今日の産経ニュースほか(2020年2月10日分)

自民・森山国対委員長、秋元被告の対応は慎重に - 産経ニュース
 「推定無罪」て政治家には「一般人とは違う高い倫理観」が求められるのであり、辞職勧告決議案を出すことには別に問題はないでしょう。


森法相、政府の介入否定 黒川検事長の定年延長 - 産経ニュース
 まあ酷い虚言ですね。普通に考えて「定年を越える人事案」なんてもんを事務方が出すわけもない。
 いや出したところで「事務方の案だから、首相にも法相にも責任はない」なんてそんな馬鹿な話はない。
 だったらどんな案でも事務方の案を認めるのか、そうじゃないでしょ、そもそも、それだったら大臣が決裁する必要ないじゃない、つう話です。
 ダメ出ししなかった以上責任が生じるわけでどこまで嘘つきでクズなのか、つう話です。
 つうか、こんなことを言うなら「検事長は大変、有能で余人に代えがたいと思ったので私の一存で定年延長しました。不正な考えなどありません。違法だと思っていません(法相)」といった方がまだましでしょう。


菅氏、4月以降に皇位継承策検討 旧宮家男子に復帰の意向確認せず - 産経ニュース

 旧宮家男子に皇族復帰の意向を確認するかどうかについては「今までやっていないし、そこは考えていない」と述べた。

 まあ、普通そんなことはしないでしょうね。「女帝を認めればいい」で終わる話ですし。
 かつ、まともな人間なら聞かれたところで「是非戻りたい」なんて「お前そんなに皇族になりたいのかよ?。皆からそんなに平伏されたいの?」と呆れられるようなことは言えないでしょうね。まあ、「例の竹田」だと「喜んで!」と言いかねませんが。


菅氏「個別に話をうかがっている」皇位継承で議論着手 - 産経ニュース
 「今年春の習主席訪日(予定)」によって「『反中国の同盟者』と信じていた安倍に裏切られた産経らウヨ」にとってこの菅の態度は「女帝導入に踏み切るのではないか」「また裏切るのではないか」という恐怖感を感じずには居られないでしょう。
 何せ「有識者に意見を聞いている」といいながら、「誰に何を聞いていつ判断を下すのか」については「(雑音のない)静かな環境で意見を聞きたい」として説明しない有様です。
 過去には

二階俊博氏、女性天皇を容認 自民幹部初「国民に違和感ない」 - 産経ニュース
 自民党二階俊博幹事長は25日のBS朝日番組の収録で「女性尊重の時代に、天皇陛下だけ『そうならない』というのは時代遅れだ。そうと決まれば国民には違和感はないと思う」と述べ、女性天皇を容認する考えを示した。
 二階氏は収録後、記者団に対し「トップが女性の国もいくつかある。何の問題も生じていない」と指摘。その上で「女性がこれだけ各界で活躍しているところで、皇室、天皇だけが女性が適当でないというのは通らないと思う」と述べた。

波紋広げる自民幹部の女系天皇「容認」発言 重鎮「不勉強だ」(1/2ページ) - 産経ニュース
 「男女平等、民主主義の社会を念頭に入れて問題を考えればおのずから結論は出るだろう」
 自民党二階俊博幹事長は26日の記者会見で、女性天皇女系天皇への見解を問われこう述べた。二階氏は平成28年にも「女性尊重の時代に天皇陛下だけ『そうならない』というのは時代遅れだ」との考えを示している。
 甘利明税調会長も24日のテレビ番組で「男系を中心に順位を付け、最終的な選択としては女系も容認すべきだ」と発言した。

ですからね。
 甘利は「第一次安倍内閣経産相、第二次、第三次安倍内閣経済財政担当相、自民党政調会長、選対委員長(第二次安倍総裁時代)」を、二階氏も「自民党総務会長、幹事長(第二次安倍総裁時代)」を歴任した安倍政権幹部です。彼らのこうした発言に安倍がダメ出ししたなんて話は少なくとも表に出てない。もちろん彼らが安倍を無視してこういうことを言うとも思えない。
 野党各党もほとんどが女帝容認論だし、世論調査でも容認論が多数派です。「女帝は絶対駄目」なんてウヨしかいない。
 こうなると「天皇制維持を確実にしたというレガシーをつくりたい」「国民の人気取りしたい」で安倍が「女帝導入に動くのでは?」なんてことは誰も思いつくことです(まあ、それなら「安倍は小泉政権時代の女帝導入の動きに反対するなよ!」て話ですが。安倍らウヨが反対しなければ小泉政権でとっくに導入されていたでしょう)。
 ここで「女帝は伝統に反し、駄目だから元皇族を復帰させます」なんて言えば野党から「自民は女性差別政党だ*1」「世論は女帝容認だ」などと叩かれる「いいネタ」にもなる。そこで「叩きたければ叩け。何を言われようとも私は女帝否定の伝統を守る。元皇族復帰、この道しかない」と居直れるタマでは安倍はないでしょう。安倍は正直、そこまで「筋金の入った極右」ではないでしょうね。だから「財界の要望にそって」習主席の訪日も受け入れる。


小沢一郎氏「このままなら野党惨敗」 合流協議破談で - 産経ニュース
 「何だかなあ」ですね。勝ち負けがどうでもいいとは言いませんが、まず第一に政治の建前は「政策が一致できるか」でしょう。
 そうでなければ合流しても野合でしかない。
 第二に「民進党が分裂して出来た国民民主と立民」が合同したところで支持が集まるのか。「また分裂するんじゃないか」という疑念を感じる人間は魅力を感じないでしょう。
 そもそもこんなことを言う小沢氏自身が「民主党内反主流派」に追い込まれたことに不満を感じて、子分と一緒に民主党を離脱し「国民の生活が第一日本未来の党→生活の党→自由党(そして自由党を解散して国民民主党に参加)」をつくった人間であり、「過去に民主党を離れた人間が今更何を言っているのか?」と言う話です。
 結局、自由党がぱっとしないので解散して国民民主党に入ったがたいした役職に就けないので「国民民主と立民の統合」をてこに役職について復権したいというだけの話でしょう。小沢氏の言動には心底呆れます。


リベラル21 京都市長選終わる広原盛明*2

 (ボーガス注:マスコミ調査に寄れば)相乗り候補の現職に対して自民支持層の7割、公明支持層の8割強が投票しているのに対して、立憲支持層は4分の1、国民支持層は3分の1しか投票していない。社民支持層に至ってはゼロなのだ。

 「京都市長選の最大の敗者」、それは落選した福山和人候補や村山祥栄候補でも「福山を支持した共産党やれいわ新選組」「村山を支持した京都党」でもなく「『京都市政与党になりたい』という目先の利益&『しかし共産党とは共闘したくない』という反共主義から自民と相乗りし、支持者から離反された立民、国民民主、社民党だ」「ある意味、共産党とれいわは『自民と相乗りする連中よりは信じられる』と株を上げた勝者かもしれない」というのが広原氏の主張です。
 マスコミ世論調査を信じれば、「絶対に勝てた」とまではいいませんが、福山氏を「野党共闘候補」で擁立すれば充分勝つ可能性はありました。少なくとも当選できずとも大善戦し、野党共闘の追い風になったでしょう(その点を広原氏は残念がっていますが俺も同感です)。
 しかし、立民、国民民主、社民は「自民に相乗り」した。あげく、支持層から見すてられてほとんどの支持層は「棄権」または「福山or村山への投票」。
 当然ながら立民、国民民主、社民の票は自公にとってそれほど感謝するほどのもんでもないでしょう。むしろ門川批判票を分散させた村山に感謝しているかもしれない。村山が立たなければ門川批判票のかなりの部分が福山氏に行ったでしょうから。

 今回の市長選では(でも)福山哲郎*3立憲幹事長や前原誠司*4国民府連代表は、(ボーガス注:現職・門川を支援する)「オール京都」の1員として奮戦した。要職にありながらしかも国会開催中にもかかわらずトンボ返りで応援演説に駆け付け、陣営の引き締めを図った。
 だが、福山・前原両氏が先頭に立って現職支持の旗を振ったにもかかわらず、立憲・国民支持層の大半はソッポ向いて対立2候補*5に投票した。

 「京都市長選」で「現職相乗り」に加担した福山が「立民幹事長」である限り、俺は立民などかけらも評価しません。その点は広原氏も同じようです。しかも広原氏の見立てによれば「国民民主、立民支持層」のうち「右派支持層の大半は京都党の村山」に「左派支持層の大半は福山氏」に投票したというのだから全く無様です。

 京都市長選は、国政与野党5党相乗りの現職・門川大作氏が21万票640票(得票率45.1%)を得て4選を果たした。しかし、新人で弁護士の福山和人氏(共産・れいわ推薦)は16万1618票(同34.6%)、新人で元市議(ボーガス注:で元京都党代表)の村山祥栄氏9万4859票(同20.3%)を獲得し、新人票を合わせると54.9%となり現職票45.1%を約10ポイント上回った。
 現職への批判票が新顔2人に分散したことが、門川氏の最大の勝因だ。
 今回の市長選における現職候補得票数21万640票は、有効投票数46万7117票の45%に過ぎず、対立2候補の得票数25万6477票を4万5837票も下回っている。「現職支持票」よりも「現職批判票」の方が多いのであり、しかも「現職批判票」が過半数を占めているのである。
 「現職への批判票が新顔2人に分散したことが、門川氏の最大の勝因」だとする、朝日の指摘は的を射ている。また、これまでの京都市長選が「非共産対共産」といった党派的文脈で語られることが多かったのに対して、今回の市長選の対決軸は「現職支持対現職批判」だとする分析視角も優れている。このような分析視角でなければ、なぜ立憲支持層の4分の1、国民支持層の3分の1しか現職候補に投票しなかったのか、その理由を解明できないからだ。要するに、福山立憲幹事長や前原国民府連代表がいくら「非共産対共産」の文脈で反共ムードを煽ろうとしても、支持者たちは「現職支持対現職批判」の視点すなわち「現体制=オール京都=国政与野党5党相乗り批判」の立場から投票したのである。

 とはいえ、「京都党の村山」と共産党が一本化なんかできる話じゃないですからね。陰謀論になってしまいますが、うがった見方をすれば、村山の立候補自体が「門川批判票を分散するために門川陣営が仕組んだ謀略」の可能性すらあるでしょう。繰り返しますが「福山氏を野党共闘候補にしなかった立民、国民民主、社民」には改めて怒りを禁じ得ません。

左京区は(中略)得票数は、福山2万2558票(37.4%)でトップ、門川1万9159表(31.8%)で第2位、村山1万8091票(30.0%)で第3位となった。
東山区ではどうか。(中略)門川5093票(41.1%)に対して福山4493票(36.2%)と肉薄した。福山・村山票を合わせると7128票(57.5%)となり、門川票5093票(41.1%)を大きく上回った。
・前原氏の選挙区は、左京区東山区山科区の3区にわたるが、その大票田の左京区で現職票が(ボーガス注:対立二候補の合計獲得票より)沈んだ影響は大きい。
・前原衆院議員が権力の座から滑り落ちる日はそう遠くない

 前原批判派の俺としてはぜひそうあってほしいもんですね。


【安倍政権考】トランプ、プーチン両氏との面会…北村安保局長の力の源泉は(1/4ページ) - 産経ニュース
 もちろん北村氏の「力の源泉」は「日本が経済大国であること」ですね。
 そもそも「前任者である・谷内氏(元外務次官)」に比べて彼が国際的に評価されてるという事実はないでしょう。
 もちろん「無能な」安倍の力なんてこともない(産経は「安倍の力だ」と強弁しますが)。
 そもそも、「トランプやプーチンが会ってくれたから何なのか」て話です。何か外交的成果がなければ「会っただけ」では意味がありません。
 その点では「AIIB、一帯一路(習主席)」「米朝首脳会談の仲介(文大統領)」「シリア内戦に介入し親ロシア・アサド政権の崩壊を阻止(プーチン大統領)」などの方が「成果を上げている」のだから安倍よりよほど有能です。

*1:まあ実際そうでしょうが。

*2:京都府立大学名誉教授、元京都府立大学学長。個人ブログ広原盛明のつれづれ日記。著書『震災・神戸都市計画の検証』(1996年、自治体研究社)、『開発主義神戸の思想と経営』(編著、2001年、日本経済評論社)、『日本型コミュニティ政策:東京・横浜・武蔵野の経験』(2011年、晃洋書房)など

*3:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長

*4:鳩山内閣国交相菅内閣外相、野田内閣国家戦略担当相、民主党政調会長(野田代表時代)、民進党代表などを経て国民民主党京都府連代表

*5:共産、れいわが支援した福山氏の他に「京都党(京都版大阪維新の会、京都版都民ファーストの会)」から村山祥栄が立候補していた。