今日の産経ニュースほか(2019年12月12日分)

「 中国の弾圧に日本こそ物申せ 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

 安倍晋三首相は習近平国家主席を来春、国賓として迎える予定だ。同方針には強い反対がある一方で、最終局面での方針転換は最悪の結果を招くとの外務省系の主張*1もある。それは以下のような理屈に基づいている。
 ◎本気で介入し、香港を助ける気は米国政府にはない
 ◎介入すれば、香港経済は悪化し、香港との取引で大幅な黒字を得ている米国も利益を失う
 ◎日本人も日本国も所詮、香港問題に手出しはできない
 ◎従って香港人を無闇に煽り、期待を持たせることは却って問題を深刻化させる
 要は第三国は香港を助けることができない、香港は中国共産党の圧力に従うしかないというわけだ。

 「実際そうだろ、違うのかよ?」「お前ら日本ウヨだってむやみに煽ってるだけで香港デモを最後まで支持する気なんか無いだろ」ですよねえ。

 眼前で進行中の非常事態を、中国の国内問題だとして放置することは断じて許されないだろう。そんなことをした日には、必ず、近未来にわが国にも災いが、つまり中国の黒い支配が及ぶ。

 「及びません、以上」で終わる話です。なんでこういうデマを放言するのか。

 モンゴル出身の静岡大学教授、楊海英氏が新間聡氏と共に世に問うた『モンゴル最後の王女』(草思社文庫)で訴えている点もまさに同じだ。
 1966年に文化大革命が始まると、真っ先に文革の嵐に晒されたのもモンゴル人だった。
 楊氏は、チンギス・ハーンの末裔でモンゴル最後の王女、スチンカンルの一生を辿ることで、中国の残虐的手法を描いてみせた。
 楊氏は書いている。
内モンゴル自治区では、中国人が一方的にモンゴル人をリンチし、殺害するというジェノサイドが実行された。これが、少数民族自治という政策の実態である」

 「それ文革時代だろ。文革時代は劉少奇のような最高幹部ですら暴行受けてるんですけど?」「文革以外ではさすがにジェノサイドなんかねえだろ(特に今は)」で終わる話です。いい加減文革時代と今の中国を直結するのはやめたらどうなのか。
 それなら、「関東大震災での朝鮮人虐殺」「731部隊」持ち出して「日本人は残虐」といったらよしこは認めるのか、つう話です。


【第641回・特別版】日本の国会議員は人権侵害を許さない « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 「沖縄基地問題」など「日本国内の人権問題」を放置し、また過去には「アパルトヘイト南ア」とすら付き合っていた自民党の人間が良くもでたらめなことがいえたもんです。
 「自らの欲得」のためなら人権問題を放置、黙認するのが自民党でしょうよ。そもそもこいつらウヨの中国非難は「人権を口実にしたただの反共反中国」でしかありませんし。


北帰還事業、朝鮮総連「地上の楽園」宣伝 専門家「拉致と同様」 - 産経ニュース
 ただの「反北朝鮮右翼」でしかない荒木が「専門家」を自称するのだからいつもながら呆れて二の句が継げません。
 それにしても慰安婦については「だましは拉致ではない、暴力的に連行した場合だけが拉致だ」という男(荒木だけでなく西岡や島田もそうですが)が、北朝鮮拉致については「だましも拉致だ」と言い出して「帰国事業まで拉致だと言い出す」のだから、そのデタラメさには呆れて二の句が継げません。こんな「荒木のような馬鹿」と家族会が付き合ってるようでは拉致が風化して解決しないのも当然です。


社民、合流協議入りを決定 - 産経ニュース
 もはや社民党も国民民主党も「組織まるごと立民入り」つう話なんですかね。国民民主党はともかく、社民党については「最大野党・社会党時代」「村山氏が首相就任」を知る俺のような人間からすればさみしい話です。しかし「辻元氏ら幹部が離党して民主党に行ったり」、「この間の参院選でもぽっと出のれいわ(2議席)に抜かれ、トンデモ極右政党のN国と同じ1議席。もちろん共産や国民民主、立民といった他の野党とは比べものにならない」、「福島副党首以外にマスコミの話題になる幹部がいない」なんて時点で失礼ながら、正直「社民党にもはや上がり目はないだろう」「左派やリベラル層が支持するとしたら共産か立民*2だろう」と思っていたし、「個人的には共産を支持していきたい(政策の内容&党勢からそう評価)」という俺からすれば「ある意味どうでもいい話」です(国民民主党の立民入りに至っては「また民進党ができるだけ」であり「社民党の立民入り」以上に何の感慨もありません。「希望の党騒動は何だったんだ」「あんなことがなければ、あの選挙の時点で安倍の退陣もあり得たかもしれないのに」と改めて呆れるだけです)。
 「共産が立民入り」なんてなったら、支持者として嘆かざるを得ませんが、そういうことは「遠い将来はともかく」少なくとも当面はないし。
 もはやこういう話に「当然のように協議入りする段階」で国民民主党社民党は「明るい未来はない」わけでどうしようもないでしょう。まあ、俺は社民党や国民民主党が立民と合同しようと、立民なんか支持はしません。その理由のいくつか((1)枝野が恥知らずにも伊勢神宮出雲大社参拝を画策、(2)安倍のホワイト国除外をまともに批判しない)は下に書きました。
 むしろ「三党合同で大きくなれば共産を圧倒できる」と勘違いしてるらしい枝野一味に不快感が募るだけです。

https://twitter.com/ken_nakano1964/status/1204977433260089344
中野顕*3
‏ いま、立憲、国民、社民が「合流」の議論をしている。(ボーガス注:部外者なので)党の合流についてとやかく言うつもりはないが、これまで共産党市民連合と一緒に積み重ねてきた合意をどうしようとしているのか、一言説明があってもいいんじゃないかなぁ。2年前は「希望」に野党共闘を壊されそうになったわけだし。

という懸念は俺も感じています。「新党(希望の党)が出来たから過去の合意はチャラ」を過去に野党共闘の相手(市民団体や共産党)にやろうとした連中*4を、俺も中野氏と同様にかけらも信用していませんので。また「三党で新党をつくったから過去の合意は白紙」をやりかねない連中だと警戒しています。
  

川崎市のヘイト禁止条例案可決・成立 初の刑事罰規定 - 産経ニュース
 いろいろと問題点はあるかもしれませんがひとまずは素直に喜びたい。


「誤解招く表現」と謝罪 テレ朝、自民・世耕氏に - 産経ニュース

 10日の番組では「与党内は早くも年越しムード」というナレーションを入れた後、記者会見後の雑談で「(年内の定例会見は)いつまでやるのか」と聞かれた世耕氏が「もう良いお年をというか…」と話す場面を放送。
 世耕氏は自身のツイッターで「今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で『良いお年を』と言っただけなのに、それを桜を見る会と絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。印象操作とはこのことだ」などと批判していた。
 富川悠太キャスターは11日の放送で「桜を見る会とは直接関係のない発言で、放送ではその説明が丁寧ではありませんでした」などと述べ、謝った。

 世耕に屈服したテレ朝上層部から「世耕に謝罪しなかったら、報道ステーションキャスターは首だ。その後もテレ朝でアナウンサーが出来ると思うな」「今後、干される覚悟があるなら、好きにやってみろ」など、露骨に局アナ・富川に脅しが入ったのかもしれませんが、明らかな言いがかりにわびを入れるとは、富川は全く何を考えてるのか。
 「与党の記者会見はもうしない予定というなら、年越しムードで何ら間違いではないでしょう?」「そして桜を見る会だって、年内に特別の記者会見などしないのでしょう?。我々のどこが印象操作なんですか?。あなたの方が我々への印象操作ではないんですか?」「それとも、年内に桜を見る会について何か、特別の記者会見するんですか?」となぜ言い返せないのか。こんなんでは政府批判など出来はしないし、それどころか「政府以外(例:企業)」も批判できるか分かったもんではありません。居直って脅せば屈服するのが「テレ朝・報道ステーションだ」と世間に宣伝したわけですから。相手が反社会的集団(ヤクザ)ですら脅せば「どうもすみません」と頭を下げるのが今の「テレ朝・報道ステーション」ではないのか。
 しかし、安倍の子分とは言え、こんな言いがかりを平然でするとは、全く世耕もレベルの低い男です。安倍政権でなければこのバカが首相補佐官(第一次安倍内閣)、官房副長官(第二次安倍内閣)、経産相(第三次、第四次安倍内閣)になることもなかったんでしょうね。日本人であることに心底うんざりします。せめて野党や他のメディアには「世耕氏の方がおかしい」と批判を加えてほしいところです。


自民、習主席国賓に慎重論 総務会で発言相次ぐ - 産経ニュース
 「身柄拘束された日本人解放が実現しなければ国賓訪日反対」といったところで安倍は無視するでしょうし、それに「自民党総務会のウヨ議員」も何も出来ないでしょう。結局「首相に苦言を呈したが、支持されなかったので仕方が無い、俺たちはやるべきことはやった」というウヨ支持層へのアリバイづくりでしかないでしょう。


立民・枝野氏が出雲大社参拝を検討 支持層反発懸念 - 産経ニュース
 記事が事実なら「やれやれ」ですね。島根選出、三重選出でもない「埼玉の枝野*5」が新年に伊勢神宮出雲大社に行く必要はどこにもありません。
 弁護士ともあろう者が政教分離原則をなんだと思ってるのか。神社が戦前日本で果たした負の役割をなんだと思ってるのか。
 こういうことをするからこそ「安倍*6首相のものまねか、安倍首相を批判する野党幹部がそれで恥ずかしくないのか(安倍も新年は伊勢神宮出雲大社を参拝)」「神社万歳では安倍首相との違いが分からない」「政教分離を無視して、右翼に媚びて、どこが立憲主義でリベラルなのか」と自民支持層(特に安倍べったりの極右)からも、自民批判層(特に左派)からも「右にも左にもいい顔をしようとするどっちつかずの怪しいヌエ政党=立民」と批判的に見られ、支持が伸びないということをいい加減理解しろと思います。菅氏*7や辻元氏*8社民連社民党出身ならこういうことに苦言を呈したらどうなのか。枝野が怖くて何も言えない枝野独裁政党が立民なのか。それでどうして安倍の批判ができるのか。
 しかし、枝野と取り巻き連中(例:幹事長の福山*9)は「国民民主党自民党から保守層の支持を奪いたい」とでも勘違いしてるのでしょう。正直、保守層で立民を支持したいという人間はあまりいないでしょう。
 一方、リベラル層や左派はこんなことをすれば確実に立民から離れていくわけです。まあ、その結果、「立民から離れた層の一部が共産に行って」共産がのびるなら小生にとっては「むしろ万々歳」かもしれません(もちろん枝野への皮肉です)。「安倍のホワイト国除外」もろくに批判しないし、もはや立民にはほとんど何も期待していません。もはや立民はなくなった方が世のため人のためじゃないか。
 まあ立民がこれでは安倍も産経も「万々歳」でしょうね。
 どうせ神社に行くなら「日韓友好のアピール」としてせめて高麗神社(埼玉県日高市)にでも行ったらどうなのか。
 「後で説明しますが」高麗神社には「複数の参拝政治家が首相になった*10」つうジンクスもあるそうですからね。
 「最大野党党首として政権奪還の意志を改めて強めた」つうことでアピールもしやすいんじゃないか。

参考

「出世明神」にぎわい 参拝した6人、首相に 日高・高麗神社 /埼玉 - 毎日新聞
 若槻礼次郎*11浜口雄幸*12斎藤実*13平沼騏一郎*14小磯国昭*15鳩山一郎*16。聞いたことのある人もない人もいるかもしれないが、この6人はいずれも戦前から戦後にかけて首相を務めた人物だ。彼らに共通しているのは、日高市の高麗神社に参拝した後、首相に上り詰めていること。いつしか同神社は「出世明神」と呼ばれるようになり、今も開運を願う参拝者が絶えない。

 まあ首相になったとは言え、浜口は右翼に狙撃された傷が元で早死に。斎藤は226事件で暗殺。平沼と小磯は「A級戦犯として終身刑判決を受け服役中に獄死→靖国合祀」なので「開運」といっていいか微妙ではあります。若槻と鳩山にはそうした不幸はないですが。


第2次朝鮮戦争の可能性高い 米仏識者が警告 - 産経ニュース
 その可能性がないとは言いませんが、可能性は低いでしょうね。米朝両国ともデメリットが大きいからです。まず北朝鮮の場合、単独で米国に勝つことなどとてもできません。
 一方、米国は「勝つことは可能」かもしれませんが在韓米軍や在韓米国人などにどれほどの被害が出るか分かりませんし、そんなことになったらトランプの政治責任が当然追及されます。トランプ再選どころか、民主党の政権奪還の可能性が高くなってしまいます。


拉致被害者の地村さんが今、小中学校を巡回する理由(1/2ページ) - 産経ニュース
 まあ、ばかばかしいですね。
 小中学生には選挙権も被選挙権もありません。つまり彼らに講演したところで「拉致解決」と言う意味では即効性は何もない。
 これが例えば「障害者差別のないバリアフリー社会へ」みたいな話なら「小中学生に話をして啓発をすること」にも意味はあるでしょう。
 障害者差別なんてのはそう簡単になくなるもんじゃないからです。
 拉致問題とは「小中学生が今から10年経って大人になったとき、今日の講演が生きて役立つことを期待する」なんて脳天気なことが言える話ではないでしょうに。
 そして俺も含めて「大多数の大人」は「17年前(2002年)の小泉訪朝」をリアルタイムで見てるわけです(当時、俺は20代後半→今は40代前半)。
 小泉訪朝時に「小学生だったからよく知らない(20代後半)」「幼稚園児だったからよく知らない(18歳以上~20代前半)」「そもそも生まれてないから知らない(17歳未満)」なんて人間は社会の中枢で働いてるわけではない。
 社会の中枢で働いてる「中間管理職以上の人間(40代以上の人間)」は拉致なんかよく知ってるわけです。
 問題は「にもかかわらずなぜ拉致が解決しないのか」と言う話です。それはこんな講演をしたところでどうにもなりません。

 これまで地村さんは拉致問題の節目には取材に応じていたが、表立った活動は抑えていたという。しかし、小浜市役所を平成28年に退職後、昨年6月から小浜市内の小中学校を回って講師を務めたりするようになった。

 つまりは彼にとって「小浜市役所での仕事>拉致問題」だったわけです(別に責めてるわけではなく事実の指摘に過ぎません)

 地村さんは講座で話を聞く子供たちに向け、こんなことを訴えているという。
 「あなたたちが大人になり解決に動こうとしたときには生存者はいなくなり、拉致問題は過去の悲しい歴史になる。家族に話しかけ、拉致問題解決に協力するようお願いをしてほしい」

 やれやれですね。子どもにそんなことを語るより地村氏自身が「大人に向けて語ったらどうなのか」。
 子どもが家族に語る保証はないし、「直接地村氏の話を大人が聞くインパクト」に比べたら「子どもから間接的に大人(両親)が聞くインパクト」なんて小さいもんです。まあ、そもそも「小泉訪朝をリアルタイムで知ってる大人(少なくとも30代後半以上の大人はそうでしょう)」はそんなもん聞いても「うん、知ってる」でしかないでしょうが。
 言葉を選ばずきついことを言えば、結局、地村氏が「拉致はつらかった」「早く解決しないといけない」といったところで、大人からは「日朝交渉が進展しないんだから仕方ないだろ?。政府に要望しろよ!」「俺たち一市民に何をどうしろと?」という冷たい反応が来ることが分かってるから子どもに語りたがるのではないのか。

*1:未だに「外務省ガー」で安倍批判から逃げる気のようです。

*2:ただし下で述べたように俺は立民がリベラル政党とは少しも思っていませんが。

*3:ご本人の自己申告に寄れば日本共産党新宿地区委員会職員

*4:典型的には国民民主党(希望の後継政党)です。しかし立民の連中も小池らに排除されたから、共産や市民団体の排除に動かなかっただけで、小池らに「希望入党」を受け入れられていれば、「希望のメンバー」として排除に加担しただろうと俺は思っています。

*5:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)などを経て立憲民主党代表

*6:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*7:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*8:社民党政策審議会長、国対委員長鳩山内閣国交副大臣菅内閣首相補佐官(災害ボランティア担当)、民主党政調副会長、幹事長代理、立憲民主党政調会長国対委員長などを経て立憲民主党幹事長代行。

*9:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長

*10:ただし首相就任後、「226事件で暗殺(斎藤実)」「A級戦犯として終身刑→獄中死(平沼騏一郎、小磯國昭)」と不幸に見舞われた人間が複数いますが。

*11:第3次桂、第2次大隈内閣蔵相、加藤高明内閣内務相などを経て首相

*12:加藤高明、第1次若槻内閣蔵相、第1次若槻内閣内務相を経て首相

*13:第一次西園寺、第二次桂、第二次西園寺、第三次桂、第一次山本内閣海軍大臣朝鮮総督、首相、内大臣を歴任

*14:検事総長大審院長、第2次山本内閣司法相、枢密院議長などを経て首相

*15:陸軍次官、朝鮮軍司令官、平沼、米内内閣拓務大臣、朝鮮総督などを経て首相

*16:戦前、田中義一内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相を歴任。戦後、日本自由党総裁、日本民主党総裁を経て首相