高世仁に突っ込む(2019年11月16分)(追記あり)

政府は日本共産党の中国批判を見習え - 高世仁の「諸悪莫作」日記

香港での弾圧の即時中止を求める
日本共産党幹部会委員長 志位和夫*1
・香港で政府への抗議行動に対する香港警察による弾圧が強まっている。11日には警官が至近距離からデモ参加者に実弾発砲し、1人が腹部を撃たれて重体となった。丸腰のデモ参加者への実弾発砲は、言語道断の野蛮な暴挙である。
・わが党は、デモ参加者が暴力を厳しく自制し、平和的方法で意見を表明することが重要だと考える。しかし、殺傷性の高い銃器を使用して、抗議活動への弾圧を行うことは、絶対に容認できるものではない。
重大なことは、香港当局の弾圧強化が、中国の最高指導部の承認と指導のもとに行われていることである。
 習近平中国共産党総書記・国家主席は4日、林鄭月娥・香港行政長官との会談で、抗議行動への抑圧的措置を続けている香港政府のこの間の対応を「十分評価する」としたうえで、「暴力と混乱を阻止し、秩序を回復することが依然、香港の当面の最も重要な任務である」と強調した。一国二制度」の下で中国政府の指導下にある香港に対するこの言明が、何を意味しているかはあまりにも自明である。
・実際、中国政府は、香港警察による11日の実弾発砲について、「警察側の強力な反撃にあうのは当然である」と全面的に擁護している(12日、外交部報道官)。
 中国の政権党系メディアは、香港警察に対し「何も恐れる必要はない」「国家の武装警察部隊と香港駐留部隊が、必要な時には、基本法の規定に基づきみなさんを直接増援できる」と言い放った(「環球時報」11日付社説)。武力による威嚇を公然とあおり立てているのである。
今日の香港における弾圧の根本的責任は、中国政府とその政権党にあることは、明らかである。その対応と行動は、民主主義と人権を何よりも尊重すべき社会主義とは全く無縁のものといわなければならない。
 今日の世界において人権問題は国際問題であり、中国政府は、人権を擁護する国際的責任を負っている。
 日本共産党は、中国指導部が、香港の抗議行動に対する弾圧を即時中止することを強く求める。「一国二制度」のもと、事態を平和的に解決する責任を果たすことを厳しく要求するものである。
(引用終わり、太字強調は高世ではなく小生)
 ここまで厳しく中国共産党を非難し、市民への弾圧を即時中止せよとはっきり要求した日本の政治家がいましたか?
共産党の爪の垢を煎じて飲んで出直してこい!」と言いたくなるのが安倍内閣の面々。とくに外務大臣の「香港問題はパス」とでも言いたげな情けない答弁には憤りを覚える。

https://twitter.com/shiikazuo/status/1194883442703384576
志位和夫
‏ 今日の参院外交防衛委員会の質疑で、茂木*2外相は、香港問題への対応を問われ、「抗議デモ、香港政府、中国政府のいずれかに偏った発信はプラスにならない」と答弁した。人権侵害に対して抗議しないという表明にほかならない。こんなだらしのない態度でいいのか。言うべきことをきちんと言うべきです。

共産・志位氏、香港問題への茂木外相答弁を非難 「こんなだらしのない態度でいいのか」: J-CAST テレビウォッチ
《茂木外相は14日の参院外交防衛委員会で、香港情勢に関する外務省としての情報発信の在り方について、佐藤正久*3参院議員(自民党)から質問を受けた。茂木氏は「昨今の香港情勢につきまして、デモ隊と警察の衝突が長期化し、エスカレーションしています。多数の負傷者が出ていることを大変憂慮しております。時勢と平和的な話し合いを通じた解決を関係者に求めるとともに、事態が早期収拾され、香港の安定が保たれることを強く期待しております」とした上で、
 「おそらく日本のハイレベルが、この問題に対して、たとえば香港であったり、デモ隊であったり、香港政府、中国、どちらかに偏った発言をすると、平和的な解決に向けて本当にプラスになるのだろうか。こういったことを考えながら対応する必要があると思っていますが、その上で我が国として、一国二制度のもと自由で開かれた香港が繁栄していくことが重要だと考えています。この旨は今月4日に実施された李克強*4国務院総理と安倍総理の日中首脳会談、さらにご指摘いただいたような6月のG20大阪サミット、さまざまな機会、レベルをとらえて中国側に伝達してきております」
などと答弁している。》

 「政府は日本共産党の中国批判を見習え」「『共産党の爪の垢を煎じて飲んで出直してこい!』と言いたくなる安倍内閣の面々。とくに外務大臣の『香港問題はパス』とでも言いたげな情けない答弁には憤りを覚える」ねえ。
 「巣くう会とずぶずぶ」の反共ウヨの高世がこんな文章を書くとはねえ。よほど「安倍政権が習近平*5訪日が挫折するのを恐れて中国批判を自重してる」のがアンチ中国右翼として許せないのでしょう。
 つまり高世においては「アンチ中国共産党>超えられない壁>アンチ日本共産党」なのでしょう。一方、阿比留瑠偉、荒木和博、櫻井よしこ島田洋一福島香織などといった「多くのウヨ連中」は「強い安倍自民愛」「強い反日共産党」のために「反中国共産党」であっても、いかなる形でも「政府は日本共産党の中国批判を見習え」とは言いません。阿比留らも全く無様な連中です。首相が安倍でなければ、特に「非自民の細川首相や鳩山首相」なら「中国に甘い」と悪口してるでしょうにねえ。
 なお、浅井基文氏*6日本共産党の綱領改定問題-中国批判-|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページにおいて、高世とは逆に

「隣国に対し悪口雑言しすぎだ」
「例えば香港デモなどは一部が完全に暴徒化している。南シナ海の領土問題についていえば、台湾も領有権を主張しているし、ベトナムやフィリピンのほうが正しいと決まったわけでもない。そもそもベトナムやフィリピンもAIIBや一帯一路に参加しており中国と対立ばかりしているわけでもない。そういった面を軽視してただただ中国に悪口することが適切なのか。」

日本共産党には批判的です。小生は浅井ファンにして共産支持者ですので「悩ましいところ」です。浅井批判にも一理ある気もしますし、日本共産党の中国批判にも一理ある気もします。とりあえず意見保留ですね。

 私は、いわゆる「文化大革命」のとき、日本共産党中国共産党が激しく対立し、北京に駐在していた日本共産党の(ボーガス注:砂間一良(すなま・いちろう))代表が追放され、北京空港で紅衛兵に襲われて重傷を負った事件など、両党間の歴史を(記憶のかぎりで)彼に説明してあげた。(訳あって私はそのあたりの事情に詳しい) 

 要するに日本電波ニュース社員(当時)として取材、報道していたと言うことでしょうに、なんで「訳あって」なんてごまかすんですかね。そんなに「日本電波ニュース社員だったこと」を隠したいのか。

 ここは日本共産党にがんばってもらい、習近平国賓で来日させる企ては阻止してほしい。

 無茶言うな、ですね。
 「野党共闘として阻止してほしい」ならともかくミニ野党に過ぎない共産党に変な期待をするのもやめてもらいたいもんですね。そう言う期待は「最大野党の立憲民主党」にでもしたらどうなのか。
 というか、共産党は別に習近平訪日には反対してないでしょう。かつ「安倍にそれが言えるかどうかはともかく」、訪日した習氏にがつんと「日本として人権問題への危惧の念を語れば」別に訪日を認めたって問題はないでしょうよ。
 訪日を認めた上で安倍に「ガツンと抗議しろ」というのが高世がとるべき現実的態度じゃないか。


【追記】
リベラル21 周回遅れのランナー――日本共産党の綱領改定案を見て
 高世が

政府は日本共産党の中国批判を見習え - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 ここまで厳しく中国共産党を非難し、市民への弾圧を即時中止せよとはっきり要求した日本の政治家がいましたか?

と書き、また、澤藤氏が

「香港での弾圧の即時中止を求める」 | ちきゅう座
 昨日(11月15日)の赤旗に、日本共産党・委員長名の声明が掲載された。「香港での弾圧の即時中止を求める」という表題。香港の事態を、「中国による弾圧」と規定した内容。14日の記者会見で公表して、同日午前中に在日中国大使館を通じて中国政府に伝達したという。
 全面的にその内容に賛意を表して、全文を転載する。

と書き、日本共産党の中国批判に対し一定の好意的評価をしてるのに「批判が遅すぎる」「周回遅れのランナー」「中国批判によって保守層にも一定の支持を広げようというスケベ心がある(以上は、俺の要約です)」などと悪口雑言しかしないのだから心底呆れますね。
 「反共分子」阿部治平&リベラル21にとってはどうやら「日本共産党に悪口雑言すること」が何よりも大事なようですね。
 本気で「阿部治平&リベラル21」が中国の人権問題を改善したいと考えていたら、高世や澤藤氏のようにまずは「日本共産党の中国批判を高く評価したい」という言葉が出て当然でしょうにねえ。
 何せ高世や澤藤氏が指摘するように日本の多くの政治家は、与党(自民、公明)でアレ、野党(立憲民主、国民民主、維新、社民)でアレ、「是非はともかく*7」、「中国ビジネス」を重視して、「中国を積極的に擁護しないとは言え」日本共産党のような手厳しい中国批判は現時点ではしていません。与党に至っては来年春の習主席の訪日を要請しているほどです。
 このような「阿部のようなアンチ中国にとって必ずしも理想的とは言えない」日本の政治状況で「一定の中国批判をした」日本共産党に「批判が遅すぎる」と悪口雑言とはどれほど「阿部治平&リベラル21」には政治センスがないのか。
 そもそも「日本共産党に悪口雑言(批判が遅すぎる)」とは「阿部治平&リベラル21」が中国の人権問題をまともに考えてない、彼らにとってはそんなことより日本共産党への悪口雑言の方が大事なのだ(もしかしたら彼らにとって「中国の人権問題」とは、日本共産党に悪口雑言するためのネタの一つでしかない?)、彼らはその程度の「けつの穴の狭い」反日共産党分子なのだと疑われても文句は言えないでしょう。まあ、「阿部治平&リベラル21」など、彼らが居丈高に日本共産党に悪口雑言しようとも、「ムネオ疑惑追及(小泉内閣)」「事務所費疑惑追及(第一次安倍内閣)」「教基法TMやらせ質問疑惑追及(第一次安倍内閣)」「モリカケ疑惑追及(第二次安倍内閣)」など過去に数々の実績のある日本共産党と比べれば「社会的影響力皆無」の「井の中の蛙集団」「何の手柄もないくせに自画自賛ばかりする無能・有害集団」でしかありませんが。
 偉そうなことを抜かすのなら、たとえば最近の「桜を見る会疑惑追及(共産党の田村議員)」のような「誰からも評価される手柄でも挙げてみろ」「共産党にでかい口たたけるような手柄なんかお前らには何一つねえだろ」「そもそも知名度自体皆無だろ」「そのくせしてどんだけ態度がでけえんだよ、図に乗るな!」といいたいですね。
 正直、リベラル21の連中(阿部治平に限らない)って自分たちが社会の役に立ってる、日本の政治を変えてるなどと本気で思ってるんでしょうか?(苦笑)。彼らがそうした役に立ってるとはとても思えませんけどね(むしろ彼らが悪口する日本共産党の方がそうした役に立ってると思う)。何せ彼らが悪口する共産党赤旗や前衛において「話題の若手評論家をインタビューする*8」などして、「読者の開拓」にそれなりに努力していますが、リベラル21なんて「阿部治平」が典型ですが「毎度毎度代わり映えのしないメンツ(しかもジジババばかり)」ですから。
 まあそう言われたらリベラル21の連中は「阿部治平に限らず」むきになって怒るんでしょうけどね(再度、苦笑)。
 まあ正直、阿部治平やリベラル21の主張はゆがんでますよね。
 「俺の言うとおりやれば日本共産党は躍進するんだ!」て「根拠、何だ、ねえだろ」「お前らが勝手に放言してるだけだろ」「共産党に文句言ってねえで、お前らがれいわ新選組みたいな新党でもつくってお前らの思い通りやればいいがな。お前らの主張が正しければその新党がのびてくだろ。お前ら、山本太郎の成功見てて自分らの無能さが恥ずかしくならねえの?。あいつが本格的に政治活動始めたのは、東日本大震災の後だぜ?。お前ら政治活動歴は山本よりずっと長いだろ?」て話です。
 共産党に自分勝手な変な期待をする、しかも「共産党にはこうしてほしいなあ」つう穏健な物言いならまだしも「これだから共産党はダメなんだ」つう悪口するくらいなら「阿部やリベラル21の連中がれいわのような新党つくって勝手にやる」方が、共産党も阿部らもお互いストレスがないでしょうにねえ。
 以前、五十嵐仁氏(法政大学名誉教授、政治学者)が「日本で共産党が続いてるのは、社会党崩壊後、共産党に代わる政党がないからだ」「共産党に代わる政党を生み出す市民運動の力もないからだ」「一方で自民党を支える保守勢力の力が強い」「その点が市民運動が、社民党に代わる存在として緑の党を生み出したドイツと日本の違いだ」「日本において野党の最大の支持基盤は労組なので、労組加入率が落ちれば自然と力が落ちるし、また、総評解散、連合誕生後、日本の労組主流は右傾化したのでそれに引きずられて野党主流が右傾化する(わかりやすい例では連合の画策による希望の党騒動)。その右傾化を止める力は日本の市民運動にはない」といっていたかと思います。
 五十嵐氏は「全国革新懇代表世話人」という「自他共に認める共産党シンパ」である点を割り引いても彼の主張はその通りだと思いますね。
 結局、左派政党だのリベラル政党だの言える存在が今の日本では「共産党しかない」。社民党は党勢が弱いし、旧民主党諸勢力(立憲民主党、国民民主党)は左派どころか「リベラル政党」と呼べるかも怪しい。最近出来たばかりの「山本太郎の個人政党」れいわにあまり期待も出来ないでしょう。
 阿部やリベラル21も共産党に悪口する前に「緑の党を生み出したドイツ」のようになれなかった、そして「希望の党騒動」を阻止できなかった「日本の市民運動の力の弱さ」を反省したらどうなんですかね?
 正直、市民運動の分野だって「長く続いて社会的影響力のある組織」といったら「新日本婦人の会」「民主商工会」「九条の会」(まあこの辺りはリアルの政治活動はまるでない、口舌の徒にすぎない俺は詳しくないですが)のような「共産党と友好関係にある組織」の力が大きいわけです。
 まあいろいろ理由があるわけですが、「ベ平連」のような「非共産系の市民運動」なんて「今も続いていて、政治的影響力も大きいところ」なんてほとんど皆無でしょうよ。そういうことを無視して共産党に悪口ばかりする。
 「阿部とリベラル21はどうしようもないバカだな。夜郎自大つうんだっけ、こういうの?」つうのが俺の感想です。しかも阿部の場合「共産党が伸び悩んでるのは運動方針に問題がある」と抜かす一方で「ダライ猊下が中国に負けてるのはダライ猊下を支持しない国際社会に問題がある、ダライ猊下には問題はない」ですからね。
 「手前が支持しない共産党は、運動方針に問題があると悪口ばかりして、手前の大好きなダライは運動方針に問題はない、支持しない国際社会が悪いと、手放しで礼賛か。呆れて物も言えないわ」ですね。
 それだったら俺も「共産党が伸び悩んでるのは支持しない日本国民に問題がある」と支持者として言いたいですね(安倍自民なんぞ支持するバカが今の日本人多数派なので、実際そう言う面はあると思いますが、まあ言っても仕方ないことだし、志位委員長、小池書記局長ら共産党執行部もそういうことはあまり言ってないと思いますので、俺もあまりそう言うことは言わないことにしていますが)。おそらくそう言ったら阿部は「共産シンパのボーガスは責任転嫁するな」というんでしょうが、ダライの話で「全て国際社会が悪い、ダライ猊下は悪くない」と責任転嫁する阿部が「ふざけんな!」て話です。

*1:著書『韓国・パキスタンを訪問して』、『教育基本法改定のどこが問題か』(2006年、新日本出版社)、『ベトナム 友好と連帯の旅』(2007年、新日本出版社)、『アメリカを訪問して』(2010年、新日本出版社)、『「原発ゼロ」の日本を』(2011年、日本共産党中央委員会出版局)、『領土問題をどう解決するか:尖閣竹島、千島』(2012年、新日本出版社)、『日本の巨大メディアを考える』(2012年、日本共産党中央委員会出版局)、『歴史の偽造は許されない:「河野談話」と日本軍「慰安婦」問題の真実』(2014年、日本共産党中央委員会出版局)、『「核兵器のない世界」をどう実現するか:「核兵器禁止条約の国連会議」に参加して』(2017年、日本共産党中央委員会出版局)、『天皇の制度と日本共産党の立場』(2019年、日本共産党中央委員会出版局)など

*2:福田内閣金融等担当相、第二次安倍内閣経産相自民党政調会長、第三次安倍内閣経済財政担当相などを経て第四次安倍内閣外相

*3:第二次安倍内閣防衛大臣政務官、第四次安倍内閣外務副大臣など歴任

*4:中国共産主義青年団中央書記処第一書記、河南省長・党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相(党中央政治局常務委員兼務)

*5:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:外交評論家。元外務官僚。退官後、東大、日大、明治学院大学教授、広島市立大学広島平和研究所所長、大阪経法大学客員教授を歴任。著書『中国をどう見るか?』(2000年、高文研)、『集団的自衛権日本国憲法』(2002年、集英社新書)、『戦争する国しない国』(2004年、青木書店)、『13歳からの平和教室』(2010年、かもがわ出版)、『ヒロシマと広島』、『広島に聞く 広島を聞く』(以上、2011年、かもがわ出版)、『すっきりわかる! 集団的自衛権』(2014年、大月書店)など

*7:小生は正直、「中国ビジネスを重視する人間」なので、「既存の政治勢力では、その主張のまともさから、日本共産党を最も支持している」とはいえ、日本共産党の中国批判を手放しで評価する立場ではありません。

*8:もちろん一方で志位氏や不破氏、渡辺治氏と言った「いつものメンツ」もあることは否定しませんがリベラル21の「顔ぶれの広がりのなさ」よりはマシでしょう。