今日の朝鮮・韓国ニュース(2020年4月22日分)

朝鮮新報〈幼保無償化「100万人署名運動」賛同人インタビュー 2〉前川喜平さん(現代教育行政研究会代表、元文科省事務次官

・幼保無償化制度からの外国人幼稚園除外はあってはならない差別だ。朝鮮学校に関して言えば高校無償化で文科省官僚として制度に携わり、朝鮮高校が除外されたことで当事者としてとても残念な思いをした。今回、朝鮮幼稚園が除外されたことについてもまったく同じ思いだ。
 今回の外国人学校幼稚園除外は憲法14条で定められている「法の下の平等」に明確に反している。
・現在、日本では外国人が増えていく一方、右派的な思想を持つ人々によるヘイトスピーチヘイトクライムなどが深刻化している。かれらの思想の根底にはエスノセントリズム(自民族中心主義)がある。(ボーガス注:アイヌの存在などを無視し)日本を「単一民族国家」などと公然の場でうそぶき、外国人に対する差別・偏見政策を平気で行うような「ヘイト体質」の現政権下でそのような思想がますます増幅されていることに危機感を覚える。
 排外主義を克服し、日本が多文化・多民族共生社会へ舵を切るためには教育の力が必要だ。
在日コリアンの方々にとっては高校無償化、幼保無償化からの除外と長く苦しい状況が続いている。しかし近い将来に現政権が交代し、日朝国交正常化や南北朝鮮の統一がなされれば、在日コリアンを取り巻く状況は確実に好転すると確信している。

 いろいろな方が賛同者として登場していますが、ここでは前川氏*1を紹介しておきます。
 やはり「元文科次官が外国人幼稚園も無償化にするよう要求している」というのは意義深いと思うし、「元文科次官」という彼の立場では「安倍政権の反発」も大きくなるであろうに、にもかかわらずこうした表明をしていることにはやはり「天下り引責辞任」を割り引いても高く評価したいと思います。

*1:著書『これからの日本、これからの教育』(寺脇研氏との共著、2017年、ちくま新書)、『前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る:高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育』(2018年、明石書店)、『前川喜平「官」を語る』(2018年、宝島社)、『前川喜平が語る、考える。 学ぶことと育つこと、在日とアイデンティティー、あなたと私。』(2018年、本の泉社)、『面従腹背』(2018年、毎日新聞出版)、『同調圧力』(望月衣塑子氏、マーティン・ファクラー氏との共著、2019年、角川新書)、『ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題』(谷口真由美氏との共著、2019年、集英社