今日の産経ニュース&中国ニュース(2020年3月2日分)(副題:正義の勝利!。祝・つくる会歴史教科書が検定不合格)

これが文科省の「トンデモ検定」だ!!

 検定に当たった教科書調査官[村瀬信一*1/橋本資久/中前吾郎/鈴木楠緒子]の 4 人は、以下のように、理屈にならない理屈を次々と繰り出し

 村瀬と言えば、あの「元つくる会理事&国家基本問題研究所理事伊藤隆*2(東大名誉教授、日本近現代史)」の教え子であり「つくる会人脈」と見なされてきた男なのですがねえ(たとえば文科省の教科書調査官/採用ルート“闇の中”参照)。「安倍の命令」か、「当人の自主的判断」かはともかく、巣くう会にここまで悪口されるとは変われば変わるもんです。
 ちなみに「島田洋一(巣くう会副会長、福井県立大教授)の自己申告」によれば奴も一時期、教科書調査官だったそうです。かように「教科書調査官」とは長年「ウヨの指定席」だったわけです。
 なお、橋本資久氏についてはググってもよく分かりません。
 中前氏、鈴木氏については、名前でググったら、

◆中前吾郎*3『初期毛沢東の思想』(2000年、近代文芸社
◆鈴木楠緒子*4ドイツ帝国の成立と東アジア:遅れてきたプロイセンによる「開国」』(2012年、MINERVA西洋史ライブラリー)

という本がヒットしましたが、これが「教科書調査官の中前氏、鈴木氏と同一人物かどうか」はわかりません。

【事例 3】朝鮮出兵は16世紀「世界最大規模」の戦争
[指摘事由]生徒が誤解するおそれのある表現である。(確立した見解であるかのように誤解する。)
 「文禄の役」(1592年) において日本は15~20万人を派遣した。「慶長の役」(1597年)では日本が14 万1500 人、朝鮮が17万人前後の軍に義勇軍が2万人以上、明が4万~10万人近い遠征軍を送った。「慶長の役」での参加兵力の合計は37万人余~43万人余となる。
 他方、ドイツ農民戦争 (1524~1525年 ) は最大に見積って30万人だ。ヨーロッパが朝鮮出兵を上回る兵力を動員したのは17世紀の30年戦争になってからである。16世紀末、明の「万暦の三征*5」の一つ「楊応龍の乱」で楊応龍の軍が14~15万人、迎撃に向かった李化龍の軍は24万人で、合計38~39万人だ。従って、少なくとも16世紀において朝鮮出兵が「世界最大規模」の戦争であることに間違いはない。

 まあ俺もこの種の知識は全くありませんので何とも評価できませんが、それにしても謎なのは「秀吉の朝鮮出兵は世界最大規模の戦争」と書くことでつくる会は何がしたいのだろうかという話です。
 「世界最大規模の戦争ができる秀吉の軍隊動員能力がすげえ!。さすが日本は偉大な国家だ!」とかそう言う話か。文科省検定意見の是非はともかく俺的には「つくる会は戦争を何だと思ってるんだ?。人が死ぬんだぞ!。本当にくだらねえな」ですね。

参考

文科省の教科書調査官/採用ルート“闇の中”
 今回問題となった沖縄戦についての検定意見原案を作った調査官は、日本史担当の村瀬信一氏です。主任調査官は照沼康孝氏。いずれも伊藤隆東大名誉教授の教え子です。
 伊藤氏は扶桑社版『新しい歴史教科書』の執筆・監修者です。現在は「新しい歴史教科書をつくる会」理事を降り、安倍晋三前首相のブレーンだった八木秀次氏らの「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有志の会」に参加しています。
 伊藤門下生が歴史認識の問題で物議を醸した例は過去にもありました。一九九八年に高知大教授から主任教科書調査官に転身した福地惇*6(現「つくる会」副会長)です。福地氏は現職の調査官でありながら検定最中に雑誌に登場し、「教科書検定のときに近隣諸国条項というのがあって、日本は侵略戦争をして悪かったと書いていないとまずい。そういうがんじがらめの体制になっている」などと攻撃しました。マスコミが大きく報じ、批判の世論が高まる中、文部省は同氏を解任せざるを得ませんでした。


「新しい歴史教科書」不合格の真の狙い 皿木喜久(産経新聞客員論説委員) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所

 かつて「つくる会」を厳しく批判してきた朝日新聞でさえ「過去に合格した教科書が不合格となるのは極めて異例」(2月22日付朝刊)と、首をかしげるほど驚きの結果だった。

 「極めて異例」というのは「珍しい」と言う意味でしかなく「不当違法」という意味ではないのだと皿木を小一時間説教したくなります。もちろん「珍しい行為」をやる場合にはいつも以上に文科省側に「詳しい説明責任」が求められることは確かですが。

●強引すぎる「欠陥」指定
 例えば第3章(近世)に付した「『古事記』をよみがえらせた本居宣長」という人物コラムである。日本の古語を漢字で表わした万葉仮名と漢文を交えて書いてある「古事記」が、江戸時代になるとほとんど読めなくなっていたという事実を指摘、宣長が35年間の血の出るような努力で解読した功績を取り上げた。今回の改訂版で初めて掲載したコラムである。
 ところが欠陥に指摘した事由は「生徒が誤解するおそれのある表現である」とするだけで、要領を得ない。そこで調査官との面談で理由を問いただすと「神主の中には(古事記を)読めた人もいたらしいですよ」という答えだった。だから「ほとんど読めなくなっていた」というのは間違いだというのである。
 愕然とした。どんな通説でもレアな例外を挙げ反論されることはある。しかしこの場合「どこの何という神主が読めた」という論拠も出典も示されていない。無茶苦茶な理屈でクレームをつけているのである。どうやら調査官らは、本居宣長古事記を、この教科書から抹殺したい*7一心から、強引に「欠陥」に指定したとしか思えないのだ。

 この辺りは今後色々と明らかになってくるところでしょう。毛利輝元は「西軍の大将格」です。「関ケ原前夜 西軍大名たちの戦い」(角川ソフィア文庫)お読みください | 三浦小太郎BLOG Blue Moonや「大政奉還坂本龍馬」については素人ながら多少興味や知識があるので
今日の産経ニュースほか(2020年2月21日分)(副題:つくる会歴史教科書不合格、ほか) - bogus-simotukareのブログ
今日の産経ニュースほか(2020年2月25日分) - bogus-simotukareのブログ
今日の産経ニュースほか(2020年2月27日分)(副題:つくる会歴史教科書不合格、ほか) - bogus-simotukareのブログ
三浦小太郎に突っ込む、ほか(2020年2月28日分)(副題:つくる会歴史教科書の検定不合格、ほか) - bogus-simotukareのブログ
で「文科省の意見で正しいと思う」とコメントしましたが、俺も「本居宣長」についてはまるで知識がない素人ですので特にコメントはしません。
 「デマ記事常習・産経」出身の皿木(元産経論説委員長)の主張を鵜呑みにするほど俺もお人好しではありませんが、とはいえ、「らしい」という指摘が皿木の言うように事実なら確かに適切ではないでしょう。「らしい」レベルで検定意見はまずいでしょう。
 いずれにせよ、ここで皿木は「ご本人が気づいてるかどうかはともかく」、重要な指摘をしています。
 それは「あえて言えば」、ある意味、「古事記なんて日本の伝統じゃない」ということですね。皿木曰く、江戸時代の人間はほとんど読めなかったわけですから。
 本居宣長という国学者によって「再発見された」わけであり、あえて言えば我々現代の日本人が古事記に何の興味もなくても何ら不思議じゃないと言うことです。たぶんそういうと皿木のようなウヨは怒り出すのでしょうが。

 宣長は「古い日本語で書かれた古事記を読まなければ、古代の日本人の心はわからない」と思い、解読に取り組んできた。このことは著書「玉勝間」などからも明らかだ。だが唯物史観に彩られてきた日本の歴史学は、「古代の日本人の心」など無視してきた。

 「はあ?」ですね。皿木らつくる会右翼とは価値観、方向性が違うとは言え、皿木らが「唯物史観(皿木らウヨにとって、おそらくマルクス主義と同義)云々」と敵視する歴史学者たちが「本居宣長」「平田篤胤」といった国学について、あるいは「古代の日本人の心(皿木の場合は古事記)」について何の興味も持たず研究もしてこなかったかと言えばそんなことはないでしょう。

 調査官たちも「古事記をよみがえらせ、古代の心に触れる」ことなど、自分たちの歴史観に合わないことであり、それを教科書で取り上げることが気にくわなかったのだろう。

 という皿木の主張は勝手な決めつけにすぎません。「文科省の検定意見は間違ってる」で済む話で何でこんな根拠レスの決めつけをするのか。

 このことは聖徳太子坂本龍馬西郷隆盛らの記述についたクレームにも共通することである。日本人に誇りを持たせる彼ら*8を、日本史*9から葬りたい*10という、あくなき願望の表れである。「つくる会」などで進めてきた、歴史観見直し運動に敵対する動きが、露骨に息を吹き返してきたのである。

 「坂本龍馬へのクレーム(大政奉還に龍馬が関与したかは疑問、書き直せ)」は産経記事やつくる会サイトで紹介されていたのでわかりますが、「聖徳太子」「西郷隆盛」へのクレームとは何かは「俺の知る限りまだ説明がない」のでよく分かりません(今後分かれば幸いですが)。
 しかし『日本人に誇りを持たせる彼らを、日本史から葬りたいという、あくなき願望の表れ』ねえ。
 まさか右翼・安倍政権下(しかも文科相は安倍子飼いの札付き極右・萩生田)に置いて、つくる会歴史教科書が検定不合格になった上、「文科官僚(教科書検定官)は反日だ、左傾化してる」「官僚連中は聖徳太子本居宣長坂本龍馬西郷隆盛らウヨにとってのスターを歴史教科書から抹殺しようとしている」とつくる会が叫び出すとはびっくり仰天です。
 「前川氏が愛知県の学校で講演した際の嫌がらせとしか思えない文科省の学校への問合せ(前川氏の加計告発に対する安倍の逆ギレらしい)」「あいちトリエンナーレ補助金支給決定取り消し(慰安婦像への安倍の逆ギレらしい)」「映画『宮本から君へ』の補助金支給決定取り消し(この映画のプロデューサーが映画『新聞記者』もプロデュースした事への安倍の逆ギレらしい)」(つまり、全てどう見ても安倍の嫌がらせで、安倍が文科省にごり押し)など考えればこの検定は「安倍や萩生田の思惑が何か」はともかく「安倍らの黙認」の元にされてるのであり、批判するなら「安倍と萩生田を許さない」とでも言うべきでしょうにねえ。
 「文科官僚ガー」としかいえない辺りが全く無様です。


【第659回】教科書検定の透明性を高めよ « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 家永教科書訴訟など、連中が左派扱いする方々の検定批判には冷淡極まりなかったつくる会のウヨ連中が「自分たちが不合格になる」や、やれ「検定が不公正だ」「検定の透明化が必要だ」とまるきり今までと違うことを言い出すのだからそのデタラメぶりには心底呆れます。「どんだけ手前ら、クズでカスなんだよ。死ねばいいのに」と悪口もしたくなります。そして「頑張れ、文科省つくる会をこの際徹底的に撲滅しろ」と声援を送りたくなります。

●主観的な文科省検定意見
 生徒が理解し難い、又は誤解するおそれといふ極めて主観的な検定意見が大半を占める。しかもその多くは、一般人にとつてはどうしてなのか理解し難いものである。
 2例だけ上げる。年表の中の「1949年中華人民共和国共産党政権)成立」の記述中、「共産党政権」について、中華人民共和国は連合政権であるから、生徒が誤解するおそれがあるとされた(中国は実質的な共産党政権ではないのか)。
 天安門事件についてのコラムで、ワイシャツ姿の若者が戦車の前に立つて進路を妨害してゐる有名な写真を掲げ、「民主化運動を弾圧するために出動した中国人民解放軍の戦車に立ち向かう学生」の記述について、「写真の人物の性格について断定的に過ぎる」から生徒が誤解するおそれがあるといふのである。

 天安門事件の写真で検定意見とは「びっくり、びっくり」ですね。例の「建国当時の中国は連合政権(例えばつくる会教科書 検定不合格。しかし「中華人民共和国」はどう見ても「中国共産党政権」だと思う | 三浦小太郎BLOG Blue Moon参照)」といい、意外な検定意見です。「中国ビジネス」という経済的利益を重視して、「2018年5月に訪日した李克強首相を大歓迎する」など「近年、露骨に親中国にシフトしているとは言え」、まさか「極右・反中国」だった安倍政権でそんな検定意見がついて、つくる会が「中国に媚びてる!」と発狂するとは思ってもみませんでした。できれば「朝鮮学校」に対してもそうした友好的な姿勢を安倍に示してほしいところです(つくる会右翼にとってこうした「中国に媚びてる」としか彼らには思えない検定意見がどうやら一番腹立たしいようです。つくる会連中の悪口する検定意見はこのところ、中国関係ばかりです。中国以外でも「大政奉還坂本龍馬」「毛利輝元は西軍の大将(例えば毛利輝元は「西軍の大将格」です。「関ケ原前夜 西軍大名たちの戦い」(角川ソフィア文庫)お読みください | 三浦小太郎BLOG Blue Moon参照)」「仁徳天皇陵に葬る」と決まり切ったネタばかりで「他にネタはないのか?」「400も検定意見がついたはずだが?」と聞きたくなります)。まあ、こんなことでつくる会会長・高池が嘘をつくとも思えないので「天安門事件の写真で検定意見」は事実なのでしょうが。
 とはいえ、例の通称「タンクマン」の正体は未だに不明*11なので「軍に対決する学生」と決めつけるのは「写真の人物の性格について断定的に過ぎる(学生じゃなくてサラリーマンかもしれない、など)」は決して間違った意見ではありません。
 それはともかく、やはり「日中友好は大事なんです、中国ビジネスなしでは日本経済はやっていけないんですby安倍」「習主席が4月に訪問する前に彼を少しでも喜ばせたいんです。それが日本のおもてなしby安倍」ということでしょうか。
 もしこの「俺の邪推」が正しいなら、安倍も「反中国」から「親中国」へ随分と変わったもんです。まさに経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)です。
 id:Mukke風に言えば「安倍政権(日本政府)はノルウェー政府と同様に霞を食うことはできなかった」のでしょう(id:Mukkeへの皮肉のつもり)。「習主席を国賓として招く」など、日本の国益のために、日中友好に尽力する安倍政権を「その限りにおいては*12」評価したいと思います。
 そしてそんな安倍に「安倍の野郎、中国に媚びやがって」とつくる会の怒りも相当なもんでしょう。
 しかしこういう検定意見にはやはり阿部治平、I濱Y子・早稲田大学教授、そしてMukkeなど「反中国・ダライラマ盲従分子」も「安倍の野郎許せねえ!」「タンクマンを馬鹿にしてる!」と憤激するんでしょうか?
 「安倍さんのおかげでイリハム・トフティさんが釈放された」と主張したM谷N子・明治大准教授にも「ねえ、この検定意見に今、どんな気持ち、ねえ、今どんな気持ち?」「やっぱ、天安門事件の学生を、タンクマンを馬鹿にしてるとかいってぶち切れちゃうの?」「そろそろ、こんな検定意見を容認する安倍は許せないとか言うの、ねえ、言うの?」「それとも『安倍さんに関係なく文科官僚が勝手にやったこと!』『そもそもつくる会発表が事実か分からない』『別にこの検定意見は中国に媚びてない!。何の問題もない!*13』などといって安倍をかばうの?」と聞きたいところです。ええ、俺はそう言う性格のゆがんだ男です。

【参考:いわゆるタンクマンについて】

◆無名の反逆者(ウィキペディア参照)
 1989年6月4日に中国で起こった天安門事件の直後、天安門広場に通ずる長安大街の路上で、CNNやBBCのクルーによって撮影された、戦車の行く手を遮る謎の男性のこと。氏名不詳のため、「無名の反逆者」(英: Unknown Rebel)、「戦車男」(英: Tank Man(タンクマン))などのニックネームで呼ばれている。
 彼のその後については、「すぐに処刑された」「刑務所の中で精神に異常を来した」「出所して台湾で暮らしている」などの説があり定説はない。事件から30年を前にした2019年6月、中国外務省の記者会見で、この人物の消息について問われた耿爽報道官は「把握していない」と答えた。

天安門事件から30年“タンクマン”「把握してない」
 中国の「天安門事件」から4日で30年です。事件の象徴となった戦車の前に立ちはだかった男性について、中国外務省の報道官は「把握していない」と述べました。
 中国外務省・耿爽報道官:
「あなたの言っていること(タンクマンについて)は把握していない。言えることは、あの政治騒動について中国政府はすでに明確な結論を出したということだけだ」
 1989年6月4日の天安門事件の際に、戦車の前に立ちはだかった男性は「タンクマン」と呼ばれ、事件を象徴する存在として世界中で知られています。この男性について、中国外務省の報道官は少し笑みを浮かべながら「把握していない」と述べました。男性は戦車の前に立った後、周辺に潜んでいた男らに取り囲まれてどこかに連れ去られたことが映像から確認されています。


野党、ようやく新型肺炎一色 休校要請経緯や危機管理を追及(1/2ページ) - 産経ニュース
 「ようやく新型肺炎一色」というのは勿論デマです。以前から野党は新型肺炎関係の質問をしていますので。


【政界徒然草】世論は「桜」より肺炎対策へ 国会与党ペース、野党は“敵失”生かせず(1/3ページ) - 産経ニュース(政治部 大橋拓史)
 「桜を見る会疑惑追及」をしたら、「コロナ問題」での政府追及ができないわけではないし、実際、野党がコロナ問題についても「全校一律休校の根拠は何か?」などと国会質問やテレビ討論会などで追及もしています(例えばコロナウィルス蔓延被害よりも、安倍晋三独断による政策被害が心配される。 | ちきゅう座が紹介する宮本徹・日本共産党議員の質問)。
 また本気で産経が「桜を見る会疑惑追及など痛くない」と思っていたら黙ってるでしょう。こうした問題で「痛くない」のに「痛くない!」と騒ぐ必要はどこにもありません。その結果「痛い問題に突っ込みが入ったら」自爆行為でしかない(もちろん落語「まんじゅう怖い」のように「痛い!」と嘘をつく必要もなく、まさに「沈黙は金」です)。
 まあ、確かに「幸か不幸か」現時点では桜疑惑よりも、新型コロナ対応の不手際の方が安倍政権支持率低下に大きく貢献してるようですが、だからこそ「コロナによる支持率低下で、桜疑惑批判も高まったら困る」という思いが産経にはあるのでしょう。
 つまりこれは「桜を見る会疑惑追及などしないでくれ」という泣き言にすぎない*14わけですが、それはさておき。
 「コロナよりも桜ばかりの無責任野党」という誹謗中傷のためとはいえ、産経が「敵失(敵*15の失敗、失策)」という言葉で、「安倍のコロナ対応に問題があった」と認めていることが興味深い。
 まあ、産経の場合、「安倍のコロナ対応に問題があった」の中には

・中国人観光客など当初から全て入国禁止にすべきだった
・習主席訪日準備などすぐに取りやめろ

という「異常な反中国」もあるのですが。

 ホテル側の説明通りならば、首相が虚偽答弁をしたことになるが、ホテル側が「上様」の宛名で発行した領収書の存在が確認され、野党側の追及の根拠は揺らぎつつある。

 おいおいですね。
 ホテル側はその領収書について「そんな物は発行してない」とは言わない物の、一方で「我々が発行した物に間違いない」とは言ってないようです(もちろんホテル側が提出したわけでもない)。
 つまりは
1)安倍信者の参加者がでっちあげ、産経に提供した捏造領収書の疑い
がまずあるし、
2)仮に本物だとしても「我々が発行した物に間違いない」といえないこと自体、「安倍政権に無理矢理発行させられた異常な代物」であり、「政府相手に上様なら、我々も上様で発行してくれ」などと一般利用者に言われては困るからこそ、ホテル側もうやむやにごまかしてるわけでそんなもんが「安倍首相が正しい」といえる話ではないのは明らかでしょう。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が2月22、23両日に実施した合同世論調査でも、「桜を見る会」よりも新型肺炎の問題を優先して審議すべきだとの回答が多かった。与党の支持層で9割超、主要野党の支持層でも7~8割が新型肺炎への対応を重視するよう求めている。

 「桜疑惑と新型コロナとどっちがあなたにとって重要か」とは質問自体が産経らしい異常さですね。
 与党支持層はともかく、野党支持層の回答は「あえて言えば」であって「桜疑惑を追及しなくてイイ」と言う話ではないでしょう。
 というか何も「桜疑惑」でなくても「他の問題」でも今の国民の多くは「私にとっては新型コロナが一番心配だ」と答えるでしょう。
 たとえば「拉致問題(あるいは北朝鮮の核ミサイル問題)と新型コロナとどっちが(以下略)」でも「領土問題(尖閣竹島北方領土問題)と新型コロナとどっちが(以下略)」でも「中国の人権問題(ウイグル、香港デモなど)と新型コロナと(以下略)」でも、大抵の人間は「新型コロナ」と答えるでしょう。
 そこで「拉致問題北方領土問題、中国の人権問題なんか国民はどうでもいいと思ってるんだ。産経はそんなことで騒ぐな」といったら産経はふざけるな、と怒り出すでしょう。いやそれどころか「そんな世論調査自体がおかしい」と言い出すのではないか。しかし産経が桜疑惑でやってることは「そのレベルの行為(新型コロナ対策以外はどうでもいいと強弁)」です。

 「桜を見る会」にこだわる野党の姿勢には、身内からも疑問の声が出ている。ある野党議員は「支持が上がらないのは、本筋で議論しないからだ」とこぼす。

 「ある野党議員って誰だよ」ですね。
捏造常習の産経では
1)「そんな議員はそもそもいない」可能性も大きいし、
仮に居たとしても名前を挙げられないのは
2)その議員がたとえば「立民の反執行部派」などで名前を出すと世間から「なんだ、反主流派の執行部への因縁つけか」としか思われないから
でしょう。そもそも明らかな不正行為にこだわるのは当たり前の話です。

 家庭で子供の世話をするため欠勤を余儀なくされる保護者の休業補償や企業の支援策*16など、議論すべき課題は山積する。政府は、人が集まる施設の使用制限など、一定の強制力を持つ新型インフルエンザ対策特別措置法を参考に、新たな法案の制定も急ぐ考えだ。政府は野党側に早期制定への協力を求めているが、どう出るのだろうか。

 「安倍政権のコロナ対策(予算や法律制定、改正)に賛成できれば賛成するし、反対ならば反対する」だけの話でしょう。
 いずれにせよ、産経が誹謗中傷するような
1)「モリカケ」「桜を見る会」「検事長定年延長」などの不正追及にかまけて、コロナ対策をおざなりにするだの
2)安倍政権を打倒するために、安倍政権のコロナ対策には問答無用で全て反対するだの
野党各党がするわけもないでしょう。 
 実際にどうなるかは「安倍が何をするか」にもよりますが(なお、現時点では「是非はともかく」安倍のコロナ関係での行為は「コロナ対策予算制定*17」「コロナ対策のための新法制定や既存の法律の改正」といった「国会審議が必要なこと」は何一つないことに注意が必要です)。
 その場合「安保関連法反対」「特定秘密保護法反対」「高度プロ制度導入反対」「入管法改定反対」などのような「安倍批判での野党共闘」が成立するかどうかも分かりませんが、場合によっては成立するでしょうね。
 いずれにせよ、どんな理由でアレ、コロナ対策で野党が安倍批判すれば、その批判内容に関係なく「言いがかりだ」と産経が安倍擁護することは今から2万パーセント予想できます。

*1:1954年生まれ。1989年(平成元年)、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。伊藤隆に師事。皇學館大學助教授、帝京平成大学助教授を経て、現在、文部科学省教科書調査官。著書『帝国議会改革論』(1997年、吉川弘文館)、『明治立憲制と内閣』(2011年、吉川弘文館)、『首相になれなかった男たち:井上馨・床次竹二郎・河野一郎』(2014年、吉川弘文館)、『帝国議会:<戦前民主主義>の五七年>』(2015年、講談社選書メチエ)(ウィキペディア村瀬信一』参照)。

*2:1932年生まれ。著書『近衛新体制:大政翼賛会への道』(1983年、中公新書→2015年、講談社学術文庫)、『昭和史をさぐる』(1991年、朝日文庫)、『評伝・笹川良一』(2011年、中央公論新社)、『日本の内と外』(2014年、中公文庫)、『歴史と私:史料と歩んだ歴史家の回想』(2015年、中公新書)など

*3:1962年生まれ。1991年、筑波大学大学院博士課程社会科学研究科法学専攻(政治学分野)単位取得退学。筑波大学助手を経て、2000年現在、韓国霊山大学校国際学部専任講師(『初期毛沢東の思想』のアマゾン著者紹介による)

*4:1972年生まれ。2000年、名古屋大学大学院文学研究科西洋史学専門博士前期課程修了。2004年、名古屋大学大学院文学研究科西洋史学専門博士後期課程修了。2012年現在、名古屋大学研究員(『ドイツ帝国の成立と東アジア』のアマゾン著者紹介による)

*5:明の万暦年間に起こった3つの戦争、「ボハイの乱(1592年)」「文禄・慶長の役(1592~1593年、1597~1598年)」「楊応龍の乱(1591~1600年)」のこと(ウィキペディア『万暦の三征』参照)

*6:著書『明治新政権の権力構造』(1996年、吉川弘文館

*7:「このコラムを抹殺したい」ならともかく古事記宣長は抹殺できないと思いますね。学習指導要領で教えるべき事項に入ってるんじゃないか。

*8:別に歴史教科書の目的は「日本人に誇りを持たせること」ではないのですが。こうした間違った認識の結果「日本の負の面を書くと誇りが持てない」として南京事件慰安婦の「実在性」または「違法性」の否定を始めるバカがつくる会です。

*9:「検定・日本史教科書から葬りたい」ならまだしも「日本史」ねえ。「検定・日本史教科書=日本史、ではない」し教科書検定官には「聖徳太子坂本龍馬西郷隆盛の研究などするな」と研究者に圧力をかける力などありませんが。

*10:龍馬はともかく聖徳太子西郷隆盛明治新政府で参議、近衛都督、陸軍大将。征韓論西南戦争の中心人物)って検定歴史教科書から「葬れる」んでしょうか?(もちろん「葬る必要がある(教科書で教える必要がない)」なら葬るべきですが)。かつ今後「葬られるかもしれないとされる龍馬」にしたって「薩長同盟大政奉還に対する龍馬の影響はほとんどなかった、そうした従来の説は龍馬を持ち上げたがった土佐藩出身者の後世の創作(龍馬はそれほどの重要人物ではない)」という説が有力化した事によるものであって、つくる会が強弁するような『反日云々』と言う話ではない。

*11:ですよねえ?

*12:つまりモリカケ桜を見る会(税金私物化)、ホワイト国除外(嫌韓国&歴史修正主義)や新型コロナ対応、中東への自衛隊派遣(違憲の疑い濃厚)など「日中友好関係以外の話」では批判すると言うことです。もちろん俺は「デマ屋郎(嘘付き)」「嫌韓国」「歴史捏造主義」「ニッキョーソヤジ」の非常識クズ・安倍には一日も早く下野してほしい、安倍でなければ、石破でも石原でも岸田でも枝野でもマシだと思っています。

*13:安倍政権以外でこうした検定意見の場合でも彼女がそう言えるかはかなり疑問だと思いますが。

*14:なお、今のところ「野党は桜疑惑追及ばかり」とデマを飛ばす産経ですが、さすがにいつまでもそういうわけにいかず最終的には「コロナ問題での野党の安倍政権批判は言いがかりだ」になるのではないか?

*15:勿論この場合の敵とは「野党にとっての安倍政権」と言う意味ですが

*16:こう書く産経ですが、そもそも「現時点でそうしたことについて詳しいことを何一つ述べようとしない」安倍政権だとそうしたことについて今後もまともな案を出さず、野党の国会質問で「休業補償や企業の支援策をまともに考えてるのか!」と安倍政権批判が出て、産経が必死に詭弁で安倍を擁護するという笑えない事態すら危惧されます。

*17:そもそも「コロナ対策予算を入れるべきだ」とする野党の指摘を「コロナ対策については今後考える」として無視し、コロナ対策が入っていない予算を成立させたことについて、産経が何一つ批評しないのも酷い話です。これが野党ならくそみそに罵倒したでしょうに。