黒井文太郎に突っ込む(2020年4月12日分)(追記あり)

黒井文太郎がリツイート
◆峰宗太郎がリツイート
 では、どうすればそれを実現できるか建設的・具体的な案をぜひ進言していただきたいですね。(ボーガス注:政府有識者会議が示した)モデルからは人との接触を8割減らさないと感染が広がり続ける、ということは出ているわけです。他の対策がない以上、これを実現すべく皆で協力するべきではないでしょうか。
米山隆一*1
 皆さん「8割減」で「頑張ろう!」ってなってますけど、これ壮大なインパール*2ですよ。そりゃきちんと戦略も装備もあって進むならいいですけど、「8割減」という目標だけあってそれを実現する具体策もロジスティクスもない。こんなの戦略とはいえません。

 黒井とお仲間って本当にバカなんだなと心底呆れますね。そこまでして安倍政権を(そして西浦・北大教授など、政府有識者会議メンバーを?)擁護しないといけない動機でもあるのか。
 「建設的・具体的な案」を提言するのは政府の仕事でしょうよ。 
 一市民にすぎない米山氏の仕事ではない。
 そもそも米山氏は「8割削減など無意味」と言ってるわけではない。
 「仮に8割削減が必要だとしても(7割削減などより低い目標値では駄目だとしても)」、「どうすれば8割削減できるのか」政府が具体策を示さなければ
1)「8割削減するためには、外出を控えなければ。『私以外の人間があまり外出を減らさない可能性』『私が「8割減らした」と主観的には思ってるけど実は客観的には6割程度しか減ってない可能性』などを考えたら可能な限りどんどん減らさないといけない」となって真面目(?)な人間は必要な外出まで控えて不要なストレスを産む危険性がある
2)逆に不真面目な人間は「8割減らすって言うけどどうしたらそこまで減るのか、政府は何の具体策も提示しないじゃん。俺が外出を控えたって、他の人間が減らさなきゃ減る保証がないんだから出かけるよ」と無神経に出かけてしまう
3)2)の人間が多数いて、8割減が失敗した場合、政府への信用が落ちて、今後のコロナ対策が実行しづらくなる
などの問題が想定されるからこそ「8割減らすための具体案が示されないのなら8割減らそうと言っても全く無意味で、9割減らそうと言おうが、7割減らそうと言おうが、ほとんど、どうでもいい話になる。だったら最初からそんな数値目標は上げずにただ外出を控えて下さい、でいい話だ」「だから8割削減というならそのための具体案を提示すべきだ」としているだけです。俺も全く同感ですし、米山氏や俺でなくても考えることでしょう。
 そこで「こういう8割減の具体案を政府は言っています!。あなたが知らないだけです、米山さん!」「政府は言っていませんが私はこうすればいいと思います!」などといえず「因縁つけてないでお前も考えろ、米山!」と逆ギレする辺りが本当に黒井とお仲間は無様です。
 むしろこんなことを言って安倍をかばう黒井やお仲間こそが「僕が考える8割減の方策」を提示すべきでしょうに。
 米山氏も「ああ、俺に逆ギレするなんてこいつら痛いところをつかれて逆上してるんだな。しかもその逆上を恥知らずにも俺にぶつけるなんて本当にクズだな」「コロナ予防より安倍政権や西浦教授を擁護することの方が大事なのかしら?」と心底呆れたことでしょう。

米山隆一
 (ボーガス注:8割削減の)具体策は私にではなく、立案者の西浦氏*3と政府に求めて下さい。その具体策を西浦氏も政府も言わずに「8割削減」と言っているのが極めて無責任です。

という米山氏の主張には全く同感です。

【参考:西浦氏の『8割削減論』】

専門家 “人との接触8割減でダメージ最小限に” 新型コロナ | NHKニュース
 「緊急事態宣言」に当たって人との接触を8割減らす取り組みについて、根拠となるシミュレーションを行った厚生労働省クラスター対策班のメンバーで北海道大学の西浦博教授は、「接触を8割減らすことで、対策が長引くことを避け、社会や経済へのダメージを最小限に抑えることができると考えてほしい」と呼びかけています。
 西浦教授は「8割を減らすというのは、これまで10人に会っていたとしたら、8人とは会わないようにするということだ。すでに感染リスクが高いことが分かっている夜の接待飲食の店や飲み会で使う居酒屋、ライブハウスやスポーツジムなどでの接触は、100%に近い形で減らしてもらいたい」と話しました。
 そして、「働き方についても、すぐに8割を減らすことができなくても、リモートワークを徹底的に進めるなどして今週中には4割、来週は6割といったように段階的に減らしてほしい。リモートワークが難しい中小企業などでも、分散出勤などの工夫をしてもらいたい。一人一人の取り組みでは限界があり、会社を運営する立場の人たちに行動をしてもらい、抜本的に変える必要がある」と話しました。

 まあ、「居酒屋、ライブハウスやスポーツジムは、100%止めて欲しい(内容的にわかりやすいし、休業補償がなければ営業中止に躊躇する居酒屋などの業者側はともかく、利用者側は『生活に絶対必要なこと』ではないので利用を止めることが比較的容易)」など一部を除けば、西浦発言はほとんど「リモートワークや分散出勤を進めて欲しい」など、抽象論でしかないですね。
 「リモートワーク」だ、「分散出勤」だ、なんてそう簡単にできる話ではない。よほど、「具体的なシナリオ」でも政府が作成しない限り、民間企業は進んでそんなことしないでしょう。
 結局「安倍政権が力づくで強制的にやらせることが可能」な政府機関(省庁や特殊法人など)でそうしたことがされる程度のことにしかならないんじゃないか。はっきり言って西浦氏は無責任だと思いますね。ご本人のツイートを見てると「主観的には誠実なつもり」のようですが。

◆西浦博がツイート
 仕事なので前を向きますが。昨日の「西浦が2週様子を見てから休業補償」と言ったという田崎=西村ラインの嘘話(さて誰が本当の謀略者でしょう)、本日の「厳密には6割だけど」という決した自分が発していないタイトル、など罠だらけの中で僕たちは生きています。

 「2週間の休業要請見送り」で田崎史郎と西村大臣がデマ!根拠にされた西浦教授が「田崎=西村ラインの嘘話」「休業はすぐに」|LITERA/リテラによれば、西村とは「西村コロナ問題担当相(経済財政担当相)」、田崎とは「スシロー(安倍の寿司接待を愛好するおべっか野郎の意味)」の異名を持つ田崎史郎のことだそうです。
 それにしても、「西村大臣に言ってもいないことを言ったと言われた。私は2週間様子を見てから休業補償なんて一言も言ってない。政府が今休業補償をしない理由を私は知らないが、少なくともその理由は私の発言ではない。デマ話で責任転嫁しないで欲しい(俺の要約)」とは驚きですね。
 仮にも政府有識者会議メンバー・西浦氏をデマでおとしめるなど「コロナ担当大臣」がやるとは信じられませんが、一方でこんなことを西浦氏が言って西村と敵対する理由も思いつきませんしね。
 「さて誰が本当の謀略者でしょう」という西浦ツイートからは「安倍首相、麻生副総理といた政権幹部が命令して西村に西浦デマ中傷をやらせてるんじゃないのか」という疑念を感じてるらしいことがうかがえます。


接触機会、8割減に至らず 西村再生相、協力呼び掛け - 産経ニュース
 まあ、既に上に書いたことの繰り返しですが、ばかばかしいですね。8割削減のための具体的な方法論を提示しないで「テレワークを増やして欲しい」「外出を減らして欲しい」レベルの抽象的なことしか言わないからこうなる。
 (少なくとも主観的には)真面目に接触減少に取り組んでる人間からすれば「これ以上何をすればいいんだ!」「文句があるなら教えて欲しい」「俺以外の連中が不真面目だから悪いのか。俺はもう何もしなくていいのか?。それとも俺も何か他にすべきことがあるのか」と政府に憤りすら感じるでしょう。
 一方で「8割減なんか無理だろ?」と思ってる人間からすれば「やっぱ無理なんじゃん、無理な提案をする政府が馬鹿なんだよ。いい加減諦めろよ」としか思わないでしょう。
 結局「8割減らすための具体的な方法論」を政府が出すべきだし、それができないなら「8割減なんか諦めろ」と言う話です。できない方針を掲げても仕方がない。それともピークアウトとやらに失敗したら*4「8割減少に協力しない国民が悪い、政府は悪くない」と居直る算段なのか。あるいは「もはや緊急事態条項しかない、改憲が必要だ」と言い出す気か。
 そもそも「性善主義(?)というか相手の善意にすがって話をすること(しかも要請内容が曖昧で具体的ではない)」「休業補償もしないで国民につけ回しで話をすること」自体がおかしい。
 「どうすれば8割減るか分からないけど、とにかく8割減らそうぜ、とにかく接触するな」「休業補償はないけど自粛してくれ」なんてふざけるにもほどがあるでしょう。
 そんなんで自粛がすすんで接触が減るわけもないでしょうよ。
 「ホニャララすれば8割減ります」ならやる気も出る。「どうすれば8割減るかは言えないけどとにかく8割減らすために外出するな」なんて曖昧なもんで何で接触が減るのか。さすがに「政府要請を無視してガンガン外出する人間」もあまりいないでしょうが、これでは「どの程度自粛したら8割減るかわからないんだからやる気なくなる」となるのは当たり前です。

【追記】
「クラスター対策班西浦教授試算公表」の欺瞞性|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 浅井先生のご指摘(西浦批判&本庶氏への共感)には全く同感なので紹介しておきます。

「クラスター対策班西浦教授試算公表」の欺瞞性|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 4月15日に、厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大学教授(理論疫学)は、「人と人との接触を減らすなどの対策をまったくとらない場合、国内で約85万人が重篤になるとの試算を公表しました。うち約42万人が死亡する恐れがあるといいます」(16日付けしんぶん『赤旗』)。この記事はマス・メディアが一斉に取り上げるところとなりました。
しかし、この発表がいわんとするのは、感染者が増えるか否かは私たちが政府の「要請」(「接触8割減」)に応えるかどうかにかかっていることを強調することにあります。8割減を実現すれば感染者数増を止めることができ、医療機関は現有能力で対処できる、というわけです。
 しかし、この発表が暗黙の前提としているのは、発生したクラスターに重点的に対応するという、もはや破綻していることが明らかな、現在の「対処方針」を維持することです。つまり、潜在的感染者、私のいう「一匹狼」(本庶佑*5京都大学名誉教授は、テレビ朝日の今朝の番組で「忍者」と表現)を野放しにする現在の無責任な方針を維持する、ということが前提なのです。これでは、いつまで経っても根治につながるわけがありません。私は上記西浦発言をテレビでたまたま見て、本当に吐き気を催しました。御用学者には我慢ならないからです。
 他方、上記の本庶佑博士の発言とか、今日(16日)の朝日新聞(24面)が掲載した「日本 PCR検査少ないのは」特集記事とか、日本政府の対策の最大の問題はPCR検査対象を押さえ込んでいることにあるという指摘が見られるようになりました。朝日新聞は、人口1千人当たりのPCR検査数として、アイスランド105.は別格としても、イタリア18.2、ドイツ16.0、韓国10.2、アメリカ8.9、イギリス4.5に対して、日本はわずか0.7という超低水準であることを示しています。
 私は、こうした正論、と言うより国際的常識が日本的常識にならない限り、安倍政権の犯罪的行動を変えさせることはできないと思います。考えたくもないですが、安倍政権の政策を徹底的に批判する流れが生まれないと、欧米諸国が感染のピークを脱した後になってから、先進国の中で日本だけが、アフリカ、中東、インドなどとともに感染者の激増に見舞われるという悲劇的状況が現出する可能性は極めて高いといわなければならないでしょう。新コロナ・ウィルスが日本だけを特別扱いするはずはありません。
 世界の国々の取り組みに関する報道を見ても、日本のようなとんでもない取り組みを行っている国はほかにありません。例えば、貧民窟を都市周辺に数多く抱えるインドは、蔓延の危険性がもっとも高い貧民窟住民を対象とした検査に乗り出したという報道がありました(15日)。ロシアも感染者が急増していますが、昨日(15日)のタス電は、ロシアの検査対象者が150万人を超えた(世界第2位)としています。中国や韓国に支援・援助を求める国々も検査キットを要請するものが多いです。とにかく一匹狼(忍者)をあぶり出し、隔離しないことには今回の危機を乗り越えられない、という点で国際的なコンセンサスがあるのです。
 本庶佑博士のように正確に問題を捉えている学者は日本にもいるはずです。しかし、政府にとって都合の良いことを言うものだけが「召し抱えられ」、政府に耳障りなことを直言するものは遠ざけられるという、いまの腐敗しきった安倍政権では、国際的に如何に軽蔑されてもまったくお構いなしという、私たちを馬鹿にしきった、と言うより、国民の生命・安全を完全に無視する、許されてはならない政治が行われているのです。
 冒頭の西浦博教授「予測発言」はその最たるものと言わなければなりません。原子力行政で御用学者が日本を誤らせていますが、今回の新コロナ・ウィルス対策においても同じことが繰り返されています。
「いい加減に目を覚まそう、そして怒ろう、我が親愛なる日本人同胞よ!」

*1:新潟県知事

*2:兵站無視のため、餓死者が続出し、英国軍とほとんど戦わずして敗北したため「無謀な作戦として有名な」旧日本軍のインパール作戦のこと。

*3:コロナ問題政府有識者会議メンバーで、「8割削減の提案者」だとマスコミ取材などで自ら認めている西浦博・北海道大学医学部教授のこと

*4:ただし俺も「8割」を疑う具体的な根拠がないので、「嘘だ」とは言いませんが「推測値」にすぎないのだから可能性としては「8割減少達成でもピークアウトしないこと」もあれば、逆に「7割程度の達成でもピークアウトすること」もありうるとは思います。

*5:2018年ノーベル生理学・医学賞受賞者。著書『遺伝子が語る生命像』(1986年、講談社ブルーバックス)、『いのちとは何か:幸福・ゲノム・病』(2009年、岩波書店)、『ゲノムが語る生命像:現代人のための最新・生命科学入門』(2013年、講談社ブルーバックス)、『PD-1抗体でがんは治る:新薬ニボルマブの誕生』(2016年、岩波書店)、『生命科学の未来:がん免疫治療と獲得免疫』(2018年、藤原書店)、『がん免疫療法とは何か』(2019年、岩波新書)、『幸福感に関する生物学的随想』(2020年、祥伝社新書)など