黒坂真に突っ込む(2019年10月19日分)

■黒坂ツイートにコメント

黒坂真
‏ (ボーガス注:護憲派で安倍安保法や軍拡を批判する)石川康*1先生は、中国、北朝鮮が日本を攻撃することなどありえないとお考えなのですか。

 「はあ?」ですね。そりゃ普通そう考えるでしょう。理由は簡単で「日本を軍事攻撃することにメリットがないから」です。
 というかそんなことを言うなら「来年春に習主席を国賓で招くという安倍」に黒坂は「安倍首相は、中国が日本を攻撃することなどありえないとお考えなのですか」と問い詰めたらどうなんですかね?

黒坂真
 石川康宏先生。アイヌを先住民族と認める法律はできましたが、史実と異なっています。アイヌは随分昔から和人と混在しており、先住民族などとは言えない。

 アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化(以下「アイヌの伝統等」という。)が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、アイヌ施策の推進に関し、基本理念、国等の責務、政府による基本方針の策定、民族共生象徴空間構成施設の管理に関する措置、市町村(特別区を含む。以下同じ。)によるアイヌ施策推進地域計画の作成及びその内閣総理大臣による認定、当該認定を受けたアイヌ施策推進地域計画に基づく事業に対する特別の措置、アイヌ政策推進本部の設置等について定めることにより、アイヌの人々が民族としての誇りを持って生活することができ、及びその誇りが尊重される社会の実現を図り、もって全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。

ということで確かに法律条文にはっきり「先住民族」と明記されています。
 また今回のアイヌ新法以前にも

 アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する国民に対する知識の普及及び啓発を図るための施策に関する基本方針総理府告示第二十五号、平成九年九月十八日)
アイヌの人々は、少なくとも中世末期以降の歴史の中では、当時の「和人」との関係において北海道に先住していたと考えられており、独自の伝統を有し、日本語とは異なる言語系統のアイヌ語や独自の風俗習慣をはじめとする固有の文化を発展させてきた民族である。 
(以下略)

などという政府公式文書があります。
 やれやれですね。黒坂がそう考えるなら「アイヌ先住民族」は「安倍政権も踏襲する政府公式見解」であり、アイヌ新法(政府提出法案の上、一部極右議員を除きほぼ全会一致で可決成立)も黒坂が言うように「アイヌ先住民族」と言う立場なのだから、石川氏よりもまず安倍に「なぜあんな法律を作った!」と言うべきではないのか。
 そして来年四月に開館予定の「国立アイヌ民族博物館(仮称)」を黒坂らウヨは非難するんですかね。それとも安倍万歳の上で都合が悪いから黙りか?
 つうか黒坂だけじゃないですが、日本極右連中(日本会議、三浦小太郎など)はアイヌを誹謗して一体何がしたいのか。
 「アイヌ同化(アイヌの人権侵害)なんかしてない、日本政府悪くない」と未だに居直りたいのか。それで「中国の少数民族政策は人権侵害、同化政策」と言うのだから呆れたバカです。
 「日本のアイヌ同化はきれいな同化、中国のチベットウイグル同化*2は汚い同化(黒坂ら日本ウヨ)」と強弁する気なのか。


【参考:国立アイヌ民族博物館(仮称)ほか】

「ゴールデンカムイ」人気で「アイヌ」がアツイ! ビジュアル満載&音声資料付きのアイヌ解説本、発売! - 産経ニュース
 学校では、新学習指導要領(中学社会科、平成29年3月31日公示)において、「鎖国下の対外政策」の単元でアイヌの北方交易を取り上げる際、「アイヌの文化についても触れること」が追加されました。さらに文部科学省では、小・中学校を通じて「アイヌに関する教育の充実を図る」としています。これを受け、全国の小学生・中学生は、鎖国時代のアイヌの北方交易だけでなく、その後の歴史で生じたアイヌの人々への偏見や差別などの人権課題、アイヌの歴史や文化について、学校の授業で学ぶことになります。

国交省、「ウポポイ」管理法人指定書交付 アイヌ民族文化財団に「尽力」 - zakzak
 国土交通省文部科学省は24日、「民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)」の管理などを行う法人の指定書交付式を国土交通省(東京都千代田区)で実施した。
 ウポポイは2020年4月24日に北海道白老町で開業予定。アイヌ文化の復興、発展のための拠点施設で、国立アイヌ民族博物館などが中心となっている。
 石井啓一*3国土交通大臣から指定法人となった(公財)アイヌ民族文化財団に対し指定書が交付された。
 石井大臣は「ウポポイの管理運営という重責を担っていただくことになります。政府としてもしっかり支援をいたしますので、ぜひともご尽力をお願いしたい」と語った。

「北海道観光の起爆剤に」 菅長官がアイヌ施設を視察 - 産経ニュース
 菅義偉官房長官は29日、北海道白老(しらおい)町を訪れ、来年4月にオープン予定のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間」の準備状況を視察した。「アイヌ文化の魅力と恵まれた自然を実感できる素晴らしい施設だ。北海道観光の起爆剤になってほしい」と記者団に述べた。年間来場者100万人を目指す考えも重ねて示した。

政府がアイヌ文化継承へ基本方針とりまとめ 新交付金手続き記載 - 産経ニュース
 政府は29日、アイヌ政策推進本部(本部長・菅義偉官房長官)の初会合を首相官邸で開き、アイヌ文化継承や観光振興のための基本方針案をまとめた。5月施行の「アイヌ施策推進法」を踏まえ、市町村を対象に給付する新たな交付金の申請手続きなどを記載。パブリックコメント(意見公募)を経て8月中にも閣議決定する。菅氏は「民族としての誇りが尊重される社会の実現に向け、積極的に取り組んでほしい」と述べた。

踊って着て、アイヌ民族文化を体験 国交省「こども霞が関見学デー」開催 - zakzak
 国土交通省は1日、同省中央合同庁舎(東京都千代田区)で「こども霞が関見学デー」を開催した。
 特設ステージ「feel・カムイ2018」では、アイヌ民族文化財団の舞踊チームによる伝統舞踊や、来場した子供たちも参加してアイヌ伝統の「こどもの遊びの踊り(ねずみとりの遊び)」が披露された。
 また、アイヌの伝統衣装などの着衣体験や民族楽器「ムックリ」の演奏体験、アイヌ文様の切り絵などの体験イベントも実施された。
 本イベントは2020年4月に北海道白老町に開業予定の、アイヌ文化の復興・創造の拠点となる民族共生象徴空間のプロモーションの一環。

アイヌ文化拠点、入場料1200円=来年4月に開館-国交・文科省:時事ドットコム
 国土交通、文部科学両省は6日、アイヌ文化の振興と発展のため、2020年4月に開館予定の「民族共生象徴空間」(北海道白老町)の入場料を大人一般1200円などとする規定を認可したと発表した。中学生以下は当面無料。休館日は毎週月曜と年末年始。
 入場料収入は施設管理などに充てる。民族共生象徴空間は、5月に施行されたアイヌ新法に基づき政府が整備を進めており、アイヌ語で大勢で歌うことを意味する「ウポポイ」の愛称が付いた。アイヌの歴史を紹介する博物館やアイヌ文化の体験施設を備え、年間来場者100万人を目指す。

三重)松阪市にアイヌ政策交付金 文化振興に308万円:朝日新聞デジタル
 5月施行の「アイヌ施策推進法」に基づく初めての交付金を、三重県松阪市を含む全国13市町に交付すると、政府が30日発表した。松阪市は、地元出身の幕末の探検家で北海道の名付け親になった松浦武四郎(1818~88)にまつわる文化振興事業を提案。北海道以外の自治体で唯一、交付対象に選ばれた。
 国は今年度予算で10億円を計上。うち約6億6千万円を今回、第1弾として交付する。松阪市は、毎年2月の「武四郎まつり」でのアイヌ古式舞踊の披露などと、松浦武四郎記念館でのアイヌ文化に関連した特別展「蝦夷(えぞ)漫画の世界」の開催を地域計画として国に申請し、認定された。交付額は、総事業費の8割に当たる308万7千円。
 松阪市三雲地域振興局によると、これまでの武四郎まつりでは、実行委員会がアイヌ民族文化財団から助成金を受け、アイヌの人らを招く旅費などに充てていた。だが、次回の申請では「事業多数」を理由に不採択となり、経費をどう負担するかが課題になっていた。このため、今回の交付決定について同局の蒲原智之課長は「困っていたところで、渡りに船」と喜ぶ。

*1:神戸女学院大学教授。全国革新懇代表世話人。個人サイトはげしく学び はげしく遊ぶ-石川康宏研究室。著書『現代を探究する経済学 』(2014年、新日本出版社)、『覇権なき世界を求めて』(2008年、新日本出版社)、『マルクスのかじり方』(2011年、新日本出版社)、『橋下「日本維新の会」がやりたいこと:何のための国政進出?』(2012年、新日本出版社)、『若者よ、マルクスを読もう:20歳代の模索と情熱』(共著、2013年、角川ソフィア文庫)、『「おこぼれ経済」という神話』(2014年、新日本出版社)、『社会のしくみのかじり方』(2015年、新日本出版社)など(ウィキペディア石川康宏』など参照)。

*2:実際の中国の少数民族政策がどんなものか知りませんので、コメントは控えます。ここでいう「中国の同化政策」とは単に「そういう中国批判がある」という事実の指摘に過ぎず、俺がそう認識しているというわけではありません。

*3:公明党政調会長、第三次、第四次安倍内閣国交相など歴任