄養不足などで死んでいった。光顕寺は、彼らの無念の魂を慰めた唯一の場所でもあった。
 展示館は1997年から毎年韓国や日本などの青年たちが集い、遺骨発掘や討論を行っている「東アジアの平和のための共同ワークショップ」を開く場所でもある。北海道の強制動員被害者の遺骨発掘・奉還の象徴のような場所だ。その展示館が、今年初めの大雪で傾いた。
 「朱鞠内は日本で最も雪が降る地域だ。雪が非常に重くて展示館が少し傾いた。あきらめようとも考えたが、多くの人があきらめるなと言った」。
 殿平さんは展示館再建のために奔走している。殿平さんは「この寺を再建すれば、長年にわたって築いてきた関係を断ち切ることなく、さらに育んでいけると思う」と語った。今年8月にはNHKで展示館の危機が報道されてもいる。

日韓が対立している「今だから」戦跡に集う|戦跡 薄れる戦争の記憶 NHK
 戦時中に工事などに動員され、過酷な労働環境の中で亡くなった日本人と朝鮮半島出身の人たち。その位牌を安置する寺が、北海道北部の幌加内町(ほろかないちょう)にあります。
 日韓関係が悪化しているなかで、この寺の存続に動き出した日韓の人たちを取材しました。
 幌加内町にある旧光顕寺には、太平洋戦争中に過酷な労働で亡くなった人たちの80あまりの位牌が安置されています。
 僧侶の殿平善彦さんは寺で位牌が見つかったことをきっかけに、過酷な労働の実態を調べてきました。
 北海道では15万人近い朝鮮半島出身者が動員されて、軍需を支える各地の炭鉱などに配置され、氷点下の劣悪な労働環境で多くの人が命を落としました。
 幌加内町では、電力不足を補うための水力発電用のダム工事が5年あまり続けられ、日本人と朝鮮半島出身の人たち200人以上が犠牲になりました。
 殿平さんは、身元不明のまま道内各地に埋葬されていた遺骨を発掘して、遺族に返す活動を40年ほど前から続けてきました。
(中略)
 旧光顕寺に、ことし2月、危機が訪れました。大雪で本堂が大きく傾き、倒壊の恐れが出てきたのです。再建する資金は無く、殿平さんは活動を終えるしか道はないと感じたときもありました。
 するとSNSに意外な声が寄せられました。
 日韓両国から、活動の継続を求める声が相次いだのです。殿平さんは寺の存続を決意し、再建に向けた作業には道内各地から支援者が集いました。
(中略)
 殿平さんは今、寺の再建を目指して募金集めをすることを考えています。1人でも多くの日本人と韓国人に74年前の戦争と向き合い、互いの考えをぶつけることのできる場を提供することが、日韓関係の改善と発展にもつながると信じています。
(中略)
 遺骨を前に交流を深め、同じ過ちを2度と繰り返さない思いを共有することが、深い断絶を乗り越えるきっかけになる。北海道で再建を待つ寺は、融和に向けた1つの答えを示しているようでした。

「笹の墓標展示館」 - 北海道 裏の歴史
 「旧光顕寺」は森村誠一の小説「笹の墓標*30」に登場する舞台のひとつですが、なんと現存しています。
 小説「笹の墓標」は、戦時中に雨竜第一ダム(朱鞠内湖)建設工事のタコ部屋労働に従事させられた朝鮮人労働者が脱走を企て、救援委員会の出先がある近文(旭川市)へ逃げ延びる場面からはじまります。
 昭和55年(1980年)から日韓のボランティアによる発掘調査がはじまります。
 その現場は墓標も無い笹やぶが生い茂る墓地とも呼べないような場所です。
 「旧光顕寺 笹の墓標展示館」には、当時の労働や犠牲者に関する資料が展示されています。

映画「笹の墓標」が教える「日本の加害責任」と遺骨 - アリの一言
 ドキュメント映画「笹の墓標」が上映されていました。全5章計9時間7分におよぶ超長編で、私は3つの章を観ました。監督は藤本幸久さん(写真右)と影山あさ子さんです。
 戦前・戦中、北海道には約15万人の朝鮮人が強制労働を強いられていました。そのうち過酷労働、暴力、飢餓などで命を落とした人が、確認されているだけでも約2500人。これだけでも大変な事実ですが、さらに問題なのは、その遺骨の多くが、いまだに北海道に眠っていることです。映画は、韓国、日本、在日の青年たちが共同で遺骨を発掘していく過程を、1997年から2012年まで追ったものです。青年たちはときに衝突しながら、本音を出し合い、遺骨を掘って身元が判明するものは遺族に返すというワークショップによって相互理解を深めていきます。
 その青年たちの姿が主題です。そこにはこれからの韓国、朝鮮、日本の未来に一筋の光明さえ見ることができます。でも私は、そのことよりもやはりこの映画は「日本の加害責任」を告発したものだと受け止めました。強制連行・強制労働だけでも重大なのに、多くを死に至らしめ、さらにその遺骨さえ放置する。せっかく掘り当てた遺骨の多くは「集団埋葬」されていたため身元の判別ができません*31。遺骨発見の知らせに韓国から来日した遺族が、どれが家族の遺骨か分からず泣き崩れる姿は印象的でした。人の命、個人の尊厳、家族の思いなどまったく意に介さない当時の日本政府・企業の行いには怒りを禁じえません。
 そんな政府・企業とは対照的に、遺骨発掘を続ける市民たち。中心になっている殿平義彦氏(一乗寺住職)らが遺骨を韓国に届けると、遺族は「日本政府や韓国政府がやらないことをやってくれた」と泣いて感謝します。殿平氏は「国を失い、青春を奪われ、60数年も帰ることができなかった」遺骨と遺族に、「加害国日本の国民として」謝罪するのでした。
 遺骨が家族の元に帰れないまま放置されているのは、沖縄戦の犠牲者も同じです。それを具志堅隆松さん*32ら市民がボランティアで発掘しているのも同じです。本来それを行うべき国が責任を放棄しているのもまったく同じ。北海道(それ以外の地域も)の強制労働と沖縄戦の同じ構図が、遺骨を通して浮かび上がってきます。遺骨を発掘し、DNA鑑定などで身元を判別し、遺族の元に返す。これは政府が行わなければならない、最低限の「加害責任」です。
 問題は政府だけではありません。私はこの映画が伝える事実を、これまで知りませんでした。知らなくても韓国・朝鮮の人たちにとっては私も「加害国日本の国民」の1人です。知らなかったではすまされない、知らなければならない歴史の事実が、この国にはまだたくさんあると、あらためて気づかされました。


【参考:殿平氏の活動紹介記事】

《終戦の日》北海道の廃寺に残る「遺骨と位牌」 東アジアの和解とは | ハフポスト
 調べるうち、殿平さんは一つの悲劇を知ることになる。近くのダムや鉄道の建設工事に従事した労働者たちが過酷な環境下で働かされ、多数の犠牲者が出たという事実だった。
 舞台として浮上したのは、朱鞠内湖にある雨竜第1ダムだった。今は北海道電力が管理しているが、元々開発したのは王子製紙だ。
 1938年に着工し、1943年に完成した。
 そこでの労働は非人間的なものだった。「タコ部屋労働」と呼ばれ、労働者たちは監禁状態で長時間にわたる重労働を強いられた。寝泊まりしたのは粗末な小屋で、集団で押し込められた。常に監視され、逃亡して捕まれば殴る蹴るの暴行を受けた。実態は強制労働だった。
 労働者は日本人だけでなく、朝鮮半島出身者たちもいた。
 殿平さんら草の根のつながりで民間人の遺骨の返還が実現した一方、この問題に対する国の動きは鈍い。
 戦時下、日本内地の民間事業所で働き、死亡した現韓国出身者の遺骨をめぐっては、2004年に日韓両政府が所在確認と返還に向けて取り組むことで合意した。
 ところが、その後の日韓関係の悪化などから返還は実現しないままだ。
 殿平さんは言う。
「私たちがやったことは規模としては小さいかもしれないが、希望という種はこういうところから育つのだと思う。それが東アジアの人たちの真の友情をはぐくみ、真の和解を実現することにつながる」

[特派員コラム]彼らはいつ故郷へ帰ってくるだろうか : 社説・コラム : hankyoreh japan
「このことを必ず書いてください。1945年、壱岐島対馬付近で難波した帰国船に乗り、九死に一生を得て助かった方や、その方の子孫がいらっしゃれば私たちに必ず連絡を下さいということを」
 生存者や生存者家族の連絡を待っていると話した人は、北海道にある寺、一乗寺の住職で東アジア市民ネットワークの代表を務める殿平善彦氏だ。殿平氏が生存者を探す理由は、まだ壱岐島対馬のどこかに発掘されていない朝鮮人の遺骨が残っている可能性が高く、遺骨発掘作業を始めるためには生存者や生存者家族の証言が緊要なためだ。生存者の一部は、死亡した朝鮮人同僚を埋葬する作業にも参加した可能性が高いので、埋めた場所を探すにも彼らの証言が重要な端緒になりうるということだ。殿平氏朝鮮人の遺骨発掘、および奉還活動を始めたのは1970年代で、40年以上の長きにわたりこの活動に参加したわけだ。

北海道で「日韓宗教指導者交流プログラム」 キリスト教関係者も参加 : 社会 : クリスチャントゥデイ
 韓国の仏教系新宗教「円仏教」評議員でKCRP事務総長のキム・テソン氏は、シンポジウムの基調講演者で、北海道で強制労働の末、死亡した日本人や朝鮮人の遺骨返還運動を行っている殿平(とのひら)善彦氏(浄土真宗本願寺派一乗寺=北海道深川市)の活動について触れ、その献身的な働きに謝意を示した。
 殿平氏は基調講演で、「歴史の真実を見つめることで、被害と加害の歴史を超えた友情が芽生えている」と述べ、日韓の若者が共同で取り組む意義を強調。現在抱える課題としては、まだ返還できていない北朝鮮出身者の遺骨14体があることを挙げ、「来たるべき時期に、必ず北朝鮮に奉還したい」と語った。


■「即位礼」「大嘗祭」のどこが問題か(中島三千男*33
(内容紹介)
 ちなみに、なぜこういう記事が掲載されるのかと言えば勿論「10/22に即位式典があるから」ですね。10/22には即位式典に触れた産経記事*34赤旗記事*35などにコメントするかと思います。
 この記事で指摘されてることは、要するに即位式典は「政教分離原則」「国民主権原則」に反する疑いが濃厚だという批判です。現上皇天皇即位式典(1989年)の時にも指摘された批判です。
 ちなみに、マイナーな批判としては皇室行事に使われたアオウミガメの甲羅。絶滅危惧種なのにどうやって入手? 宮内庁に聞いた。 | ハフポストが指摘する「国が絶滅危惧種のカメの甲羅なんか使ってるんじゃねえよ!。環境保護をなんだと思ってるんだ!」つう批判もあります。
 なお、こういうことをいうと産経などは怒ると思いますが、天皇即位式を大々的にやるのは「北朝鮮の建国式典(9/9)」「中国の建国式典(10/1)」と大して変わりません。
 つまり「愛国心助長」「政府の権威付け」のためにやるわけですが、まあ日本ウヨっては同じ性質のもんでも、中国、北朝鮮だと悪口して日本だと「万歳」ですから、心底呆れます。

参考

天皇の「代替わり」にともなう儀式に関する申し入れ/2018年3月22日 日本共産党中央委員会
即位巡る儀式「政教分離に違反」 キリスト教団体が会見:朝日新聞デジタル

秋篠宮さま、大嘗祭支出に疑義「宮内庁、聞く耳持たず」:朝日新聞デジタル
 秋篠宮さまが30日の53歳の誕生日を前に紀子さまと記者会見し、天皇の代替わりに伴う皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」について、「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」と述べ、政府は公費を支出するべきではないとの考えを示した。この考えを宮内庁長官*36らに伝えたが「聞く耳を持たなかった」といい、「非常に残念なことだった」と述べた。
 大嘗祭は、新天皇が新穀を神々に供えて世の安寧や五穀豊穣などを祈る儀式。1990(平成2)年に行われた前回の大嘗祭では、国から皇室の公的活動に支出される公費「宮廷費」約22億5千万円が使われ、「政教分離に反する」という批判は当時から根強くあった。政府は今回も、儀式に宗教的性格があると認めつつ、「極めて重要な伝統的皇位継承儀式で公的性格がある」として宮廷費を支出する方針を決めた。前回を踏襲して同規模の儀式を想定しているが、人件費や資材の高騰で費用が増す可能性もある。
 これに対し、秋篠宮さまは天皇家の「私費」にあたる「内廷会計」で賄うべきだと述べた。
 秋篠宮さまは「身の丈にあった儀式」にすることが本来の姿、とも述べた。前回の代替わりでも同様の意見を述べていたといい、今回も宮内庁の山本信一郎*37長官らに「かなり言った」というが、考えてもらえなかったという。
 山本長官は直後の会見で「聞く耳を持たなかったと言われるとつらいが、そのようにお受け止めになったのであれば申し訳ない」と話した。

 まあ「内廷費だって元は税金じゃん」「そもそもやるべきでない」つう批判は当然ありますが、安倍よりは秋篠宮の方がましでしょう。かつ彼の立場で「違憲の疑いがあるなら辞めればいい。時代にあわない伝統は廃止すべきだ」「内廷費だって元は税金であるし、天皇は『象徴』という公的性格を持つから内廷費でやっても問題は解消しない」とは言いづらいでしょうからね。小生も彼ら皇族に対して無茶な要求をする気はありません。

きょうの潮流 2018年12月23日(日)
 大嘗祭について秋篠宮の発言が波紋をひろげました。
 「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか」。
 内廷費で行い身の丈にあった儀式にすればいいとの考えを示したうえで、「話を聞く耳を持たなかった」と宮内庁長官などに苦言を呈しました

 過大評価をする気はありませんが「やはり強制でないことが望ましい(元天皇)」といい秋篠宮発言といい「昭和天皇と比べれば大分リベラルになった」つう気はします。例の「明治150年式典」も出席しませんでしたし、皇室には「下手に安倍の極右政治に調子を合わせると安倍政権が終わった後の反動が怖い」つう警戒もあるのでしょう。
 

即位日の休日は賛成だが違憲の儀式の日の休日は反対/笠井政策委員長が表明
 日本共産党笠井亮政策委員長は30日、国会内の記者会見で、来年5月1日の新天皇即位の日と「即位礼正殿の儀」が行われる10月22日を休日とする法案に日本共産党は反対したと述べ、その理由は「天皇が退位し、新天皇が即位する。その日を休日にするのは賛成だが、違憲の儀式の日を休日にすることには反対ということだ」と説明しました。
 笠井氏は、「即位の礼」として来年5月1日に「剣璽(けんじ)等承継の儀」と「即位後朝見の儀」を、10月22日に「即位礼正殿の儀」などを行って「(ボーガス注:政教分離原則に違反する疑いの強い神道色が濃厚な)これらの儀式を国事行為である国の儀式にすることに(ボーガス注:政教分離原則の観点から)反対だということだ」と説明しました。

「即位の礼」 一連の儀式参列せず/小池氏 憲法原則と両立しない
 日本共産党小池晃書記局長は9日、国会内で記者会見し、天皇の代替わりにかかわり行われる「即位の礼」の一連の儀式への態度について問われ、「『即位礼正殿の儀』および『饗宴の儀』には参列しない」と述べました。
 「とりわけ『即位礼正殿の儀』は、神によって天皇の地位が与えられたことを示す『高御座(たかみくら)』から天皇が即位を宣明し、その即位を内外の代表が祝う儀式であり、神道行事である『大嘗祭(だいじょうさい)』と一体不可分に行われるものだ。『饗宴の儀』は、こうした『即位礼正殿の儀』と一体の行事に他ならない」として、「わが党は、これらの儀式が現行憲法国民主権政教分離の原則とは両立しないことを指摘し、国事行為である国の儀式とすることに反対を表明してきた。こうした見地から『即位礼正殿の儀』および『饗宴の儀』には参列しない」と述べました。

主張/「建国記念の日」/明治以後の「伝統」から脱却を
 1989年の昭和天皇から現天皇への「代替わり」では、戦前の登極令(とうきょくれい=1909年)をほぼ踏襲した儀式が実施されました。それ自体、憲法国民主権政教分離の原則に反するものでした。
 安倍内閣は「皇室の伝統」の名で、それを踏襲しようとしています。しかし、幕末まで即位式は中国風の衣装をつけ、神仏習合的な形で行われていました。神道式に“純化”したのは、たかだか明治以後の百数十年のことです。
 今回「代替わり」儀式を5月と10月の2回行うのも、神話にもとづく「三種の神器」を受け渡す「践祚(せんそ)」の儀式と、大嘗祭(だいじょうさい)の神事と結んで日本国の統治権を継ぐ「即位」の儀式を、二つとも登極令から引き継いでいるためです。
 天皇日本国憲法に規定された憲法上の存在です。新天皇の即位にあたっても、その行事は憲法国民主権政教分離の原則に沿って行われるべきです。安倍内閣が国会でまともに議論もせず、戦前の「代替わり」儀式を踏襲しようとしているのは問題です。
 秋篠宮が昨年11月、宗教的儀式である大嘗祭について「国費で賄うことが適当か」と述べ、皇室の私費(内廷費)で行い「身の丈に合った儀式」にすべきだと語りました。(ボーガス注:皇族の政治的中立性に反しないかという問題はありますが)この発言自体は憲法の原則にかなっています。

 太字強調は俺がしました。
 なお、こうした都合の悪い発言は「秋篠宮に賛同するわけにもいかないが、皇室崇拝の建前上、非難もしづらい」ので無視する産経らウヨです。
 一方で「我々は天皇、皇族個人の人間性を問題にしているのではないのです。問題は制度なのです」「皇族の発言でも筋の通ったものは評価します」ということで秋篠宮発言を紹介する赤旗です。


共産党がご即位の儀式に欠席表明も揺れる皇室観 - 産経ニュース
 共産党の欠席理由は「即位式神道色濃厚で、政教分離原則に反する」というものなので「そうした儀式をしないとあるべき皇室といえない」つう右翼的立場に立つのならともかく、そうでないなら「皇室観」と言う話ではありません。したがって共産による「即位への祝意表明」の是非はともかく「即位への祝意表明」と今回の話は一応矛盾しません。今回の話に限れば、別に「皇室観」が揺れているわけではない。
 言うまでもありませんが「政教分離原則を守れ」は「天皇制廃止」つう話とは別問題です。 日本だと「天皇制否定だから出席しないのか」と短絡的なことを言うバカが多いのでうんざりしますが。
 まあ産経らウヨは「そうした儀式をしないとあるべき皇室といえない」つう立場なのでしょうが、それは「右翼的皇室観」ではあっても「伝統的皇室観」とすらいえないのではないか。まあどっちにしろ「皇室の伝統」「あるべき皇室」を理由に政教分離を踏みにじるのは話が逆であって「憲法政教分離の枠内」であるべき皇室を目指すべきです。


即位礼、アジアの伝統学ぶ機会 法政大教授・王敏さん :日本経済新聞
 「アジアの伝統」つうよりは「ローカライズ(現地化)した中国の伝統」「ジャパナイズ(日本化)された中国の伝統」でしょうね。で「日本化の部分=神道」でここが政教分離原則に抵触するわけです。


https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012118511000.html

 韓国からは、ムン・ジェイン*38文在寅)大統領の参列は見送られ、イ・ナギョン*39首相となる見通しで安倍総理大臣と短時間会談することも検討されています。

 現状で出席を見送れば、事態が悪化するのでそりゃ、「文大統領でないにしろ」さすがに韓国高官が出席はするでしょう。ただ「嫌韓国」安倍首相や茂木*40外相が会談に応じるかは甚だ疑問です。


大嘗祭調度品の絹布、宮内庁へ=豊田市稲武町で出発式-愛知:時事ドットコム

 1カ月半にわたり糸を引いたという丸山紋子さん(79)は「大変光栄で名誉なこと。生涯の中で一番大きな出来事です」とほほ笑んだ。

 権力批判意識に乏しい日本のマスコミでは予想の範囲内ですが、本当にこういう祝賀ムードばかり煽る報道はやめてほしいですね。まあ、こういう祝賀報道へのカウンターとしての前衛記事でもあるわけで、記事の筆者・中島氏も日本マスコミの報道姿勢を批判していますが。


■日本の火山噴火の観測・研究の現状と原発(藤井敏嗣*41
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。
【藤井氏の主張について】
NHK そなえる 防災|コラム|執筆者|藤井 敏嗣
【科学】藤井敏嗣・噴火予知連会長に聞く 数十年以内に大噴火、活動期へ(1/2ページ) - 産経ニュース


【火山噴火と原発について】
火山噴火予測できぬ/原子力規制委員長が言及/山添議員質問
規制委 巨大噴火リスク「容認」/山添参院議員「考え方」に抗議
原発の火山対策 泥縄/巨大噴火判断基準 具体化できず/専門家「稼働に正当性ない」
巨大噴火リスクなぜ許容/藤野議員 原発火山対策を批判


御嶽山噴火について】
主張/御嶽山噴火1週間/惨事繰り返さぬ対策に総力を
主張/御嶽山の噴火被害/火山国に見合った対策強化を
きょうの潮流 2019年9月27日(金)

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190922/KT190921ETI090001000.php
 気象庁が「力不足」を認めたのは2014年9月の噴火から半年後、翌春の記者会見だった。
 火山課長が「力が足りないことは認識している」と述べた。御嶽山噴火災害を受け、学者を中心に火山活動を評価する同庁の能力に疑問の声が上がっていた。
 御嶽山では噴火の17日前から、前兆とも受け取れる弱い地震が起きていた。同庁は「ただちには噴火しない」とみて、噴火警戒レベルを最低の1に据え置いた。山頂一帯は規制されず、63人の死者・行方不明者が出た。
 求められた火山防災力の向上。その取り組みは将来像を描ききれぬまま、依然途上にある。
 火山噴火予知連絡会の元会長、藤井敏嗣さんは、米地質調査所(USGS)の研究者から聞いたハワイ・キラウエア火山の現地の様子が印象に残っている。
 昨年活発化し、住宅地から大量の溶岩が噴き出した同火山。米本土などから集まった総勢90人以上の専門家チームが交代で24時間、3カ月にわたって観測を続けた。
 専門的な見地で自治体に防災対応を助言するだけでなく、将来に備え噴火の推移を余すところなく調べる姿勢は、「日本では到底まねできない」と思ったという。
 御嶽山を教訓に、気象庁は火山対策を強化した。御嶽山で起きたような前兆を捉えにくい小規模な水蒸気噴火も予知しようと、全国の活火山に地震計などの観測機器を数多く取り付けた。
 人員も充実させた。火山を遠隔監視する札幌、仙台、東京、福岡のセンターと本庁火山課の職員を計160人から240人に増員。地方気象台の火山担当も増やし自治体との連絡を密にした。
 同庁はその後も、予知困難な噴火に直面する。
 草津白根山は18年、想定された火口とは別の場所から突如噴火した。予知どころか、当初は噴火の事実すら把握できなかった。
 今年8月の浅間山噴火は前兆を感知できなかった。全国的にも観測態勢が整った火山の一つで、過去には予知に成功していた。
 いまの科学水準で火山活動を完全に把握することはできない。予知には限界がある。やるべきことは、監視によって得た観測データと研究の蓄積を総動員し、防災に結び付けていく努力だろう。
 個性に富んだ各火山の観測を積み重ね、人材を育て、将来に備える。気象庁の機器や人員は充実した。それだけで十分に役割を果たしていけるだろうか。
 行政の効率化も求められる中、約5千人という職員の全体数は増やしにくい。火山重視の職員配分が将来も続くかは分からない。原則として転勤があり、専門人材を育てる仕組みも不十分だ。
 打開には、気象庁以外にも目を向ける必要がある。日本の火山防災は監視と研究を担う機関が分散し、司令塔を欠いている。
 火山は大学のほか、防災科学技術研究所など公的研究機関も観測している。防災政策の立案も内閣府総務省消防庁にまたがる。
 内閣府の調査によると、米国に限らずイタリア、インドネシアといった火山国には、監視と研究を一元的に担う機関がある。
 日本は、世界の活火山の7%が集中する有数の火山国だ。このままでよいはずがない。
 御嶽山噴火を機に知られるようになった課題の一つに研究者の不足があった。火山観測に関わる研究者は全国に80人ほど。主力である大学の研究者は全国で1クラス分ほどしかいないとされ、「40人学級」などと表現された。
 倍増を掲げ、文部科学省は全国の大学が連携する講座や共同研究を通じて人材育成する10年計画のプロジェクトを始めた。
 一過性に終わらせないため、どうすべきか。それは政府の学術政策全体にも通じる問題だ。
 政府は01年以降、競争原理によって研究を促そうと、競って獲得するタイプの研究費の拡大を進めた。04年の国立大法人化を機に、予算の抑制傾向を強めた。
 火山研究は、その弊害をもろに受けたと言われている。長い周期で活動する火山は研究成果をすぐには出せず、若手が育ちにくい。火山噴火予知連は今春、予知連自身の在り方を考える報告書をまとめ、将来は委員の確保が難しくなることも予想されるとした。
 腰を据えた火山研究の中心となる存在が欲しい。一元的な機関はそうした観点でも重要だ。
 火山防災体制を論議した国の検討会は昨年、報告書をまとめたが、一元機関の設置提言に踏み込まなかった。事務局の内閣府は「できることを進める」とする。
 いまの政権や中央官庁に旗振り役は見当たらない。火山を抱える地方から、長期的視点で問題意識を発信していかねばならない。

 御嶽山噴火については最悪のタイミングで起きた噴火 - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)も紹介しておきます。


■「共闘の力」と日本共産党:党創立九七周年記念講演と「赤旗」報道を交えて(高柳幸雄)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
日本共産党創立97周年記念講演会/共闘の4年間と野党連合政権への道/志位委員長の講演
シリーズ共闘の力(2)/進化のハーモニー*42
シリーズ共闘の力(3)/共通政策 進化へ*43
シリーズ共闘の力(4)/共産党への信頼深化
シリーズ共闘の力(5)/政権構想を示すとき
シリーズ共闘の力(6)/尊厳守る 二つの源流


宮城県議選候補者座談会『「くらしに希望」「復興優先」の県政めざす:共同すすめる共産党の前進で役割を果たす』(天下みゆき/大内真理/角野達也/金田もとる/中嶋 廉/内藤隆司/福島かずえ/藤原益栄/三浦一敏/司会・遠藤いく子)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

8議席確保し9議席へ/宮城県議選 告示まで1週間
 前回4議席から8議席へと日本共産党が大きく躍進した宮城県議選(定数59)が18日告示(27日投票)されます。共産党は、現有8議席を絶対確保し、9議席をめざします。

 宮城県議選の躍進へ/大崎で演説会 田村副委員長熱烈に/来月18日告示
 大激戦の宮城県議選への支援を訴えます/日本共産党中央委員会

 ということで宮城県民でないので情勢が分かりませんし、出来ることも特にないのですがなんとか8から9に増やしてほしいところです。
【2019年10/28追記】
宮城県議選 立民7議席確保、共産は3議席減らす | 河北新報オンラインニュース
 ということで残念ながら「8→5」となったわけですが、宮城県民でもなく情勢がよく分かりませんので事実のみの紹介にとどめておきます。何か有益な情報が見つかれば追記しますが、特に何も見つからなければ追記はしません。


日本共産党を伸ばして「くらし応援」「原発ゼロ」「市民と野党の共闘」の力を大きくする福島県議選へ(町田和史)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
 増税に審判 共産党大きく/宝の議席、大橋さんへ/福島県議選・伊達 市田副委員長が応援
 福島県議選 全員勝利必ず

【11/2追記】
「福島県議選」9選挙区で無投票当選決まる 全定数割合25.9%:県内選挙:福島民友新聞社 みんゆうNet
 言うまでもないことですが定数58の約25%にあたる15人もの人間が無投票当選ということは全くもって問題でしょう。

【11/11追記】
自民が過半数「31議席」 福島県議選、全58議席が確定:県内選挙:福島民友新聞社 みんゆうNet
福島県議選 5議席守る/共産党、交渉会派を維持
 自民王国福島とはいえ「過去最低ランクの投票率」で「自民単独過半数31議席」とは実に残念です。共産党

福島県議選 5議席守る/共産党、交渉会派を維持
 10日投開票の福島県議選で日本共産党は、自民・公明両党と真正面から争い、現職の4人全員が当選を果たしました。無投票当選1人と合わせて現有5議席を守り抜きました。

ということで「5→5」ですので「減らなかったのは良かったが、1議席でも増やしたかった」と言う意味では複雑な思いです。
 まあ

自民が過半数「31議席」 福島県議選、全58議席が確定:県内選挙:福島民友新聞社 みんゆうNet
 国民民主は1減の10議席で、共産は5議席。公明が1増の4議席。ほかの獲得議席数は立憲民主2、社民1、無所属5。

ということで立憲民主が「国政は最大野党」と自慢したところで、福島においてはまるで力がないことがわかります。


■論点「FIT*44によるパーム油発電が熱帯林を破壊する」(満田夏花)
(内容紹介)
 つまりは「パーム油による発電」は「熱帯雨林の大量伐採」を招いており本当に「環境に優しい発電方法といえるのか」つう批判です。
 脱原発は当然の方向性として「パーム油による発電」に限らず「代替となる発電方法が本当に環境上、問題がないのか」についても目配りが必要でしょう。

パーム油で急増、バイオマス発電のFIT認定/健全な伸長のため、望まれる持続的な燃料調達 | ハフポスト
何が問題? H.I.S.のパーム油発電Q&A|FoE Japan
HISスーパー電力など推進/パーム油発電中止せよ/CO2大量排出 環境団体など指摘


■暮らしの焦点「安倍政権が狙う七五歳以上の窓口負担二割計画」(松山洋
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
後期高齢者保険料 年6千400円→1万2900円/病院窓口2割負担 年金2万4000円減/東京都北区91歳「安倍さん早く辞めて」
社会保障改悪迫る/75歳以上医療「原則2割に」/財政審分科会
主張/「後期医療」制度/高齢者苦しめる負担増やめよ


メディア時評
■テレビ:TBSの「過剰演出」問題(沢木啓三)
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。しかし「やらせ」「捏造」に近い行為は「過剰演出」つうより「不適切演出」「不正演出」とでも呼ぶべきでしょう。

【TBS「過剰演出」問題】

クレイジージャーニーが「過剰演出」ー背景にあるのは「コーディネーターへの無茶な要求」か(鎮目博道) - 個人 - Yahoo!ニュース
 TBSが過剰演出をしてしまった。問題となっているのは8月14日放送の「クレイジージャーニー」の特番と深夜の放送。事前に用意していた動物を、あたかも「爬虫類ハンター」が捕獲していたように放送したのだ。
 なぜこのような事が起きてしまったのか?。実は近年、海外ロケ番組がブームとなっているのだが、その制作体制があまりにタイトである事が業界内では指摘されていた。筆者の知り合いの海外コーディネーターにも、「制作サイドからの要求があまりにキツいので、仕事を辞めようと思っている」と漏らしている人物がいるくらいだ。どういうことか説明しよう。
 当然といえば至極当然だが、海外ロケを行うにはかなりの日数と予算が必要だ。
 しかし、そんな中、海外でロケをする番組は流行していて、その数は増えている。制作にあたるスタッフや制作会社も、日頃から海外ロケに慣れた人たちばかりではなく、比較的不慣れな人が駆り出される事が多くなってきている。
 また、テレビ番組の予算は全体的に減少傾向にある。それは海外ロケがある番組でも同じ事だ。となると、予算やロケ期間をできるだけ安く、短くして制作しようということになる。さらにその番組の制作を、不慣れなスタッフが担当するとどうなるか。そう、海外コーディネーターにしわ寄せがくるのである。
 恐らくは今回の「過剰演出」も、そうした事情が複合的に重なり、起きてしまったのではないか。つまり、出演者のスケジュールや治安の状況からして、実際に野生動物が生息するような辺境部に行くのは困難だった。また、準備にもあまり時間はかけられない。しかし、面白い映像は撮らなければならない。きっとそんな状況だったのではないだろうか。
 考えてもみて欲しい。(ボーガス注:全てのやらせが海外が舞台というわけでは勿論ない*45が、NHKの『奥ヒマラヤ禁断の王国・ムスタン』やらせ問題(1992年)など)昔から、多くのいわゆる「やらせ」は海外を舞台に行われている場合が多い。最近でも日本テレビの「世界の果てまでイッテQ!」のお祭り捏造問題も、やはり海外が舞台となり、コーディネイト会社の責任が追及された。
 「海外だからわからないのではないか」という、許されない考え方。そして、厳しい条件の下、できるだけ面白い映像を撮影したいというギリギリのせめぎ合い。…過当競争気味の海外番組の制作スタッフたち、特に海外コーディネーターたちが置かれた苦しい立場について、今一度考えてみる事が、こうした海外ロケ番組の「過剰演出」を減らすことに繋がると思う。

 「海外ロケに良く行く高世仁」に「やらせの衝動に駆られたことはありますか」と聞きたいところです。さすがに高世自ら、既にやらせに手を染めてはいないと思いますが。

TBS社長「消えた天才」過剰演出で“出演者”にも謝罪― スポニチ Sponichi Annex 芸能
 TBSがバラエティー「消えた天才」(日曜後8・00)の過剰演出をめぐり、映像を加工された当時12歳の男性に対して謝罪していたことが分かった。同局が佐々木卓社長の25日の定例記者会見で明らかにした。
 「消えた天才」を巡っては、放送倫理・番組向上機構BPO)の放送倫理検証委員会が放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りすると決めている。TBSは、同番組の放送を中止しており、当面は特番で対応する方針を示している。

「アンフェアな手法」TBS社長、過剰演出の2番組を謝罪 - 産経ニュース
 映像の加工や過剰な演出などがあったとして放送を休止しているTBSのバラエティー番組「消えた天才」(日曜午後8時)と「クレイジージャーニー」(水曜午後11時56分)について、同局の佐々木卓社長は25日の定例記者会見で、両番組は事実を前提とした番組であるとした上で、「視聴者との約束を逸脱したアンフェアな手法があった。あってはならないことで、おわびしたい」と謝罪した。
 8月11日に放送された「消えた天才」では、リトルリーグの全国大会で活躍した当時12歳の少年の試合映像を紹介した際、映像を早回しすることで実際の投球よりもスピードが速く見えるよう加工。そのほか3件の映像も加工していた。 「クレイジージャーニー」の爬虫類ハンター企画では、ハンターが捕獲する珍しい生物を事前にスタッフが準備するやらせを繰り返していた。

【日テレ「世界の果てまでイッテQ!」やらせ疑惑】

日テレ社長“やらせ疑惑”謝罪 イッテQ「祭り企画」当面休止― スポニチ Sponichi Annex 芸能
 日本テレビの大久保好男社長が15日、同局のバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日曜後7・58)の祭り企画にやらせ疑惑が持ち上がり騒動となっていることに関して、(中略)当面は祭り企画の放送を休止することを発表した。
 問題となっているのは、宮川大輔(46)が世界各国の祭りで行われる競技に挑戦する企画。そのうちラオスの「橋祭り」、タイの「カリフラワー祭り」が実在しないと週刊文春に指摘され「ヤラせ」「でっち上げ」と批判された。
 争点の「やらせ」に関しては否定。「制作陣がやらせを意図してることはない」と強調。「やらせではない」ではなく、「やらせを“意図”してない」という苦しい表現でかわした。橋祭りに関し「何もないところに祭りをつくるのは、やらせではないのか」との質問も出たが、「詳細が明らかになっていない」とコメントを避けた。

「地元祭り」は番組用催し イッテQに放送倫理違反:朝日新聞デジタル
 日本テレビ系のバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」が、番組のために作られた海外の催しを地元の祭りと紹介したとされる問題で、放送倫理・番組向上機構BPO)の放送倫理検証委員会は5日、放送倫理違反に当たるとの意見書を公表した。
 対象は、タイの「カリフラワー祭り」(2017年放送)とラオスの「橋祭り」(2018年放送)を取り上げた回。
 カリフラワー祭りでは、芸人の宮川大輔さんとアイドルの手越祐也さんが、カリフラワーの収穫を祝うタイの祭りに参加し、二人三脚で収穫する様子を放送。ラオスの橋祭りでは、自転車に乗った宮川さんが、障害物を避けながら細い板の上を渡る催しを放送した。いずれも地元住民とスピードを競う競技として紹介された。
 意見書では、二つの祭りが現地の企画コーディネーターにより番組のために用意されたと認定。その上で、「年に1度の祭り」などと事実と異なるナレーションを入れたことを問題視し、「もともとある祭りに参加しているように視聴者を誘導した」とした。
 一方で検証委は、日テレのプロデューサーや制作会社、現地コーディネーターから聞き取りを行い、「制作スタッフが祭りを意図的に作り上げたり、番組のために用意された催しであることを隠蔽するためにナレーションをつけたりしたとは言えない」とも指摘。ただ、現地コーディネーターが提案した「祭り」が実在するのかなどの確認が不十分で、制作側が祭りについてほとんど把握していなかったことが問題とし、「程度は重いとは言えないものの放送倫理違反があったと言わざるを得ない」と結論づけた。


文化の話題
■音楽「大野和士*46とオペラのレーゾン・デートル」(宮沢昭男)
(内容紹介)
 大野氏が携わったオペラ「トゥラーンドット」、「リトゥン・オン・スキン」の紹介。


■映画「是枝裕和*47監督の「真実」」(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 是枝監督の新作映画「真実」の紹介(公式サイト是枝裕和監督作品 映画『真実』公式サイト)。主演がカトリーヌ・ドヌーブ*48だそうです。

参考

■真実(ウィキペディア参照)
■あらすじ
 フランスの映画スターのファビエンヌが自伝本を出版する。お祝いのためにアメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール、彼女の夫ハンクと娘シャルロットがパリにやってくる。久々の再会に喜ぶ彼女たちだったが、やがて、自伝本の内容をきっかけに、隠された親子の秘密が暴かれていく。
■キャスト
※括弧内は日本語吹替版声優。
ファビエンヌカトリーヌ・ドヌーヴ宮本信子
・リュミール:ジュリエット・ビノシュ宮崎あおい
・ハンク:イーサン・ホーク
・シャルロット:クレモンティーヌグルニエ(佐々木みゆ)

宮崎あおいがフランスの大女優に感激!是枝裕和監督の最新作『真実』撮影裏話も - FNN.jpプライムオンライン
 是枝裕和監督(57)が、初の国際共同製作に挑んだ映画『真実』のジャパンプレミアが10月3日に東京・六本木で行われ、主演を務めたフランスを代表する女優のカトリーヌ・ドヌーヴ(75)とジュリエット・ビノシュ*49(55)が来日。
 そして、日本語版の吹き替えを担当した宮本信子さん(74)、宮崎あおいさん*50(33)、佐々木みゆちゃん*51(8)と一緒に登場した。
(「めざましテレビ」2019年10月4日放送分より)


■演劇「Pカンパニー『√ルート』のもつ意味」(水村武)
(内容紹介)
 Pカンパニー『√ルート』の紹介。

参考

Pカンパニー 『√ルート』林次樹(Pカンパニー代表)からのメッセージ! | えんぶの情報サイト 演劇キック
 Pカンパニーが続けている「シリーズ罪と罰」の最新作。今回は「道徳の教科化」を題材に学校の抱える問題を教師たちの葛藤を通して描く。「いじめ0」を掲げる小学校の教室で、教師たちが「道徳公開授業」の準備を進めている折、ある女子児童が行方不明に…。彼女はいじめられていたらしいことが浮かび上がる。

第28回公演 『√ルート』
★ 9月7日(土)18時の回終了後 アフタートーク開催
 ゲストに、筑摩選書「掃除で心は磨けるのか」の著者、杉原里美氏(朝日新聞専門記者)を迎え、作者の山谷典子氏、演出の小笠原響氏とともに、学校教育の問題について話していただきます。

掃除で、美しい日本人の心を育てる? / 『掃除で心は磨けるのか』著者、杉原里美氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-
■インタビュアー
 「トイレ掃除運動」、本書を読んでとても驚きました。こういっては何ですが、素手でトイレ掃除って、正直、かなり気持ち悪い。
■杉原氏
 私が取材で体験させてもらったトイレ掃除運動は、素手でトイレ掃除をすることによって心を磨くという考え方をもとに実践されているものです。車用品販売の会社「イエローハット」創業者である鍵山秀三郎氏が提唱しています。
 鍵山氏の「日本を美しくする会掃除に学ぶ会)」は全国に広がり、それに共鳴した教員らでつくる「便教会」も各地にできています。トイレ掃除運動に関心のある教員を集めて、靖国神社伊勢神宮などで開かれる「鍵山教師塾」もあります。こうしたトイレ掃除運動に参加した経験のある教員らが、地域の「掃除に学ぶ会」と協力して、総合学習の時間などに取り組んだり、PTAがイベントとして開いたりしています。文部科学省は、日本型教育の素晴らしい点として、子ども自身による掃除などを海外に広めようとしています。ちなみに、日本型教育の海外展開事業のために文科省が作った動画には、トイレ掃除をしている子どもの絵が出てきます。この事業の目的のひとつは、「親日層を育てること」だといいます。
■インタビュアー
 それでなぜ「親日」になるのか、かなり謎です。一連の「奇妙なこと」の背後には、安倍政権を支える運動団体の影響がみられるようですね。
■杉原氏
 教育基本法の改正や道徳の教科化を熱心に進めたのは、憲法改正を訴える運動団体「日本会議」だったことは確かです。その政策委員である高橋史朗氏が親を教育するという「親学」や、子どもが親を思って詠む「親守詩」を推進していますし、日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表委員の一人に、素手トイレ掃除運動の鍵山氏が名を連ねています。鍵山氏は、早寝早起き朝ごはん全国協議会の副会長でもあります。
 (ボーガス注:ただし)単に「奇妙なこと」なら、ここまで受け入れられるはずもありません。私たち保護者の側や社会全体に、これらを「いいこと」として受け入れる素地があるのだということを自覚しなければならないと思います。
 私たちに必要なのは、「大人が子どもを思い通りにする」という方向が間違っているということを共有することだと思っています。
 日大アメフト部のタックル事件で、『星野君の二塁打』という小学校高学年の道徳教材が話題になりました。監督の指示でバントを命じられていた星野君は、自分で球を判断して二塁打を放ち、チームは勝利します。ところが、監督は、「チームの輪を乱した」と、バントをしなかった星野君を責めてしまいます。星野君は、自分の頭でどうすればいいかを考えてはいけなかったのでしょうか。
■インタビュアー
 「子どもたちの内面を一定の方向に導いていきたいのではないか」と、やはり強くお感じになりますか?
■杉原氏
 そうですね。集団活動で得られる「一体感」は、教員にとって大変魅力があるそうなのです。教員のやりがいにもつながっています。ただ、個より集団を優先するあり方に子どもが慣れ親しんだ結果、言われたことに従順で、自分の頭で考えることができない子どもができあがっていくのではないかと懸念します。
 自分の自由を大切にできない子どもが、他の子の自由を大切にできるようにはならないと思います。どんなときでも、個人より集団が大事だと思っていれば、集団から外れた人を排除することになりかねません。
 部活動の熱心な指導、組み体操や行進などの集団演技、家族とのスキンシップを求める宿題など、一般的に「いいこと」であっても、子どもの安全を脅かしていないか、人権を侵害していないかどうかを絶えず考えてほしいと思うのです。
 子どもは何かのパーツではなくて、一人一人に尊厳がある。大人と同じ人間です。大人が子どもを思い通りにしてもいいということは、決してないと思います。

 集団活動で得られる「一体感」は、教員にとって大変魅力があるそうなのです。

という杉原氏の指摘は重要でしょう。だからこそ
「感動」とは安全に優先するものではないと思う(そもそも「組み体操」で「感動」なんか私はしない)(1) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
「感動」とは安全に優先するものではないと思う(そもそも「組み体操」で「感動」なんか私はしない)(2) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

■杉原氏
 子どもの安全を脅かしていないか、人権を侵害していないかどうかを絶えず考えてほしいと思うのです。

などと言う批判が無視されるわけです。


■スポーツ最前線「旭日旗容認は五輪の精神に反する」(和泉民郎)
(内容紹介)
 赤旗などの記事紹介で代替。まあ国旗である日章旗ならまだしも「旭日旗日本海軍や海上自衛隊の旗)」なんか「韓国の反発を無視してまで」何のために五輪会場に持ち込むのか、「軍国主義礼賛か嫌韓国か?」という話です。平和のイベントを建前とする五輪に「軍隊の旗」などふさわしいわけがないでしょう。


きょうの潮流 2019年9月14日(土)
鼓動/北京との対応に矛盾/旭日旗容認(和泉民郎)
旭日旗容認見直しを/党都議団 五輪組織委・都に要請

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019092502000140.html
 大漁旗、(ボーガス注:朝日新聞の)社旗などに使われているのは、太陽の光を象徴する一部のデザインにすぎず、(ボーガス注:旭日旗が)民間に普及しているという日本政府の説明には、無理がある。
 過去、旧日本軍の軍旗などとして使われていたのは歴史の事実だ。さらに日本国内では、今も軍国主義ナショナリズムのシンボルとしてしばしば登場している。
 この問題は、サッカーに前例がある。二〇一七年に韓国京畿道の水原で行われた韓国チームとの試合で、川崎フロンターレの一部サポーターが、旭日旗を掲げた。
 アジア・サッカー連盟(AFC)は旭日旗を、「攻撃的、挑発的な内容を含んだ横断幕や旗」であると認定し、フロンターレに罰金などの制裁を科している。
 中国でも問題が起きている。二〇〇一年、人気女優(ボーガス注:ヴィッキー・チャオ*52)が雑誌のグラビアで、旭日旗をあしらった服を着用したところ、「国賊」などと激しい非難を浴び、謝罪した。
 二〇〇八年の北京五輪では、現地の日本大使館が日本人観客に対し、競技場へ旭日旗を持ち込まないよう文書で呼びかけている。海外の試合はだめだが、自国開催の五輪なら問題はないのか。日本政府の姿勢は矛盾している。

*1:1928~2015年。

*2:澱粉、砂糖、ゼラチン、香料などで作って色づけされた板状の菓子に描かれた動物や星、桜などの型を針や爪楊枝などを使い、くり貫く菓子。型を割らず上手に刳り貫くことができれば、景品がもらえる(ウィキペディア「カタヌキ」参照)。

*3:イラストレータ

*4:日本共産党委員長衆院議員

*5:横浜国立大学名誉教授。著書『アメリカ経済政策史:戦後「ケインズ連合」の興亡』(1996年、有斐閣)、『通商産業政策』(2003年、日本経済評論社)、『世界経済と企業行動:現代アメリカ経済分析序説』(2005年、大月書店)、『米国はいかにして世界経済を支配したか』(2008年、青灯社)、『日本の構造「改革」とTPP』(2011年、新日本出版社)、『TPP:アメリカ発、第3の構造改革』(2013年、かもがわ出版)、『オバマの経済政策とアベノミクス』(2015年、学習の友社)、『新自由主義と金融覇権:現代アメリカ経済政策史』(2016年、大月書店)、『トランプ政権とアメリカ経済:危機に瀕する「中間層重視の経済政策」』(2017年、学習の友社)、『世界経済危機と「資本論」』(2018年、新日本出版社)など

*6:日本共産党常任幹部会委員、党付属社会科学研究所副所長。

*7:書記局長、委員長、議長を経て現在、日本共産党常任幹部会委員、党付属社会科学研究所所長。『自然の弁証法』(1988年、新日本出版社)、『マルクスエンゲルス百年』(1996年、新日本出版社)、『エンゲルスと『資本論』(上)(下)』(1997年、新日本出版社)、『古典研究・議会の多数を得ての革命』、『古典研究・マルクス未来社会論』(2004年、新日本出版社)、『マルクスは生きている』(2009年、平凡社新書)、『マルクスエンゲルス革命論研究』(2010年、新日本出版社)、『マルクス資本論』発掘・追跡・探究』(2015年、新日本出版社)、『『資本論』刊行150年に寄せて』(2017年、日本共産党中央委員会出版局)、『『資本論』探究(上)(下)』(2018年、新日本出版社)、『『資本論』のなかの未来社会論』(2019年、新日本出版社)などマルクスエンゲルスに関する著書多数。

*8:龍谷大学教授。著書『人権論入門』(2019年、法律文化社)、『「18歳選挙権」時代のシティズンシップ教育』(共著、2019年、法律文化社

*9:1943年生まれ。著書『政治的なるものの再興』(1998年、日本経済評論社)、『民主主義の逆説』(2006年、以文社)、『政治的なものについて:闘技的民主主義と多元主義的グローバル秩序の構築』(2008年、明石書店)、『左派ポピュリズムのために』(2019年、明石書店

*10:1935~2014年。著書『資本主義・ファシズムポピュリズムマルクス主義理論における政治とイデオロギー』(1985年、柘植書房)、『民主主義の革命:ヘゲモニーとポスト・マルクス主義』(ムフとの共著、2012年、ちくま学芸文庫)、『現代革命の新たな考察』(2014年、法政大学出版局)、『ポピュリズムの理性』(2018年、明石書店

*11:もちろん極右イデオロギー支持もいますが

*12:土井たか子社会党委員長のこと

*13:著書『教育の新しい探究』(2009年、新日本出版社)、『いじめ解決の政治学』(2013年、新日本出版社)、『教育委員会改革の展望』(2015年、新日本出版社)、『教育勅語を読んだことのないあなたへ:なぜ何度も話題になるのか』(共著、2017年、新日本出版社

*14:一橋大学准教授。著書『植民地期朝鮮の地域変容:日本の大陸進出と咸鏡北道』(2017年、吉川弘文館

*15:都留文科大学名誉教授。著書『アジアの中の日本軍』(1994年、大月書店)、『日中全面戦争と海軍:パナイ号事件の真相』(1997年、青木書店)、『南京事件』(1997年、岩波新書)、『南京事件三光作戦』(1999年、大月書店)、『南京事件と日本人』(2002年、柏書房)、『南京難民区の百日:虐殺を見た外国人』(2005年、岩波現代文庫)、『南京事件論争史』(2007年、平凡社新書→増補版、2018年、平凡社ライブラリー)、『「百人斬り競争」と南京事件』(2008年、大月書店)、『日本軍の治安戦』(2010年、岩波書店)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(2014年、汲古書院)、『海軍の日中戦争』(2015年、平凡社)、『日中戦争全史(上)(下)』(2017年、高文研)など

*16:関東学院大学教授。著書『沖縄戦と民衆』(2002年、大月書店)、『BC級戦犯裁判』(2005年、岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(2007年、高文研)、『戦後平和主義を問い直す』(2008年、かもがわ出版)、『戦犯裁判の研究』(2009年、勉誠出版)、『沖縄戦 強制された「集団自決」』(2009年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『沖縄戦が問うもの』(2010年、大月書店)、『米軍基地の歴史』(2011年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『裁かれた戦争犯罪:イギリスの対日戦犯裁判』(2014年、岩波人文書セレクション)、『暴力と差別としての米軍基地』(2014年、かもがわ出版)、『日本軍「慰安婦」問題の核心』(2015年、花伝社)、『沖縄からの本土爆撃:米軍出撃基地の誕生』(2018年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)など。個人サイトWelcome to Hayashi Hirofumi'

*17:中央大学名誉教授。著書『草の根のファシズム』(1987年、東京大学出版会)、『従軍慰安婦』(1995年、岩波新書)、『毒ガス戦と日本軍』(2004年、岩波書店)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(2010年、岩波ブックレット)、『焼跡からのデモクラシー:草の根の占領期体験(上)(下)』(2014年、岩波現代全書)、『買春する帝国:日本軍「慰安婦」問題の基底』(2019年、岩波書店)など

*18:とはいえマスコミで報じられるプーチン大統領、ラブロフ外相らの北方領土関係発言は『北方領土返還要求は反ロシアだ』に限りなく近いと思いますが。良く安倍も怒り出さないで「ロシア経済支援」ができるもんです。

*19:浅羽祐樹、木村幹らの共著

*20:著書『韓国化する日本、日本化する韓国』(2015年、講談社)など

*21:著書『朝鮮半島をどう見るか』(2004年、集英社新書)、『高宗・閔妃』(2007年、ミネルヴァ日本評伝選)、『韓国現代史:大統領たちの栄光と蹉跌』(2008年、中公新書)など

*22:著書『韓国人に生まれなくてよかった』(2017年、悟空出版)、『文在寅という災厄』(2019年、悟空出版)

*23:著書『ダライ・ラマと転生』(2016年、扶桑社新書) など

*24:著書『中国を追われたウイグル人:亡命者が語る政治弾圧』(2007年、文春新書)など

*25:架空問答なのでこういうやりとりが出てきますがご容赦下さい。

*26:著書『日本帝国主義下の朝鮮経済』(2002年、東大出版会

*27:著書『大韓民国の物語』(2009年、文藝春秋

*28:浄土真宗本願寺派僧侶。著書『念仏の鼓動』(1992年、法蔵館)、『若者たちの東アジア宣言』(2004年、かもがわ出版)、『遺骨:語りかける命の痕跡』(2013年、かもがわ出版

*29:1995年に廃止

*30:小学館文庫

*31:おそらく横田めぐみさんの遺骨もこれと全く同じパターン(集団埋葬で身元も判別が出来ない)だろうと思いますね。彼女はもはや「死亡してる」と見なすべきでしょう。もちろんそうした北朝鮮のめぐみさんに対する扱いは問題ですが、だからといって「めぐみさんは生きてる」と非現実的な主張をしても意味がありません。

*32:著書『ぼくが遺骨を掘る人「ガマフヤー」になったわけ。:サトウキビの島は戦場だった』(2012年、合同出版)

*33:神奈川大学名誉教授。著書『X デー問題と現代天皇制』(共著、1988年、青木書店)、『天皇の代替わりと国民』(1990年、青木書店)、『「即位の礼」と大嘗祭』(共著、1990年、青木書店)、『海外神社跡地の景観変容』(2013年、御茶の水書房)、『天皇の「代替わり儀式」と憲法』(2019年、日本機関紙出版センター)など

*34:勿論批判的コメントになると思います

*35:勿論好意的コメントになると思います

*36:勿論元凶は安倍ですが、さすがに秋篠宮も公然と安倍批判はしがたいわけです。そして安倍や安倍応援団(産経)といったウヨ連中も「宮内庁長官の名前だけ出した」とはいえ「秋篠宮の野郎ふざけんな!」つう反感は覚えてるでしょう。「私たちは皇室を愛しています。秋篠宮殿下も大好きです」つう建前上そういう悪口が出来ないだけです。「米長の例の話」「天皇訪中」についても「明仁の野郎ふざけてる!」「なぜ米長さんを応援しなかった、なぜ訪中などした!」「親があんなんだから大嘗祭内廷費でやるべきだとか、秋篠宮が馬鹿なことを言うんだ」くらい思ってるでしょうが「私たちは皇室を愛しています。明仁上皇美智子様も大好きです」つう建前上そういう悪口が出来ないだけです。

*37:自治省大臣官房審議官(選挙担当)、総務省大臣官房審議官(地方行政・地方公務員制度、選挙担当)、内閣府大臣官房審議官(沖縄担当)、大臣官房長、事務次官宮内庁次長などを経て宮内庁長官

*38:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*39:全羅南道知事を経て首相

*40:小泉内閣沖縄・北方等担当相、福田内閣金融等担当相、第二次安倍内閣経産相、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党政調会長(谷垣総裁時代)、選対委員長(第二次安倍総裁時代)などを経て現在、外相

*41:東京大学名誉教授。著書『正しく恐れよ! 富士山大噴火:いつ、何が起こるのか どうすればいいのか』(2015年、徳間書店

*42:参院選滋賀選挙区での野党共闘が取り上げられています

*43:参院選新潟選挙区での野党共闘が取り上げられています

*44:自然エネルギー再生可能エネルギー)の固定価格買い取り制度のこと

*45:まあ小生が知ってる国内のやらせだと『アフタヌーンショーやらせリンチ事件』(1985年、テレビ朝日)、『愛する二人別れる二人・ニセ夫婦事件』(1999年、フジテレビ)なんかがありますね(ウィキペディアアフタヌーンショー』、『愛する二人別れる二人』参照)

*46:新国立劇場芸術監督、東京都交響楽団音楽監督

*47:2018年、『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルム・ドールを受賞。日本人監督としては、『地獄門』(1954年)の衣笠貞之助、『影武者』(1980年)の黒澤明、『楢山節考』(1983年)、『うなぎ』(1997年)の今村昌平に続き、史上4人目の受賞となった。

*48:1963年の映画『シェルブールの雨傘』のヒットで世界的スターの座をつかむ。1998年の『ヴァンドーム広場』でヴェネツィア国際映画祭女優賞を受賞。

*49:1993年公開の『トリコロール/青の愛』でヴェネツィア国際映画祭女優賞とセザール賞主演女優賞を受賞。1996年公開の『イングリッシュ・ペイシェント』でベルリン国際映画祭銀熊賞とアカデミー助演女優賞を受賞。2010年公開の『トスカーナの贋作』で第63回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞。

*50:2005年、中島美嘉とダブル主演を務めた『NANA-ナナ-』が、興行収入40億円の大ヒット。2006年、NHK連続テレビ小説純情きらり』ではヒロイン有森桜子を演じ、同作で第44回ゴールデン・アロー賞放送賞(ドラマ部門)を受賞した。2008年、NHK大河ドラマ篤姫』で、主人公の篤姫を演じる。放送開始時の年齢22歳1か月は、大河ドラマの主役としては当時歴代最年少(それまでは『義経』の滝沢秀明の23歳9か月が最年少であった)であった。

*51:是枝作品「万引き家族」に出演。

*52:1976年生まれ。1998年、TVドラマ『還珠姫:プリンセスのつくりかた』でヒロインを演じた。平均視聴率は45%を超え、このドラマで第17回中国ドラマ金鷹賞の最優秀主演女優賞を受賞(ウィキペディアヴィッキー・チャオ」参照)。