黒坂真に突っ込む(2020年2月29日分)

故張龍雲さんが語った事(「朝鮮総連工作員『黒い蛇』の遺言状」小学館文庫の著者。日本人拉致組織「洛東江」の資金調達係)のメモ

・文世光事件*1は、韓国政府が発表した事と実態は異なる。洛東江の所業である。
・沖縄にも朝鮮労働党の非公然組織が組織づくりを行っている形跡がある*2

 そもそも張某の主張が事実だという保証はどこにもない上に、彼が死去してから大分たってからこんなことを書いても全く無意味でしょう。


◆黒坂ツイートにコメント

黒坂真リツイート
 カクサン部長さん。ソ連や中国の経済規模が小さかったという話ですが帝政ロシアが、当時の世界で途上国なみのGDPだったとは考えられない。国民党の中華民国でも上海などで綿織物などの工業が発展し、蒋介石を支えた。両国とも、人口の多数が農民でしたが。
◆カクサン部長
‏ 元自民党ブレーン・小林節*3が #共産党綱領 読んだ感想くれた。
 ソ連や中国は、経済規模も小さく、民主主義も人権意識もないところから出発して失敗。高度に資本主義が発展し、人権と民主主義を守るたたかいが続けられてきた日本は違う。
「日本でこそ共産主義という言葉が新しい意義をもつ」

 小林氏の主張の是非はともかく、ここでの「経済規模も小さく」が「遅れた農業国から、5カ年計画で上からの近代化をスタート(だから経済発展はある程度成功したが民主的な面で問題があった)」程度の意味であることは黒坂にもわかりそうなもんです(黒坂もツイートの最後に「人口の多数が農民」と書いてるわけですし)。くだらない揚げ足取りしてどや顔して何が楽しいのか。

黒坂真リツイート
 昔の日本共産党は、当時の二大政党を暴力で解散させようと策しました*4。プロレタリア赤衛軍による内乱です。議会の解散、労働者農民兵士ソヴェト樹立。32年テーゼはテロリスト集団の声明ですね。テロリスト集団が庶民から嫌がられたのは当たり前。民政党、政友会と比較にならない。
◆Kenriaosnud1105
 学習院井上寿一*5先生が書いた昭和史の本を読むと、昭和初期の総選挙では、労働者と小作農の多くは、無産政党ではなく、二大政党(政友会と民政党)に投票した。こうなったのは、脅された結果ではない。労働者と小作農は、泡沫みたいな無産政党よりも、二大政党の方が信頼できると考えたのです。

 Kenriaosnud1105の主張の是非はともかく、ここでの「無産政党」とは「片山哲*6西尾末広*7らの社会大衆党」「鈴木茂三郎*8らの日本無産党」など、「戦後の社会党民社党」に当たる政党であり共産党は関係ないので、無産政党云々のリツイート共産党への悪口を始める黒坂は全く意味不明です。
 共産党に対して黒坂は失礼ですが、「無産*9政党=共産党」という「デマ」でしかない印象操作をしているという意味で「戦後の社会党民社党(特に反共政党である民社党の連中)」に対しても失礼です。

黒坂真リツイート
 吉岡正史さん。女性が強い男性を求めるのは、支配階級による思想統制とは考えられない。動物世界でも同様。日本共産党ジェンダー平等論は人間の本性を無視。
◆吉岡正史
‏ 「歪んだジェンダー秩序は、女性だけが苦しめられているわけではありません。過酷な労働を押し付けられ苦しんでいる、あるいは、強い男らしさ規範に批判的な、男性たちの生きづらさをも作り出しています」(岡野八代*10同志社大教授)

 おいおいですね。
 「歪んだジェンダー秩序」を黒坂は勝手に「支配階級による思想統制」と読み替えてますが、そんな読み替えは明らかに不適切でしょう。
 岡野主張の是非はともかく、ここでいう「歪んだジェンダー秩序」とは「日本社会で支配的なジェンダーについての価値観(例えば、男は強くなくてはいけない?)はゆがんでいて、国民を苦しめている」程度の意味でしかない。
 そしてどこで岡野氏が「女性が強い男性を求める」云々なんてことを言っているのか。
 というか、「ドラえもんのび太のような弱い男性でもイイじゃないか、皆が皆、出木杉英才のようなスポーツ万能、勉強もできるエリートでなくてもいいじゃないか(ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン?)」というのは「強い男性を女性が求めてはいけない」ということではない。
 そして、「のび太のような弱い男性でもイイじゃないか(ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン?)」というのは共産党云々という話でもない。
 黒坂のこの理屈だとスマップの例の歌「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン?」は共産主義になるんでしょうか?
 後で紹介しますが実際にスマップの歌にその類の因縁を付けた馬鹿右翼もいるようです。

♪ナンバーワンにならなくてもいい♪/SMAPのヒット曲/この歌が子どもをダメにする!?/安倍政権「教育再生」メンバーの危険な持論/強制頼みの教育観 ゆがんだ歴史認識
 アイドルグループSMAP(スマップ)の大ヒット曲『世界に一つだけの花』が「日本の子供たちをダメにしている」。
 こんな持論の持ち主が、「教育再生」のブレーンとして安倍晋三政権の重要ポストに就いています。安倍政権の危険な本質が見えてきます。
 著書でSMAPのヒット曲を攻撃しているのは八木秀次氏。安倍政権に教育提言を行う「教育再生実行会議」のメンバーです。「新しい歴史教科書をつくる会」元会長で、「自虐史観によらない教科書」の出版と採択を進めました。過去の日本の侵略や旧日本軍「従軍慰安婦」への軍の関与を認めた「河野談話村山談話」が「歴史教育を大きく反日自虐的な方向」に向かわせたと主張し、「安倍首相はそのような歴史認識と敢然と戦う政治家」と首相を賛美する“思想的同志”です。若者を戦場に駆り立てた戦前の「教育勅語」の「精神を復活させる」宿願を語っています。
◆根底に「べっ視」
 八木氏の“教育哲学”は、「教育には何らかの強制が必要であり、子供たちの意思だけに任せていたのでは、とても成り立たない」という“子どもべっ視”に基づいています。子ども自身の内面にある真実や成長への渇望に目を向けない立場です。そこから「手を上げてでも言うべきことを言い、するべきことをさせるのが親の愛情」という暴力必要論が派生しています。
 「ナンバーワンにならなくてもいい」と歌うSMAPの『世界に一つだけの花』について、八木氏が「こんな歌を学校で歌わされていたのでは子供たちは何も努力しなくなる」と非難するのも、根っこは同じ。競争という「強制力」に頼らなければ子どもの意欲を保てないという教育観・子ども観の貧困です。
◆「慰安婦」認めず
 安倍流「教育再生」のもう一人の象徴は、安倍政権が今年から中央教育審議会文部科学相の諮問機関)の委員に加えた櫻井よしこ氏(ジャーナリスト、「国家基本問題研究所」理事長)です。櫻井氏は「日本政府や軍が慰安婦を強制連行した事実はなかった」と主張し、2007年と12年の2度にわたって「歴史事実委員会」の名で米国の新聞に意見広告を掲載。これには安倍首相、下村博文*11文科相民主党北神圭朗*12(元衆院議員)など自民・民主の国会議員が名を連ねました。
 櫻井氏は、「体罰は教育です」と主張する「体罰の会」でも講演。「体罰と呼ぶのか肉体的鍛錬と呼ぶのかの違いがあるかと思うが、そういったことをもう一回取り戻さなければならない」と述べています。
 世界から孤立するゆがんだ歴史認識や、「強制力」頼みの教育観に立脚する安倍流「教育再生」に、日本の未来をまかせられるでしょうか―。
櫻井よしこ*13
「歴史の事実をゆがめてまで日本国を非難する日本人がいて、彼らが日本非難の大合唱を誘導する」
「(ボーガス注:慰安婦の)強制連行を示す資料は皆無だったにもかかわらず、(ボーガス注:河野洋平・宮沢内閣官房長官談話によって)軍による強制を認めて謝罪した河野洋平*14宮沢喜一*15らも同類」『週刊ダイヤモンド』(今年6月15日号)
「(日本は)東京裁判の判決は受け入れたが、日本憎悪から生まれた同裁判の違法性や価値判断まで受け容(い)れたわけではない」(『週刊新潮』2005年6月16日号)
体罰を教育と位置づけるということは肉体的苦痛をさまざまな形で教育の中に取り入れるということだから、それは人間は無限の可能性を与えられていると同時に、無限の存在じゃないということをきちんと教えることだ」(2009年、体罰の会講演)
八木秀次*16
「教育や躾(しつけ)には強制力が必然的に伴う」「これが望ましく美しいと考える“型”にはめるのが教育や躾の本質にほかならない」(『国民の思想*17』)
教育勅語そのものの復活は難しいだろうが、そこに書かれていることは普遍的なことなので、新たな形でその精神を復活させることは必要だ」「母性や父性を重視し『良妻賢母』『父親の威厳』を復権します」(『公教育再生*18』)

*1:1974年に起こった朴チョンヒ暗殺未遂事件。流れ弾で朴の妻が死亡し、実行犯には死刑判決が下った。

*2:おそらくは沖縄の米軍基地反対運動に対する誹謗でしょう。

*3:慶應義塾大学名誉教授(憲法学)。著書『白熱講義! 日本国憲法改正』(2013年、ベスト新書)、『白熱講義!集団的自衛権』(2014年、ベスト新書)、『安倍「壊憲」を撃つ』(佐高信氏との共著、2015年、平凡社)、『「憲法改正」の真実』(樋口陽一東大名誉教授との共著、2016年、集英社新書)、『小林節憲法改正試案』(2016年、宝島社新書) など

*4:そんな画策はしていませんが?。そして暴力発動でないにせよ「二大政党の解散」を実行したのは近衛内閣での大政翼賛会でしょうに。

*5:著書『昭和史の逆説』(2008年、新潮新書)、『吉田茂と昭和史』(2009年、講談社現代新書)、『山県有朋と明治国家』(2010年、NHKブックス)、『戦前昭和の社会 1926-1945』(2011年、講談社現代新書)、『戦前日本の「グローバリズム」:一九三〇年代の教訓』(2011年、新潮選書)、『戦前昭和の国家構想』(2012年、講談社選書メチエ)、『政友会と民政党』(2012年、中公新書)、『理想だらけの戦時下日本』(2013年、ちくま新書)、『日本外交史講義 新版』(2014年、岩波テキストブックス)、『第一次世界大戦と日本』(2014年、講談社現代新書)、『終戦後史 1945-1955』(2015年、講談社選書メチエ)、『昭和の戦争:日記で読む戦前日本』(2016年、講談社現代新書)、『増補 アジア主義を問いなおす』(2016年、ちくま学芸文庫)、『戦争調査会:幻の政府文書を読み解く』(2017年、講談社現代新書)、『機密費外交:なぜ日中戦争は避けられなかったのか』、『日中戦争 前線と銃後』(以上、2018年、講談社現代新書)、『論点別昭和史:戦争への道』(2019年、講談社現代新書)など

*6:戦前、社会民衆党書記長、社会大衆党執行委員など歴任。戦後、日本社会党書記長、委員長、首相、民社党常任顧問などを歴任。

*7:戦後、社会党書記長、片山内閣官房長官、芦田内閣副総理、民社党委員長など歴任

*8:戦前、日本無産党書記長。戦後、日本社会党委員長

*9:「無産者=財産のない人=労働者」であり、「無産政党(無産者政党)」とは労働者政党のことであり、「広い意味では共産党も含みます」が一般には「共産党を除く社会主義政党」を指します。

*10:著書『法の政治学:法と正義とフェミニズム』(2002年、青土社)、『シティズンシップの政治学(増補版)』(2009年、白澤社)、『フェミニズム政治学』(2012年、みすず書房)、『戦争に抗する:ケアの倫理と平和の構想』(2015年、岩波書店)など

*11:2020年2月現在、自民党選対委員長

*12:野田内閣で経産大臣政務官

*13:著書『GHQ作成の情報操作書「真相箱」の呪縛を解く:戦後日本人の歴史観はこうして歪められた』(2002年、小学館文庫)、『明治人の姿』(2009年、小学館101新書)、『日本よ、「歴史力」を磨け:「現代史」の呪縛を解く』(2013年、文春文庫)、『チベット 自由への闘い:ダライ・ラマ14世ロブサン・センゲ首相との対話』(2017年、PHP新書)、『地政学で考える日本の未来:中国の覇権戦略に立ち向かう』(2017年、PHP文庫)など

*14:新自由クラブ代表、中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任。現在、日本国際貿易促進協会会長

*15:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相を経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*16:著書『明治憲法の思想』(2002年、PHP新書)、『日本国憲法とは何か』(2003年、PHP新書)、『本当に女帝を認めてもいいのか』(2005年、洋泉社新書y)など

*17:2005年、産経新聞ニュースサービス

*18:2007年、PHP研究所