今日の産経ニュース(2019年11月13日分)

【沖縄取材の現場から】首里城再建 一つになれない沖縄県議会(1/4ページ) - 産経ニュース

 「沖縄県民の心は全部の力を合わせて一日も早い首里城の再建だ。もちろん、国がお金を出すべきだが、県民の心はしっかり入れていくべきだ。首里城造るから、辺野古は埋め立てやるわよ、ということではならない」
 社民党の狩俣信子県議がこう述べると、「辺野古、関係あるか?」とヤジが飛んだ。他の議員からは失笑が漏れ、狩俣氏は「笑い事じゃないんですよ」と色をなした。

 でこの発言の何が問題なのか。首里城再建で「一つになれない沖縄県議会」と言う話ではない。
 横暴な安倍政権なら「首里城再建に国費を投入してほしければ辺野古埋め立てを容認しろ」などの暴挙を実行しかねないとみての牽制発言に過ぎません。狩俣氏ら辺野古反対派にそう疑われても仕方のない言動ばかりしてきたのが安倍政権です。
 安倍政権でなければおそらく自民政権でもこうした発言は出なかったでしょう。
 「そのような疑念を招いて恥ずかしい」「国費はそんなことと関係なく投入されるので安心して下さい。我々沖縄自民もそのように中央に働きかける」と思うのならともかく野次を飛ばすなど、沖縄自民はどれほどゲスなのか。「笑い事じゃない」と狩俣氏が憤慨するのも当然です。

 共産党の渡久地修県議が「11月議会で首里城再建の意見書を目指すという方向で持っていけたらいい」と発言すると、赤嶺昇副議長が「原因究明もしないうちから意見書の話にはならないでしょ」とかみついたのだ。赤嶺氏は、玉城氏を支持する「オール沖縄」勢力の一角を占める会派「おきなわ」の保守系県議だ。
 これには社民党出身の新里米吉議長が「意見書はどこかでやらないといけない」と引きとろうとしたが、日本維新の会の当間盛夫県議が「首里城火災の責任の所在も明らかにしないで、ただ単に『燃えたから再建してください』といえば、沖縄は何をしていたんだといわれてもおかしくない」と割って入った。自民党県連幹部も「共産党首里城再建を手柄にしようとスタンドプレーしている」と憤る。

 やれやれですね。原因究明と再建意見書と何の関係があるのか。平行してやればいい話であって「原因究明が先」なんて話ではないでしょうに。共産議員の提案であることがそんなに気にくわないのか。それこそそうした態度の方が党利党略でしょう。