高世仁に突っ込む(2020年2/20日分)(追記あり)

新型肺炎対策に後手後手の安部内閣 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 安倍批判派の俺ですが、高世が

新型肺炎対策に後手後手の安部内閣 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 今回の事態もある程度、政府があたふたしても仕方ないとは思う。

というように、個人的には人間である以上

・故意の犯罪行為、不正行為、問題行為である「モリカケ疑惑」「桜を見る会疑惑」「韓国のホワイト国除外」「あいちトリエンナーレへの助成金支給決定の取り消し」「検事長の定年延長」など

ならともかく「後手後手(過失)」はまあ大目に見てもいいかもしれない、と思います(もちろんそれなりの反省や検証が必要であり、居直るなど論外ですが)。
 しかし

新型肺炎対策に後手後手の安部内閣 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 きょう、小泉環境相、森法相、萩生田文科相が16日の対策本部の会議を欠席して私的な会合に出ていたことが発覚。政府はまじめにやっているのか。

と高世が批判するように「やる気がない」「無責任」「故意の怠慢行為」は論外です。そして小泉らの無責任さを批判もせずに「緊急事態条項ガー(産経などウヨ)」など話になりません。
 なお、安倍政権の新型コロナ対応批判についてはコロナ・ウィルス・パニックの陰に隠されていること|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページも紹介しておきます。
 それにしても安倍政権批判サイトを自称しておきながらリベラル21は新型コロナでは
リベラル21 新型肺炎の蔓延について思うこと
リベラル21 コロナ・ウイルスの中南海への浸透度は?―新型肺炎と習近平政治
として「中国の初期対応に問題があった」と中国批判しかせず、「安倍政権の新型コロナ対応をどう評価するか(浅井基文氏高世仁などは批判的)」や「日本国内において新型コロナにどう対応すべきか」を論じないのには心底呆れます。
 リベラル21の連中にとって新型コロナとは中国叩きのネタでしかないのか。

新型肺炎対策に後手後手の安部内閣 - 高世仁の「諸悪莫作」日記
 友人が「これがもし民主党政権だったら、3.11のときのようにさんざん叩かれたんだろうな」という。

コロナ・ウィルス・パニックの陰に隠されていること|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
<ダイアモンド・プリンセス>
 ダイアモンド・プリンセスに関する日本政府の対応については、24人のロシア人が乗船しているロシア外務省のザハロワ報道官が10日、ロシアのラジオ番組で「日本の対応は混沌として場当たり的だ」と批判したと伝えられています(12日付の韓国・中央日報日本語WS)。昨日(15日)には米国務省アメリカ人乗客を本国に送るべく特別機を派遣すると発表しました。アメリカ国内でも日本政府の対応に対する批判の声が高まっているといいます。
<ウェステルダム>
 ダイアモンド・プリンセスへの対応に大わらわとなった日本政府は、患者が乗船している可能性があるという不確かな情報だけで、ウェステルダムの日本寄港を拒否しました。ウェステルダムは、1月16日にシンガポールを出航、東南アジアのいくつかの港に立ち寄った後に香港に入港、ここで新たな乗客を乗せて2月1日に出港、その後、新型コロナウイルスの感染者が乗船している恐れがあるという懸念から台湾、フィリピン、日本、グアム、タイが入港を拒否し、行き場を失ったのです。
 これに対して世界保健機関(WHO)のゲブレイエサス(Ghebreyesus)事務局長は12日、「証拠もないのに寄港を拒否されているクルーザーが3隻存在する」と指摘し、「我々は国際海事機関(IMO)と共同で、すべての国々が、国際保健規則(International Health Regulations)に従い、船舶の「自由入港(free pratique)」原則及び全乗客に対する適切なケアの原則を尊重すべしとする声明を発出した」と述べました(12日付タス通信)。
 最終的には、カンボジアが入港を許可したために、ウェステルダムは13日にシハヌーク港に接岸することができました。そして、乗客には新型肺炎の患者はいないことも確認されました。カンボジアのフンセン首相はメディアに対し、カンボジアがウェステルダムの入港を許可したのは、世界で広がっている新型肺炎に対する「パニック」を鎮めるためであるとし、ウィルスよりも怖いのは「恐怖症」であり、ウィルスではないと述べました。同首相はさらに、カンボジアはいかなる民族も差別せず、すべての国々と協力するし、援助を必要とする人は助けるとも述べました(13日付中国中新網)。
・私は、カンボジアのフンセン首相を見直した思いです。
・彼は西側諸国からは強権政治を行っていると批判されていますが、(中略)私は、安倍首相とフンセン首相との対応の違いを強調せざるを得ないのです。
・安倍首相はダイアモンド・プリンセスでは対応が後手後手に回り、事態の悪化を招き、国際的批判を浴びるに至りました。そして、ウェステルダムではフンセン首相から皮肉たっぷりの発言(フンセン首相は安倍首相を念頭に置いたわけでは必ずしもないでしょうが)を浴びるという哀れな醜態ぶりです。
 さらに私が我慢ならないのは、日本のメディアの報道姿勢です。私はマスコミ報道をほとんど見ていませんが、以上の事実関係はほとんど無視されているのではないでしょうか。安倍政権に対する忖度なのかどうかは知るよしもありませんが、今回の2隻のクルーザーをめぐる安倍政権の対応は本当に見苦しく、国際的に強い批判を受けていることを、果たしてどれだけの日本人が理解しているかはなはだ心許ない気持ちがしています。私は今新しい本を書くことに力が入っているのですが、以上のことはどうしても書いておく必要があると思った次第です。

 マスコミが安倍批判から逃げてるのではないかという浅井氏や高世の指摘には全く同感です。

【追記】
 俺のような素人にはなんとも評価できませんが一応紹介しておきます。

クルーズ船「感染拡大防げないずさんな対応」専門家 | NHKニュース
 新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船内に入った専門家が、NHKの取材に応じ、船内では感染の危険がある区域と安全な区域が明確に区別されておらず、感染の拡大を防げない、ずさんな対応になっていると批判しました。
 感染症対策が専門の神戸大学の岩田健太郎*1教授は、NHKの取材に応じ、18日、横浜港に停泊するクルーズ船、「ダイヤモンド・プリンセス」に災害医療派遣チームの一員として乗船の許可を得て、船内の調査にあたったと説明しました。
 感染拡大を防ぐためには、立ち入ると感染の危険がある区域と、安全な区域を明確に分けたうえで、決められた場所で防護服を着脱するなどして、安全とする区域にウイルスを持ち込まないことが必要とされています。
 しかし、岩田教授によりますと、船内では区域は分けられてはいたものの、防護服を着脱する場所がはっきりしていなかったほか、中には区域にかかわらず、自由に歩き回る乗員もいたということです。
 岩田教授は、厚生労働省の担当者に対策の徹底を要請しましたが、聞き入られなかったとしています。
 岩田教授は「船内の対策は極めてずさんで、感染者が増え続けてもおかしくない。政府が専門家の意見に耳を傾け対策を徹底していれば、ここまでの事態にならなかったのではないか」と批判しています。

*1:著書『予防接種は「効く」のか?:ワクチン嫌いを考える』(2010年、光文社新書)、『「患者様」が医療を壊す』(2011年、新潮選書)、『「リスク」の食べ方:食の安全・安心を考える』(2012年、ちくま新書)、『99.9%が誤用の抗生物質』(2013年、光文社新書)、『「感染症パニック」を防げ!:リスク・コミュニケーション入門』(2014年、光文社新書)、『サルバルサン戦記:秦佐八郎・世界初の抗生物質を作った男』(2015年、光文社新書)、『食べ物のことはからだに訊け!:健康情報にだまされるな』(2015年、ちくま新書)、『ワクチンは怖くない』(2017年、光文社新書)、『感染症医が教える性の話』(2017年、ちくまプリマー新書) 、『インフルエンザ なぜ毎年流行するのか』(2018年、ベスト新書)など