今日の産経ニュース(2019年10月25日分)

基本的人権と義務は表裏一体だ 青山学院大学教授・福井義高
 デタラメも甚だしいですね。義務と人権は全くの別問題です。
 ならば例えば「納税の義務を果たすことの出来ないホームレス」は生存の権利を否定されて、避難所への避難を拒否されて台風の中、屋外にほったらかしでいいのか。
 そういう話ではないわけです(例は別にホームレスと台風でなくても何でもいいですが)。産経は「納税の義務を果たさないようなヤツは台風で死んでも自業自得」というのかもしれませんが、それは言うまでもなく非常識です。

参考

避難所、全ての人受け入れを=ホームレス対応で-加藤厚労相:時事ドットコム
 加藤勝信*1厚生労働相は15日の閣議後記者会見で、台風19号を受け東京都台東区自主避難所を訪れたホームレスが受け入れを断られたことに関し、「厚労省としては被害に遭われた方に関しては全ての方を取りこぼすことがないようにしっかり対応していく姿勢で取り組んでいきたい」と述べた。

避難所 ホームレス閉め出し「全被災者受け入れ望ましい」首相 | NHKニュース
 参議院予算委員会では台風19号についての質疑が集中して行われたあと、総括質疑が行われました。
 国民民主党森ゆうこ*2は、台東区が、区民を対象に開設した一部の自主避難所で、路上生活者、いわゆるホームレスとみられる人を受け入れなかったことについて「人道的に被災者の権利という基本的人権を尊重し、人間らしく避難生活を送ることができる基準がある。どう考えているのか」とただしました。
 これに対し安倍総理大臣は「避難所は、災害発生後に被災者の生命身体などを保護するために、被災者が一時的に生活を送るために、設置されたものであり、各避難所では避難したすべての被災者を適切に受け入れることが望ましい。関係自治体に事実関係を確認し、適切に対応していく」と述べました。

ホームレスの避難所受け入れ拒否 支援団体が申し入れ 台東区 | NHKニュース
 東京都台東区が、台風19号に備えて開設した避難所で、路上生活者を受け入れなかったことについて、支援団体が区に申し入れを行い改善策を要望しました。
 台風が接近していた今月12日の午前、台東区が開設した自主避難所に路上生活者、いわゆるホームレスの男性3人が訪れました。
 ところが区の職員から「避難所は区民のために設置したもので、台東区に住居が無い方は利用できない」と受け入れを拒否され、この対応について区民などからも批判する意見が相次いでいました。
 これを受けて民間の支援団体が21日、区役所を訪れて申し入れを行い、「災害対策基本法の『人の生命および身体を最も優先して保護すること』という基本理念を逸脱している」として、当事者への謝罪と改善策を要望しました。
 申し入れを行ったホームレス支援団体「あじいる」の中村光男さんは、「当事者たちからも区への失望の声がたくさん出ています。路上生活者を人として認めない姿勢を根本的に改めてほしい」と話しました。
 一方、台東区の服部征夫*3区長は21日の区議会で、「路上生活者への対応が不十分で不安な夜を過ごした方がいたことは、大変申し訳なかった。地域以外の人や路上生活者が訪れることをあらかじめ想定できなかったことを真摯(しんし)に受け止め、具体的な方策について対応を図っていきます」と答弁しました。

*1:第二次安倍内閣官房副長官、第三次安倍内閣一億総活躍等担当相、自民党総務会長などを経て現在、第四次安倍内閣厚労相

*2:野田内閣文科副大臣、「国民の生活が第一」幹事長代行、日本未来の党副代表、生活の党代表代行、自由党幹事長兼参議院会長などを歴任

*3:台東区議、都議を経て台東区