新刊紹介:「経済」12月号

「経済」12月号について、俺の説明できる範囲で簡単に紹介します。
 http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/
■世界と日本「長期化する香港の抗議行動」(平井潤一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
香港繁華街でデモ/覆面禁止規則破棄など掲げ/五大要求訴え「抵抗続ける」
香港警察また発砲/2人負傷 1人は重体


特集『岐路に立つ日本資本主義(続)』
■座談会「日本資本主義はどこに行く」(小西一雄*1、小栗崇資*2、藤田実*3佐々木憲昭*4
(内容紹介)
 消費税増税と「米中貿易摩擦」が今後の日本経済、世界経済の不安定要素としてあげられている。もちろん解決の方向性としては「米中対立の解消」と「消費税減税」と言う話になるわけですが。
 産経などは米中対立をアンチ中国として喜んでいますが、今や「中国が風邪を引いたら日本は肺炎になる(中国の経済が停滞したら日本のダメージも大きい)」といっていいほど、日本経済は中国市場に依存していると言っていいでしょう。「経済」の座談会のように「米中対立解消」を望むのが合理的な考えでしょう。


特集『教育無償化と奨学金問題』
■権利としての教育無償化(渡部昭男*5
■大学等就学支援法と教育の機会均等(中嶋哲彦*6
■お金を心配することなく高校で学びたい(鈴木敏則*7
■「奨学金被害」の実態と制度改善に向けて(岩重佳治*8
■幼児教育・保育「無償化」の問題と改善課題(村山祐一*9
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
【大学等、高等教育無償化】
大学修学支援法 吉良氏が反対/無償化とはいえない
大学等修学支援法に対する吉良議員の反対討論/参院本会議
国立大授業料減免 支援外し/50~60%の学生に影響/山添議員が調査
主張/高等教育の無償化/授業料免除制度の後退許すな
奨学金問題】
主張/「給付型奨学金」/対象の規模はまだまだ小さい
奨学金破産が急増/追い込まれる貸与者本人
 1)貸与奨学金ではなく返済不要の贈与奨学金を増やすべき、2)有利子でなく無利子奨学金を増やし、有利子奨学金も利率を下げるべき、3)現行の貸与猶予(あるいは免除)制度を充実すべきと言うのが共産党の主張です。
【高校無償化】
高校授業料「無償化」に所得制限/学び支える理念を否定/自民・公明 保護者ら撤回求める
高校無償化制を廃止/法案を閣議決定 14年度から所得制限
高校無償化廃止法が成立/田村議員が反対討論 国際規約に反する/参院本会議
学習権保障する観点を/田村氏 高校授業料無償化で/参院内閣委
 安倍政権の導入した所得制限について「廃止すべきだ」とする共産党です。勿論共産党朝鮮学校の無償化除外も批判しています(例えば
高校無償 朝鮮学校差別やめて/韓国の教職員ら日本政府に要請
多文化共生の社会こそ/朝鮮学校描く映画上映 前川喜平さん講演
参照)。
【幼保無償化】
主張/幼保「無償化」法案/安心の子育てにつながらない

幼児教育・保育の「無償化」で公明党に反論/小池書記局長
 日本共産党小池晃*10書記局長は15日、神奈川県内での街頭演説で、公明党の斉藤鉄夫*11幹事長が同日の街頭演説で、「幼児教育の無償化に反対した共産党」と攻撃したことに反論しました。
 小池氏は、安倍政権が実施する「幼児教育・保育無償化」は、消費税率10%への増税と同時に行う「抱き合わせ」だと批判し、「子育て世代に最もきびしい消費税増税で、5兆円もの負担を押し付けるやり方に賛成できるわけがない」と強調しました。
 それに加えて小池氏は、保育所では減免費用の約半分が年収640万円以上の世帯に向けられる仕組みだと指摘。もともと低所得世帯には保育料の減免措置が実施されているとし、「所得が低い家庭には『無償化』の恩恵はなく、消費税増税だけがのしかかる。これこそ弱い者いじめではないか」と指摘しました。
 また、保育士の配置数や保育室の面積などで国の基準に満たない認可外施設の利用者も補助の対象になるため、「保育の質」が保てない施設に国がお墨付きを与えることになるとも指摘。「無償化」費用の自治体負担も、私立保育所は国が半分補助するのに、公立保育所は市町村が全額負担する仕組みだとして、公立園の廃止・民営化の動きが加速しかねないと問題点を告発しました。

 ということで「総論(幼保無償化それ自体)は賛成だが各論(自公政権の方法論)で反対」と言う立場の共産党です。
 なお、共産党は幼保無償化についても「朝鮮幼稚園」「インターナショナルスクール」など外国人幼稚園、保育園の無償化除外を批判しています(例えば
全ての幼児に「幼保無償化」を/外国人学校を差別しないで/国会内で集い朝鮮幼稚園も無償に/保護者ら小池・畑野氏に要請参照)。


■産業構造転換と新たな都市戦略:「スーパーシティ」構想とその問題点(中山徹*12
(内容紹介)
 政府や財界が主張するスーパーシティ構想(日本版コンパクトシティ)について否定はしないものの、「細部が明確でなく、地方切り捨てにつながる恐れが否定できない」と警戒の目で見ている。


国民健康保険にみる皆保険体制をめぐる政策動向(長友薫輝*13
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。
高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります│・・│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会
国保料滞納269万世帯 3分の1 国保証取り上げ/18年度厚労省調査


新自由主義政策の帰結と国連「家族農業の10年」(関根佳恵)
(内容紹介)
 農業大規模化の流れを批判し、「家族農業の意義」について論じている。

参考
家族農業の再評価を/田村貴昭氏「価格・所得の安定が重要」
「農民の権利」国連採択/家族農業重視の流れ鮮明/日本は棄権
主張/「家族農業の10年」/農業再生への展望を開く年に
家族農業応援政治を/東京・新宿 全国食健連が宣伝
家族農業支援は責任/国連「10年」受け倉林氏が要求/参院行政監視委
家族農業支える政策を/農民連など国際フォーラム/東京

*1:著書『資本主義の成熟と転換』(2014年、櫻井書店)

*2:著書『アメリ連結会計生成史論』(2002年、日本経済評論社)、『株式会社会計の基本構造』(2014年、中央経済社

*3:著書『戦後日本の労使関係』(2017年、大月書店)

*4:著書『変貌する財界:日本経団連の分析』(2007年、新日本出版社)、『財界支配:日本経団連の実相』(2016年、新日本出版社)、『日本の支配者』(2019年11月刊行予定、新日本出版社)など

*5:著書『障がい青年の自分づくり』(2009年、日本標準)、『能力・貧困から必要・幸福追求へ:若者と社会の未来をひらく教育無償化』(2019年、日本標準ブックレット)など

*6:著書『生徒個人情報への権利に関する研究』(2000年、風間書房)、『教育の自由と自治の破壊は許しません。:大阪の「教育改革」を超え、どの子も排除しない教育をつくる』(2013年、かもがわブックレット)、『教育委員会は不要なのか:あるべき改革を考える』(2014年、岩波ブックレット

*7:著書『高校生の叱り方』(1995年、学陽書房

*8:著書『「奨学金」地獄』(2017年、小学館新書)

*9:著書『保育園はどう変わるべきか』(1993年、ひとなる書房)、『もっと考えて!!子どもの保育条件』(2001年、新読書社)、『「子育て支援後進国」からの脱却』(2008年、新読書社)、『たのしい保育園に入りたい!』(2011年、新日本出版社

*10:共産党政策委員長、副委員長などを経て書記局長

*11:福田、麻生内閣環境相公明党政調会長を経て幹事長

*12:著書『検証 大阪のプロジェクト』(1995年、東方出版)、『行政の不良資産』(1996年、自治体研究社)、『公共事業依存国家』(1998年、自治体研究社)、『地域経済は再生できるか』(1999年、新日本出版社)、『公共事業改革の基本方向』(2001年、新日本出版社)、『地域社会と経済の再生』(2004年、新日本出版社)、『子育て支援システムと保育所・幼稚園・学童保育』(2005年、かもがわ出版)、『よくわかる子ども・子育て新システム』(2010年、かもがわブックレット)、『人口減少時代のまちづくり』(2010年、自治体研究社)、『人口減少と地域の再編』(2016年、自治体研究社)、『人口減少と公共施設の展望』、『人口減少と大規模開発』(2017年、自治体研究社)、『人口減少時代の自治体政策』(2018年、自治体研究社)、『だれのための保育制度改革:無償化・待機児童解消の真実』(2019年、自治体研究社)など

*13:著書『長友先生、国保って何ですか』(共著、2013年、自治体研究社)など