「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年2/1分:島田洋一の巻)

島田洋一
 いつもながら達意の文
【関川夏央氏書評】反日に熱狂する隣国を内側から描く|NEWSポストセブン週刊ポスト2020年2月7日号)

 昔は

・『退屈な迷宮:「北朝鮮」とは何だったのか』(1996年、新潮文庫)
・『北朝鮮の延命戦争』(恵谷治との共著、2001年、文春文庫)

などと反北朝鮮嫌韓国本を書いていた関川も、「反北朝鮮嫌韓国本は儲からない」という判断からか、近年は

・『戦中派天才老人・山田風太郎』(1998年、ちくま文庫)
・『本よみの虫干し:日本の近代文学再読』(2001年、岩波新書)
・『二葉亭四迷の明治四十一年』(2003年、文春文庫)
・『白樺*1たちの大正』(2005年、文春文庫)
・『現代短歌 そのこころみ』(2008年、集英社文庫)
・『女流:林芙美子有吉佐和子』(2009年、集英社文庫)
・『おじさんはなぜ時代小説が好きか』(2010年、集英社文庫)
・『「一九〇五年」の彼ら:「現代」の発端を生きた十二人の文学者』(2012年、NHK出版新書)
  ちなみにこの12人とは森鴎外、津田梅子、幸田露伴夏目漱石島崎藤村国木田独歩高村光太郎与謝野晶子永井荷風野上弥生子平塚らいてう*2石川啄木です。ただし一般的には津田梅子は「津田塾大学創立者(教育者)」、平塚らいてうは「政治活動家」であって文学者とは評価されないでしょう。
・『子規、最後の八年』(2015年、講談社文庫)
(以上、ウィキペディア関川夏央』参照)

ということで反北朝鮮嫌韓国からは足を洗って「文藝評論家ぶることに決めた」のかと思っていましたが、テレビワイドショーや週刊誌などの嫌韓国に心動かされたのか、「また、嫌韓国に足を突っ込むことにした」ようです。まあ関川も愚劣な野郎です。

島田洋一
 今後も裁判官によって判断が分かれる不安定な状況が続こう。最高裁が速やかに乗り出して決着をつける、そうした積極性を持つ人物を最高裁判事に任命する政治意志が必要だ
福井・大飯原発差し止め認めず 仮処分決定、大阪高裁:社会:中日新聞(CHUNICHI Web)

 政府寄りの判決を下す「御用裁判官を最高裁判事にしよう」とは「本音はともかく」安倍ですら公言できない暴言です。
 こんな暴言を吐く男がよくもまあ「中国では共産党が裁判所の上にあり、三権分立ではない」などと中国批判できるもんです。
 「日本では自民党が裁判所の上にあっていい、三権分立でなくていい」などとはまともな人間には言える台詞ではない。
 というか「光華寮訴訟・台湾敗訴判決(最高裁判決)」の際に「日中友好を重視する自民党最高裁が忖度した不当判決ではないのか」といっていたのが島田らウヨですから心底呆れます。
 「光華寮訴訟・台湾敗訴判決(最高裁判決)」が

 (ボーガス注:光華寮訴訟・台湾勝訴の大阪高裁判決が日中友好を阻害してるので、日中友好を促進する形で)最高裁が速やかに乗り出して決着をつける、そうした積極性を持つ人物(藤田宙靖判事など?)を最高裁判事に任命する自民党の政治意志

の結果か知りませんが、もし仮にそうだとしても、「島田の言うとおりのことをやった」のだから、島田に「政治的偏向」などと「光華寮訴訟・台湾敗訴判決(最高裁判決)」を批判する資格はありません(まあ、そんなことはお構いなしに「政治的偏向」などと「光華寮訴訟・台湾敗訴判決(最高裁判決)」を批判するのが島田らウヨですが)。

参考

「 三権分立を放棄するのか最高裁 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト
・民主主義の根幹は三権分立にある。立法、行政、司法の三権が各々独立し、相互にチェックし合うことで初めて健全な国家運営が可能になる。こんなことは常識のはずだ。
・だが、3月27日の最高裁第3小法廷で藤田宙靖*3(ふじた・ときやす)裁判長らが(ボーガス注:光華寮訴訟について)下した(ボーガス注:『台湾勝訴・高裁判決の破棄差し戻し』という事実上の中国勝訴の)判断は、司法が(ボーガス注:日中友好を重視する自民党政権という)政治を慮り、その影響を受けたのか、或いは(ボーガス注:日中友好のためには中国を勝たせなければならないという)特定のイデオロギーに染まったのかと疑わざるを得ないものだった。

*1:この「白樺」とはもちろん、いわゆる「白樺派の作家(有島武郎志賀直哉武者小路実篤など)」のことです。

*2:日本婦人団体連合会婦団連)初代会長、国際民主婦人連盟(国際民婦連)副会長、世界平和アピール七人委員会委員など歴任

*3:東北大学名誉教授(行政法学者)。元最高裁判事。著書『行政法学の思考形式(増補版)』(2002年、木鐸社)、『行政法の基礎理論(上)(下)』(2005年、有斐閣)、『最高裁回想録:学者判事の七年半』(2012年、有斐閣)、『裁判と法律学:「最高裁回想録」補遺』(2016年、有斐閣)など