黒坂真に突っ込む(2019年12月15日分)

左翼知識人、運動家はマルクス主義を放棄し、ベルンシュタインが唱えた社会民主主義を再検討すべきだ
 極右・黒坂が「英国労働党」「ドイツ社民党」「江田三郎*1代表(江田三郎死後は息子の江田五月*2が代表)の社民連」などの社民政党を評価してるようにとても思えませんので「???」ですね。
 まあ、黒坂にとっての「ベルンシュタインが唱えた社会民主主義」とは「旧民社党のことだ」と考えれば矛盾はないのでしょうが、そもそも「旧民社党」なんて極右政党はとてもまともな社民政党とはいえないでしょう。
 なお、「福島瑞穂*3らの社民党(党名からして明らかに社民主義)」はもちろんのこと、共産党だって野党共闘し、当面の目標を「北欧を模範にした福祉国家」としている以上、事実上「社民主義みたいなもん」です。今更「ベルンシュタインが唱えた社会民主主義を再検討すべき」もない(つうか社民主義を論じるにしても、現実の社民政党ならともかく今時「ベルンシュタイン」もないもんですが)。
 かつ黒坂が「左翼扱いしている人間(例えば山口二郎氏)」が軒並み「マルクス・レーニン主義か」といったらそんなことは明らかにない。
 「何馬鹿なこと言ってるんだ?」で終わる話です。

 本ブログでも何度か触れましたが、私は若い頃左翼でした。

 到底信じられないですね。何で元左翼がここまでレベルの低いデマ極右になるのか?。

 労働者階級には祖国がある

 まあ、マルクスエンゲルスにしても「労働者階級には祖国はない」といってもそれは「我々、労働者にとっては国際的連帯という重要なもんがある」「国際的連帯を犠牲にしてまで国益を重視することは悪しき自己中心主義だ」などといいたいだけでまさか「愛国心国益」を全否定しているわけでもないでしょう。要するにインパクト重視で「誤解を招く表現になった」わけですがそんなのは珍しくない話です。
 たとえば「国際的連帯」は、わかりやすい例でいえば「公害輸出問題」なんかそうでしょう。
 「自国民が被害に遭わなければそれでいい、外国人がどうなろうと知ったことではない。海外の工場で日本企業が公害問題が起こしたって知ったことじゃない」つう態度を「国際的連帯」の観点から、マルクス主義はとらないつう事です(まあマルクス主義以前の話の気もしますが)。
 もちろん「北方領土の返還」を主張する日本共産党も「国益否定などしているわけもない」。


■黒坂ツイートにコメント

黒坂真
 中国共産党朝鮮労働党の日本攻撃に対する徹底的な反撃力を保持せねばならない。核ミサイルに対し、有効な反撃力となりえるのは核です。少なくとも、弾道ミサイル巡航ミサイルの大量保有は不可欠。

 安倍ですらそんな物騒なことは言わないでしょうし、正直、こんなことを黒坂のようなウヨに言われても「護憲派から安倍は核保有を目指してると言われかねないだろうが!」と迷惑でしかないでしょう。

黒坂真
 昭和54年3月、高野功赤旗記者は(ボーガス注:中越戦争取材中に)ベトナムのランソンで、中国人民解放軍に射殺されました。当時の日本共産党中国共産党を強く批判。しかし今の日本共産党はこの件で中国共産党を批判できません。

 「批判できません」つうか

・1998年に両党関係を正常化したとき、中国から『文革についてのわびが入った』から、その中に高野氏の話も入ってると理解した
・高野氏の話については「40年も前の話だし、現在の中国共産党執行部は直接の責任者ではない」ので必要以上に突っ込まない

だけの話ですよねえ。
 ウイグルチベット問題や香港問題、あるいは尖閣問題と言った現在進行形の話ならともかく、高野氏の話に突っ込んでもあまり建設的でもないでしょう。

黒坂真
 米軍基地が存在するから中国共産党尖閣、沖縄に侵攻しにくくなっている。中国共産党の論理では沖縄は本来、中国の領土です。琉球王国が明朝に朝貢していたから。

 おいおいですね。先ず第一に米軍基地は沖縄防衛のためにあるわけではありません。だからこそ沖縄米軍基地から米軍はベトナムイラクなど海外に出撃していく。
 第二にそもそも中国は尖閣はともかく「沖縄が中国領だ」などとはいってない。
 第三に「朝貢イコール領土」ではない。その理屈なら「日明貿易」で朝貢していた日本も「中国領」なのか。
 過去に朝貢していたベトナムや韓国も中国領なのか。

*1:社会党書記長、副委員長、社民連代表など歴任

*2:社民連代表、日本新党副代表、細川内閣科学技術庁長官、参院議長、菅内閣法相など歴任

*3:社民党幹事長、党首などを経て副党首