三浦小太郎に突っ込む(2019年10月29日分)(追記あり)

11月30日、新著「ドストエフスキーの戦争論」のお披露目会神田でやります | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 過去に三浦は

・『収容所での覚醒 民主主義の堕落』(2012年、高木書房)
・『渡辺京二*1』(2016年、言視舎評伝選)
・『通州事件 日本人はなぜ虐殺されたのか』(藤岡信勝*2らとの共著、2017年、勉誠出版
・『西部邁*3日本人への警告 わが国にとって「保守vs.革新」とは何だったのか』(西村幸祐*4富岡幸一郎*5との共著、2018年、イーストプレス)
・『なぜ秀吉はバテレンを追放したのか:世界遺産「潜伏キリシタン」の真実』(2019年、ハート出版)

といった本を出していますので今回も過去に三浦本を出版したこれらの出版社のどれかでしょう。
【追記その1】
 JRC一手扱い―萬書房によれば予想大外れ、「萬書房」とか言う中小出版社のようです(しかし三浦が現時点では出版社の名前を明かさないのが謎です)。
 ただこの萬書房

JRC一手扱い―萬書房
ダグラス・ラミス*6『〈ダグラス・ラミスの思想〉自選集:「普通」の不思議さ』(2017年)

つうことで「はあ?」ですね。ラミス氏をどう評価するにせよ、彼は三浦のような極右ではないと思うのですがね。むしろ彼は左派ないしリベラル保守でしょう。
 そしてJRC一手扱い―萬書房のラインナップ(数はそう多くはないですが)

JRC一手扱い―萬書房
■嶋田和子*7『精神医療の現実』(2014年)、『青年はなぜ死んだのか:カルテから読み解く精神病院患者暴行死事件の真実』(2019年)
■米田倫康『発達障害バブルの真相』(2018年)
■柴田保之*8『沈黙を越えて:知的障害と呼ばれる人々が内に秘めた言葉を紡ぎはじめた』(2015年)
宮古あずさ*9『あたたかい病院』(2015年)
■長沖暁子編著『AIDで生まれるということ:精子提供で生まれた子どもたちの声』(2014年)

ということで「本の善し悪しはともかく*10」医療関係の著書が多いようで、特に「ロシア文学関係の著書」「三浦のような極右ライターの著書」が多いわけでもないのに、なぜいきなり「三浦のドストエフスキー本」出版に手を出すのかわけが分かりません。
【追記その1終わり】
【追記その2】
 三浦もその後、拙著「ドストエフスキーの戦争論」11月19日に萬書房より発行となります。 | 三浦小太郎BLOG Blue Moonと言う記事を書き出版元が萬書房であると宣伝しています。

拙著「ドストエフスキーの戦争論」11月19日に萬書房より発行となります。 | 三浦小太郎BLOG Blue Moon
 ドストエフスキーが「アンナ・カレーニナ」を論じつつトルストイの平和主義を批判した部分は、まさに戦後日本で論じられてきた護憲派改憲派の思想的頂点の対話のようにも読めます。

 「なんだかなあ?」ですね。あえて言えば「非暴力主義、反戦主義を唱え、日露戦争に反対したトルストイ」は護憲派に近く、「クリミア戦争を聖戦として美化した右翼ドストエフスキー」は改憲派に近いかもしれない。ただ「戦後日本と当時のロシア」では時代背景が全然違いますからね。わざわざ「トルストイ護憲派」「ドストエフスキー改憲派」と見なしても何か意味のある結論が得られるかと言ったら得られないと思いますね。

 ロシアの対トルコ戦争に熱狂し義勇軍としてはせ参じるロシア民衆と、彼らを国家の論理を越えた聖なる精神を持って死地に赴く聖者たちとして讃えるドストエフスキーの文章は、まさに大東亜戦争そのものを思わせます。

 で「それがどうかしたのか?」「まさかそんなことが大東亜戦争での日本政府の正しさを証明しているとでも言う気か?」て話です。
【追記その2終わり】

 しかし勉誠出版というのはもともとは「昔の角川書店*11」のような、まともな国文学出版社だったと思いますが、最近は、三浦の本以外にもウヨ商売に手を出してるようで、
「勉誠出版が闇落ちネトウヨ化?」と話題になってる件 - NAVER まとめ
勉誠出版がネトウヨ化しているという悲報に接したあと自省した夜 - 日比嘉高研究室*12
と言う批判記事がありますね。
 勉誠出版がネトウヨ化しているという悲報に接したあと自省した夜 - 日比嘉高研究室は「中小出版社は経営が厳しいから一方的に非難したくない」とはいっていますが、ただ全ての中小出版社がこんなバカウヨ路線に突入してるわけじゃありませんからね。
 それにしても「事実上の自費出版」を「ウヨ仲間が組織購入」なのでしょうが、ドストエフスキー研究者でもない三浦の「ドストエフスキー本を出版」とは実に物好きです。
 ドストエフスキーについては既に

江川卓*13
・『ドストエフスキー』(1984年、岩波新書
・『謎とき『罪と罰』』(1986年、新潮選書)
・『謎とき『カラマーゾフの兄弟』』(1991年、新潮選書)
・『謎とき『白痴』』(1994年、新潮選書)
亀山郁夫*14
・『ドストエフスキー 父殺しの文学(上・下)』(2004年、NHKブックス
・『「悪霊」 神になりたかった男』 (2005年、みすず書房
・『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』(2007年、光文社新書
・『ドストエフスキー 謎とちから』(2007年、文春新書)
・『ドストエフスキー 共苦する力』(2009年、東京外国語大学出版会)
・『「罪と罰」ノート』(2009年、平凡社新書
・『ドストエフスキーとの59の旅』(2010年、日本経済新聞出版社→後に『偏愛記:ドストエフスキーをめぐる旅』と改題して2013年、新潮文庫
・『ドストエフスキー『悪霊』の衝撃』(共著、2012年、光文社新書)
・『謎解き 『悪霊』』(2013年、新潮選書)
・『そうか、君はカラマーゾフを読んだのか』(2014年、小学館
・『新カラマーゾフの兄弟(上・下)』(2015年、河出書房新社
【中村健之介*15
・『ドストエフスキー・作家の誕生』 (1979年、みすず書房
・『ドストエフスキー 生と死の感覚』(1984年、岩波書店
・『ドストエフスキーと女性たち』(1984年、講談社
・『ドストエフスキーのおもしろさ』(1988年、岩波ジュニア新書)
・『ドストエフスキー人物事典』(1990年、朝日選書→2011年、講談社学術文庫)
・『知られざるドストエフスキー』(1993年、岩波書店
・『永遠のドストエフスキー』(2004年、中公新書)

など沢山、研究書、評論本がありますからねえ。

・主催 東京新風倶楽部
・場所 TKP神田ビジネスセンター

 主催が出版社でなく、「極右政党・維新政党新風*16の関連団体(東京新風倶楽部)」ということといい、場所が書店でなく「貸し会議場」ということといい失笑しかないですね。

ドストエフスキーはまさに「ネトウヨ」だったという衝撃的(?)な事実を解説するもの。
 ロシアの(ボーガス注:トルコとの)戦争は聖戦である!。コンスタンチノーブル*17を領有せよ!。左傾化するカトリックの陰謀が世界を破滅させる!。ユダヤ人は如何なる民族にも同化せず、差別をネタに特権*18を得ながら陰謀をたくらんでいる!。平和主義やリベラル知識人*19民衆の敵だ!。貧困労働者の革命*20がヨーロッパ文明を滅ぼすだろう。
 こういう言葉の裏で、ドストエフスキーは何を言いたかったのかを考えていきたいと思います。

 仮に事実だとして衝撃なんですかね、どうでしょう。
「作曲家ワーグナーがひどい反ユダヤ主義者だった(だからこそヒトラーに持ち上げられイスラエルでは事実上、演奏不可能になった)」
「作家・三島由紀夫はテロ右翼」
「作曲家・黛敏郎右翼団体日本を守る国民会議』議長だった」
「『ひょっこりひょうたん島』などで知られる作家・井上ひさし共産党支持者」
「エッセイストの米原万里氏は米原いたる元代議士(日本共産党)の娘*21」などと同様に既にドストエフスキー研究者からは「そんなの知ってるけど?」「何を今更?」レベルの話かもしれません。
 なお、ウィキペディアドストエフスキー』には確かに「彼が酷い反ユダヤ主義者だった」と言う指摘があります。

ドストエフスキーウィキペディア参照)
・1876年7~8月には、ロシアがクリミアを獲得しなければユダヤ人がロシアに殺到してしまうとドストエフスキーは危惧し、トルコとの戦争を支持した。
・1879年夏、ドストエフスキーは、ドイツの保養地バート・エムスに療養で訪れた際に、湯治客の半分はユダヤ人であり、ドイツはユダヤ化されてしまった*22と友人のロシア宗務院長ポベドノスツェフに手紙を送っている。これに対してポベドノスツェフ宗務院長(反ユダヤ主義者として有名)は「ユダヤ人はすべてを侵略し、蝕んでいます。ユダヤ人は、社会民主的運動やツァーリ暗殺*23運動の根幹に位置し、新聞・雑誌を支配し、金融市場を手中におさめ、一般大衆を金融面での隷属状態に追い込み、今ではロシアの新聞はすでにユダヤ人のものになっています」と返信した。
ドストエフスキーは小説でもユダヤ人を描写する際には、反ユダヤ主義的な表現を用いた。『死の家の記録*24(1862年)では、ゴーゴリユダヤ人描写を模して、ユダヤ人徒刑囚ブムシュテインを「羽をむしられた鶏」として滑稽に描いた。ただし、この「羽をむしられた鶏」というユダヤ人イメージは、他のロシア文学、たとえばシチェドリンの『ペテルブルグのある田舎者の日記』や、チェーホフの『曠野』*25、バーベリの『騎兵隊』*26でも描かれており、ドストエフスキーだけの特長ではない(当時のロシアで反ユダヤ主義が蔓延していた?)。『悪霊』*27(1872)では、改宗ユダヤ人リャームシンは政治活動家による暗殺に加わるが、最初に警察に犯行と共犯者を自白する臆病者として描かれる(ただし、この小説ではユダヤ人だけが貶められているわけではない)。小説『カラマーゾフの兄弟*28(1880)では、肉欲と物欲の権化であるフュードルがユダヤ人が多く住むオデッサユダヤ人によって金を稼いで貯め込む才覚を磨いたとし、このユダヤ人は金貸し業者であったとされる。また儀式殺人で快楽を引き出すユダヤ人について描写した。ドストエフスキーユダヤ人による儀式殺人*29について、V・ダーリ『ユダヤ人によるキリスト教徒少年殺害とその血の利用について』(1844)、リュスタンスキー『ユダヤセクトが宗教的目的でキリスト教徒の血を利用する問題について』(1876)、フヴォリソン『ユダヤ人はキリスト教徒の血を用いるか』(1879)など反ユダヤ書物を読んでいたと見られる。
ドストエフスキーは、西ローマ帝国(第一帝国)、東ローマ帝国(第二帝国)は信仰が足りないために滅亡したが、聖ロシアは第三のローマ帝国第三帝国)とならなければならないと論じた。このドストエフスキー第三帝国思想はドイツに渡り、ナチスは、神聖ローマ帝国(第一帝国)、ドイツ帝国(第二帝国)の正統性を受け継ぐ「ドイツ第三帝国」の創設を唱えた。
ナチス政権で国民啓蒙・宣伝大臣を務めたゲッベルス(敗戦直前に家族とともに自殺)は若い頃よりドストエフスキーの影響を深く受けており、「我々は彼の後についていく」とドストエフスキーの弟子を自認した

だそうです。
 どっちにしろ「ワーグナーが偉大な作曲家だろうとその反ユダヤ主義が正当化できない」「三島が偉大な作家だろうとそのテロ行為は容認できない」のと同様「『罪と罰*30、『カラマーゾフの兄弟』などの作品をどう評価するかに関係なく、ドストエフスキーが極右(反ユダヤ主義や左翼運動への不当な敵視など)ならばその点においては彼は低劣で愚かなだけ」です。
 もちろん「ワーグナーが酷い反ユダヤ主義だから音楽も評価に値しない」「三島は犯罪者だから小説も評価に値しない」「ドストエフスキーが酷い極右だから小説も評価に値しない」つう話でないことも一方では事実です。
 まあ、三浦は「ドストエフスキーも極右だった、だから俺たちが極右で何が悪い」といいたい*31のでしょうが、ドストエフスキーって「ロシア人」ですからねえ。
 つまり三浦の主張「ドストエフスキーは極右」が事実なら今、彼が生きていたら「北方領土はロシアの領土だ」とおそらく言っていたわけです。
 あるいは日露戦争当時に彼が生きていたら(実際には死んでいますが)「日本が間違ってる。わがロシアが正しい*32」といっていたでしょう。そんなん持ち上げて日本ウヨとしていいのか?、て話です。


【参考:イスラエルワーグナータブー】

イスラエル公共ラジオ、「タブー」のワーグナーの曲放送し謝罪 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
イスラエル公共放送協会Kanは2日、同国でタブーとなっている反ユダヤ主義のドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner)の曲がラジオで放送されたことについて、「ミス」だったと謝罪した。
アドルフ・ヒトラーAdolf Hitler)が愛好した作曲家がワーグナーだった。
 イスラエルにはワーグナー作品の演奏を禁止する法律はないが、過去に演奏が試みられた際に国民が反発や不快感を示したことから、オーケストラや会場側が演奏を自粛している。
 Kanの広報は2日、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の生存者への配慮からワーグナーの音楽は放送しないという長年の方針に変更はないと強調した上で、「聴取者に謝罪する」と述べた。

*1:極右の三浦に評伝を書いたもらってなんとも思わない渡辺も三浦の同類右翼であることは言うまでもないでしょう。俺ならば、三浦に評伝なんぞ書かれるくらいなら回想録でも書いた方がましです。

*2:著書『自由主義史観とは何か:教科書が教えない歴史の見方』(1997年、PHP文庫)、『「自虐史観」の病理』(2000年、文春文庫)、『汚辱の近現代史』(2001年、徳間文庫)、『教科書採択の真相:かくして歴史は歪められる』(2005年、PHP新書)など

*3:著書『蜃気楼の中へ:遅ればせのアメリカ体験』(1985年、中公文庫)、『大衆の病理』(1987年、NHKブックス)、『生まじめな戯れ』(1992年、ちくま文庫)、『知識人の生態』(1996年、PHP新書)、『私の憲法論:真正保守による改正試案』(1999年、徳間文庫)、『アメリカの大罪』(2003年、小学館文庫)、『核武装論』(2007年、講談社現代新書)、『友情:ある半チョッパリとの四十五年』(2011年、ちくま文庫)、『保守思想のための39章』(2012年、中公新書)、『虚無の構造』、『福澤諭吉』(2013年、中公文庫)、『経済倫理学序説』(2014年、中公文庫)、『大衆への反逆』(2014年、文春学藝ライブラリー)、『西部邁の経済思想入門』(2015年、放送大学叢書)、『保守の真髄』(2017年、講談社現代新書)、『六〇年安保:センチメンタル・ジャーニー』(2018年、文春学藝ライブラリー)、『保守の遺言』(2018年、平凡社新書)など

*4:著書『「反日」の構造:中国、韓国、北朝鮮を煽っているのは誰か』(2004年、PHP研究所)、『21世紀の「脱亜論」:中国・韓国との訣別』(2015年、祥伝社新書)など

*5:著書『川端康成 魔界の文学』(2014年、岩波現代全書)、『生命と直観:よみがえる今西錦司』(2019年、アーツアンドクラフツ)など

*6:著書『内なる外国:『菊と刀』再考』(1997年、ちくま学芸文庫)、『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』(2004年、平凡社ライブラリー)、『ガンジーの危険な平和憲法案』(2009年、集英社新書)、『増補・憲法は、政府に対する命令である』(2013年、平凡社ライブラリー)など

*7:著書『ルポ 精神医療につながれる子どもたち』(2013年、彩流社)、『精神医療の「からくり」』(2014年、ベル出版)、『発達障害薬物療法を考える』(2017年、彩流社)、『ベンゾジアゼピンの罠』(2017年、ベル出版)

*8:著書『新版・みんな言葉を持っていた:障害の重い人たちの心の世界』(2018年、オクムラ書店)

*9:著書『看護婦が見つめた人間が死ぬということ』(1998年、講談社文庫)、『看護婦だからできること』(1999年、集英社文庫)、『老親の看かた、私の老い方:看護師が考えた「老い」と「介護」』(2004年、集英社文庫)、『看護婦が見つめた人間が病むということ』(2008年、講談社文庫)、『ナースコール』(2010年、講談社文庫)、『看護師という生き方』(2013年、ちくまプリマー新書

*10:俺はこれらの本を読んでいませんし、医学素人でもあるので、当然ながらこれらの本をお薦めしてもいません。「一般論として」、医療本に「エセ医学本」が多いことも知っています。むしろ「ドストエフスキー素人」三浦の駄本を刊行する「無名の中小出版社」など眉唾の目、疑いの目で見ています。

*11:今は「金田一耕助の角川」「アニメの角川」などとなって大企業ですが。

*12:ウィキペディア日比嘉高」によれば日比氏は1972年生まれ。名古屋大学准教授で『ジャパニーズ・アメリカ:移民文学・出版文化・収容所』(2014年、新曜社)、『いま、大学で何が起こっているのか』(2015年、ひつじ書房)、『文学の歴史をどう書き直すのか:二〇世紀日本の小説・空間・メディア』(2016年、笠間書院)、『〈自己表象〉の文学史:自分を書く小説の登場(第三版)』(2018年、翰林書房)と言う著書があります。

*13:1927~2001年、東京工業大名誉教授。元巨人の江川卓(えがわすぐる)と同じ文字ですがこの方は「たく」と読みます。ペンネームで、本名は「馬場宏(ばば ひろし)」だそうです。

*14:1949年生まれ。東京外国語大学名誉教授(元学長)。現在、名古屋外国語大学学長

*15:1939年生まれ。北海道大学名誉教授

*16:三浦は副代表のようです

*17:ドストエフスキー生存時のトルコの首都。現在のイスタンブル

*18:言ってることがまるきり「在日特権」「アイヌ特権」などというウヨのデマと同じです。

*19:そもそもドストエフスキー時代ロシアと今の日本では政治状況が違います。「ドストエフスキー時代のロシア右翼=三浦のような今の日本ウヨ」ではないし、「当時のロシア右翼が敵視した平和主義者やリベラル知識人=今の日本ウヨが敵視する平和主義者やリベラル知識人」ではない。たとえば当時、ドストエフスキー帝政ロシアの戦争を擁護したとしても当然ながらそれは何ら「三浦らウヨの太平洋戦争での戦前日本擁護」とは直結しないわけです。

*20:「貧困労働者の革命」の定義にもよりますが、ロシア革命型の共産主義革命はともかく社民主義運動は特に粛清などの問題行為もなかったわけです。そして「ヨーロッパ文明を滅ぼす」の定義にもよるでしょうが、旧ソ連東欧にしても「政治的な文化活動」はともかく政治性のない一般的な文化活動については別に弾圧などもなく「文明滅亡」といえるようなことはなかったんじゃないか(まあこれは戦前日本、ナチドイツなど他の独裁体制も同じでしょうが)。

*21:まあ、例は何でもいいのですが

*22:「北海道や佐渡の中国人旅行客」「対馬の韓国人旅行客」をネタに「中国や韓国の脅威」を主張する産経といい勝負です。

*23:アレクサンドル2世暗殺のこと

*24:邦訳は光文社古典新訳文庫新潮文庫

*25:邦訳は岩波文庫

*26:邦訳は中公文庫

*27:邦訳は光文社古典新訳文庫新潮文庫

*28:邦訳は光文社古典新訳文庫新潮文庫

*29:おそらく儀式殺人というのはユダヤ人を誹謗するガセネタでしょうね。

*30:邦訳は岩波文庫、角川文庫、新潮文庫

*31:普通の人間にとっては「ドストエフスキーってそんな馬鹿右翼やったんか。ショック」ですが。大体「三島(極右活動家)は偉大な作家だから極右で何が悪い」といって世間が支持するか、考えれば分かりそうなもんですが。

*32:まあ俺はどっちも間違ってると思いますが。