黒坂真に突っ込む(2020年1月31日分)

◆黒坂ツイートにコメント

黒坂真リツイート
 安田菜津紀さん*1アウシュビッツ戦争犯罪ではないと考えます。ユダヤ人はナチスと戦争などしていません
安田菜津紀
 アウシュビッツ強制収容所の解放から75年。ここでの収容を生き延び、35年間アウシュビッツミュージアムの館長を務めたカジミエシュ・スモレンさんは、今を生きる若い世代にこう、語りかけていたという。「君たちに戦争責任はない。でも、それを繰り返さない責任はある」

 呆れて二の句が継げませんね。何も「ホロコースト」を戦争犯罪と見なしてるのは安田氏だけではありませんし、こんなくだらない揚げ足取りに何か意味があると本気で黒坂は思ってるのか。というか黒坂が何が言いたいのかさっぱり分かりません。
 まさか「戦争犯罪じゃないからホロコーストには問題はない」というナチス擁護、ナチス免罪でもないでしょう。あるいは逆に「戦争犯罪一般(例:南京事件*2)よりも民族絶滅政策のホロコーストは罪が重い。ホロコースト戦争犯罪と呼ぶのはホロコーストの矮小化だ」とでもいうのか。
 しかしそんなとんちんかんな理解をするのは黒坂ぐらいのもんでしょう。

黒坂真リツイート
 日本共産党本部の皆さん。皆さんは各地の首長選挙安倍自民党にNO!と宣伝。これは政策論争から逃げ出すヘイト宣伝ですか。
京都市長選 現職陣営/ヘイト広告 新聞掲載に批判の声相次ぐ
 日本共産党志位和夫委員長はツイッターで「現職市長陣営が、政策論争から逃亡して、ヘイト広告で選挙を汚すとは。福山和人さんの政策のどこが『独善的』? 市民の切実な願いをもとに、市民のみなさんと相談を重ねてつくったものじゃないですか? 民主主義を汚す人たちに負けるわけにいきません」とツイートしました。

 おいおいですね。門川陣営の広告が「福山候補にノー」でその「ノー」の根拠がまともな政策論争なら誰もヘイトとは言いません。
 「安倍にノー(共産党)」も「安保関連法は違憲立法だ」「ホワイト国除外をやめよ」などまともな政策論争だから誰もヘイトとは言わない。
 共産党が支援してるとは言え、れいわ新選組も支援してる福山候補を「共産党候補」呼ばわりした上、「共産党だからノー」というのは政策論争から逃げた「愚劣な反共主義(ヘイト)」でしかない。黒坂の主張は話のすり替えでしかない。
 それにしても自民*3、公明ならまだしも「沖縄県知事選などで共産党野党共闘してる立憲民主、国民民主、社民(門川陣営の一員)」までも「共産にノー」と言うのだから心底呆れます。ならば何故共産党野党共闘してるのか。「京都などでは自民が勝ち馬*4で、沖縄などでは共産が勝ち馬だ」、そして勝ち馬に乗れれば論理や倫理などどうでもいいというのか。
 そんなことだから「アンチ自民」でも俺は「共産は支持しても他の三野党は支持する気にならない」し、一方、自民支持層も「立憲民主、国民民主、社民は沖縄では自民の悪口言うて共産と手を組んだのに、京都では自民にすり寄って、共産に悪口って、言ってることデタラメやん、あんなデタラメな奴らに非難される覚えはないわ」と居直るわけです。前も書きましたが、安倍長期政権は「安倍支持層の馬鹿さ」「マスコミが安倍批判を避けること」を割り引いても、「希望の党騒動」などで以前から分かってはいましたが、京都市長選でまたしても明らかになった「立憲民主、国民民主、社民のデタラメさ(愚劣な反共主義&地方でのオール与党相乗り)」が助長してることは間違いないでしょう。
 「立憲民主、国民民主、社民のデタラメさ」にはいつもながら怒りを禁じ得ません。 

*1:著書『君とまた、あの場所へ:シリア難民の明日』(2016年、新潮社)、『故郷の味は海をこえて:「難民」として日本に生きる』(2019年、ポプラ社)など

*2:勿論、例は何でもいいし、黒坂の念頭に南京事件のような「日本の戦争犯罪」はないでしょうが。

*3:とはいえレアケースとは言え「陸前高田市長選」で共産党陸前高田市議だった中里長門氏を共産とともに担いだ過去のある自民がよくもこんなことがいえたもんです。

*4:ただし、コメ欄で指摘があるように、過去に共産系候補は善戦していますので野党共闘にすれば十分勝ち目はあるでしょう。結局、京都の旧民主党系(国民民主、立憲民主)が「右派である前原元民主党代表や福山立民党幹事長(いずれも京都選出)の影響」で反共右派なことが大きいのでしょう。全く愚劣です。