黒坂真に突っ込む(2020年3月2日分)

たつみコータローさん(日本共産党の前参議院議員)の安倍総理投獄・支援者処断論より思う―安倍政権を支援した政治家、官僚、法曹、財界、学者、マスコミ関係者を「人民の敵」認定
 やれやれですね。ここで辰巳氏がいう処断が黒坂が強弁するような人民裁判的、スターリン粛清的なもんを意味しないことは言うまでもないでしょう(これについては辰巳氏の釈明ツイートhttps://twitter.com/kotarotatsumi/status/1234404883706417153も参照)。
 そんなことはできるわけもないし、そんな非常識なことを辰巳氏も勿論言わない。「処断」という言葉も粛清という意味では必ずしもない。
 そもそも辰巳氏が処断云々といってるのも「安倍自民支持者一般」ではない。
 桜を見る会モリカケなどの疑惑について
1)安倍に加担した人間(森友の財務官僚やレイプもみ消し疑惑の警察官僚など。これは法的責任を追及されるケースが多いでしょう)
2)詭弁で安倍を擁護してる人間(櫻井よしこ、阿比留など。こちらは刑事責任を追及されるケースは必ずしも多くはないでしょうが政治的、道義的責任は免れません)
といった連中に話は限定されてるわけです。
 「安倍の投獄」にしても「発言の是非*1はともかく」、「モリカケ桜を見る会」は明らかに「背任(森友)」、「公文書違法廃棄や公選法違反(桜を見る会))」など犯罪に該当するとの認識からの辰巳発言であって、「政敵だからムショにぶち込みたい」なんて話ではない。
 「ウォーターゲート事件民主党本部への不法侵入とそのもみ消し疑惑)でニクソン*2大統領を辞任、投獄に追い込みたい」「ロッキード疑惑(収賄)で田中*3元首相を(以下略)」「リクルート疑惑(収賄)で竹下*4元首相を(以下略)」「日歯連疑惑(収賄)で橋本*5元首相を(以下略)」「崔順実疑惑(収賄、職権乱用)で朴クネ大統領を(以下略)」「ロシアゲート(ロシアと共謀しての選挙違反)でトランプ大統領を(以下略)」などと同じ話でしかない。
 大体、黒坂らウヨの方だって過去に「鳩山*6首相を故人献金疑惑(政治資金規正法違反)で投獄に追い込みたい」「小沢*7民主党幹事長(当時)を西松疑惑で(以下略)」「チョ韓国法相(当時)を(以下略)」などと言っていたくせに全く何を言っているのか?
 正直、黒坂がこうしたブログ記事やツイッターで、大学から処分を受けても、あるいはツイッターアカウントを停止されても、あるいは名誉毀損共産党や辰巳氏に名誉毀損で刑事、民事告訴されても文句の言える話ではないでしょう。
 そもそも、むしろそうした「人民の敵(安倍の場合は国家の敵?)」的な「俺に逆らう奴は許さない」は

・国谷キャスターの『クローズアップ現代』降板(安倍政権を批判する国谷を許さない)
・明らかに安倍のリークとみられる読売新聞の『前川は出会い系バー』報道(加計告発した前川を許さない)
・石破*8元幹事長を無役にし続ける(俺に対抗して総裁選に立った石破を許さない)
参院選広島選挙区での河井案里の擁立強行(俺を以前、馬鹿にした溝手顕正*9を許さない、河井を当選させることで溝手は落選させてやる)
・ホワイト国除外(慰安婦問題などで安倍政権を批判する韓国を許さない)
・あいちトリエンナーレへの補助金支給決定撤回(慰安婦像なんか展示する奴らを許さない)
・映画『宮本から君へ』への補助金支給決定撤回(映画『新聞記者』のプロデューサーを許さない)

などの安倍でしょう。「他の件だって非常識」ですが、何せ「自民党ベテラン議員の溝手氏」を私怨で敵視して落選させようとするのだから非常識です。
 あげく「公選法違反で河井夫婦ともども安倍自民が非難される」のだから滑稽です(これについては選挙に無理があったことが、この件の遠因ではないかという気がする(河井案里の不祥事) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)。
 そうした安倍の異常な独裁体質こそが「歴代自民党首相に比べ安倍が批判される理由」なのですが、黒坂ら安倍信者ウヨは「むしろその点を『よくやった』『安倍政権には向かう奴らなど叩き潰してかまわない、どんな手を使ってもかまわない』と評価してる独裁体質の非常識極右」なのだから、そして、にもかかわらず「共産党人民裁判ガー」なのだから呆れます。


◆黒坂ツイート

黒坂真
 たつみコータローさんのこの呟きから私は、紅衛兵が学校の先生の背中に足を載せ、腕をねじ上げて騒いでいる姿を思い出しました。

 既に上で書きましたが言いがかりも甚だしいですね。むしろ安倍の「国谷キャスターの『クローズアップ現代』降板」などの方がよほど「紅衛兵」でしょう。その場合、「毛沢東に当たる安倍」の意を受けて、「国谷氏、前川氏などを打倒する」紅衛兵の役割を務めるのが産経や日本会議といったウヨ連中であり、黒坂もその一人の訳ですが。

黒坂真リツイート
 日本共産党本部の皆さん。たつみコータローさんから、安倍総理の投獄及び安倍政権を支えてきた方々*10を腐敗した人間としてリストにするべきだという提案がなされています。
志位和夫
 今日の常任幹部会で、深刻化するコロナ対策について、医療・介護、教育、中小企業・雇用等、各分野で、実態と要望をお聞し、政府・自治体と連携して機動的に解決をはかっていく活動を、全国規模で抜本的に強化することを確認しました。
 国民の命と健康を守るため、可能なあらゆる活動にとりくみます。

 いつもながら、黒坂が非常識すぎて唖然です。辰巳氏は「新型コロナの不手際*11」を理由に「安倍とその共犯者の投獄(刑事責任の追及)」や「安倍シンパの政治的、道義的責任追及」を主張してるわけではない。もちろん「モリカケ桜を見る会」を問題にしてるわけです。
 モリカケ桜を見る会関係の志位ツイートならまだしも、新型コロナ関係の志位ツイートで何故そんなリツイートをするのか。
 こんな馬鹿なツイートよりも「政府のコロナ対策をどう評価するか」「共産党など野党のコロナ対策への考えをどう評価するか」「それらに関係なく黒坂自身はどういうコロナ対策を考えてるのか」をツイートしたらどうなのか。
 志位氏も相手にしてないようですが、本来、「志位氏によるツイッターブロック」「大学への懲戒処分要求」「黒坂のツイッターアカウント停止要求」「共産党による黒坂への名誉毀損による民事、刑事提訴」などをされても文句は言えないでしょう。しかし櫻井よしこ島田洋一と比べても黒坂のデマ体質は異常ですね。黒坂に比べたらほとんどの安倍信者ウヨはずっとまともです。
 いかに安倍信者でも、反共右翼でも、ある程度まともな人間はこういう行為はする気にならないでしょう。それはともかく、こんな非常識ウヨ黒坂が「巣くう会幹部(他に西岡巣くう会会長、島田副会長、荒木特定失踪者問題調査会代表など)」としてでかい面してるのが拉致界隈ですからね(俺も救う会批判を始めてから黒坂の存在に気づいた)。
 いかに家族会がバカかと言うことです。黒坂なんぞと野合してるようでは拉致が解決しないのも当然です。

黒坂真
 カクサン部長さんは、昔のアカハタ記事を見た事がないかもしれません。昔の日本共産党員はスターリン*12毛沢東*13を絶賛しました。

 黒坂の「アカハタ」表記は誤記ではなく、昔の赤旗は「アカハタ」とカタカナ表記でした。

◆高倉輝(1891~1986年)(ウィキペディア「高倉輝」「しんぶん赤旗」参照)
・作家。日本共産党顧問。終戦直後の一時期、日本共産党参院議員を務めたがレッドパージにより失職。晩年は「民俗芸能を守る会」(高倉が初代会長)などの活動も精力的に行った。
・戦後、高倉輝の主張する国語国字改革論は、一時、日本共産党の方針となり、その機関誌「アカハタ」(現在の「しんぶん赤旗」)も1946年から1966年までカタカナ表記であった。高倉の主張は、カナモジカイの主張と似ているが、カタカナの使用は固有名詞に限定していた。したがって「タカクラ・テル」「アカハタ」となる。

だそうです(カナモジカイ、「民俗芸能を守る会」については後でウィキペディアの記載を紹介します)。
 それはともかく、やれやれですね。遅くとも「フルシチョフ*14スターリン批判以降*15」「文革以降*16」は日本共産党スターリン毛沢東も批判していますが。
 「徳田球一*17が北京機関をつくったとき」のことなんか持ち出すとは時代錯誤にもほどがあります。
 共産党だって自民党批判する際に今更「佐藤栄作*18自由党幹事長、池田勇人*19自由党政調会長(役職はいずれも事件当時、後に首相)の造船疑獄」「田中角栄*20元首相のロッキード事件」「岸信介*21元首相のダグラスグラマン疑惑」「竹下*22首相らのリクルート事件」「橋本*23元首相らの日歯連疑惑」なんか持ち出さないでしょうに(安倍*24モリカケ桜を見る会疑惑などを持ち出すわけです)。
 共産党については昔のことをこうしてあげつらう一方で、戦前日本の愚行(南京事件慰安婦など)については「昔のことにこだわるな」なのですから心底呆れます。

【参考:カナモジカイ&民俗芸能を守る会】

カナモジカイウィキペディア参照)
 漢字の不便を取り除き、片仮名による横書きを普及させることを目的として、雑誌『カナ ノ ヒカリ』を発行したり、講演会を開いたりしている。財団法人としては2013年12月に解散し、現在は任意団体として活動を行っている。
◆歴史
 カナモジカイは、1920年大正9年)11月1日に山下芳太郎*25伊藤忠兵衛 (二代目)*26、星野行則*27らによって仮名文字協会(かなもじきょうかい)として設立された。
 仮名文字協会の創立から40年ほどの期間は、国語国字改革がもりあがった期間であり、カナモジカイの活動もまた活発であった。
 1934年12月21日に文部大臣の諮問機関として国語審議会が設けられてから1961年に至るまで、カナモジカイは、星野行則、伊藤忠兵衛、松坂忠則*28らを国語審議会の委員として出しつづけた。また、カナモジカイは、1948年に設けられた国立国語研究所評議員も、1961年に至るまで出しつづけた。

第37回 カナモジカイと三省堂 | 「書体」が生まれる―ベントンがひらいた文字デザイン(雪 朱里) | 三省堂 ことばのコラム
 漢字廃止論のいちばんはやいものとしては、近代郵便の父・前島密*29が慶応2年(1866)、徳川慶喜に建白した「漢字御廃止之議」があげられる。これ自体は受け入れられなかったが、以降日本では、漢字を廃止してローマ字をつかうことをとなえるローマ字論や、ひらがなの採用を提唱するかな専用論、まったくあたらしい文字をつくろうとする新国字論などが登場し、「国字問題」がくりかえし論じられた。[注1]
 こうした流れのなか、実業家のヤマシタヨシタロウ(山下芳太郎)が大正9年(1920)に設立したのがカナモジカイ[注2]だ。日本語の表記を漢字かな混じりでおこなうのは教育の能率をさまたげるとして、これに代わり、カタカナの左横書きで表記することを主張する運動である。
 カナモジ運動は「漢字をやめること」「カタカナをつかい、左からの横書きに統一すること」を提唱していた。

◆民俗芸能を守る会(ウィキペディア参照)
・1967年6月14日発足。初代会長はタカクラテル(高倉輝)。
日本共産党赤旗まつりに「青空寄席」で協力している。
柳家小三治(10代目)『落語家論』(2001年、新しい芸能研究室→2007年、ちくま文庫)は『民俗芸能を守る会』の会報『民俗芸能』の連載をまとめたもの。『落語家論』について小三治は『思ったことを思い浮かんだままに書いたってだけで。あそこは共産党系ですけど、だからといって(ボーガス注:連載で)別に共産党をヨイショもしてないし。共産党って別に好きじゃないんですよ(笑)。「赤旗まつり」ってとこに毎年引っ張り出されたけどね』としている。

柳家小三治著「落語家論」 - 熟年の文化徒然雑記帳
・昨年末、小三治は、新しい本「どこからお話しましょうか*30」と言う自伝を出版した。
 しかし、その前に、20年ほど前に出版され、そのまた20年ほど前に書いた文章を纏めた本である、生きのいい壮年期頃の落語に関する思いを知りたくて、まず、この「落語家論」を読んでみた。
 これでも気兼ねしながら書いたと言うのだが、これまで書いても良いのかと思えるほど面白い本で、「民俗芸能」などに書いた「紅顔の咄家諸君!」への蘊蓄を傾けた「落語芸術論」だが、そのまま小三治の人生論であり、人生訓でもある。
・師匠の小さんは、放任主義と言うかほったらかしで、稽古を一つでもつけてもらったことはないし、「噺を教えてください」と言っても「芸は盗むものだ。オレが高座でやっているところを聞いて憶えろ。盗め。憶えたら聞いてやる。」と言うだけで、聞いてもらうと、「お前の話はおもしろくねえな。」
 口癖は、「その了簡になることだ。」
 ところが、師匠が、人形町末広で、「気の長短」を演じているとき、袖で観ていて、短七つぁんがイライラしてくると、師匠の足の指がピクピク動いたのを見て、それを発見したうれしさとあきれ返ったのとで、ボーッとした。
 放任主義。かまうよりほったらかす方が難しい。この肝の太さ、何とか盗んでやるぞ。と書いている。

*1:俺は是とする立場ですが

*2:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*3:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相

*4:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*5:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相

*6:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官民主党幹事長などを経て首相

*7:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党代表、民主党幹事長など歴任

*8:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相を歴任

*9:第1次安倍内閣国家公安委員長

*10:単に支えた人間ではなく「安倍の不正に直接加担した人間」「安倍総理は潔白だなどと強弁して、安倍を擁護した人間」に話は限定されています。

*11:これだって刑事責任を追及されても仕方がない安倍の問題行為があれば話は別ですが、今のところそうした事実は認められていません。せいぜい「政治的責任」の問題でしかないわけです。

*12:ソ連共産党書記長

*13:中国共産党主席

*14:ウクライナ共産党第一書記、ソ連共産党第一書記、ソ連首相など歴任

*15:なお、これ以前にスターリン批判していた共産党は「チトーのユーゴ共産党」ぐらいで、そんなに多くはありません。

*16:文革批判によって一時、中国共産党との関係が断絶したことは有名な話です。

*17:日本共産党書記長

*18:吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相などを経て首相

*19:吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*20:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*21:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相

*22:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*23:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相。首相退任後も森内閣で行革等担当相

*24:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*25:1871~1923年。住友銀行神戸支店支配人、住友総本店支配人、住友合資会社理事兼住友鋳鋼(後の住友金属工業)常務など歴任。1923年、胃癌のため若くして死去(ウィキペディア「山下芳太郎」参照)。

*26:1886~1973年。父・初代伊藤忠兵衛(1842~1903年)が呉服店として創業した伊藤本店を発展させ、伊藤忠商事を設立。伊藤忠商事社長、会長、相談役など歴任(ウィキペディア伊藤忠兵衛 (二代目)」参照)

*27:1870~1960年。加島銀行(昭和恐慌によって後に廃業)東京支店支配人、大同生命常務など歴任(浅子を支えた三人の幹部 (中川小十郎・祇園清次郎・星野行則) - もっと知りたい広岡浅子 | 大同生命の源流参照)。

*28:1902~1986年。作家

*29:1835~1919年。明治新政府において駅逓権正、駅逓頭、内務省駅逓総監として近代郵便制度の構築に尽力。また漢字廃止論者として一時「まいにちひらがなしんぶんし」を発行(ウィキペディア前島密」参照)

*30:2019年、岩波書店