黒坂真に突っ込む(2019年12月30日分)

◆黒坂ツイートにコメント

黒坂真
‏ ムハンマドは最後の預言者です。コーランと、ムハンマドが残したハディースイスラム教徒にとって神聖な文献です。これの解釈はいろいろあるのでしょうが、当然字義通り解釈する方もいるのです。イスラム原理主義者。しかし字義通りの解釈が間違っていると言えるのか、疑問です。

 吹き出しました。字義通り解釈したら通用しないのだから、現代にマッチした解釈になるのは当然でしょう。
 そんなことで「イスラム教はやばい宗教だ」などというならキリスト教は、日蓮宗はどうなるのか。
 キリスト教を字義通り解釈したら「天地創造(進化論の否定)」「処女マリアのイエス出産」「死刑になったイエスの復活」、全て正しくなります。日蓮宗で「日蓮の言動」を字義通り解釈したら一時、公明党創価学会がらみで話題になった「国立戒壇をつくること」が日蓮宗の目的にならざるを得ない。
 黒坂の理屈なら「キリスト教は、日蓮宗はやばい宗教だ」になってしまう。
 しかし、それらの話を「伝説や神話ではなく事実」だの「国立戒壇をつくることが日蓮聖人の教えにかなうこと」だのと思う人間は「まともな人間なら」キリスト教徒でも日蓮宗信者でもどこにも居ないでしょう(字義通り信じるのが勿論キリスト教原理主義者)。イスラム教とて話は同じです。
 そもそもそんなことを言ったら出てくる答えは「多くの宗教は間違ってる(多くの宗教に存在する神様なんてもんはどう考えても教祖の妄想かでっち上げでしかないので)」じゃないんですかね?
 つうか、こんなことを言う男が「中国のウイグル支配(ウイグルイスラム教が主流)」を批判してるのだから呆れます。
 中国ですら「ウイグルにはイスラム原理主義が蔓延」云々とはいっても「イスラム教は危ない宗教だ」なんていってないのに。

黒坂真
 イスラム教徒は、異教徒に対する聖戦という考え方を信じています。聖戦とは何か、についていろいろな解釈があるでしょう。テロもその一つということになりえます。

 まともなイスラム教徒は「聖戦=テロ」なんて考えではないし、まともでなければキリスト教徒や仏教徒だってテロはやるわけです。
 大体「中国のウイグル支配(ウイグルの大多数はイスラム)」を批判する人間が良くもこんなイスラム差別暴言が吐けたもんです。

黒坂真
‏ 北朝鮮の現在の体制は一刻も早く崩壊させねばなりません。しかし体制崩壊時には(中略)移民*1、難民の受け入れは可能な限り制限すべきです。

 言ってることがあまりにも無茶苦茶すぎて本当に呆れます。「反共反北朝鮮の極右」として「金正恩政権を打倒したい」が「難民嫌い」として、「それによって日本に難民が来るようなら、できる限り排除したい」。どうすればここまで恥知らずなことが言えるのかと心底呆れます。
 「金正恩政権を打倒したい。それによって日本に来るかもしれない難民もある程度引き受ける覚悟がある*2」や「大量の難民なんか到底引き受けられない。だから金正恩政権打倒なんか望まない。ただし北朝鮮国内の人権面の改善をなんとか目指したい(現状のままでいいとは思ってない)*3」ならともかく。

黒坂真
‏ 入国管理局の施設で長期収用されている外国人の人権について、(ボーガス注:改善を)望月衣塑子*4記者や日本共産党は叫んでいます*5。それなら自分の会社、中日新聞社*6日本共産党が外国人の身柄、日本居住のための世話と費用を全額引き受けると明言すべきです。それは嫌だ、自治体や他人がやれ、が本音でしょう。偽善ですよ。

 言ってることがあまりにも無茶苦茶すぎて本当に呆れます。その理屈なら黒坂らウヨは日本政府に「ウヨとして色々な要求をすること(例えば拉致被害者への生活支援)」はやめて全部「自分たちの自費でやればいい」でしょう。
 「対馬が、佐渡が危ない」として「政府の離島経済支援」を要求する産経もそんなことは「産経が自費でやればいい(産経が対馬佐渡に資金を投入すればいい)」。
 自分たちは「ウヨとして政府に要求する」が他人には「お前が自費でやれ」なんてそんな馬鹿な話はない。

黒坂真
‏ 私は、難民、移民を沢山受け入れるべきだという方々には偽善があると思います。特に難民の場合、日本に来ても働く事は簡単ではない。ある地域に難民が沢山来たらその地域の自治体の予算が間に合わなくなる。社会的衝突も起きる。自宅の隣近所に、難民が大量居住したらどうなるか、考えるべき。

 難民(社会的弱者であり道義的、政治的に引き受ける必要あり)と移民(必ずしもそうは言えない)は全く違うのですがそれはさておき。
 「自民信者」黒坂のこうした物言いは「日本政府はもっと難民を受け入れるべきだ」という批判に対する「自民信者としての居直り」でしかなく、そうした意味ではばかばかしい限りです。
 とはいえ一方で「難民や移民の引き受け」については「彼らを引き受けることに寄って生じるであろう文化的衝突」などについて「それなりの覚悟と準備が必要」なことは確かです。そうした覚悟や準備もなく安易に引き受けを主張するのは無責任でしょう。
 そう言う意味では以前突っ込みましたが「日本が大量に脱北者を引き受ければ北朝鮮が崩壊するかもしれない」などというid:noharraの過去の放言は「そうした覚悟が全く感じられない非常に無責任なモノ」といっていいでしょう。

*1:体制崩壊時に来る人間は移民とは言わないでしょう。

*2:たとえばid:noharraがこの立場ですね。どこまで本気か怪しいですけど。

*3:なお、俺はこちらの立場です。

*4:著書『武器輸出と日本企業』(2016年、角川新書)、『新聞記者』(2017年、角川新書)、『追及力:権力の暴走を食い止める』(共著、2018年、光文社新書)、『安倍政治 100のファクトチェック』(共著、2018年、集英社新書)、『同調圧力』(共著、2019年、角川新書)、『「安倍晋三」大研究』(2019年、ベストセラーズ)など

*5:何も望月記者や共産党だけではなく他にもそうした指摘をする記者や政党はあります。

*6:そもそも望月記者は中日新聞の経営者ではありませんが。