今日の産経ニュース(1/9分)(追記あり)

■日露条約交渉「中国の脅威念頭」 自民・河井外交特別補佐が米講演
https://www.sankei.com/world/news/190109/wor1901090034-n1.html
 ロシアは安倍のためなんぞに「中国と激突する理由」はどこにもないでしょう。いやそもそも経済大国中国と激突したがる国などほとんどないでしょう。正気なのかと聞きたくなります。


■韓国の戦争性犯罪「ライダイハン」問題、英団体が議会で追及へ
https://special.sankei.com/f/international/article/20190109/0001.html
 産経は変な勘違いをしているので頭痛がしてきます。ライダイハンなるものについて小生は無知なのでコメントしません。
 ただし産経が言うように「韓国版慰安婦」ならそれは批判的に追及されてしかるべきでしょうね。そして当然ながらライダイハンの追及と慰安婦の追及は何ら矛盾しません。
 産経の主張は「アイヌ同化」を批判されて「米国のインディアン同化」を持ち出して居直るような愚劣な行為です。「俺だけがやってるんじゃない」なんてのは何ら自己正当化の理由にならない。


■【主張】ゴーン容疑者出廷 真実追求は捜査と公判で
https://www.sankei.com/column/news/190109/clm1901090002-n1.html

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者が東京地裁で行われた勾留理由開示手続きに出廷し、「無実だ。不当に勾留されている」などと主張した。
 留意すべきは、これはあくまで裁判ではないということだ。

 無実を主張する人間が「長期拘留も不当だが、そもそも『短期でも』拘留自体が不当だ、私は無実だ」と主張することには何ら法的な問題はありません。むしろ「無実を主張する人間」がそう言わなかったらその方がおかしい。「裁判ではない」などという産経の物言いは全くの因縁でしかない(お断りしておきますがこれはもちろん「ゴーンが無実だ」という話ではありません)。
 結局、産経は「ゆがんだ愛国精神」から「ゴーンが無実なら、ゴーンを追い出そうとした日産現経営陣の立場が悪くなる」「ルノーとの交渉にも不利に働くかもしれない。日産が完全なルノー子会社になるかもしれない」「ゴーンは有罪でなければならない」「ゴーンは無実かもしれないという論調は許せない(いやゴーンの法廷発言を容認することはそういう話ではなく『刑事被告人の人権保障』でしかないのですが)」という結論ありきなのでしょう。
 全く馬鹿げています。

 異例中の異例だったのは、この手続きに対する注目度である。
 フランスとレバノン*1の駐日大使も傍聴し、ゴーン容疑者の主張は海外通信社が速報した。

 日産自動車前会長、三菱自動車前会長、ルノー会長*2という大物財界人が、背任容疑などで逮捕されたが無実を訴えている。注目されるのは自然な話です。
 特にフランスの場合「日産自動車前会長、三菱自動車前会長、ルノー会長のゴーンが無実かどうかで今後の日産自動車三菱自動車ルノーの経営交渉に影響するかもしれない」、レバノンの場合「ゴーンはレバノン国籍」なのだから。

 弁護側は手続き後、日本外国特派員協会で記者会見を行い、「勾留する理由がないと考えている」と不当勾留を訴えた。
 ゴーン容疑者の逮捕、長期勾留に対しては、主に海外のメディアから強い批判がある。勾留理由開示手続きは、そうした海外世論に訴える目的もあったのだろう。
 東京地検はこれまで、こうした批判に対し、「国ごとにそれぞれの制度がある。自分の国と違うからと簡単に批判するのはいかがなものか」と反論してきた。

 「国ごとに制度は違う、お前らの価値観を押しつけるな」というその理屈なら「中国のチベット統治」でも「旧ソ連・東欧や南米軍事独裁政権(チリ・ピノチェトなど)の政治犯収容所」でも「イランやサウジの同性愛者への石打ち死刑*3」でも何でも「正当化できる」でしょう。まともな反論になっていません。
 そもそも「長期拘留する必要があるのか(本当に長期拘留しないと証拠隠滅等の防止は出来ないのか。ゴーン釈放を望まない日産自動車を政治的にアシストしてるだけではないのか)」という批判は「自国と違うから日本を批判している」わけではありません。

*1:ゴーンはレバノン生まれでレバノン国籍だそうです。

*2:まだ正式には解任などされてないようです。

*3:「形骸化しており実際にはやってない」なんて話もあるそうですが「そういう法令があること自体」は事実のようです。