黒井文太郎に突っ込む(2019年11月8日分)

黒井文太郎
 何か希望を期待させるタイトルの記事ですが、アサド政権を四半世紀見てきたウォッチャーとしての自分の見方では、アサド政権が強権独裁を放棄する可能性は0%。
 残念ながら、こうした平和への努力は、独裁者に自国民を殺戮する時間的余裕を与えるだけの結果に終わるでしょう。「シリア内戦 和平への一歩」というタイトルは、まあぶっちゃけ朝日新聞さんの「誤報
シリア内戦、和平へ一歩 アサド政権と反体制派が同席:朝日新聞デジタル
 内戦が続くシリアの和平に向け、新憲法を作るための憲法委員会の初会合が30日、スイスで始まった。これまで公の場で顔を合わせなかったアサド政権と反体制派の代表が一堂に会した。双方が初めて政治的に合意した枠組みで、8年間で40万人が犠牲になったとされる内戦の終結に向けたステップとなるのか、注目される。
 初会合でアサド政権と反体制派、市民社会から50人ずつの計150人の委員を前に、ペダーセン国連シリア担当特使は「皆さんがここに集まることは簡単なことではなかった」と述べ、対話姿勢に敬意を表した。
 国連安全保障理事会は15年12月、新憲法の制定や自由で公正な選挙の実施を盛り込んだ決議を全会一致で採択。今回の憲法委はこの決議に基づいている。
 安保理決議から4年近くたって実現した憲法委だが、採択当時に拮抗(きっこう)していたアサド政権と反体制派の勢力図は様変わりした。ロシアの本格的な軍事介入で息を吹き返したアサド政権軍は、16年12月に反体制派の最大拠点だった北部の要衝アレッポを奪還。その後も政権軍は攻勢を強め、反体制派を北西部イドリブ県一帯に追い詰めている。
 国連主導の和平協議は、アサド政権と反体制派の間で、アサド大統領の去就をめぐる主張の隔たりが大きく、実質的な協議に入れない状態が続いていた。だが、ロシアがアサド政権の優位を確定させたことで、事態が動き出した。
 17年1月からロシアは、同じくアサド政権を支えるイラン、反体制派の後ろ盾のトルコと独自に和平協議を開始。現場の戦闘に影響を及ぼせる3カ国は18年1月、ロシア南部ソチで「シリア国民対話会議」を開催し、憲法委の設立を共同声明に盛り込んだ。さらに国連を巻き込むことで、反体制派も憲法委に参加をせざるを得なくなった。
 ただ、8年以上にわたって争ってきたアサド政権側と反体制派側の遺恨は深い。互いの「捕虜」の交換などを通じて信頼を醸成し、実質的な協議を整えられるかが課題となる。

 黒井には「やれやれ」ですね。
 まず第一に「ならば黒井はシリア情勢をどう展望してるのか?」。朝日記事が指摘するように現実問題として反政府派によるアサド政権打倒など無理でしょう。
 アサド打倒が無理なら、反体制派にとって「和平合意」と言う方向性しかない。
 第二にこうした「対話」を決断したのは「朝日でも何でもなく反アサド派(反アサド派の全てではなく一部に過ぎないがそれなりに有力なグループ)」です。そういう話で「朝日ガー(黒井)」なんて馬鹿げています。