今日の産経ニュース&しんぶん赤旗ニュースほか(2020年1月1日分)

◆一応新年のご挨拶
 昨年は色々と拙記事にコメント頂きありがとうございました。
 まあ、「安倍のようなごろつきが首相」ではあまり「めでたくもない」のですが、お約束として「あけましておめでとうございます」。
 今年も拙記事に色々コメント頂ければ幸いです。今年もよろしくお願いします。
 特に新年の抱負は無いというか、「そんなくだらないことが抱負なの?」「1年後、実現できたか書いてほしい」などと言われたくないので「あっても公言したくない」ので特に書きませんがご容赦下さい。


新年のご挨拶|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ

 昨年、あるお話にうかがった際に、私の考えを本にまとめてみないかというお誘いを受けました。その時は、自分にはもはやそれだけの根気とエネルギーは残っていないと思い、ご辞退させていただきました。しかし、この一ヶ月の間、やはり余力が少しでも残っている間に、自分の考えを整理し、まとめておきたいという気持ちが膨らんできました。そこで、恐る恐るお誘いくださった方に私の方から改めて書かせてほしいというお願いをしたところ、ご快諾をいただくことができました。ということで、今年は再度物書きに挑戦しようと思い立っているところです。

 ということで浅井先生の新刊を楽しみにしたいと思います。個人的にはコラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページをそのまま手を加えずに書籍化するだけでも大満足ですが。


準軍事的グループ、ゴーン脱出作戦決行? レバノンTV:朝日新聞デジタル

 日本で日産自動車のゴーン前会長が滞在する自宅に、作戦を実行するグループが音楽バンドの変装をして潜入。ディナーコンサートを終えるのに十分な時間が経ったのちに、楽器を入れる木箱の中に前会長を隠して、自宅から連れ出したという。

 これが事実ならば、どう見ても弁護団が関与したなんて話ではなく、「ゴーンが別途、別集団を組織した話」でしょう。こんなとんでもないことを阻止することなんか到底弁護団に要求できることではないでしょう。しかしこんなとんでもないことは前例がないですからねえ。保釈決定した裁判所も非難されるいわれはないでしょう。
 しかしこの記事のブクマには「ゴーンのような手法を使えば、テロリストでも出入国できるのではないか」と言うのがありますがまさにその恐怖が否定できませんね。それにしてもこれだと「保釈されなくても、護送車を襲撃するとか謀略作戦で奪還してたんじゃねえの?」て気すらしてきます。


「国会議員5人に現金」中国企業側が供述 IR汚職巡り:朝日新聞デジタル
 秋元以外にも逮捕者が出るんでしょうか?。
 正直、秋元が小物とは言え「安倍がカジノ担当副大臣に任命した男がカジノ進出をもくろむ企業から賄賂をもらってた」なんて「安倍に責任がないと言える話」ではない。また、「他にも飛び火する恐れ(秋元以外の自民党カジノ族議員やカジノ誘致を表明してる自民党系首長にも賄賂が渡された事が発覚、各地のカジノ反対運動が活発化など)がある」ので安倍があらゆる手段を使って逮捕を潰すんじゃないかとか、検察が安倍に忖度して自主規制(野放しにしないにせよ、逮捕せずせいぜい在宅起訴)じゃないかと「検察には不信感を覚えていた」ので秋元逮捕は意外でした。


安倍首相と語る(上)岡田准一さん×村上茉愛さん 五輪成功させ次の輝きへ (1/4ページ) - 産経ニュース
安倍首相と語る(下)岡田准一さん×村上茉愛さん 何かを極めることが人生の幸せに(1/5ページ) - 産経ニュース
 今回は「櫻井よしこなど安倍のウヨ仲間」ではなく

安倍首相と語る(上)岡田准一さん×村上茉愛さん 五輪成功させ次の輝きへ (1/4ページ) - 産経ニュース
 俳優の岡田准一(じゅんいち)さん*1、体操選手の村上茉愛(まい)さん

だそうです。まあ岡田の所属事務所(ジャニーズ)や村上の所属組織(池谷幸雄*2体操倶楽部や日本体操協会)などとのしがらみであって彼らは「アンチ安倍」ではないとしても別に安倍が好きなわけでは無いでしょう。ましてや安倍なみの非常識ウヨではないでしょう。話も東京五輪(村上が出場予定)や岡田主演映画『燃えよ剣』のことばかりです。
 しかし、今回の対談相手・岡田はジャニーズ所属だし

即位式典の奉祝曲を歌ったのは嵐
・嵐は「日中文化・スポーツ交流推進年親善大使」

だし、ジャニーズ、安倍ともども「お互い付き合うことで利益を得よう(安倍は人気取り、ジャニーズは政府をバックにした事業展開?)」つうことですかね。

安倍首相と語る(下)岡田准一さん×村上茉愛さん 何かを極めることが人生の幸せに(1/5ページ) - 産経ニュース
 単刀直入に首相に聞いてみたいことは

 と振られてももちろん岡田らも「桜を見る会疑惑」「IR汚職問題」だの安倍にとって「聞いてほしくないこと」を聞くわけもなく、まあ、当たり障りのないことしか聞きません。

司会
 最後に首相から、今年の抱負をお聞かせください
安倍
(前略)
 新しい時代にふさわしい憲法を国民の手で新たに作っていく。そういう時代を迎えたのだろうと思います。われわれ自由民主党は既に4つの項目で改憲案を示しています。国会で皆がしっかりと議論する。その責任を果たしていく中で、憲法改正を私の手で何とか進めていきたいと思っています。

 まあ、安倍らしいと言えば安倍らしいですが「安倍に政治的なことを聞きづらいであろう(そもそも聞く気も無いかも知れませんが)」俳優&体操選手を呼んできて政治と関係ない世間話(体操選手の五輪への抱負、俳優の主演映画についてなど)を延々したあげくがこれです。最後にとってつけたように「改憲」を言い出す。
 「改憲の話がしたいのなら、野党政治家(立民・枝野*3代表、国民民主・玉木*4代表、共産党・志位委員長、社民党・福島*5副党首など)でも呼んできて対談しろよ」「野党政治家なんか怖くて嫌だつうなら、自民党シンパの文化人でもいいからまともな政治的対談しろよ」と思いますが、まあ安倍にはそんなことをする勇気は無いのでしょう。
 一方、赤旗
新春対談/上智大学教授(政治学) 中野晃一さん 文明壊す安倍政治と決別する「覚醒の年」に/日本共産党委員長 志位和夫さん 国民にポジティブな魅力が伝わる野党共闘へ
新春スペシャル鼎談「再発見!日本共産党」/日本共産党書記局長 小池晃さん 裁縫家・漫画家・イラストレーター ワタナベ・コウさん 編集者・ライター ツルシカズヒコさん
ということで「志位氏、小池氏の対談相手」が「共産党に好意的な文化人(安倍自民にとっての産経文化人?)」とはいえ、きちんと政治的な対談をするわけです。

■おことわり
 岡田准一さんの写真はウェブサイトでは使用できないため掲載していません。

 所属事務所ジャニーズの要望なんでしょうが、「え、なんで?」ですね。「政治家との対談はするが写真はノーサンキュー」とか何か理由があるのか。

【追記】

安倍晋三×岡田准一対談の不自然さ…ジャニーズ事務所が現政権にすり寄り始めたワケ|日刊サイゾー
 ジャニーズ事務所所属のV6・岡田准一が、新年1月1日にニッポン放送で放送される「安倍晋三×岡田准一×村上茉愛 新春対談~2020かがやくニッポン~」で、安倍晋三首相と対談したことを、各スポーツ紙が報じた。
 各紙によると、同番組は、2015年から恒例となっている産経新聞ニッポン放送の連動企画。収録は総理大臣公邸で行われ、岡田と体操女子の村上茉愛選手が、令和を迎えて思うことや、東京五輪パラリンピックに向けての期待などについて安倍首相と語り合ったという。
 安倍首相は岡田が主演した映画『永遠の0』や『海賊とよばれた男*6』を鑑賞したそうで、「個性の強い主人公を見事に演じられた。素晴らしかった」と絶賛。また、新選組を描いた岡田の主演作『燃えよ剣*7』(原田眞人監督、来年5月22日公開)に関連して、安倍首相の出身地である長州(山口県)や新選組について語り、映画談議に花を咲かせたというのだ。
「一見、不自然な組み合わせですが、安倍首相が鑑賞した岡田の主演作2作はいずれも、自身の“大応援団”である放送作家で作家の百田尚樹氏の作品。百田氏の作品に主演した縁もあり、岡田に白羽の矢が立ったと思われます」(永田町関係者) 
 安倍首相といえば、今年5月にTOKIOのメンバー4人と会食したことを公式ツイッターで公表したのが記憶に新しい。笑顔の首相とテーブルを挟み、やはり笑顔を見せるTOKIOメンバーの姿がメディアを賑わせた。
 TOKIOでは、リーダーの城島茂が、政府が行う障害者が農業に関わる農福連携を拡大する方策を検討する「農福連携等推進会議」のメンバーに選ばれており、会食の前に行われた第一回会議に参加したばかりだった。
「今年7月に亡くなったジャニーズの創業者・ジャニー喜多川さんは先月亡くなった、5年にわたる長期政権を築いた中曽根康弘*8元首相と昵懇の仲で、身内の大きなスキャンダルをそのコネで止めたことがあった。そうした経験から、藤島ジュリー景子社長も政治家へのコネの大切さを痛感したようで、最近は安倍政権に露骨にすり寄っているようだ」(同) 
 ジャニーズの政権へのすり寄りが今後にどう影響を与えるのか注視したい。

ということで産経に掲載された対談記事は「ニッポン放送で放送される番組」の紙上掲載のようですね。サイゾーの記事は「嵐と安倍政権の関係」についてはなぜか触れていませんが、やはりジャニーズ事務所は安倍に接近しているようですね。


【年のはじめに】政権長きゆえに尊からず 論説委員長・乾正人 - 産経ニュース

 先日、「正論」友の会の講演で広島を訪ねた際、会場からこんなご意見をいただいた。
 「憲法改正がいますぐに断行できない政治状況は分かります。習近平国賓で招くのも経済重視で我慢*9しましょう。しかし、靖国神社を6年も参拝しないのは許せません。靖国参拝の上、習近平*10国賓として迎えれば日中間の歴史問題は一気に片付くでしょう。」
 私は黙って頷(うなず)くしかなかった。首相を強く支持し続けてきた「岩盤支持層」に失望感が広がっている。

 さすが「正論」友の会、非常識極右にもほどがあります。完全に政治感覚が狂っていますね。
 「靖国参拝しないから習主席が国賓訪日する」のであって「靖国参拝した上で習主席が国賓訪日」なんてあり得る話ではない。
 「習近平国賓で招くのも経済(中国ビジネス)重視で我慢」というなら「首相靖国参拝がないことも経済(中国ビジネス)重視で我慢」すればいいでしょう。首相靖国参拝などしたら日中関係が悪化し明らかに経済に悪影響です(まあ、我慢も何もそんなことを要望することは、中国の抗議がなかろうと政教分離原則違反で間違っていますが)。
 大体、なんで安倍が靖国参拝すると「日中間の歴史問題は一気に片付く」のか。むしろ「中国侵略を反省してないのか!」と向こうの憤激をうむだけでしょうよ。そして靖国参拝に反発してるのは中国だけでなく欧米諸国や韓国、ロシアも反発してるのに。

 国のため尊い命を犠牲にした戦死者を篤(あつ)く弔うのは、為政者としての責務である。この当たり前のことが、なぜできないのか。

 前も別記事で書きましたが靖国は「戦没者追悼施設ではない」。そして戦没者追悼施設なら千鳥ヶ淵がある。
 靖国が「戦没者追悼施設ではないこと」は
1)戦没者でも軍人軍属しか合祀されない。「東京大空襲の死者」「広島・長崎原爆投下の死者」などは合祀されない
2)戦没兵士でも「彰義隊、白虎隊」など賊軍の兵士は合祀されない
3)「安政の大獄で処刑された橋本左内吉田松陰」「井伊大老暗殺(桜田門外の変)の罪で処刑された水戸浪士」「政敵・吉田東洋暗殺の罪を問われて切腹した土佐勤王党首領・武市半平太」「京都見廻組に暗殺された坂本龍馬中岡慎太郎」「不平士族に暗殺された大村益次郎*11」(これらの合祀された者を維新殉難者と靖国は呼ぶ)
東京裁判で死刑になった板垣征四郎*12陸軍大臣東条英機*13元首相ら」「東京裁判終身刑判決を受け服役中に病死した梅津美治郎*14参謀総長小磯国昭*15元首相ら」「東京裁判中に病死した永野修身*16海軍大臣松岡洋右*17元外相ら」(これらの合祀された者を昭和殉難者靖国は呼ぶ)
「堺事件(土佐藩の隊旗を奪ったフランス人水兵を土佐藩兵が殺害した事件)の引責で切腹した11人の土佐藩兵」
など「戦没者でない人間(死刑、暗殺、病死など)」が合祀されてる事で明白でしょう(ウィキペディア靖国神社」参照)。
 靖国は「英雄顕彰施設」です。
 「合祀に値する英雄」と認められないから1)、2)は戦没者でも合祀されないし、3)は戦没者でなくても「合祀に値する英雄」として合祀される。
 「桜田門外の変の水戸浪士」「吉田東洋を暗殺した武市半平太」なんか現在の視点ではテロリストでしかないし、板垣征四郎東条英機らは戦犯です。そんなもんを英雄視すれば、「東條らの実行した戦争の被害国」中国などから「どこが戦没者追悼施設だ!」「戦犯を英雄扱いしてるのか!」と批判されるのは当然でしょう。
 文句があるなら「東条英機戦没者でない人間を合祀するのはやめればいい」。その上で「彰義隊、白虎隊など今まで合祀してなかった戦没者」を合祀すればよろしい。まあ、靖国はそんなことはしないでしょうが。
 よくもまあこれで「安重根はテロリスト」なんて産経などは言えたもんです。
 「お前らウヨが靖国に合祀してる水戸浪士や武市半平太はテロリストじゃねえのかよ!。戦没者じゃねえだろ!」と韓国側に言われたらどう言い返す気なのか。
 「井伊直弼吉田東洋の暗殺は明治維新を実現させた、きれいなテロ。安重根伊藤博文*18暗殺は汚いテロ」とでもいうのか。韓国側も呆れるでしょうね。

 最もひどかったのは、中江要介*19元中国大使である。正月早々、死者に鞭(むち)打つのは本意ではないが、彼が中国側をあおったのは、間違いない。彼は生前、こう書いている。
 「天皇制を護ろうとした国体護持による敗戦が間違いであったのではないか、と私は思う。何が間違いかと言えば、天皇制を護持したために戦争責任があいまいになった、と私は思う」(「日中外交の証言」)

 これだけでは中江氏の主張が「天皇制廃止」なのか、終戦直後、近衛*20元首相や木戸*21内大臣が主張*22した「昭和天皇退位」かわかりませんが、別におかしな考えではないでしょう。
 「昭和天皇が戦争責任をとらなかったこと(退位すらしなかったこと)」であの戦争について十分反省が出来なかったことは否定できないでしょう。
 そして中江氏が何か言ったとかそういうことは中国の「靖国参拝批判」には全く関係ないですね。大体「昭和天皇批判(中江氏)」と「首相靖国参拝批判(中国)」と直接の関係はないでしょうに。
 そもそも中国の批判云々以前に、首相靖国参拝政教分離原則違反ですが。

 中国べったりの官僚や政治家は今も少なくないどころか、増殖している。
 中国企業から多額の現金をもらったとされる秋元某は氷山の一角だ。

 冗談も大概にしてほしいですね。いわゆる親中派政治家は中国から賄賂をもらってるわけではないし、その産経の理屈なら親米派政治家や親台湾派政治家はアメリカや台湾から賄賂をもらってるのか?。大体、秋元は「中国云々」ではなく「カジノ進出をもくろむ企業から賄賂をもらいそれが中国企業だった」にすぎません。
 戦前の「ジーメンス事件」で贈賄側のジーメンスがドイツ企業だったり、戦後の「ロッキード事件」「ダグラスグラマン事件」で贈賄側のロッキードやダグラスグラマンが米国企業だったりするのと何ら変わりない。

 安倍首相は、よもや靖国参拝を断念した竹下登*23元首相のように外務官僚の言いなりにはなるまい。

 「就任1年目に参拝しただけ」で、既に安倍が「6年も靖国参拝をしてない」のによくもこんなことがいえたもんです。今後、安倍が参拝する可能性は皆無でしょう。

 2度目の東京五輪を成功させるためにも首相にはやるべきことがある。

 東京五輪靖国と何の関係があるのか。

【参考:靖国の合祀】

西郷隆盛、新選組…「賊軍」も靖国神社に合祀を 亀井静香元金融担当相らが近く宮司に申し入れ - 産経ニュース
 亀井静香*24元金融担当相や石原慎太郎*25東京都知事が呼び掛け人となり、西南戦争で倒れた西郷隆盛*26戊辰戦争で敗れた幕府、会津藩など「賊軍」とされた戦没者靖国神社に合祀するよう求める会を立ち上げ、近く徳川康久宮司に申し入れることが7日、分かった。
 自民党二階俊博幹事長、中曽根康弘*27元首相ら政界関係者や稲盛和夫京セラ名誉会長をはじめ財界人が賛同者となっている。亀井氏は「2年後は明治維新から150年。この問題を解決したい」としている。
 申し入れ趣意書では西郷や佐賀の乱江藤新平*28会津藩の白虎隊、新選組など「賊軍と称された方々も、近代日本のために志をもって行動した」と評価したうえで「過去の内戦においてお亡くなりになった全ての御霊を合祀願う」としている。
 会には、福田康夫*29村山富市*30両元首相、伊吹文明*31衆院議長らも名を連ねている。


あけましておめでとうございます。 | 一般社団法人 アジア自由民主連帯協議会
 アジアの民主化を建前としながらなぜか内容が「香港デモガー」「ウイグルガー」と中国関係しかない「アジア自由民主連帯協議会」です。
 いっそのこと「アジア」ではなく「東北アジアor東アジア(日本、中国、台湾、南北朝鮮、モンゴル)」か「中国」に地域を限定したらどうなんですかね。


年頭所感 大島衆院議長「議会制民主主義の先人顧みる」(1/3ページ) - 産経ニュース

 皇室のますますのご繁栄を衷心よりお祈り申し上げる次第です。

 世の中、天皇制支持者ばかりではない。「皇室イベントの挨拶ではない」のだからこういうことは言うべきではないでしょう。

 私は、互いの立場の違いを認め合いつつも、認識が共通する部分は接点を見いだしながら結論に向けて話し合いを重ねていくというわが国の政治文化の長所を見つめ直し、さまざまな短所を補うことで、わが国は、健全な民主主義の姿を世界に示していくことができると考えております。そのために、私たちは、政治には信頼性が最も肝要であるとの認識を持ち、緊張感をもって事に当たるという基本を忘れてはなりません。

 冗談も大概にしてほしいですね。安倍自民のやり口のどこが「認識が共通する部分は接点を見いだしながら結論に向けて話し合いを重ねていくというわが国の政治文化の長所」「政治には信頼性が最も肝要であるとの認識を持ち、緊張感をもって事に当たるという基本」なのか。


年頭所感 安倍首相「国づくりへの決意新たに」 - 産経ニュース
 二階挨拶とは違い改憲には一応触れています。しかし「何をどう改憲したいのか」は具体的に述べないていたらくです。安倍改憲の本丸である「九条」と言う言葉すら出てこない。
 かつ内容の大部分は「今年は五輪の年」です。改憲に触れたのも挨拶の一番最後で、その前に「誰もが活躍できる1億総活躍社会」「全ての世代が安心できる社会保障制度」が登場します。
 安倍が「改憲したいので一応アリバイ作りに年頭挨拶で触れたが、大々的には触れたくない」という腰が引けた態度であることが分かります。産経の記事タイトルも「決意新たに」と精神論で改憲からは距離を置いています。そもそも安倍の挨拶も腰が引けてるのですが、産経自体も「記事タイトルで改憲を強調しても反感買うだけ」と腰が引けてるのでしょう。


年頭所感 自民・二階幹事長「謙虚であり続ける」 - 産経ニュース
 呆れて二の句が継げませんね。今の自民党のどこが謙虚なんでしょうか。
 二階氏*32個人にしても地元・和歌山で「現職市長を無視して」馬鹿息子を御坊市長にしようとして、反感買った(なお現職が当選し、二階氏息子は落選)あげく、二階氏に反感を覚えた保守層(御坊市長とその支持者)が「報復(?)として」共産党候補を和歌山県議選で応援して二階子飼いを破って当選する有様です。
 それにしても年頭所感 社民・又市党首「改憲元年にさせない」(1/2ページ) - 産経ニュースの記事見出しが「改憲阻止」で政策に触れてるのに対し「謙虚」と精神論なのには苦笑します。自民応援団産経ですら、二階挨拶から「政策的部分」をタイトルにすることが「挨拶が抽象的でメリハリもなく、無内容過ぎて」できなかったのでしょう。なお、社民党が「安倍政権の改憲阻止」を訴えてるのに対し、二階挨拶が「今年こそ改憲したい」などとは一言も言ってない点も興味深い。
 社民党支持層には「改憲阻止」は強い関心があるが、自民支持層には「改憲実現」なんて「一部の改憲右派」を除いて(改憲反対*33かどうかはともかく)関心が無いと言うことです。

 日米同盟のさらなる強化、平和安全法制(安全保障関連法)の成立、自由、民主主義、基本的人権、法の支配を共有する「価値観外交」の展開などにより、わが国の存在感は確実に高まっています。

 「存在感のどこが高まってるんだよ」ですね。特に「価値観外交」なんて誰も相手にしてないでしょう。そもそも「価値観外交」なんてもんに何の実態があるのか。「自由、民主主義、基本的人権、法の支配」なんてもんを国際社会において拡大なり、進展なりするような何かを安倍がやったのか。何一つやってないでしょう。口先で「日本はG7諸国のメンバーで自由民主主義国家」と言ってる程度に過ぎないでしょう。
 それは「平和安全法制(安全保障関連法)の成立による日米同盟の強化」と日米安保については具体的なことが言えても「価値観外交」については二階氏が何一つ具体的なことが言えないことでも明白でしょう。
 まあ、「ホワイト国除外」なんて愚行をやって「日韓関係を悪化させたこと」で「ある種の注目は集めてる」かもしれませんが。


年頭所感 山東参院議長「良識の府の使命果たす」 - 産経ニュース
 今、参院を「良識の府」なんて思ってる人は残念ながら居ないでしょう。
 そもそもこの「良識の府」と言う言葉、「奥むめお*34主婦連合会会長、国民協同党*35→無所属)」、「田中耕太郎*36商法学者、無所属*37)」「羽仁五郎*38歴史学者、無所属*39)」、「山本有三*40(作家、無所属)」など文化人が参院議員だった時代(いわゆる全国区の時代、無所属議員がまだ多かった時代)に生まれた言葉ですからね。
 今の参院は1983年に全国が廃止され、比例制度が導入されてからは政党化が進んでますからね。
 まあ、最近でも「大田昌秀*41琉球大学名誉教授、元沖縄県知事、無所属→社民党)」のように「文化人の参院議員」はいますが、それは参院の主流とはもはや言えません。
 しかも「山東*42ごときが議長」ではねえ。

*1:2014年、『軍師官兵衛』でNHK大河ドラマ主演。2015年、日本アカデミー賞において『永遠の0』で最優秀主演男優賞を、『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞を受賞

*2:ソウル五輪ゆか、団体総合銅メダル。バルセロナ五輪ゆか銀メダル、団体総合銅メダル。

*3:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)を経て立憲民主党代表

*4:民主党政調副会長、民進党幹事長代理、希望の党代表などを経て国民民主党代表

*5:社民党幹事長、党首、鳩山内閣少子化等担当相などを経て副党首

*6:出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造(国岡商店創業者)を岡田が演じた

*7:司馬遼太郎原作。岡田が土方歳三を演じる。

*8:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官を経て首相

*9:イヤー、意外ですね。「経済(中国ビジネス)重視で我慢」だそうです。

*10:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*11:明治新政府で兵部大輔

*12:関東軍高級参謀として満州事変を実行。関東軍参謀長、第一次近衛、平沼内閣陸軍大臣朝鮮軍司令官、第7方面軍(シンガポール)司令官など歴任

*13:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、陸軍航空総監、第二次、第三次近衛内閣陸軍大臣、首相を歴任

*14:陸軍次官、関東軍司令官、参謀総長など歴任

*15:陸軍次官、関東軍参謀長、朝鮮軍司令官、平沼、米内内閣拓務相、朝鮮総督、首相など歴任

*16:広田内閣海軍大臣連合艦隊司令長官軍令部総長など歴任

*17:満鉄総裁、第二次近衛内閣外相など歴任

*18:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など歴任。元老の一人。

*19:ユーゴスラビア大使、駐エジプト大使、駐中国大使など歴任。著書『中国の行方』(1991年、ベストセラーズ)、『日中外交の証言』(2008年、蒼天社出版)、『アジア外交動と静』(2010年、蒼天社出版)など

*20:貴族院議長、首相を歴任

*21:第一次近衛内閣文相、厚生相、平沼内閣内務相、内大臣を歴任。戦後、終身刑判決を受けるが後に仮釈放

*22:ただし木戸は後にその主張を撤回しました。近衛はA級戦犯指定を苦にして自殺しましたが、自殺しなければ木戸同様、撤回したのではないか

*23:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*24:村山内閣運輸相、橋本内閣建設相、自民党政調会長(小渕、森総裁時代)、国民新党代表、鳩山、菅内閣金融等担当相など歴任

*25:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事、維新の会共同代表、次世代の党最高顧問など歴任

*26:参議、陸軍大将、近衛都督を歴任。征韓論で下野後、西南戦争を起こして戦死

*27:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*28:参議、司法卿を歴任。征韓論で下野後、佐賀の乱を起こし捕縛されて死刑

*29:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*30:社会党国対委員長、委員長を歴任

*31:橋本内閣労働相、森内閣国家公安委員長、第一次安倍内閣文科相自民党幹事長(福田総裁時代)、福田内閣財務相衆院議長など歴任

*32:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*33:自民支持層全てが改憲反対では勿論無いでしょうが「改憲案が国会に出てないので自民を支持してるが無茶苦茶な改憲案を国会に出すようなら支持なんかしない」つう支持層も中にはいるでしょう

*34:1895~1997年。1947~1965年まで参院議員

*35:自民党の前身政党の一つ。三木武夫(1907~1988年、後に首相)が委員長を務めた。その縁で奥の葬儀では三木武夫夫人の三木睦子(1917~2012年)が葬儀委員長を務めた(ウィキペディア奥むめお」参照)。

*36:1890~1974年。1947~1950年まで参院議員。吉田内閣文相、最高裁長官、国際司法裁判所判事など歴任

*37:「吉田内閣文相」なので、スタンス的には自民党に近いのですが所属は一応無所属のようです。

*38:1901~1983年。1947~1956年まで参院議員。著書『明治維新史研究』(岩波文庫)、『教育の論理:文部省廃止論』(講談社文庫)など

*39:スタンス的には共産党に近いのですが所属は一応無所属のようです。

*40:1887~1974年。1947~1953年まで参院議員。著書『心に太陽を持て』、『米百俵』、『真実一路』、『路傍の石』(新潮文庫)など

*41:1925~2017年。1990~1998年まで沖縄県知事。2001~2007年まで参院議員。著書『沖縄の帝王 高等弁務官』(1996年、朝日文庫)『沖縄 平和の礎』(1996年、岩波新書)、『醜い日本人:日本の沖縄意識』(2000年、岩波現代文庫)、『沖縄、基地なき島への道標』(2000年、集英社新書)など

*42:海部内閣で科学技術庁長官