高世仁に突っ込む(2019年11月24分)(追記あり)

香港であす注目の区議選投票 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
【追記】
 いずれ高世も記事にするでしょうが、
香港区議選 民主派が8割超え圧勝 香港メディア | NHKニュース
香港区議選 民主派圧勝で香港政府トップ「真剣に反省したい」 | NHKニュース
香港区議選、民主派の圧勝が確実に TBS NEWS
香港区議会選、民主派が全452議席の9割にあたる390議席獲得 投票率は過去最高 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
ということで区議選ではいわゆる親中派が大敗し、民主派が大躍進したようです。とりあえずコメント抜きで事実紹介だけしておきます。
【追記終わり】

 テレビの映像だけからは、香港では学生たちが火炎瓶を投げたり暴力をふるうから警察が規制に乗り出すのだというふうにも見える。しかし、それが事態の本質ではない。

 「ああ、はいはい、暴力デモを擁護したいわけね?」「事態の本質(?)は香港行政当局や中国政府の高圧的態度だと言いたいわけね?」ですね。
 平和的デモでも警察が規制(?)していた時代は「学生たちは悪くない」といえるでしょう。しかし火炎瓶をなげるなど「暴徒化した時点」でそのような言い訳は不可能になったと思いますね。
 もちろん「暴力デモを批判する」ということは警察や香港行政当局、中国を全面肯定すると言うこととは違います。
 そもそも「事態の本質」などという変な言葉を使うなと思いますね。「これが事態の本質だ」で話を単純化するのはよろしくないでしょう。
 大抵の問題は「Aという問題もあるし、Bという問題もある」「Cや、Dなんて問題もある」という複雑な話、多面的な話がほとんどで「Aが本質だ」なんていえる単純な話は滅多にないでしょう。
 今回の香港問題で言えば「香港行政当局や中国政府に問題があろうとも暴力デモなんか支持できない」「暴力デモは支持しないが、香港行政当局や中国政府に何の問題もないとは思わない」で終わる話じゃないのか。
 何度も書きますが「暴力デモの存在」で香港行政当局や中国政府を全面正当化は出来ませんが、一方で「香港行政当局や中国政府の高圧的態度」を理由に暴力デモを容認するのも問題でしょう。

 民主派が勝てば、抗議行動が支持されたとして勢いづくだろうし、親中派が勝てば今の強硬な弾圧方針をいっそう進めることになろう。

 そうなるんですかね。
 俺が選挙民なら「うわー、投票したくねえ」ですね。
 民主派に投票したことが「単に香港行政当局や中国への批判として機能する」ならいい。しかし「暴力デモが容認された(暴力デモ隊)」なんて口実に使われるなら「俺、あんな暴力デモは支持してねえよ」と異論を表明せざるを得ない。
 じゃあ「暴力デモ容認と受け取られるのがいやだから」いわゆる親中派に投票するのか。そうすると「我々の方針が全面的に支持された(中国政府)」なんてことになりかねない。それだって「俺、中国政府の方針を全面支持なんかしてねえよ」ですね。
 そうなると
1)暴力デモを批判してる民主派、あるいはいわゆる親中派だが、中国に対して一定の苦言を呈してる候補に投票
2)そうした候補が見当たらない、ないし誰がそう言う候補か分からないので、あえて棄権
ですかね。
 1)、2)で俺の考えはわかると思いますが「平和的デモに終始してる」のならともかく「暴力デモを始めた時点」で俺が香港住民なら「たとえ俺が中国批判派でも」、「無邪気に民主派に投票」なんてとてもできません。場合によっては「条件付きで親中派に投票」もありえます。
 まあ、実際の所、選挙結果がどうなるのか、さっぱりわかりませんが(マスコミ報道を見る限りではいわゆる親中派が苦戦し、民主派が躍進しそうではある)。

 小選挙区制なので、勢力図が一変する可能性もある。ここ半年の反政府運動の高まりで、民主派が有利といわれるが、区議選は一つの団地が一選挙区と言う場所もあるほど地域密着の選挙だ。信号の設置など住民への身近なサービスで競うとなると地域の顔役が有利になる。親中派が452議席中324議席を占める一つの要因は、資金力を背景に老人会など「ドブ板」活動で浸透していることにあるという。

 まあこうしたいわゆる「どぶ板活動の重要性」は日本など他の国でも同じです。是非はともかく選挙は必ずしも「政策公約だけで決まってはいない」。
 とはいえ「そうしたどぶ板活動」が自民党支持層において「安倍*1極右政権支持」に帰着する理由がさっぱりわかりませんが。過去の自民党政権改憲派「岸*2」「中曽根*3」を除けば「リベラル保守では必ずしもない」ものの安倍ほどの極右ではありませんので。

*1:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*2:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*3:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相