黒井文太郎に突っ込む(2020年2月20日分)

黒井文太郎*1
 日本は本来なら、自らの安全保障のためにも、悪の「ならず者」連合*2の弱体化を目指すべきなのですね。
 ところが日本政府は、北朝鮮だけは敵視しても、習近平国賓扱いし、プーチンと握手。

 「反中露」ウヨの黒井らしくて吹き出しました。
 何がどう「自らの安全保障のため」なんでしょうか。
 「中国やロシアは日本侵略を狙ってる!。政権を崩壊させなければならない」とでも言い出す気なのか。まあ、黒井に限らず日本のウヨ連中(荒木和博、櫻井よしこ島田洋一など)には中露を敵視する輩が多いことは知っていますが。
 しかし「是非以前に」現実問題として「中露の政権打倒」なんてできることではない。欧米だってそんなもん目指してないでしょうよ。
 中国について言えば、フランスのマクロンエアバスを中国に大量に買ってもらって大喜びだし、イタリアは「一帯一路に関する協定」を中国と結びました。
 G7諸国のウチ、日米以外は「中国が旗振り役のAIIB」に参加しています。それで「どうやったら中国政権が打倒できるのか」。
 そして安全保障のためというなら「日本の経済が崩壊したら安全保障的にまずい」「日本経済は中国との貿易なしではもはややっていけないといっていい」んだからむしろ「習主席を国賓としてお迎えして中国ビジネスの利益を大きくする」べきでしょう。

*1:著書『世界のテロリスト』(2002年、講談社+α文庫)、『北朝鮮に備える軍事学』(2006年、講談社+α新書)、『日本の情報機関』(2007年、講談社+α新書)、『ビンラディン抹殺指令』(2011年、洋泉社新書y)、『イスラム国の正体』(2014年、ベスト新書)、『イスラム国「世界同時テロ」』(2016年、ベスト新書)など

*2:ならず者連合なんてもんはそもそもありません。何せ黒井は「米国が大目に見る独裁的国家(エジプト軍政、サウジ王制など)」は「ならず者連合」から平然と除外していますしね。単に黒井が気にくわない「独裁的国家(中露の他にはシリア・アサド政権やイランなど)」をまとめて非難するためのご都合主義極まりないインチキ概念が「ならすもの連合」のわけです。中露などはあくまでも「ドライに国益から付き合ってるだけ」で別に連合を組んでるわけではない。