高世仁に突っ込む(2019年11月28分)

銅鑼湾書店事件に関わった中国工作員が豪に亡命求める - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 タイトルは「正確には間違いであり」、

銅鑼湾書店事件に関わった「と自称する」「自称」中国工作員が豪に亡命求める

ですね。後でも述べますが中国は彼の主張を嘘八百だと否定していますので。現時点では真偽は不明でしょう。

「五千年*1」初のまともな選挙です (大阪府 浜田竜哉) 今朝の朝日川柳より

 といえるかどうかは疑問ですね。
 区議選なら以前の香港でもあったわけです。
 また、新中国建国直後ならまだまだ非共産党勢力の力も強い*2し、中華民国時代はどうだったのか、と思えば「必ずしもそうは言えないんじゃないの?」と疑問に思います。
 高世も

たしかに中国では、人民共和国建国以前*3も以降も選挙が民主的だったことはないかもしれない。

として断言できずに「かもしれない」と書くのはそういうことです。
 まあ俺個人はこういうことをどや顔で言う「反中国分子」には正直嫌悪感を感じますが。
 「誰のせいで中国の民主主義が挫折したのか」つう話です。別に産経のような「天安門事件後の天皇訪中ガー、制裁解除ガー」つう「非現実的なバカ話」ではない。
 日清戦争での清朝敗北後の「日本の中国侵略」が中国の民主主義化に与えた悪影響は大きいのではないか(もちろん日本の侵略がなければ民主主義がサクサク進んだつう単純な話でもないですが)。
 「日本に対決するためには民主主義とかなんとか言ってられない、とにかく近代化だ」つう影響があったことは否定できないでしょう(これは中国だけでなく「米国、英国、フランス」など欧米の侵略を受け植民地化されたアジア・アフリカ諸国も同じですが)。
 そうした「中国の民主化に多大な妨害を行った日本」がそれに対するまともな反省もなし*4に中国に向かって「上から目線で説教」なんて実にふざけた話です。

 中国のCCTVが、HKleaksという個人情報暴露サイトを使って、「香港の暴徒どものマスクをはぐ」ことを奨励しているが、このサイトではデモ活動家や抗議活動参加者の写真、名前などの個人情報を晒している。

 正直「平和的デモ」ならともかく暴力デモについては「マスクを剥がれても自業自得だ」と俺は思っています。マスクして暴力を振るうなど卑怯者でしかない。

 香港での「スパイ工作」を担ったという中国人がオーストラリアに政治亡命を求め、現地メディアでは大きなニュースになっている。

外国メディアが報じる「中国人スパイ」王立強は逃亡犯--人民網日本語版--人民日報
中国人スパイが亡命希望 当局は「無職の逃亡犯」
などでわかるように、中国側はこの人物の主張を「嘘八百」「そんなスパイ工作などしていない」としているので現時点では真偽不明です。
 反中国の高世ですら

彼の証言がすべて事実かどうかは確定していない

と書くとおりです。まあ「全て事実かどうか」どころか現時点では「ほとんどウソ」の可能性すら否定できないでしょうが。

 教育やメディアの分野をコントロールすることは人材育成、世論形成、選挙対策に重大な影響を及ぼし、中国の影響を強め、その国の将来を左右する。中国の「工作」に注意!*5

 おいおいですね。
 「香港において教育界やメディア界への工作をしていた*6」という王立強なる人物の主張が仮に正しいとしましょう(正しいか現時点では不明ですが)。で「中国国内だけでなく海外でもそうした工作ガー」といいたいらしい高世はこの「意味不明な文章」で何が言いたいのか。
 ここからは「俺の邪推」ですが「日本でも中国による、教育やメディアに対する工作の脅威ガー」「たとえば、日本を含む世界各地の孔子学院ガー」「一帯一路ガー」とか言いたいのか。
 言いたいことがあるならもっとはっきり言えよ、つう話です。
 たぶん俺が邪推するように「孔子学院や一帯一路などへのネガキャン」をしたくて、でもはっきり書くことに躊躇してこんな曖昧な書き方をしてるのでしょう。
 まあ、「日本でも中国による、教育やメディアに対する工作の脅威ガー」「たとえば、日本の孔子学院ガー(孔子学院反対!)」「一帯一路ガー(一帯一路反対!)」なんて高世が公言したら「よほどの反中国極右」でも無い限り「高世にドン引き」ですからね。
 まあいずれにせよ高世のような物言いは「日中間の学術交流」「日中間の文化交流(日中合作の映画制作、テレビドラマ*7制作と言った商業的な物も含む)」を「中国による日本の教育界やメディア界への工作云々」として阻害することにもなりかねない、あるいは日本国内で活動する中国人への差別や偏見を助長しかねない粗雑な物言いです。こんな曖昧な物言いをするくらいなら、高世は具体的に「高世が考える中国側の問題点」を指摘すべきだし、それが出来ないなら高世は黙ってればいい。
 つうかこんなことを言っていたら中国に限らずどこの国とも「学術、文化交流」なんかできませんよ。
 しかし高世も本当に北朝鮮について書くことが減りましたね。高世にとって金儲けのネタは今「北朝鮮批判より中国非難」のようです。まあどっちにしろ「高世が反共右翼で人間のくずであること」にかわりはないのですが。

*1:そもそも日本だって「選挙が始まった」のは明治維新後の話であり、どう長く見ても選挙は「150年程度の歴史」しかありません(2018年が安倍がやった明治維新150年記念式典の年)。5000年云々なんてのはそう言う意味で実にばかばかしい物言いです。

*2:いわゆる政治協商会議の存在にしても、いわゆる百花斉放百家争鳴とその後の反右派闘争にしてもそういう話です。

*3:つまり中華民国時代のこと

*4:あの「戦前美化右翼」安倍が総理で長期政権とはそういうこととしか理解できないでしょう。

*5:そんなことより日本の政権与党・自民党の「教育やメディアの分野をコントロール」の試みを高世は批判しろよ、つう話です。どこの世界に「中国に教育やメディアの分野をコントロールされた外国」なんかあるのか。日本においては「自民党のコントロールの恐れ」の方がよほど脅威でしょう(そもそも「日本の自民党」に限らず「その国の政権与党」ならともかく外国政府が「他国の教育やメディアをコントロール」なんて出来る話ではないし、「その国の政権与党」ですらそんなことは「強固な独裁体制」でもなければ困難でしょう。たとえば日本においても多くのテレビ局が安倍を恐れて「桜を見る会疑惑をろくに報じない」など、安倍批判を逃げてるとはいえ、週刊文春などは「河井法相(当時)の公選法違反疑惑」を暴露したわけです)。高世の言葉をもじれば『人材育成、世論形成、選挙対策に重大な影響を及ぼし、自民党の影響を強め、その国の将来を左右する。自民の「工作」に注意!』ですね。もちろん「イタリアの一帯一路参加表明」「安倍の進める習主席訪日計画」などは是非はともかく「高世の言うコントロール」ではなく「中国ビジネス重視」と言う話でしかない。

*6:ただし「高世が紹介する王の証言」を信じてもそれは「是非はともかく」、中国政府関係団体という正体を隠してやっていたわけではないようであり、高世がいうほど「問題がある」とは俺は思いませんが。

*7:たとえばNHKドラマ「大地の子