今日の産経ニュース(2019年12月29日分)

台湾・総統選討論会 蔡氏、中国への対抗強調 野党候補は批判に終始 - 産経ニュース

 「主権は短期的な経済的利益と引き換えにできない」と述べ、中国との経済交流の低迷はやむを得ないとの見方を示した。

 蔡英文も言ってること無茶苦茶ですね。問題は「経済交流か台湾の自主か(二者択一)」ではなく「台湾の自主性を維持した上でどうやって経済交流するか(どちらも利益として確保する)」つう話でしょうに。
 「自主か経済か」という「二者択一」で「自主を選択」では、「経済交流が沈滞して経済に悪影響」であることは明白です。それを「短期的にはやむを得ない」と居直るとはどういうことなのか。そもそも蔡の言う「短期間」とはどの程度の期間なのか。
 「総裁任期4年程度など短期間だ」と言うなら正気ではありません。とはいえ蔡もおそらく「いついつまでにけりを付ける」とはいえないでしょう。今までぶち上てきた「反中国路線(独立路線?)」を「面子」や「支持層の離反の恐怖」のために引っ込めることが出来ず、一方で経済沈滞という事実も否定できず「短期間なら我慢してくれ」と無責任に居直ってるだけでしょう。それが仮にも「国(?)を代表する政治家」、「行政のトップ」がやるべき事なのか?


【主張】エジルの中国批判 全体主義のリスク正視を - 産経ニュース
 日本でも「安倍を恐れるテレビ局が桜を見る会疑惑をろくに報じない」「ジャニーズや吉本興業と言った大手芸能プロの批判をテレビ局が避ける」などと言った問題があるので「言論の自由」は何も「中国限定」「独裁国家限定」の話ではない。
 日本でスポーツ選手、例えば「読売巨人軍選手」は果たして安倍政権批判ができるのかどうか?。激怒したナベツネによって巨人から追放されるのではないのか?(言うまでも無く、ナベツネ率いる読売新聞グループは安倍応援団です)
 しかし中国限定の話にしてしまう辺りがさすが産経です(勿論褒めてません)。


【主張】韓国憲法裁「却下」 文政権は国の約束を守れ - 産経ニュース
 以前も指摘しましたが三権分立上、裁判所の判決に行政が介入することは違法であり、文政権にできることはありません。
 「裁判所の判決に行政が介入しろ」というのでは「光華寮訴訟・中国敗訴判決*1(大阪高裁)」についてした中国の批判「あの判決は日中平和友好条約違反だ。日本政府は条約を守れ」が正しくなる。それに対する当時の日本政府の反論「三権分立上、何も出来ない」が間違いになる。
 また今の日本の裁判所で「日米安保違憲」「(米国の要請に基づく)自衛隊の海外派兵は違憲」などの判決が出て*2、米国が「なんとかしろ」と抗議した場合、産経は三権分立など無視して、「はい、わかりました」というのか、と言う疑念も生まれてきます。

 憲法裁は日韓合意が法的な履行義務のない「政治的合意」にすぎず、効力も不明だとした

 いやむしろ俺は当然の判決だと思いますが。
 なぜこうなったかと言えば、「安倍と朴」のいわゆる日韓合意は「正式な合意文書が何もないから」です。
 「合意文書の国会批准」という手続きが生じ、その結果「合意反対派によって批准否定→合意崩壊」となるのを安倍と朴クネが恐れて姑息な計算をしたのか、「特に合意文書は作りませんでしたが、記者発表したことが合意です」で片付けてしまった。
 その結果、韓国最高裁は「合意文書がないのでは、合意の詳しい内容を確定することが困難」「そんなものは政治的合意とはいえても、法的拘束力を持った合意とは言えない(裁判所が合意に法的効力を認めることは出来ない)」と判決したわけです。
 合意文書作成をネグれば、「こうした事態が起こること」は容易に予測できました。
 この日韓合意以外に政府間合意について「合意文書を作成せず、記者発表だけで片付けた」あげく、そんなもんに「法的拘束力を認めた前例」なんかあるのかといったら、おそらくないでしょう。
 姑息な計算から「正式な合意文書をつくらなかった安倍と朴の落ち度(?)」であり、韓国最高裁には何一つ落ち度はない。

*1:ただし最高裁でこの判決は破棄され地裁に差し戻され事実上台湾が敗訴しました(現在、地裁で審理が続いてる状況で判決が確定していないので厳密には「敗訴ではない」ですが、今のところ確定判決がいつ出るのかは全く分かりません)。

*2:残念ながら今の最高裁ではでそうにないですが