今日の産経ニュース(1/3分)(追記あり)

参院選視察で民主化理解を カンボジアの政党招待
https://www.sankei.com/politics/news/190103/plt1901030013-n1.html
 「フンセン政権に経済制裁も何もしないこと」で欧米から浴びてる非難をかわすための行為ですが、まあ苦しい詭弁ですね。「フンセン政権=最大与党」の独裁的な面が「視察程度で改善する」なら誰も苦労しません。

 それなら北朝鮮民主化のために、朝鮮労働党幹部に訪日してもらって参院選を視察してもらったらどうですか?(まあ例は北朝鮮でなく、中国、ベトナムキューバラオスと言った他の共産党一党独裁政権でも、独裁的とされるロシア・プーチン*1政権でも、トルコ・エルドアン*2政権でも何でもいいのですが)

と皮肉を言いたくなります。
 そもそも、カンボジアのフンセン政権は「民主主義への理解が足りない」から「独裁的なわけでなく」、最初から、民主的政治運営をする気がないわけですから「視察」してどうにかなる話ではない
 大体、日本は民主主義の観点からそんなに自慢できる国でもないですし。むしろ安倍や二階が「欧米選挙視察で民主主義理解を」した方がいいんじゃないか(もちろん冗談)。
 それはともかく、むしろ「日本はカンボジア民主化を真面目に考えてるのか」という非難を欧米から浴びるだけではないか。


■「出国税」7日から1人千円、訪日促進に活用
https://www.sankei.com/politics/news/190103/plt1901030016-n1.html
 航空チケットが若干値上がりすることになるんでしょうか?。出国するだけで徴税とは全く道理に合わない気がしますね。


■5人に死刑求刑 サウジ検察、記者殺害事件で
https://www.sankei.com/world/news/190103/wor1901030021-n1.html
 どう見ても、政府上層部(おそらくムハンマド皇太子)の命令だろうに、これはどういうことなんですかね?
 死刑判決を出した上で恩赦でも出すのか、死刑にした建前で「今後も裏の工作員として活動させる(但し建前は死刑にしたので、『死刑執行の嘘』がばれないように顔の整形や指紋消失などし、逮捕されたときは自決するように因果を含ませる)」のか、はたまた「家族の面倒は見るから」などと因果を含めて本当に処刑するのか。いずれにせよ仮に処刑しても誰も「サウジ政府が関係ない」などとは思いませんが。


■フィリピンに設置の「慰安婦像」は撤去
https://www.sankei.com/world/news/190103/wor1901030019-n1.html
 慰安婦像を設置してほしいわけではないですが、「日本政府がODAを出さないだの何だの言って、恫喝で撤去させて地元の慰安婦慰安婦支援者の反感買ってるんだろうなあ*3」と思うと、情けなさと申し訳なさを感じて、げんなりします。もちろんフィリピンにも慰安婦は存在します。


■【主張】御代替わり 感謝と敬愛で寿ぎたい 皇統の男系継承確かなものに
https://www.sankei.com/column/news/190103/clm1901030001-n1.html
 小生は「退位すらしなかった」「戦後も沖縄メッセージなどで分かるように国家元首気取りだった」人間のくず・昭和天皇に対する否定的な感情(憎悪、怒りなど)を除けば皇室には「感謝と敬愛」といった感情もないし、一方で「憎悪や怒り」もないですね。
 彼らは小生の生活とは関係ない存在ですので、人間として「よほど尊敬に値する偉大なこと」か「逆に軽蔑に値する低劣なこと」でもしない限り特別な感情の持ちようがない。そして小生的にはいわゆる「被災地訪問レベル」では敬愛の念だの持たないと言うことです。あれは彼らの「公務」ですからね。かつ「全く善意がない」とはいいませんが、ああいう訪問をすることで「敬愛の念を国民に持たせよう、そして皇室の存続につなげよう」という思いは当然あるでしょう。
 そして、ああした王族や政権トップなどの訪問は古今東西全く珍しくもない。

天皇の即位の式典には友好国からの賓客も多く列席する。日本のみならず世界からも祝福されることになる。

 やや揚げ足とりですが「経済大国日本」で「国を代表する国家イベント」をやれば「国交のない北朝鮮」「内戦状態のシリア」とかよほど特殊なケースでない限り、どこの国も国賓がくるでしょうねえ。

 「私は即位以来、日本国憲法の下で象徴と位置付けられた天皇の望ましい在り方を求めながらその務めを行い、今日までを過ごしてきました」
 天皇陛下が昨年12月、85歳の御誕生日を前に記者会見された際のお言葉である。

 まあ、この発言裏読みすれば「私は沖縄メッセージのようなことはやりません」宣言かもしれません。

天皇はなぜ、憲法の筆頭条文に記されているのか。それは、近代憲法が定められるはるか昔、国の始まりから今に至るまで、天皇が日本の首座にいらしたからにほかならない。

 「大日本帝国憲法明治憲法)がそうだったから」であり、当時の日本支配層も「大日本帝国憲法と同様の順番を望んだから」であり、それについてGHQも「順番を変えろ」というこだわりがなかったからですね。
 まあ明治憲法の価値観は産経が言うようなものかもしれませんが、はっきり言って時代錯誤でしょう。

そのためにも、天皇や皇室の行事は、歴史と伝統を損なわないような憲法、法令解釈で挙行されるべきである。新天皇が国家国民の安寧や五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る大嘗祭(だいじょうさい)を、天皇の私事とみなす議論が一部にある。これは「祈り」という天皇の本質*4を損なう考えといえる。大嘗祭が私事として行われたことは一度もない。

 完全な詭弁ですね。政教分離の観点から言えば「大嘗祭を完全に非宗教化する」か「大嘗祭をそもそもやらない」という選択肢をとるべきかもしれません。しかし、それが難しいならせめて政教分離の観点から「公務としての扱いではなく私的行事」とし、経費もいわゆる「私費扱いの経費から出すべきだ」という話です(もちろん「天皇が象徴である以上、そして大嘗祭が個人的趣味ではなく、即位と密接に関与している以上私的行事とは言いがたい」「私費扱いにしたって結局税金じゃないか」という批判、つまり「大嘗祭を完全に非宗教化するか、大嘗祭をそもそもやらないという選択肢しかない」という批判はあるのですが)。
 それにしても、産経がこの文章を書く際に「政教分離」の四文字を完全に避けていることが滑稽です。「政教分離に反しない」といいたいのでしょうがそう書くことを躊躇したようです。

政府が新元号を内定という形で発表し、新天皇が即位日に政令に署名、公布される段取りが本来望ましかった。

 産経が何でそんなに5月の公布にこだわるのか訳が分かりません。

 御代替わりの後には、2つの重要事に取り組むべきだ。
 1つは、秋篠宮殿下の長男で皇位継承順位2位となられる悠仁さまのご教育の問題である。未来の天皇としてふさわしいお心構えを身につけていただくよう、政府と宮内庁は対応を急いでほしい。

 産経に言われるまでもなく教育はしてるでしょう。つうか『未来の天皇としてふさわしいお心構え』つうのは産経的にどういう意味なんでしょうか。

 もう1つは、確かな皇位継承を保つことだ。古代から現代まで、一度の例外もなく天皇の即位に貫かれてきた大原則は、男系による継承である。「女性宮家」は皇室のご公務の担い手としてはともかく、男系を継承する手立てではない。今も親族として皇室と交流する旧宮家皇籍復帰などの本格的検討が迫られている。

 何でこんなに女性天皇に否定的なのか訳が分かりません。
 「旧宮家皇籍復帰」なんて現実的ではない。
1)女帝に比べ、国民がそれをあまり望んでない
2)現天皇一家とかなり血縁関係が薄い
3)民間人時代に不祥事を起こしたことが発覚した場合、皇室へのダメージとなる(不祥事を起こしてないとは言い切れないでしょう)
といった問題があるからです。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*2:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*3:裏返せば「韓国は経済大国なのでもはやどういう恫喝がきかない」つうことです。そしてフィリピンが南シナ海紛争で中国と必要以上にはもめない(むしろ中国からの経済支援で和解した)のも構図とはしては今回の銅像撤去と話は同じです。

*4:産経が勝手にそう理解しているだけです。つうか「祈りが天皇の本質=天皇制と神道は分離不可能」などというのは完全に政教分離違反であり「そんなもんは本質ではない」「そんなもんが本質なら天皇制をやめるしかない」つう批判をせざるを得ません。というと『政教分離否定派の本心はやはり天皇制廃止か』と言い出すのが産経でしょうが、もちろん産経の言うような天皇制を目指すのなら廃止するしかないという話にすぎません。俺は『天皇制廃止論(身分制度はなくすべき)』ですが、もちろん俺は『祈りが本質=天皇制と神道は分離不可能』などとは全く思っていませんので『政教分離』『祈りが本質』で廃止論のわけではありません(まあ、「本質」ではなくても「本質とか抜かして産経のようなウヨが政教分離破壊しようとするからそういう意味でも天皇制は有害」とする廃止論者はいるかもしれませんが)。