「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年1/3分:島田洋一の巻)

中東本格戦争に備えはあるか(Japan In-depth) - Yahoo!ニュース

 アメリカやサウジからあえて対イラン戦争を開始する動機はないが、イラン側にはないとは言えない。

 いやー普通に考えてイラン側から開戦する理由はないでしょう。そんなことをしたらかえってアメリカの軍事攻撃を招くだけだからです。
 逆に「米国側から開戦する可能性」はあるでしょう。既に米国はアフガンやイラクで自分から開戦した前歴があります。

 戦前の日本は、少なくとも当時の水準に鑑みれば、自由民主主義と国際ルール尊重の優等生だった。関東軍の暴走を許したのも、大恐慌で世界が混乱して以降の時期にとどまる。イランの現政権はそうではない。

 島田らしくて吹き出しました。「戦前の関東軍とイランの革命防衛隊は違う。前者は中央政府を無視して暴走したが、後者は中央政府が黙認してる」て、なんでイランについて論じるに当たって戦前日本を正当化する必要があるのか。
 大体「張作霖爆殺」ならまだしも、「満州国建国」以降は、「昭和天皇以下、中央政府」が「結果オーライ」で完全に黙認してますし、それを「大恐慌で世界が混乱して以降の時期にとどまる」と「大恐慌だったから仕方が無い」と居直るのも酷い話です。

 こうした状況下、原発の大半を稼働停止としたままで、経済大国に必要なエネルギーを果たして確保できるのか。いつ起こっても不思議ではない「中東大戦争=石油途絶」を想定した真摯な議論を国会はいつ始めるのだろうか。

 おいおいですね。「自動車*1はガソリンや軽油ジーゼルカーの場合)で動くのであって、ウランでは動かないこと」「化学繊維やプラスティックの原料が石油であること」など考えれば「俺のような素人でも」分かるように、石油はウランで完全に代替など出来ません。
 石油は何も火力発電だけに使ってるわけではない。「石油途絶」に対し「原発稼働ガー」などというのは低レベルなデマに過ぎません(もちろん太陽光、水力、地熱、風力、潮力など石油でも原子力でも無い発電方法もありますし)。
 なお、実際にオイルショック的なことが中東がらみで起こったら「中東以外からの石油輸入」「(東日本大震災時のような)ガソリン販売の制限」など様々な手を打つほか無いでしょう。「原発」云々で済む話ではない。
 かつ「中東大戦争」など起こったら問題は「石油途絶」にとどまらない。シリア内戦レベルですら難民受け入れにEU諸国は四苦八苦しているのであり、中東大戦争など起こったらすさまじい数の難民がEU諸国に来るでしょう。と言うことで島田の与太は論外であり「中東大戦争など起こさないこと」が大事なわけです。さすがに起こらないと思いますが。


■島田ツイートにコメント

島田洋一
 日本も情報力、攻撃力、政治力の点でこれをできる国だったら、むざむざ多数の同胞を拉致されずに済んだろう。
イラン革命防衛隊の司令官、米軍の空爆で死亡 バグダッド到着後 - BBCニュース
 イラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」のトップ、カセム・ソレイマニ司令官が3日、イラクバグダッドで米軍の空爆によって死亡した。米国防総省は、「大統領の指示」によって司令官を殺害したと認めた。
 イラクの首都バグダッドでは昨年12月31日、米大使館の敷地内に群衆が乱入し、米軍と衝突する事態が発生。抗議行動は1月1日も続いた。国防総省は、大使館襲撃はソレイマニ将軍の承認を得てのものだったとしている。
 イランのザリフ外相は、「ソレイマニ将軍を標的にして暗殺したアメリカの行為は国際テロだ。将軍はダエシュ(イスラム国)やアル・ヌスラやアルカイダとの戦いでもっとも成果を挙げている存在だった。アメリカの行為はきわめて危険で愚かなエスカレーションだ。このならず者的な無謀な冒険主義による今後の展開について、全責任を負うのはアメリカだ」とツイートした。
◆カセム・ソレイマニ司令官とは
 ソレイマニ少将は1998年以来、コッズ部隊を率いてきた。コッズ部隊は、イラン革命防衛隊の中でも国外での秘密作戦を扱う精鋭部隊だ。
 イラン政府はコッズ部隊が、シリア内戦においてバシャル・アル・アサド大統領の忠誠を誓う部隊の軍事顧問を務めるほか、シリア政府軍と共に戦うシーア派武装勢力に武器を提供したことを認めている。
 マイク・ポンペオ米国務長官は昨年4月、イラン革命防衛隊とコッズ部隊も、外国テロ組織と認定している。

 こんなことは憲法違反どころか国際法違反の疑い濃厚です。いつもながら島田は正気じゃないですね。

島田洋一
 「絶対反対の立場だ」。ここまで言った以上、もはや離党*2して勝負すべきだろう
東京新聞:9条2項維持した自衛隊明記反対 自民・石破氏、憲法改正巡り強調:政治(TOKYO Web)
 持論とする2項破棄の理由を巡り「自衛隊が立法、司法、行政による厳しい統制下にあると憲法上、明確にすべきだ」と主張した。
 9条改憲自体についても「ハードルは非常に高い。政治の最優先課題だとは思わない」と述べた。

 島田の石破への悪口雑言は「政策云々」ではまったくなく「石破ごときが安倍様に逆らうな」程度の話に過ぎません。逆に「安倍の持論が2項破棄で、石破がそれに反対」なら「2項破棄が正論だ」とためらいなく言うのが島田なのでくだらないですがそれはさておき。
 石破も政治センスがないなと呆れますね。
 護憲派改憲して変なことになったら嫌だ、レベルの消極的護憲派も含む)にとって「改憲に反対だ」ならともかく「改憲には賛成だが方法論に反対」ではまるでアピールしません。
 下手をしたら「一応、現行2項を残すという安倍」のほうが「破棄を主張する石破」よりも「ソフトな改憲*3」に見え、「あえて言えば護憲派にとっては石破よりは安倍の方がまだマシ」と安倍の消極的支持を増やしかねません(特に消極的改憲派の場合)。
 一方、改憲派にとっても石破がよほどきちんと説明しないと、彼の意見を理解してもらえるか疑問だし、理解してもらっても支持されるかも疑問でしょう。何せ首相にして自民党総裁は安倍です。
 よほど「こういう素晴らしい利益があるんだ」というアピールが出来ないと改憲派には「安倍改憲の足を引っ張る迷惑な奴」としか認識されません。
 まあ、俺が石破なら「ハードルは非常に高い。政治の最優先課題だとは思わない」と言ってもそれ以上のことは言いませんね。既に上に書いたように下手なことを言うと安倍を利するからです。

*1:水素自動車や電気自動車はまだ実用化に至ってません。

*2:ならば安倍に対して「習主席国賓訪日反対」と言った連中はどうなるのか、と言う話です。「党総裁に逆らうなら離党しろ」というなら安倍に「習主席国賓訪日反対」といった連中だって話は同じです(勿論島田はそんなこと言いませんが)。あるいは郵政選挙の時に「党方針への反逆」を理由に小泉首相に事実上、離党に追い込まれたウヨ議員連中(平沼赳夫衛藤晟一古屋圭司)はどうなるのか。平沼らがウヨであるが故に「小泉氏は酷い」と平沼らをかばっていた島田らウヨの立場はどうなるのかという話です。まあぶっちゃけ島田らウヨはデタラメですよね。

*3:いや実際ソフトなのかもしれませんが、このあたり俺も不勉強なのでなんとも言えません。一般論としては「破棄の方が過激(良く言えば急進改革的)に見え、追加の方が温和(漸進改革的)に見える」のは確かです。