黒坂真に突っ込む(2019年12月4日分)

■黒坂ツイートにコメント

黒坂真
‏ 暴力団と密接に関わりを持つ者、も反社会的勢力とみなし絶縁すべきなら、かなり多数が反社会的勢力となり絶縁困難。著名な芸人兼司会者だった島田某さんは反社会的勢力だ、という見方ですから

 おいおいですね。桜を見る会・反社会的勢力参加疑惑について安倍をかばってるつもりのようですがむしろ安倍もありがた迷惑でしょう。
 実際吉本興業やテレビ局などは「島田紳助のヤクザとの付き合いは完全に一線を越えており、もはや反社会的勢力そのもの、もはやかばいきれない」と思ったから、彼を芸能界から事実上追放し、紳助もそれに従って芸能界を去ったわけです。
 未だに紳助がテレビにでていたり、テレビ復帰を狙ってるというならともかく、紳助なんか持ち出しても「安倍も紳助のように表舞台から消えろ」という反応が出てくるだけでしょうに、黒坂も変な男です。
 かつ、この黒坂の物言い「芸能界は暴力団とズブズブなのだから」といいたいようですが「政治家の方が芸能人より高い倫理観」を求められて当然ですし、そもそも今時ヤクザとの付き合いを公然と認める芸能関係者などいません。
 もはや「山口組が神戸芸能社という芸能事務所をフロント企業として公然と運営し、美空ひばり*1田端義夫高田浩吉里見浩太朗山城新伍橋幸夫三波春夫ら、当時の人気芸能人の地方興行を行っていた」という時代とは違う(ウィキペディア「神戸芸能社」参照)。
 こんな黒坂の物言いは芸能界にとって迷惑千万でしょう。

黒坂真
 吉岡正史さん。総理奥様の交友関係の徹底解明は、野党と市民の最重要課題なのですか。

 問題となってるのは「昭恵の交友関係」ではなく「何の功績もない人間が昭恵との交友関係だけで桜を見る会に呼ばれた疑惑」なのですが、黒坂もよくもまあこんな詭弁が放言できるもんです。とはいえ、さすがの黒坂も「首相夫人の友人というだけで呼ばれて何が悪い、悔しかったらあなたもそう言うコネを持てばいい」という度胸はないようですが。

黒坂真
‏ カクサン部長さん。日本共産党は国家権力が宗教と結託するのはまずい、と考えているのですか。

 「はあ?」ですね。そんなんは日本共産党がどうこうではなく世界の常識でしょうに。
 「政教分離原則って知ってる?」「戦前の国家神道をどう思うの?。神社本庁とズブズブのウヨとしては、問題なかったと思うの?」と小一時間聞きたくなります。
 そこで「イランやサウジはイスラムを国家理念とする宗教国家だ。イランの国父はイスラム神学者ホメイニで、今の最高指導者ハメネイ神学者だ。神学者でないとイランでは最高指導者になれない」「昔のチベットダライラマをトップとする宗教国家だ(いや、今もか?)」「インドのモディ首相はヒンズー政党出身で、ヒンズー的政策を推進している」「共産党はそれらの国を馬鹿にするのか。イランやサウジ、インドと日本が国交を結んでることを否定するのか?」などと言い出すのは詭弁もいいところです。
 「で、黒坂さんはイランやサウジ、インド、昔のチベットの有り様を素晴らしいと思ってるんですか?、そう言う国に住みたいんですか?。日本をそう言う国にしたいんですか?(その場合、日本で国教となるのは神道ですか?)」ですね。
 まあ、そこで「はい、住みたいです」「戦前のように神道を国教にしたい」とはさすがの黒坂も言わないのでしょうが。
 あるいは「宗教と国家が結託して問題ないのなら、思想と国家が結託しても問題ないですよね」といわれたら黒坂はどう答える気なのか(勿論ここで想定してる思想とは中国・毛沢東思想、北朝鮮主体思想などのことですが)。
 まあ、さすがに小生も「イランやサウジ、インドの現状」を人権的な意味でいいとは思いませんが「イラン、サウジ、インドでは宗教多数派(イスラムやヒンズー)が少数派を差別してるようだから断交します。日本は差別国家とは付き合いません」つうわけにはいかない。
 国交を結ぶことは「その国の有り様を全面支持すること」では必ずしもない。
 そう言う意味で言えば「中国は人権問題がある」などといって「習主席の国賓訪日(来年春予定)」に反対する輩(産経、国基研、高世仁など)には「バカ言ってんじゃねえよ」「隣国と友好関係築くのは当然だろ、国賓訪日に問題なんかねえよ」つうのが俺の考えです。

黒坂真
 (ボーガス注:ジャパンライフの)マルチ商法の実態がわかったのは、この会社のトップが桜の会に参加した後です。

 そんなことはありません。「桜を見る会」への「会長参加」以前からジャパンライフは批判されています。
 そして「仮に黒坂の言うとおりだとしても*2」問題はそんなことではなく
1)誰が何の功績を評価して「ジャパンライフ会長」を会に呼んだのか、政治家枠での推薦ではないのか
2)そうした政治家とのつながりによってジャパンライフは警察、検察、消費者庁など行政の追及を逃れてきたのではないか
と言った話です。
 大体、政治家ともあろう者が「知らなかった」で済むと思ったら大間違いです。黒坂だってこんな詭弁は安倍政権限定でしょうし。

黒坂真リツイート
 岡野八代先生。引用なさっている「赤旗」記事に、慰安婦は戦時性暴力だという記述がありますが、当時は公娼制度が存在していました。慰安婦日本兵士に提供した性的労働サービスは、公娼が民間人に提供したそれと同じです
■岡野八代*3
 今朝のしんぶん赤旗に、10月末に京都にて開催された「女性・戦争・人権」学会でのシンポジウムの紹介記事が掲載されました。赤旗記者の活躍ぶり、凄い。

 もちろん「慰安婦と公娼」は大きく違います(公娼制度の人権侵害性はひとまずおきます)。
 それを「同じだ」というのは「サラ金暴力団金融」「公営ギャンブルと闇ギャンブル」「一般的な刑務所と独裁国家政治犯収容所」「一般的なサービス残業といわゆるタコ部屋」を「同じ」と言うくらいの暴論です。同じならここまで問題視されるわけもないし、違う物を「同じだ」とデマで居直るから批判されるわけです。

*1:1973年、実弟・哲也が起こした不祥事(拳銃不法所持など)により、哲也が山口組系列の暴力団員であることが発覚。警察の指導もあり、全国の公会堂や市民ホールから「暴力団員の弟を出演させるなら出させない」と使用拒否されるなど、バッシングが起こりマスコミも大きく取り上げた。しかし、ひばり母子は家族の絆は大事だとし、ひばりショーから哲也をはずさなかった。この結果、17回出場し1963年から10年連続で紅組トリを務めていたNHK紅白歌合戦への出場を1973年は辞退した。その後も(ゲストの形で特別出演することはあっても)紅白に正式な出場歌手として復帰することはなかった(ウィキペディア美空ひばり」参照)。

*2:繰り返しますがそんな事実はありませんが

*3:同志社大学法学部教授(政治学)。著書『法の政治学:法と正義とフェミニズム』(2002年、青土社)、『シティズンシップの政治学(増補版)』(2009年、白澤社)、『フェミニズム政治学』(2012年、みすず書房)、『戦争に抗する:ケアの倫理と平和の構想』(2015年、岩波書店)など