今日の産経ニュースほか(2020年3月10日分)

世耕氏、夫婦別姓に賛意 「保守層説得できる」 - 産経ニュース
 1)安倍によって初入閣(第一次安倍内閣首相補佐官(広報担当)、第2次~第3次安倍第1次改造内閣官房副長官を経て、第3次安倍第2次改造~第4次安倍第一次改造内閣経産相)した安倍の子分で
 2)「国際社会が安倍・自民党総裁四選を希望してる」とまで安倍に媚びる男がこれです。

 自民党内では稲田朋美*1幹事長代行が共同代表の議員連盟「女性議員飛躍の会」が、選択的夫婦別姓に関する勉強会を始めた。

とセットで考えると、これは「安倍も自らの極右イメージを多少薄めるために、選択的夫婦別姓程度なら実現してもいい、と思い始めてる(もちろんそう思うきっかけの一つは新型コロナ)」つうことでしょうか。
 野田聖子*2などと違って、世耕は安倍の意向を無視してこういう発言できるタマではないでしょうからね。
 それにしても

保守層説得できる

て。きれいごとではありますが、問題はそういうことではなく「世耕が選択的夫婦別姓をどう思うか」でしょうにねえ。まあ、何があろうと産経や日本会議が「わかりました、夫婦別姓を認めます」になることはないでしょうが。
 それとも「安倍が夫婦別姓するというなら認めよう。改憲のためには仕方がないんだ」「野党はもちろん、自民党内にも安倍に代わる奴はいない。石破元幹事長、石原元幹事長、岸田政調会長じゃ駄目なんだ」「選択的別姓だからやりたい奴がやればいいんだ。俺たちウヨに別姓が強要されるわけじゃない。左翼(?)がそうしたいなら勝手にやらせればいい。俺たちウヨは『今後も同姓にしよう』という運動をすればいいんだ」で容認してしまうのか。


立憲民主・福山幹事長「申し訳なく思う」 地方議員のセクハラ発言 - 産経ニュース
 自分のお膝元である京都市での「市長選での反共デマ広告(京都の立民も関与)」について結局、まともにわびなかった男・福山*3が自分のお膝元でもない「立民の静岡県伊東市議」が「セクハラ暴言吐いて申し訳ない」だそうです。
 いやもちろん「セクハラ暴言吐いていい」わけではないですがあえて言えば「一個人の暴言」より「組織としての行為(それも反共デマ広告)」の方がよほど問題でしょう。しかもあえて言えば、「福山のお膝元である京都市」での不祥事の方が「遠く離れた静岡の出来事」より福山の責任は重いはずです。
 結局「支持層が容認するかどうかだけが手前の判断基準か、福山!*4」「暴言吐かれた女性は立民支持層の重鎮(例:連合幹部)だから無視できないとかそう言う話か、福山!」「手前、身内以外(例えば共産)を軽視し、馬鹿にするのも大概にしろよ!」ですね。だから俺は立民なんか大嫌いだし、評価もしていません。とりあえず「福山を幹事長から更迭しろ」とすら言いたい。

参考

野党共闘を阻む広告への質問にまるで与党議員のような対応!? 京都市長選挙で露呈した立憲民主党幹事長の不誠実さ | ハーバー・ビジネス・オンライン
 京都新聞記者:
京都市長選の門川陣営の広告について先ほど「違和感を覚えた」とおっしゃったが、具体的にどういうところに違和感を覚えたのか? 」
 この質問に対する回答がこれ。
 福山幹事長:
「それ以上でもそれ以下でもないです。(赤信号)
 逆に京都新聞さんがあれを審査で通したことも私は不思議に思っているので逆にそのことを教えて頂きたいぐらいです。(赤信号) 」
 1段落目、直前の回答で幹事長自身が「違和感を覚えた」と言うから、その詳細を尋ねたら、返ってきた答えは「それ以上でもそれ以下でもない」。これは事実上の回答拒否(=赤信号)であり、誠意のかけらも見えない。
 さらに2段落目、以下のような論点のすり替え(=赤信号)を行い、京都新聞に責任転嫁を始める。
【質問】福山幹事長が広告に覚えた違和感
論点のすり替え
【回答】京都新聞が広告を審査で通した経緯
 記者はこの指摘に答えつつ、話題を野党共闘に移していく。
京都新聞記者:
「その点について社内の営業に聞いた話では、選管にもOKをもらっており、会社としてどうこうという話ではないと理解している。で、国政の場での野党共闘において、共産党との関係に亀裂が生じることはありますか?」
 この質問に対する回答。
福山幹事長:
「いや、国会で今、徹底的に戦ってるので、そのことはお互いわかった上で戦っていると思います。(赤信号)」
 以下のような論点のすり替え(=赤信号)を行い、またしても福山幹事長は質問に正面から答えない。
【質問】今後の共産党との協力関係
論点のすり替え
【回答】現在の共産党との協力関係
 結局、福山幹事長は問題の広告については「違和感を覚えた」と語るだけで、その違和感の詳細は決して語らず、野党共闘の影響についても頑なに答えようとはしなかった。国政では野党共闘による安倍政権打倒を掲げながら、地方選挙では自民党と同じ候補を仲良く推薦。挙げ句の果てに「共産党の市長はNO」という野党共闘を完全否定するような新聞広告に対して、「違和感を覚えた」としか回答できない野党第一党の幹事長。
 この日の約35分に及んだ定例記者会見の様子は立憲民主党Youtubeに公開しており、全編を視聴することができる。
 福山幹事長は安倍政権の不祥事やコロナウイルスに関する話題には積極的に答えるものの、本記事で取り上げた京都市長選挙の広告に関する質疑(上記動画の9分45秒頃〜)ではあからさまに歯切れが悪くなる様子が確認できる。さらに皮肉なことに、この会見映像では福山幹事長の背景には立憲民主党が掲げる「まっとうな政治」というスローガンが背景に映り込んでいる。「まっとうな政治」というスローガンを背にして、「まっとうな政治」とかけ離れた記者対応をする福山幹事長。その不誠実さが鮮明になった記者会見であった。


萩生田文科相「コメント控える」 つくる会教科書不合格 - 産経ニュース

 萩生田光一文部科学相は10日の参院文教科学委員会で、来年度に採択される中学校の教科書検定をめぐり「新しい歴史教科書をつくる会」が推進する「新しい歴史教科書」(自由社)が不合格になった問題についての見解を問われ、教科書検定が審査中であることから「個別の申請図書についてのコメントは差し控える」と述べるにとどめた。
 「仮に検定の過程で不正が確認できたら私の責任で次なる手立てができると思う*5」とも語った。日本維新の会松沢成文氏の質問。

 松沢らしいウヨ質問ですがそれはさておき。
 そもそも萩生田の立場なら「検定不合格に問題があるとは思わない」でないとおかしいでしょう。「検定不合格が問題」なら「ならば、不合格を撤回して合格にするのか」「何故こうなったのか真相追究するのか」「もしかしてモリカケのような萩生田大臣の不当な圧力か?」「いずれにせよ、いっそ大臣を引責辞任したらどうか」ということになる。
 しかし当事者でありながら「(検定への不当な政治介入に当たる危険があるので)ノーコメント」で逃げてしまうのだから、「不合格処分は撤回したくないが、公然と不合格処分を擁護してウヨから『裏切り者』と非難されたくない」ということでしょう。
 まあノーコメント自体が「裏切り」だし、それだけで藤岡らつくる会の立場なら非難に値するんですけどね。

 「中華人民共和国共産党政権)成立」との記述の共産党政権の語句に「(ボーガス注:建国時の中国は連立政権なのに、中国共産党の単独政権と)誤解するおそれ」との意見が付くなど政治色をうかがわせるような指摘もあったという。

 これが福田康夫内閣辺りだったら「福田は媚中国だ!。この検定意見は福田の差し金に違いない!。文科官僚や文科相だけの判断のわけがない」「習主席訪日計画と関係があるに違いない!」で福田氏に悪口雑言だろうに安倍なら黙りですから、まあいい度胸です。
 いずれにせよ、この件での産経の態度って明らかにおざなりですよね。どう見ても「育鵬社が合格さえすれば自由社などどうでもいい(でもウヨ連中が『育鵬社さえよければそれでいいのか!』『この不合格の仕掛け人は産経じゃないのか!』とうるさいから、アリバイ作りで適当に不合格決定を批判しておくか)」と思ってることがモロバレです。


「セクハラ告発」女癖の悪さは業界では有名...広瀬すずや藤田ニコルも裏切った - いまトピランキング
長濱ねるは大丈夫?ストライプ社長ハラスメント辞任で欅坂&日向坂ファン懸念 | Asagei Biz-アサ芸ビズ

「セクハラ告発」女癖の悪さは業界では有名...広瀬すずや藤田ニコルも裏切った - いまトピランキング
広瀬すず*6がCMに出演している「アースミュージックエコロジー」など、女性からの絶大な支持を誇るアパレル事業を展開するストライプインターナショナル

長濱ねるは大丈夫?ストライプ社長ハラスメント辞任で欅坂&日向坂ファン懸念 | Asagei Biz-アサ芸ビズ
・若者に人気の服飾ブランド「アースミュージックエコロジー」などを展開するストライプインターナショナル
・欅坂と日向坂はともに同社が手掛けるファッションレンタルサービス「メチャカリ」のイメージキャラクター

だそうですが、まあ小生はそういうことに興味もないおっさんなのでこういう「セクハラで社長&政府審議会委員辞任」なんて報道でもない限り知らない会社でしたね。


ストライプ社長が辞任、「世間を騒がせた」: 日本経済新聞

 辞任理由について同社は「世間を騒がせているため」としている。

 大臣や議員の辞任でも良くある言い訳「世間を騒がせた」がまた登場です。セクハラ告発が事実無根なら社長も政府審議会委員も辞める必要はないでしょう。セクハラ疑惑を報じたマスコミも名誉毀損で提訴すればいい。
 「公職を辞める=事実」以外にどう理解できるのか。
 素直に「人間として許されないことをして反省してる」と自らの非を認めたらどうなのか。しかしいつも思うことですがこの種の性犯罪(セクハラ含む)というのはある意味「病気」ですね。頭がいい、悪いとか、有名人か無名人か、金持ちか貧乏人かは全く関係ないわけです。だから「矢野*7元京大教授(セクハラで事実上、学会から追放)」「植草*8元早稲田大教授(痴漢で大学を懲戒免職)」「福田元財務次官(セクハラで引責辞任)」「柔道の内柴*9(準強姦で事実上、柔道界から追放) 」などいわゆるエリートでもこういう性犯罪行為をやらかす。


橋本氏「許されない」 男女参画議員辞任で - 産経ニュース

 橋本聖子*10男女共同参画担当相は10日の閣議後記者会見で、女性従業員への行動*11が問題となったストライプインターナショナル(岡山市)の石川康*12前社長が男女共同参画会議の議員を辞任したことについて「大変遺憾だ。個別の事案を確認する立場にないが、相手の女性が不快な思いをされたなら決して許されるものではない」と述べた。

 もちろん「女性を管理職に積極的に登用している会社の社長」として男女共同参画会議メンバーにしたら「女性社員へのセクハラの事実が判明」など

暴力団追放運動に警察が起用したタレントがヤクザとズブズブであることが発覚

みたいな話でまったくふざけた話です。橋本も立場上、批判しないわけに行かない。とはいえ、安倍(橋本の上司)の数々の不祥事(モリカケ桜を見る会、山口某のレイプもみ消し疑惑)を考えると「橋本聖子も良く言うわ」感がありますが。

 石川氏は同社の査問会から(ボーガス注:セクハラ疑惑で)厳重注意を受けた後に議員に就任しており、橋本氏は「女性活躍に期待を寄せている国民の期待を裏切らないよう、今後は可能な限りの手段で情報収集して選任したい」との考えを示した。

 おいおいですね。『セクハラで厳重注意を受けた後に「女性活躍、男女平等」関係の審議会委員を引き受ける』とは石川某はどれほど面の皮が厚いのか。


検察官定年延長を一転了承 自民総務会 - 産経ニュース
 安倍の恫喝に結局屈したのか、はたまた最初から「抵抗ポーズにすぎなかった」のかはともかく、自民党議員も「何でも安倍のいいなり」と思われることにはさすがに躊躇を感じてきたのか。


首相、全国一斉休校で与党に陳謝 - 産経ニュース
 「まず説明不足だったと陳謝すべきなのは、現場の教員と保護者、子どもだろ!」ですね。
 残念ながら産経記事を読む限り、陳謝されたという山口公明党代表、二階幹事長らからは「我々よりも先に陳謝すべき相手(現場の教員と保護者、子ども)が居るだろう!」という言葉はなかったようですが。
 というか「与党に説明が足りなかった」て、安倍が一人で勝手に決めたと言うことなのか。


【第662回・特別版】「慰安婦捏造記事裁判」完全勝訴の意義 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 既にネット上でも複数の指摘がありますが「植村*13記事が捏造だという桜井の指摘は事実に反するが、そうした認識をしたことには『(現在はともかく)指摘当時において』過失はなかった」というのが判決なので「完全勝訴」などでは全くありません。むしろ「植村氏が捏造したかどうか」という部分では桜井は敗北しています。まあ、西岡、桜井らはデマ屋なのでこうした文章はもちろん「故意によるデマの垂れ流し」ですが。


【産経抄】3月10日 - 産経ニュース

「中国が発生源なのに、SARSでは元凶がどこなのかわからない。『中国肺炎』とすべきだ」。
 (ボーガス注:サーズ流行当時)与党・民進党の蔡同栄・立法委員は、改名を訴えていた。

 こんなんは単に非常識極まりないアンチ中国ですよね。当時の中国政府(胡錦濤政権)にまったく責任がないとは言わないし、中国政府に対する一定の責任追及はされるべきかもしれない。しかしそれはこういう「中国以外は安全という誤解」「中国差別」を助長するような形ですべきことではない(もちろん中国政府の責任追及ならともかく、予防や治療という意味では中国肺炎呼ばわりに何の意味もないことは言うまでもありません)。

 WHOが決めた新型コロナウイルスの正式な名称は、「COVID19」である。やはりコロナウイルスによる感染症に、中東呼吸器症候群(MERS)の名がつけられたとき、中東諸国の反発を招いた。以来、感染症の名称に地名が用いられることはなくなった。
▼にもかかわらず、マイク・ポンペオ米国務長官は、記者会見などで、「武漢ウイルス」や「武漢コロナウイルス」との呼び名を使い続けている。

 ポンペオの行為は問題行為ですね。これは中国政府が反発するように「米国での新型コロナ蔓延について米国の防疫体制の不備をチャラにするために中国に不当に責任転嫁している」と疑われても文句は言えないでしょう。

▼確かに、新型コロナウイルスを押さえ込むために、各国は足並みをそろえて英知を結集しなければならない。だからといって、発生源をあいまいにして被害者を装う、中国の欺瞞(ぎまん)が許されるわけではない。

 言い訳しながらも、結局、新型コロナを中国攻撃のネタにすることは辞めない反中国・産経です。


【主張】東京大空襲75年 追悼と備えの心を新たに - 産経ニュース

 犠牲者の無念と戦中世代*14の血のにじむ歩みを思うとき、戦後世代は、よい日本になし得たと胸を張れるだろうか。いささか忸怩(じくじ)たる思いを抱かざるを得ない。

 産経への皮肉でも嫌みでもなくまじで

・そうですね、安倍晋三*15のような「モリカケ疑惑」「桜を見る会疑惑」「検事長定年延長(法解釈を変更したと強弁したあげく、公文書はつくらず口頭で決裁したとあり得ないデマ発言)」などというクズ政治家が、7年を超える長期政権(2012年12月以降)とか恥ずかしいことこの上ないですね。これが「高度経済成長」池田勇人*16や「日韓国交正常化、沖縄返還佐藤栄作*17ならまだ我慢もできますが。

と思います。
 まさに安倍政権を容認する現在の日本社会は社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない、こういったことが通用しないと本当に迷惑だしどうしようもない(2) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)ですが、もちろん産経の主張はそう言う話ではありません。

 北朝鮮は9日も弾道ミサイルを発射した。北朝鮮がミサイルを相次いで発射していた平成29年、政府は避難訓練の実施を都道府県に要請し、実際に訓練が行われた。今は緊張感が欠けている。
 日米同盟を基軸とするとしても、自分の国はまず自分で守るという原則を確認したい。75年前の犠牲者に改めて誓うべきは、そのことであろう。

 北朝鮮のミサイル発射より「新型コロナの方が深刻と認識」されてるから、そうなるだけで、それが間違いだとは俺が思いません。避難訓練だって「本当にミサイルが日本めがけて発射されたら、すぐに到着する→避難できるとは思えない」ので「やるだけ無駄」と思います。しかしそれはともかく。
 「やれやれ」ですね。
 東京大空襲とは「日本が侵略されて起こった戦争ではない」。
 日本が無謀にも「米国に攻撃を仕掛けて起こった戦争」です。戦前に置いてすら「軍事大国・米国に勝てるか分からない。リスキーすぎる」「外交決着すべきだ」という意見も強かったところ「ドイツが英国とソ連を降伏させれば、米国の同盟国は欧州にいなくなる」「長期戦争に持ち込めば、『日露戦争での帝政ロシア(まあ、太平洋戦争後ですが『ベトナム戦争での米国』『アフガン戦争でのソ連』でも可)』のように米国に厭戦気分が広がり、引き分けに近い勝利に持ち込める可能性が十分ある」「多額の戦費と人命を無駄にしたのにハルノートを受諾して今更中国から撤退なんかできるか!」で日本は開戦しました。
 「ドイツが欧州を征服すれば」「長期戦に持ち込んで米国に厭戦気分が広がれば」という楽観的な「たられば」で戦争とは無謀の極みでしょう(さすがに対米開戦派も日本の独力だけで、米国を倒せるとか、米国本土上陸作戦で首都ワシントンを陥落させるとかそこまで脳天気ではありません)。
 「日本に中国が攻撃されて起こった日中戦争」や「日本に真珠湾を攻撃されて起こった太平洋戦争」で中国や米国が「あのような侵略をされても反撃できる体制作りが必要だ」「そもそもあのような侵略を相手がためらうだけの軍事力が必要だ」という結論を出すならともかく、なんで「ハルノートを受諾すればやらなくてもいい戦争」を始めた日本が「自分の国はまず自分で守るという原則を確認したい」なのか。
 「自分の国はまず自分で守るという原則」が「米国の内政干渉は許さない!。中国からは撤退しない!。」という間違った形で実行されたのが太平洋戦争でしょうに。
 そして日本はミッドウェー海戦(1942年6月)で敗北して以降は、もはや緒戦の快進撃を続けることができず米国への敗北を繰り返していきます。
 一方、日本の「頼みの綱だったドイツ」もスターリングラードの戦い(1943年2月)で敗北してからはもはや「日本の敗戦は不可避」でした。
 スターリングラードの戦いの決着が完全につく直前にルーズベルト米国大統領とチャーチル英国首相は会談(いわゆるカサブランカ会談、1943年1月)していますが、この時点で枢軸国の敗戦を確信した彼らは「枢軸国に無条件降伏を要求する方針」を決定しています。繰り返しますが、既に1943年2月の時点でもはや「日本の敗戦は不可避」でした。
 特に「1944年7月にサイパンが陥落*18し、日本に空襲が頻繁に来る」ようになってからは、東京大空襲のような悲劇はいつあってもおかしくない状況でした。何せ日本は制空権を米国に奪われてますので。
 にもかかわらずカサブランカ会談(1943年1月末)の時点から約2年半、サイパン陥落(1944年7月)から約1年も「国体護持(天皇制維持)を連合国が事前確約しない限り降伏できない」として保身のために「降伏を先送り」して「東京大空襲」など国民の犠牲を増やしたのが昭和天皇以下当時の支配層です。
 1944年7月のサイパン陥落時点で昭和天皇が降伏してれば、東京大空襲(1945年3月)も沖縄戦(1945年4~6月)も広島、長崎原爆投下(1945年8月)もなかった。
 そしてこれだけの悲劇を国民にもたらしながら昭和天皇は退位もしませんでした。そして戦後も国家元首気取りで「沖縄メッセージ」などの「憲法違反の政治的発言」を平気でする。
 東京大空襲の教訓、それは産経が言うような「軍備の重要性」ではなく「外交の重要性」「正しい現実認識の重要性(米国に勝てるという間違った認識で亡国)」、そして「無能で無責任なクズ(この場合、米国に勝てると間違った認識をして国民の大量の戦死を招いたあげく、戦後も退位せず、その上、戦後も国家元首気取りだった昭和天皇)が政権トップだと国民は酷い目に遭う。常日頃の政権監視、政権批判が必要」ということでしょう。
 戦前日本は「米国に比べれば軍事小国」とはいえ、、侵略を受けない程度のそれなりの軍事力は有していました。
 「米国相手に戦争」なんて無謀なことさえしなければ、東京大空襲はなかった。むしろ「軍備がそれなりにあること」が過信を招き、無謀な戦争を実行させたので「正しい現実認識能力」がない状況で軍備拡大に力を入れたらかえって「軍備による過信→再度の亡国」になりかねません。

*1:第二次安倍内閣行革相、自民党政調会長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣防衛相を歴任

*2:小渕内閣郵政相、福田、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)、第四次安倍内閣総務相など歴任

*3:鳩山内閣外務副大臣菅内閣官房副長官民主党政調会長(海江田代表時代)などを経て立憲民主党幹事長

*4:あの反共広告を容認する立民支持層には正直怒りや軽蔑といった負の感情しかありません。

*5:まあリップサービスでしょうね。どう見てもモリカケ桜を見る会と同じ構図(安倍や萩生田が命令ないし容認)でしかないですからね。

*6:1998年生まれ。2016年に日本アカデミー賞において『ちはやふる:上の句』で優秀主演女優賞、『怒り』で優秀助演女優賞をダブル受賞。2019年度前期放送のNHK連続テレビ小説なつぞら』で主演(ウィキペディア広瀬すず』参照)

*7:著書『「南進」の系譜』(1975年、中公新書)、『日本の南洋史観』(1979年、中公新書)、『南北問題の政治学』(1982年、中公新書)など

*8:著書『金利・為替・株価の政治経済学』(1992年、岩波書店)、『現代日本経済政策論』(2001年、岩波書店)など

*9:男子柔道66kg級アテネ北京五輪金メダル

*10:アルベールビル冬季五輪スピードスケート女子1500m銅メダル。元・日本スケート連盟会長

*11:セクハラのようですが「セクハラ」とはっきり産経が書かないのは安倍への忖度でしょうか。はたまた大企業(?)ストライプ社への忖度か。

*12:1994年(平成6年)にクロスカンパニー(現ストライプインターナショナル)を創業(ウィキペディア石川康晴」参照)。

*13:著書『真実:私は「捏造記者」ではない』(2016年、岩波書店

*14:そもそも今の日本については「戦中世代」にも責任があるので、一方的に戦後世代が非難される話では全くありません。歴代首相も「安倍晋三(1954年生まれ)」「鳩山由紀夫(1947年生まれ)」「菅直人(1946年生まれ)」「野田佳彦(1957年生まれ)」を除けば皆「1945年以前に生まれている戦中世代」です。二階幹事長(1939年生まれ)など今の与党幹部にも戦中世代はいます。

*15:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*16:大蔵次官から政界入り。自由党政調会長(吉田総裁時代)、吉田内閣蔵相、通産相、石橋内閣蔵相、岸内閣蔵相、通産相などを経て首相

*17:運輸次官から政界入り。自由党幹事長(吉田総裁時代)、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*18:サイパン陥落後、「もはや終戦工作が必要だが主戦派の東条が首相では工作ができない」として木戸内大臣や岡田元首相(元海軍大臣)、近衛元首相ら重臣たちによる「東条おろし」が起こり東条内閣は政権崩壊に追い込まれます。