今日の朝鮮・韓国ニュース(2019年12月3日分)

日朝国交正常化連絡会・記念講演会 | 朝鮮新報

 日朝国交正常化連絡会・記念講演会 日朝平壌宣言17周年「どう切りひらく!日朝関係」(11月27日)では、金丸信吾(金丸信*1・元自民党副総裁次男・秘書)、美根慶樹*2(元日朝国交正常化交渉日本政府代表)の各氏が登壇し、日朝国交正常化に向けた課題などが述べられた。各氏の報告を紹介する。
 金丸氏は、(中略)日朝交渉がスタートして30年が経つが、「圧力と制裁で解決したものは何もない。前進どころか後退だけを招いた」とし、「対話の重要性は米朝関係を見ればわかる。両首脳が会っただけで朝鮮半島の戦争危機が消えた。日本が朝鮮との首脳会談を行いたければ、米国が首脳会談の前にポンペオ国務長官平壌に派遣したように、日本も相応の人物を送るなど態度で示さなければならない」と指摘した。
 美根慶樹氏は、日朝関係をめぐる現状について「一言で、誤解と作り話と混乱だ」と前置きしたうえで、日朝関係をとりまく印象的な事象を3点に整理した。
 第一に、朝鮮の核武装をなぜ止められなかったのかという点。6者会談における9.19共同声明(05年)で米国は朝鮮を核で威嚇しないことを、朝鮮は核開発の中断を約束したが、その直後、米財務省が朝鮮に対する金融制裁を発動し、6者会談は膠着状態に。翌年朝鮮は初めての核実験を実行した。同氏は、朝鮮への敵視政策を変えない米国が朝鮮の核開発へと追いやったと指摘した。
 第二に、朝鮮のミサイル発射に対する日本政府の対応に言及。12年4月の人工衛星光明星3」号の打ち上げを国連安保理弾道ミサイルと見なしたことが混乱の始まりだったとし、「以後、日本ではJアラートの発動など国民の危機感を過剰に煽り、現在の状況をつくりだした。その責任は日本政府にある」と主張した。
 第三に、安倍首相は「日米が朝鮮へ圧力をかける方針で一致した」と繰り返してきたが、圧力だけでは問題を解決できないということをはっきりと示したのが昨年の米朝首脳会談だったと指摘した。トランプ大統領は安倍首相との間では圧力を強調する一方で、金正恩委員長にはメッセージを発し続けたとし、「では日本が同じことができるかといえば、できない。条件なき対話を実現させるためにはまず、日本政府が朝鮮に対する見方から見直さなければならない」と強調した。

 救う会は勿論家族会も未だに金丸氏や美根氏のような主張を「北朝鮮シンパ」あるいは「(シンパではないが)腰抜け、軟弱」と呼んで非難するのでしょうがそれで得られたものが何かあったのか?。俺は全くなかったと思います。


国連特別報告者に支援要請 拉致被害者家族ら:時事ドットコム
 国連報告者「クマラスワミ」「マクドガル」が慰安婦問題で勧告しても日本が無視して、問題解決にはつながらなかったように国連報告者「キンタナ」が何を言おうが、北朝鮮が無視すればそれで終わりです。こんな要請はそう言う意味では拉致解決という意味で何の意味も無い。というか「制裁すれば拉致が解決する」はどこへ行ったのか。「制裁すれば拉致が解決する」のならキンタナに要請する必要はそもそもどこにもないはずです。事実上「制裁の無意味さ」を自白してるのも同然であり、まさに「語るに落ちています」。


菅長官、国連の特別報告者に拉致解決の協力要請 - 産経ニュース
 国連報告者「クマラスワミ」「マクドガル」(慰安婦関係)、「デビッド・ケイ」(表現の自由関係)の日本批判には「反日」などと散々逆ギレし「勧告には法的拘束力はない」と居直ってたくせに、菅も良くもこんなことが言えたもんです。北朝鮮も「キンタナは、菅とつるむ反朝鮮分子」「勧告には法的拘束力はない」といって無視すればいいと思いますね(皮肉のつもり)。


日朝往来の厳格化を要請 拉致家族や救う会埼玉 旅行パックの販売規制など要請 - 産経ニュース
 そんなことをする事が拉致解決という意味でいかなる意味を持つのか。
 「単に北朝鮮に嫌がらせがしたいだけか?」と心底呆れます。

 ツアーは「商品」で、憲法が保障する「海外渡航の自由」の範疇(はんちゅう)に含まれないとし、拉致解決を求める圧力の一環として、規制の厳格化が必要だとしている。

・なお「憲法豆知識」ですが、実は日本国憲法の条文上は

第二十二条
 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

ということで「移転の自由(21条1項)」「外国移住の自由(22条2項)」しかないのですが、通説では「海外渡航の自由」も21条1項、また2項で認められるとします。
【21条1項説】
 「海外移住」という条文から「海外渡航」という権利が認められると解釈することは適切でない。21条の「移転」には明文上、どこにも「国内移転に限る」とは書いてないのだから、この移転には海外移転(つまり海外渡航)も含まれるとみるべき
【22条2項説】
 22条2項に「国籍離脱の権利」が書かれてることを考えれば「1項=国内のこと」「2項=国外のこと」と考えるのが自然。「海外移住や国籍離脱(日本を永久に離れること)さえ認められる」のだから「海外渡航(日本を一時的に離れること)」が認められるのは当然と解釈すれば、2項が根拠で何らおかしくない
と言う説ですね。
・言ってること無茶苦茶ですね。もちろん「ツアー旅行」だって「憲法が保障する海外渡航の自由」に含まれます(まだ「22条1項の公共の福祉で権利行使が制約される」といった方がましでしょう)。
 つうか、これが「米国旅行だのオーストラリア旅行だの」でも同じことが言えるのか、つう話です。
 かつ「ツアー」は旅行会社の商売ですからこれを制約することは「憲法が保障する商活動の権利(29条)」を不当に侵害している疑いも当然出てきます。

*1:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、副総裁(宮沢総裁時代)を歴任

*2:ユーゴ大使、軍縮大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表など歴任。著書『スイス 歴史が生んだ異色の憲法』(2003年、ミネルヴァ書房)、『国連と軍縮』(2010年、国際書院)『習近平政権の言論統制』(編著、2014年、蒼蒼社)など。個人サイト平和外交研究所