常岡浩介に突っ込む(2020年3月9日分)

常岡浩介がリツイート
石田昌隆
 何はともあれ、ソレイマニ殺害を批判して、シリアでの大量殺戮に沈黙している左翼/リベラル系(?)の人は、映画『娘は戦場で生まれた』 http://transformer.co.jp/m/forsama/ を見てほしい。あえて蛇足のひとことを加えるけど、自分がマヌケだったと気づいてほしい。

 やれやれですね。
新刊紹介:「前衛」4月号 - bogus-simotukareのブログでも宮田律氏の意見を「架空質問形式」で紹介しましたが「スレイマニ暗殺批判」は

◆Q
 今回の米軍による革命防衛隊幹部スレイマニ暗殺について「彼は国外でのテロ行為に関与している」とその殺害を正当化する意見が「常岡浩介」など一部に見られます。はてはトランプのイラン核合意破棄まで正当化する意見も一部にありますがどう思いますか?
◆A
 とんでもない暴論だと思いますね。「必殺仕事人・中村主水(テレ朝)」「ザ・ハングマン(テレ朝)」「アクメツ週刊少年チャンピオン)」「外道の歌(ヤングキング)」など娯楽作品の世界なら「法で裁けぬ悪を野放しにするくらいなら非合法でも悪を抹殺して何が悪い」という話もあり得るでしょう。現実世界でそんなことをやったら法治主義が崩壊します。大体「スレイマニを殺して何が悪い」という人はスレイマニのような「イラン軍幹部」以外の政府高官暗殺でも同じ事が言えるのか。
 かつこんなことをして本当に中東の治安維持に役立つのか。むしろ戦争の危機が高まるだけではないのか。
 大体、米国はイスラエルの問題行為(パレスチナ弾圧)も、サウジの「反体制派ジャーナリスト暗殺疑惑」も容認しています。それで米国が正義の味方ぶるなどふざけています。
 ましてや、イラン核合意破棄は「イランに合意違反行為など認められていない」「EU諸国も破棄に反対した」と言う意味で「あえて言えば(というのはスレイマニ暗殺を私は擁護する気がないからですが)」スレイマニ暗殺以上に道理のない行為です。

と言う話です。
 「ブッシュjrのイラク戦争への批判(国際法違反だ)」に対して「フセイン独裁を容認するのか」と反論するような「間抜け」をしているのは常岡と石田の方でしょう。

常岡浩介がリツイート
とみ
「国境を開いて」シリア難民殺到 トルコが開放宣言、対岸のギリシャは拒否:朝日新聞デジタル
”トルコには難民問題で欧州を揺さぶり、シリア政策への支持や支援金を取り付けたい思惑も透ける“
 トルコが揺さぶりをかけているのはその通り。しかし単に金の問題ではない。シリア危機=欧州、国際社会全体の危機として支援、介入せよということではないの?

 トルコが「俺だけがシリア難民の世話をするなんて冗談じゃねえぞ!」「お前らEU諸国も世話しろ!」「それがいやなら、俺たちトルコにそれなりの土産を用意しろ!」と思ってることは確かでしょう。
 しかしそれは「アサド打倒論」常岡と類友が描き出すような

シリア危機=欧州、国際社会全体の危機として支援、介入せよということではないの?

と言うきれい事ではないでしょうね。
 なお、トルコとシリアの軍事衝突(?)|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページイドリブ情勢とエルドアン外交|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページなどで浅井先生が指摘するように
1)できれば欧米の支援でアサド政権を打倒し、その後釜にトルコの息のかかった反政府勢力を据えたい(あくまでもトルコの態度はそう言うもんでシリア民主化云々ではない)が
2)欧米がアサド政権打倒を諦めつつあり、「アサド、イラン、ロシア連合軍」とトルコ一国で対決するような形になりつつある中
3)「アサド政権存続という事態に備えて」ロシアやイランとも首脳外交する(その上で、反体制派を少しでも温存し、アサド政権における政権参加を目指す)
ということでエルドアン政権は「矛盾に直面してる」と見るべきでしょう。
 ロシアやイランと首脳外交するならアサド政権転覆は諦めるべきだ。一方、アサド政権転覆をもくろむならロシアやイランと首脳会談するのはおかしい。
 しかし、「(アサド打倒も、アサド政権存続の上での反体制派の政権参加も)どちらの道も困難」な中、どちらにも踏み切れないで、二正面作戦に陥っているのがエルドアンだという浅井先生の指摘には同感です。

常岡浩介がリツイート
・Ryoji Fujiwara
 かつてのアレッポ東グータ、今のイドリブにおけるシリア反体制派組織を「アルカイダ系」とわざわざ呼ぶ「中東専門家*1」は「アルカイダ系」と呼ぶことによって「だから攻撃されてもいい」と言っている。

 常岡と類友らしいですが、そんなことは誰も言ってないでしょうよ。
 「ヤクザなどの犯罪者集団」相手なら何してもかまわないという人間は普通いない。
 指摘されてることは「アルカイダ系の組織を反アサドと言うだけで、手放しで持ち上げていいのか?」「アルカイダには人権面で問題があるのではないのか?」という疑問提出です。
 そもそも

・「反トランプと言うだけでサンダースを持ち上げるな!。サンダースには問題がある」とサンダース&「彼の支持者」に悪口した
・「イラン革命防衛隊幹部・スレイマニ」をわざわざ「テロリスト」と呼び、あげく「スレイマニはイランの非合法テロに関与していたからぶっ殺してかまわない」と米軍の国際法違反行為を正当化し、米軍批判派に悪口した

常岡が良くもこんなリツイートができたもんです。
 はっきりと

アルカイダ系という指摘は虚偽。アルカイダ系のメンバーなど反体制派には居ない」
アルカイダ系という指摘は虚偽に限りなく近い。アルカイダ系のメンバーは反体制派にはいるが主流派とは言えない」
「確かにアルカイダ系だが信用できるアルカイダ系」
「そもそもアルカイダには何の問題もない」
アルカイダ系だし、その点に不安はあるが、アサド打倒のためには仕方がないんだ」

とか反論すればいいでしょうよ。結局、そう言う反論をしたくない(した場合の、第三者の批判を恐れる?)から「アルカイダ系と指摘する奴らはアサドの攻撃を正当化してる」などという話のすり替えに走るのでしょうが。

*1:具体的に誰のことなのか、はっきり名前を出さない辺りもせこい話です。