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現時点で終息の見込みなど全く見えないでしょう。そもそも今後の状況によっては「安倍の首相辞任→石破、石原、岸田などが後継首相」の可能性もゼロではないのに、なんでこういうことを言い出すのかと全く唖然とします。そもそも早期終息の見込みがないからこそ五輪も一年延期したし、悲観的な見方をする人間の中には「1年延期で大丈夫か分からない。再度の延期や場合によって中止すらあり得るかもしれない」という声もあるわけです。
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こうした倒産劇が今後も危惧されるのにいつまで経っても、安倍自民はろくな経済政策を打たないのだから心底、絶望的な気持ちになります。
よりによってこんな時に、と思わないでもない。全世界で急拡大が続く新型コロナウイルスだけでも手いっぱいだというのに、富士山の心配まで加わるとは。政府の中央防災会議作業部会が、先月末に公表した報告書のことである。
富士山といえば子供の頃、休火山と教わったが、現在ではその言葉は使われなくなった。
昔は休火山どころか「死火山」と言われていました。今は「死火山」と言う言葉自体が「火山活動が全くなく、災害の危険性もゼロであるかのように誤解される」として、使われなくなって「休火山」ですが。
報告書の試算では、大規模な噴火により、約3時間で首都圏の広範囲に火山灰が積もり、大部分の鉄道がマヒする。除去が必要となる火山灰は、東日本大震災で出た災害廃棄物の10倍に達する。
▼作業部会は、江戸時代の中頃の1707年に起きた「宝永噴火」の規模を想定している。
▼噴火自体は16日ほどで収まり、直接の死者が出たとの記録はない。もっともふもとの村の住民にとって悪夢の日々の始まりだった。麦の作付けを終えたばかりの畑は火山灰で埋め尽くされた。その高さは約2メートルにもなり、飢餓の危機が迫っていた。
歴史学者の永原慶二さん*1の『富士山宝永大爆発*2』によれば、幕府も手をこまねいていたわけではないが、失策だらけだった。たとえば、復興資金として全国から48万両も集めながら地元に下付されたのは6千両余りにすぎない。
「百姓たちは結局自分たちの力でそれに立ち向かってゆくしかなかった」。
▼コロナウイルスとの闘いでも、日本人一人一人の底力が試されている。だからといって、行政の怠慢が許されるというわけでは、もちろんない。
仮に今富士山が噴火したら、「コロナだけでもドタバタ」の安倍政権にはまともな対策などとれないであろうことは自信を持って断言できます。
*1:一橋大学名誉教授。著書『新・木綿以前のこと:苧麻から木綿へ』(1990年、中公新書)、『室町戦国の社会』(1992年、吉川弘文館)、『中世動乱期に生きる:一揆・商人・侍・大名』(1996年、新日本出版社)、『「自由主義史観」批判:自国史認識について考える』(2000年、岩波ブックレット)、『戦国期の政治経済構造』(1997年、岩波書店)、『戦国時代』(2000年、小学館ライブラリー→2019年、講談社学術文庫) 、『歴史教科書をどうつくるか』(2001年、岩波書店)、『20世紀日本の歴史学』(2003年、吉川弘文館)、『苧麻・絹・木綿の社会史』(2004年、吉川弘文館)、『下克上の時代』(2005年、中公文庫)など