今日の中国ニュース(2020年4月15日分)

リベラル21 「中国のすさまじい軍拡を警戒せよ」―右派ジャーナリズムの見方(阿部治平)

・安倍政権は、アメリカに追随して中国とは2012年以来冷たい関係だった。ところが昨年思いがけなく中国の希望を受け入れ、習近平国家主席国賓として招こうとした。この背景には経済界の強い要求があったものと思われる。だが、古森・矢板両氏はこれに反対である。中国の恫喝外交に7年半も耐え抜いた安倍政権が今さら融和政策をとらないでもよいではないか、これはトランプ米大統領の意向にも逆らうものだというのである。
 だが、21世紀に入って日米同盟の役割は、「(アメリカの)世界課題への効果的な対処」へと変わり*1、日本は財政負担の増加とともに中国の軍拡や海洋進出への対抗措置*2を求められるようになった。これに従うのは、日本が主体性なき対米依存を続けることを意味する。
 両氏の中国に対する批判が事実にもとづく*3かぎり、私はその主張を是とする。だが、民族の誇りを度外視し対米従属をいつまでも維持するのが祖国の利益であるかのような主張には同意できない。
・中国は地理的に朝鮮半島の2国と並ぶ離れがたい隣国である。軍国主義的で拡張主義的*4な、やっかいな隣人ではあるが、我々は半永久的に中国を仮想敵としておくわけにはいかない。右であれ左であれ、親密でなくともよいが、少なくとも敵対しない共存共栄の日中関係構築の道を求めるのがすじではなかろうか。

 ガチガチのアンチ中国かと思いきや、阿部にも一定程度の常識はあるようです。

*1:阿部は日米同盟を「20世紀はソ連の侵略からの防衛」と思ってるのかもしれませんが、20世紀の時代からすでに日米同盟の役割は「(アメリカの)世界課題への効果的な対処」です。だからこそベトナム戦争では在日米軍基地から出撃があった。ただその場合の米国が考える対処は1)もっぱら対ソ連であり、2)自衛隊の海外派兵までは要望していなかっただけの話です

*2:アメリカが「自衛隊による集団的自衛権の行使」で求めてることのメインは対中国ではなく「イラク、シリアなどの対中東(中東での米軍との共同軍事作戦)」でしょう。

*3:どう見ても事実に基づいていませんが。

*4:国内の人権問題はともかく、対外的には中国が軍国主義的で覇権主義的だなどとは俺は全く思っていません。そうした見方は中国に対する不当な偏見でしょう。