常岡浩介に突っ込む(2019年12月31日分)(追記あり)

常岡浩介がリツイート
ゴーン被告海外逃亡 レバノン政府側が受け入れ協力か 引き渡し条約もなし - 毎日新聞
 レバノンの政情は混乱しており、日本へ引き渡されるかは見通せない。かつて、1972年にテルアビブ空港乱射事件を起こした日本赤軍メンバーが拠点を置いた

 少なくとも「日本赤軍云々」は関係ないですね。日本赤軍の犯行(イスラエル相手のテロ)は「アラブの国・レバノン」にとって英雄的行為なのでかばう必要がありましたがゴーンの場合は違います。

常岡浩介
 ぼくのように本当に不正な政治的迫害を受けている元容疑者からすると、単なる逃亡者のゴーン被告の言葉は受け入れがたい!ぷりぷり!

 吹き出しました。常岡は別に「政治的迫害」なんか受けてませんよねえ。奴がパスポートを交付されないのは「是非はともかく」単に「常岡が現地武装勢力に身柄拘束されて問題になること」を恐れてるだけですから。そもそも常岡は政治的迫害されるような政府批判もしてませんし。いや「政府批判」どころか、常岡はまともな仕事もしているようには見えません。

常岡浩介がリツイート
◆弁護士 落合洋司 
 カルロス・ゴーンレバノン国籍もあるはずで、日本とレバノンの間には犯罪人引渡条約がない。自国民は引き渡さないのが国際法上の原*1レバノンを拠点にする限り、日本への連れ戻しは無理だろう。保釈を出した東京地裁*2の歴史的大チョンボ

 「常岡と落合の馬鹿さ」には「はあ?」ですね。「チンピラヤクザ」ならまだしも、仮にも「日産やルノーの会長」を務めた国際的ビジネスマン「ゴーン」が「保釈条件を無視し、また共犯として起訴された部下を見すてて自分だけ逃亡」なんて無様な行為をやるとは普通、地裁も思わないんじゃないですかね?(とはいえ一応保釈金は取っていますが)。
 例えば保釈を受けた田中角栄*3は逃亡なんかしなかったわけです。元首相ともあろうものが逃亡なんて無様なまねは出来るもんではない。そんなことをしたら政治家人生がそこで終わってしまう。今保釈を受けてる沢尻エリカ*4だっておそらく逃亡なんかしないでしょう。そんなことをしたら彼女の女優としてのキャリアがそこで終わってしまう。
 あるいは高山清司・山口組若頭(山口組系・弘道会会長)が「15億円の保釈金」を払って保釈されたことがありますが彼も逃亡はしませんでした。チンピラヤクザではない、彼ほどの大物になると「逃亡して罪が重くなるリスクを冒す」より「無罪判決を狙い、それが無理でも罪をいくらかでも軽くして服役を早く済ませて出所」した方がヤクザとして有利だからです(そう言う例はいくらでもあるでしょうが)。
 ゴーンの場合、逃亡すれば彼の「財界人としてのキャリア」はそこで終了です。無罪判決をとることはもちろん「それが無理」でも「刑期をなるべく軽くしてもらって、服役を早く済ませて出所」した方が財界人としての復権の可能性も高いでしょう(もちろんため込んだ財産で働かず遊び暮らすだの、『表舞台ではなく裏社会』でビジネスマンとして活動するなら話も別ですが)。
 仮にゴーンが「レバノンに逃亡するつもり(日本へ戻る気は無い)」としても、彼は二度と「レバノン以外へは出国できない」わけですし(レバノン以外へ出国した時点で身柄を拘束されるでしょう)。仮にも「日産やルノーの会長」を務めた国際的ビジネスマンがそこまで恥ずかしいことをやるとは普通の人間は思わないんじゃないか。
 そもそも「絶対に逃亡しない」などという保証がどこにもないからこそ「保釈金(15億円だそうです)も取ってる」わけです。
 「絶対に逃亡させない」のなら「常に保釈不可」つうことにしかならないでしょう。それは適切ではない。
 また捜査当局(警察や検察)がゴーンの出国を事前に察知できなかったのも「完全に油断していた」からでしょう。刑事ドラマだと逃亡するおそれのある容疑者や「ゴーンのように保釈されたり、そもそも在宅起訴の被告人」に監視を付けたりしますが、ゴーンの場合も捜査当局が油断してなければ同様に監視がついたでしょう。
 別に裁判官や弁護団*5のちょんぼとは俺は思いませんが。
 むしろ「逃亡の危険性がある」として保釈に反対しながら、ゴーンの出国を事前に把握できなかった捜査当局の方が「ちょんぼ」ではないのか。まあ落合の場合「弁護士」といったところで「いわゆるヤメ検(元検事)」なので見方が検察などに甘いんでしょう。その結果、裁判所や弁護団に悪口する。
 まあ、「逃亡する恐れを考慮して保釈金を納付させた」裁判官はともかく弁護団からすればこんな話はさすがに知らないでしょうから「ゴーンに裏切られた」つう不快感は強いでしょうね。
 今後、一部の人間からは「弁護団はゴーンの逃亡を手助けした」と悪口されるリスクもありますし。
 なお、当たり前ですが、「弁護士の職務は依頼人の要望を叶えること」です。
 依頼人(この場合、ゴーン)の要望が「証人を金で買収しろ」「証人を謀殺しろ」だのいう「明らかに違法、不当な行為」でない限り、弁護士には依頼を拒絶する事はできません。下手に拒絶なんかしたら「契約違反」として民事賠償請求すら起こされかねません(どうしても拒絶したいなら弁護をやめるしかない)。
 で「保釈を受けたい」というのはそれ自体は何ら違法でも不当でもない。
 「逃亡する恐れがある」だのいってダメ出しするのは弁護士の任務ではない。それは検察や裁判官の任務です。
 まあ「犬が人をかんでも騒がれないが人が犬をかんだら騒がれる」つう言葉がありますが「保釈された人間が逃亡しなくても騒がれないが、逃亡すると騒がれる」だけじゃないですかね。安易に「保釈不可」ということは俺には賛同できませんね。そう主張するには、事実に基づくそれなりの検討が必要です。「ゴーン逃亡」だけで思いつきで言っていい話じゃない。

【追記】
 ネット上で「日産が真っ白でゴーンだけ悪人なんてあり得ないので、この逃亡劇は、(裁判所はともかく)弁護団は勿論、検察や入管もぐるで全てをうやむやにするための出来レース(法廷でゴーンにあること無いこと言われたら、日産経営陣、そして場合によっては経産省が世論の批判でずたぼろになるから)」「従ってろくに引き渡し要求なんか検察はしないし、だから安心してゴーンも出国できた」なんて陰謀論を見つけましたが、さすがにそれはないと思いますね。
 そこまで日本の行政機関が薄汚いとは俺は思っていません。

*1:俺はその辺り無知なのでなんとも言えませんが「えー、そうか?」ですね。その辺りはレバノンと日本の交渉になるでしょう。「断固引き渡してもらう」か、あるいは「ブラジルでの代理処罰(ブラジルは死刑を廃止してるので殺人など死刑該当犯罪では死刑存続国・日本への引き渡しが出来ない)」のような形をとるか。まあ「野放し」てのは容認できませんよねえ。

*2:何で「東京地裁のちょんぼ」と落合がいうのかわけがわかりません。検察が控訴を諦めて東京地裁で決定が確定したのか、はたまた控訴したが上級審(高裁や最高裁)でも決定が維持されたのか(済みません、無知なのでその辺りよく知りません)はともかく、地裁ばかりが非難される話ではない。

*3:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*4:1986年生まれ。2005年映画『パッチギ!』で演じた「リ・キョンジャ」役が高く評価され、数多くの映画賞・新人賞を受賞。また2005年フジテレビで放送の初主演ドラマ『1リットルの涙』での演技が高く評価され、2006年エランドール賞・新人賞や、第43回 ゴールデン・アロー賞・新人賞を受賞。2007年9月29日自身が主演する映画『クローズド・ノート』の舞台挨拶で不機嫌そうな振舞いを行い、マスコミなどによりバッシングされ芸能活動の一時休止に追い込まれる。2012年には女優復帰作となった主演映画『ヘルタースケルター』が公開。興行収入20億円を突破する大ヒットとなった他、アジア各国でも公開され大ヒットを記録した。またこの映画での演技で、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞(ウィキペディア沢尻エリカ』参照)。

*5:まさかこんな行為を弁護団もさすがに事前了承はしてないでしょう。勿論、事前にゴーンの国外逃亡の意思を知っていながら黙認していたら大問題であり、弁護団は政治的、道義的に批判されて当然ですが。場合によっては「刑事処罰」「弁護士資格剥奪」などもありうるでしょう。