今日の産経ニュースほか(2020年4月10日分)

与党、緊急事態の改憲議論に意欲 野党は後ろ向き(1/2ページ) - 産経ニュース
 ネット上でも指摘がありますが休業補償もしないで「営業自粛を求めること」自体がおかしい。
 そのあげく、営業自粛が思うように進まないと「緊急事態条項ガー」とは呆れて二の句が継げません。本気でコロナ問題を解決する気があるのか。


萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年3月27日):文部科学省

記者)
教科書検定について、一点質問させていただきます。先般の教科書検定の結果ですね、従軍慰安婦という言葉が登場いたしましたけれども、この言葉を巡ってはご承知のとおり様々な議論がありまして、中学校の教科書では使われなくなったという経緯があります。これが復活したことについて、大臣のご所見等お願いいたします。
大臣)
 今回、初めて中学校の歴史教科書として申請がなされた図書において「いわゆる従軍慰安婦」との記述があり、当該記述については、教科用図書検定調査審議会の学術的、専門的な調査・審議の結果、検定意見は付されなかったところです。これは、あくまでも審議会の審議の結果ですが、申請図書には「いわゆる従軍慰安婦」とされており、この表記は平成5年の河野官房長官談話においても使用されていることから、検定において意見を付すことにはならなかったと承知をしております。

 予想の範囲内ですが「河野談話慰安婦という言葉が使用されてるので検定意見がつかなかったと認識している」とは、萩生田の応対も素っ気ないもんです。これでどこが「文科官僚のクーデター(【正論】つくる会狙い撃ちの「不正検定」 教育研究者・藤岡信勝 - 産経ニュース)」なのか。

【参考:河野談話での「慰安婦」の使用】

慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話
・いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。
・今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。
慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。
・なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
・政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。


【正論】つくる会狙い撃ちの「不正検定」 教育研究者・藤岡信勝 - 産経ニュース*1
 「藤岡*2一味も哀れだな」というのが率直な感想です。
1)育鵬社が合格
2)藤岡らが「文科省の発表前」に不合格通知をされたと発表したのが2月中、不合格を文科省が正式に発表したのは3月中なのに、藤岡のこの記事が掲載されたのは4月という冷たい扱い(しかも、緊急事態宣言が騒がれてるので明らかに藤岡への世間の注目が低い)
からは「育鵬社をアシストするための自由社つくる会)不合格」であり、「露骨に掲載拒否するわけにも行かない」が藤岡らを産経が応援する気がまるでないからこそ「4月になって掲載した」と言うのは明白です。
 おそらくこれが育鵬社不合格なら3月中に産経にこの記事が掲載されていたでしょう。
 しかし藤岡らは「3月中に載せろ」と要求できず、4月になってしまい、それでも「ありがとう産経」なんですから、産経も「藤岡一味も本当にバカだな」「そのうち、自由社教科書を諦めて、『育鵬社教科書に参加させて下さい』と頭を下げてくるんじゃないか」とあざ笑ってることでしょう。

 指摘された内容をみると、前回合格した記述が今回は不合格*3にされたほか、他社の教科書*4では合格しているのに、自由社であるが故に欠陥箇所とされたものが多数判明した。

 それが事実なら、それこそ早急に「検定不合格取り消し」を求める行政訴訟を起こすべきでしょう。「他社の教科書では、自由社とほとんど同じ記述が合格」の「他社の教科書」が「育鵬社」なら「ほぼ確実に育鵬社をアシストするための自由社潰し」であり、藤岡らつくる会一味は行政訴訟をおこすと共に「育鵬社日本教育再生機構*5八木秀次*6一味)&フジサンケイグループ育鵬社の親会社)」「安倍自民」に「お前らの不正を許さない!」と宣戦布告すべきでしょうに、哀れで無様なもんです。

 個人*7の恣意に生殺与奪の権力を付与する「一発不合格」制度は憲法の禁ずる検閲である。また、国家公務員が特定の教科書会社を差別的に扱うことは、憲法第15条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という規定に明白に違反する。

 「学び舎」が一発不合格なら絶対にこんなことは言ってなかったでしょう。藤岡らつくる会のデタラメさにはいつもながら呆れますが、それはともかく。
  確かに「一発不合格」は恣意的運用の危険性があるので、止めた方がいいかもしれない。

 産経新聞の報道によれば、合格した教科書には「従軍慰安婦」という言葉が復活し、南京事件についての中国人の怪しげな、毒々しい証言が長々と引用され、沖縄戦は「捨て石」だったと記述された。これらがすべて検定意見を付けられることなくノーマークで通ったのである。
 深刻な問題は、このことがほかならぬ安倍政権のもとで起こったことである。
 今回の自由社不合格と「従軍慰安婦」復活は、歴史教育の改善に取り組んできた安倍政権へのあてこすりであり、文科官僚の反政権クーデターである。中国の習近平*8国家主席国賓招待や武漢肺炎*9への対処*10に表れた安倍政権の対中姿勢が最大限利用され、つけ込まれている。
 安倍政権はこのクーデターを適切に鎮圧するのか、それとも官僚のいいなりになってクーデター勢力に加担するのか、瀬戸際だ。
 関係者からの事情聴取を必ず行っていただきたい。もし、安倍政権が今回の教科書検定結果をこのまま容認するならば、安倍政権の掲げた理念の死を意味することは疑いがない。

 太字強調は俺がしました。藤岡のデマカセぶりには呆れて二の句が継げませんね。以前も書きましたが、「モリカケ財務省)、桜を見る会内閣府)、検事長定年延長問題(法務省)」「裁判沙汰になってる映画『宮本から君へ』の補助金不支給(文科省)」などでの安倍の無茶苦茶ぶりを見れば、「安倍が本気で自由社を合格させたい、慰安婦という言葉も教科書から排除したい」と思えばそうしたでしょう。そしてそれに文科官僚もとても抵抗など出来なかったでしょう。
 思惑が何でアレ、安倍はそうしなかったわけです。
 以前も書きましたが、これが

・細川*11、羽田*12、村山*13、鳩山*14、菅*15、野田*16首相といった非自民首相(村山氏は自社さ連立、羽田、鳩山氏は自民出身ですが)
自民党総裁の首相でも「河野*17官房長官談話」「天皇訪中」で敵視してる宮沢*18首相

といった首相ならためらいなく「文科官僚の上には首相がいる。首相の意向に反することを官僚が出来るわけがない」として首相に悪口雑言でしょう。
 ところが安倍*19相手には「安倍首相がつくる会を裏切るわけがない。これは文科官僚の反逆だ」などと「藤岡らですら本心では信じてないデマ」を吐いて、「文科官僚は攻撃しても安倍は攻撃できない」のだから無様です。
 そもそも藤岡が「安倍への反逆」などという言葉を自分ですら信じてないのは

中国の習近平国家主席国賓招待や武漢肺炎への対処に表れた安倍政権の対中姿勢が最大限利用され、つけ込まれている。

という記述でモロバレです。「安倍が中国にへいこらするために、教科書検定で俺たちを裏切った」と思ってるからこういう記述が出てくる。
 以前

今日の産経ニュース&中国ニュース(2020年3月2日分)(副題:正義の勝利!。祝・つくる会歴史教科書が検定不合格) - bogus-simotukareのブログ

【第659回】教科書検定の透明性を高めよ « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
◆主観的な文科省検定意見
 生徒が理解し難い、又は誤解するおそれといふ極めて主観的な検定意見が大半を占める。しかもその多くは、一般人にとつてはどうしてなのか理解し難いものである。
 2例*20だけ上げる。年表の中の「1949年中華人民共和国共産党政権)成立」の記述中、「共産党政権」について、中華人民共和国は連合政権であるから、生徒が誤解するおそれがあるとされた(中国は実質的な共産党政権ではないのか)。
 天安門事件についてのコラムで、ワイシャツ姿の若者が戦車の前に立つて進路を妨害してゐる有名な写真を掲げ、「民主化運動を弾圧するために出動した中国人民解放軍の戦車に立ち向かう学生」の記述について、「写真の人物の性格について断定的に過ぎる」から生徒が誤解するおそれがあるといふのである。

 天安門事件の写真で検定意見とは「びっくり、びっくり」ですね。例の「建国当時の中国は連合政権(例えば
つくる会教科書 検定不合格。しかし「中華人民共和国」はどう見ても「中国共産党政権」だと思う | 三浦小太郎BLOG Blue Moon参照)」といい、意外な検定意見です。「中国ビジネス」という経済的利益を重視して、「2018年5月に訪日した李克強*21首相を大歓迎する」など「近年、露骨に親中国にシフトしているとは言え」、まさか「極右・反中国」だった安倍政権でそんな検定意見がついて、つくる会が「中国に媚びてる!」と発狂するとは思ってもみませんでした。できれば「朝鮮学校」に対してもそうした友好的な姿勢を安倍に示してほしいところです(つくる会右翼にとってこうした「中国に媚びてる」としか彼らには思えない検定意見がどうやら一番腹立たしいようです。つくる会連中の悪口する検定意見はこのところ、中国関係ばかりです。)
 まあ、こんなことでつくる会会長・高池が嘘をつくとも思えないので「天安門事件の写真で検定意見」は事実なのでしょうが。
 とはいえ、例の通称「タンクマン」の正体は未だに不明*22なので「軍に対決する学生」と決めつけるのは「写真の人物の性格について断定的に過ぎる(学生じゃなくてサラリーマンかもしれない、など)」は決して間違った意見ではありません。
もしこの「俺の邪推」が正しいなら、安倍も「反中国」から「親中国」へ随分と変わったもんです。まさに経済のほうが政治よりよっぽど現実(実状)に正直だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)です。
 id:Mukke風に言えば「安倍政権(日本政府)はノルウェー政府と同様に霞を食うことはできなかった」のでしょう(id:Mukkeへの皮肉のつもり)。「習主席を国賓として招く」など、日本の国益のために、日中友好に尽力する安倍政権を「その限りにおいては*23」評価したいと思います。
 そしてそんな安倍に「安倍の野郎、中国に媚びやがって」とつくる会の怒りも相当なもんでしょう。
 しかしこういう検定意見にはやはり阿部治平、I濱Y子・早稲田大学教授、そしてMukkeなど「反中国・ダライラマ盲従分子」も「安倍の野郎許せねえ!」「タンクマンを馬鹿にしてる!」と憤激するんでしょうか?
 「安倍さんのおかげでイリハム・トフティさんが釈放された」と主張したM谷N子・明治大准教授にも「ねえ、この検定意見に今、どんな気持ち、ねえ、今どんな気持ち?」「やっぱ、天安門事件の学生を、タンクマンを馬鹿にしてるとかいってぶち切れちゃうの?」「そろそろ、こんな検定意見を容認する安倍は許せないとか言うの、ねえ、言うの?」「それとも『安倍さんに関係なく文科官僚が勝手にやったこと!』『そもそもつくる会発表が事実か分からない』『別にこの検定意見は中国に媚びてない!。何の問題もない!*24』などといって安倍をかばうの?」と聞きたいところです。ええ、俺はそう言う性格のゆがんだ男です。
 それはともかく、やはり「日中友好は大事なんです、中国ビジネスなしでは日本経済はやっていけないんですby安倍」「習主席が4月に訪問する前*25に彼を少しでも喜ばせたいんです。それが日本のおもてなしby安倍」ということでしょうか。

と書きましたが、藤岡らつくる会も「建国時の中国は連立政権(中国共産党単独政権ではない)」「いわゆるタンクマンの正体は不明」というこうした検定意見を「安倍が中国に媚びてることの反映」と見なしてるのでしょう。
 また藤岡が「不合格は安倍の意向に反する」と思うのなら

 安倍政権はこのクーデターを適切に鎮圧するのか、それとも官僚のいいなりになってクーデター勢力に加担するのか、瀬戸際だ。
 関係者からの事情聴取を必ず行っていただきたい。もし、安倍政権が今回の教科書検定結果をこのまま容認するならば、安倍政権の掲げた理念の死を意味することは疑いがない。

なんて言葉も出てくるわけがない。「不合格は安倍の意向に反する」のなら「容認」「加担」するわけがない。「安倍は多分、不合格を容認し続け、つくる会を裏切り続けるだろう」と藤岡が思ってるからこそこういう泣き言が出てくる。
 まあ、藤岡の言葉をパクれば、安倍は「クーデター勢力に加担し容認する」でしょうねえ。そもそも未だに安倍が藤岡らの元へ挨拶に行き「あなた方の要望には誠実に対応します。この不合格はおかしい」などと言わない時点で「勝負あった」と言う話です。 

*1:「教育研究者」ねえ。「元東大教授」「元拓殖大教授」と名乗らない理由が謎です。

*2:新しい歴史教科書をつくる会」副会長。著書『自由主義史観とは何か』(1997年、PHP文庫)、『「自虐史観」の病理』(2000年、文春文庫)、『汚辱の近現代史』(2001年、徳間文庫)、『教科書採択の真相:かくして歴史は歪められる』(2005年、PHP新書)、『国難の日本史』(2015年、ビジネス社)、『教科書抹殺:文科省は「つくる会」の教科書をこうして葬った』(2020年4月刊行予定、飛鳥新社)など

*3:もちろん「研究の進展で事情が変わった」と言う可能性もゼロではないでしょうが。

*4:育鵬社のことでしょうかね?

*5:育鵬社教科書の製作団体

*6:安倍政権の審議会「教育再生実行会議」委員で、右翼結社「日本教育再生機構」理事長、産経新聞正論メンバー、元『フジテレビ番組審議委員』、ウヨ大学「麗澤大教授」というプロ右翼活動家。

*7:この場合は教科書調査官のことですが、彼らの判断はもちろん文科相の決裁を得ていますので「彼らの恣意」とまでは言えません。

*8:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家副主席、党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*9:COVID19(新型コロナウイルス)という正式名称を使わず、中国への誹謗に走る藤岡にはいつもながら呆れます。

*10:安倍の「新型コロナへの対応」の何が「中国に媚びてる」と思うのか、藤岡ははっきり書けよ、と言う話です。おそらく安倍が「中国人観光客激減による日本観光業へのダメージ」を恐れ、藤岡ら反中国極右の「中国人観光客など日本に入れるな」という主張を当初、無視し続けたことでしょうが。

*11:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*12:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、細川内閣副総理・外相を経て首相

*13:社会党国対委員長、委員長を経て首相

*14:新党さきがけ代表幹事、細川内閣官房副長官民主党幹事長などを経て首相

*15:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*16:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相、首相、民進党幹事長(蓮舫代表時代)を歴任

*17:新自由クラブ代表、中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官自民党総裁、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長など歴任。現在、日本国際貿易促進協会会長

*18:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*19:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*20:2例とも中国がらみという辺り、つくる会のウヨ連中がいかに中国を敵視してるかよく分かります。

*21:共青団中央書記処第一書記、河南省長、党委員会書記、遼寧省党委員会書記、副首相などを経て首相(中国共産党中央政治局常務委員兼務)

*22:ですよねえ?

*23:つまりモリカケ桜を見る会(税金私物化)、ホワイト国除外(嫌韓国&歴史修正主義)や新型コロナ対応、中東への自衛隊派遣(違憲の疑い濃厚)など「日中友好関係以外の話」では批判すると言うことです。もちろん俺は「デマ屋郎(嘘付き)」「嫌韓国」「歴史捏造主義」「ニッキョーソヤジ」の非常識クズ・安倍には一日も早く下野してほしい、安倍でなければ、石破でも石原でも岸田でも枝野でもマシだと思っています。

*24:安倍政権以外でこうした検定意見の場合でも彼女がそう言えるかはかなり疑問だと思いますが。

*25:ただしその後、習主席の訪日が延期されたことはご存じの通りです。