高世仁に突っ込む(2019年12月11分)

中村哲という人格をつくったもの2 - 高世仁の「諸悪莫作」日記

・遺体への敬意の示し方で、カブール*1と東京の落差に驚きの声があがっている。
 7日、カブールの空港では追悼式が行われ、ガニ大統領が軍兵士らと並んでアフガン国旗に覆われた中村さんの棺を担いで最高の敬意を示した。
 この冷たい出迎えはいったい何だ?安倍首相が駆けつけて「日本の宝」として迎えるのかと思ったら、政府を代表して来たのは鈴木外務副大臣。カブールとは雲泥の差。
 以前から自民党は中村さんを煙たがっていた。
 中村さんはアメリカのアフガン空爆に強く抗議し、日本がその戦争に協力することにも反対していた。9.11の一ヵ月後、01年10月13日、中村さんはテロ特措法の審議にかかわって国会の特別委員会の民主党参考人として呼ばれた。その時のことを中村さんは著書にこう書いている。
 《「不確かな情報に基づいて、軍隊が日本から送られるとなれば、住民は軍服を着た集団を見て異様に感ずるでありましょう」「よって自衛隊派遣は有害無益、飢餓状態の解消こそが最大の問題であります」
 この発言で議場騒然となった。私の真向かいに座っていた鈴木宗男*2らの議員が、野次を飛ばし、嘲笑や罵声をあびせた。司会役をしていた自民党の亀井(善)*3代議士が、発言の取り消しを要求した。》(『医者、用水路を拓く』(石風社))
 (ボーガス注:明らかな事実誤認や誹謗中傷ならともかく)国会に呼ばれた参考人に「発言の取り消し」を求めるとはむちゃくちゃだ
タリバン政権崩壊の後、日本政府は、アフガンの復興、民生安定を掲げて、莫大な援助金をアフガニスタンにつぎ込んだが、草の根で大きな成功をおさめていた中村さんのプロジェクトを全面支援することはなかった。それでも中村さんの偉大な功績は誰も否定できないのだから、国を挙げて本当にごくろうさまでしたと迎えるべきなのではないか。安倍政権になってこうした大人げない狭量さが目につく。

 結局、自民党は、特に安倍のような極右政治家はそうでしょうが、中村氏を「民間人がアフガンで勝手なことをやってる」「しかも自民党を批判するなんて不愉快だ」としか思ってないんでしょう。そうした気持ちがこういう所にでてしまう。
 安倍も「渡部昇一(単に安倍のウヨ仲間に過ぎない)の弔問に行く暇があるなら」、こういうときに高世の言うようにご遺体の出迎えをすべきでしょう。
 一方、アフガンについて言えば「発展途上国なので日本の経済支援がほしい」「病死ではなく暗殺なので治安維持に問題があったという面でガニ大統領にも責任がある」という面があることに注意が必要でしょう。
 もちろん中村氏の功績は評価に値するでしょうが、それだけでガニ氏がこうした態度をとったわけではないと言うことです。

・(ボーガス注:中村哲氏の父)中村勉は戦前、治安維持法で逮捕されたほどの左翼活動家だったという。
中村哲さんをここまで駆ってきたのは、単なる「ヒューマニズム」などではない(レベルが違う)ことは明らか
・いずれも虐げられた人々のために命をも投げ出すというところで通底するというのは私の勝手な解釈だろうか。

 別に「単なるヒューマニズム」でいいと思いますけどね。いちいち「父譲り(?)の使命感ガー」とか言わんでもいいでしょう。

*1:アフガンの首都

*2:橋本内閣北海道・沖縄開発庁長官、小渕内閣官房副長官など歴任

*3:橋本内閣運輸相、小泉内閣農水相を歴任した亀井善之氏のことか?