今日の産経ニュースほか(2020年5月1日分)

志村けんさん、NHK朝ドラ登場 生前のコメントも公表「つい何かしたくなっちゃう」 - 産経ニュース
 「コント色のない志村の演技」が見られたであろう今日の放送をうっかり見逃したこと(録画もしてない)が残念です。再放送時には是非みたい。


志村さん死去で危機感、外出自粛に 大学グループ調査(1/2ページ) - 産経ニュース
 お笑い芸人・志村や女優・岡江といった有名人がなくなれば、当然危機感は強まるでしょう。見ず知らずの人間が死んだと聞いても切実さは生まれにくい。


キヤノンの真栄田社長退任 御手洗氏が3度目就任 - 産経ニュース

 キヤノンは1日、真栄田雅也社長(67)が同日付で退任し、御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)(84)が兼務するトップ人事を発表した。
 真栄田氏は2日付で非常勤の技術最高顧問に就く。

 60代の社長が退任し、80代の「元社長」が復権とはどう見てもまともな人事ではないですね。
 例えるなら

 「60代の志位氏(1954年生まれ)が共産党委員長を退任」し、後任に「90代の不破氏(1930年生まれ、元委員長)」が委員長として復帰する
 「60代の安倍(1954年生まれ)が自民党総裁を退任」し、後任に「80代の森氏*1(1937年生まれ、元総裁)」が総裁として復帰する

ようなもんです。そんなことをすれば「若い人材がいないのか」「御手洗(あるいは森氏、不破氏)の独裁、組織私物化ではないか」つう批判が外部から必ず出る。
 だからこんなことは普通の会社は絶対にしない。キャノンが御手洗が未だに実権を握っているにしても、普通なら、表向きは「相談役」「名誉会長」などの名誉職に就くわけです。
 それでもそんなことをやってしまうキャノンは「御手洗が会社を私物化してる」といっていいのではないか。


親台派チェコ政治家はなぜ急死したか 中国から“脅迫”の直後に… - 産経ニュース

 台湾訪問を予定していたチェコの有力政治家が今年1月、中国大使館から脅迫*2を受けた直後に急死したことが、台湾で大きな波紋を広げている。

 まるで「中国が謀殺(暗殺)した」「中国の『訪問するな』という政治的圧力に苦悩し(森友問題で安倍一味に不正を強要されて、苦悩の末、自殺した近畿財務局職員・赤木氏のように)自殺したか」のような書きぶりですが、もちろんそんなことはなく「大平正芳*3心筋梗塞)や小淵恵三氏*4脳梗塞)」などのような病死だそうです。政治家が長年のストレスで、体調を悪化させて急死しただけで、「中国のせいだ」とは言いがかりも甚だしいでしょう。


トランプ氏、武漢研究所起源の「証拠見た」 新型コロナ、情報機関は断定避ける - 産経ニュース
 「抗マラリア薬が新型コロナに効く可能性がある(後にそんな根拠はない、むしろ新型コロナに下手に使うと死亡事故が起きかねないという批判が起こり、トランプ自ら発言を事実上撤回)」など「嘘が多い」トランプの発言なのでもちろん信用性は皆無です。そもそも本当に「証拠がある」のならトランプの放言ではなく、直接の担当者(国務省幹部?)が証拠付きで記者会見してるでしょう。

 米情報機関を統括する国家情報長官室は同日発表した声明で、新型コロナウイルスは「中国が起源だ」と指摘した上で「人工的に作られたものではなく、遺伝子操作されたものでもない」との見解を表明し、一部でくすぶる生物兵器であるとの見方を否定した。
 ただ、ウイルス感染の発生については「ウイルスに感染していた動物と人との接触が原因か、あるいは武漢市の研究所の事故によるものなのか、情報を引き続き精査していく」とし、現時点では研究所が起源であるとは断定できないとの認識を示した。

 おいおいですね。国家情報長官室の曖昧な発言は「トランプの主張がデマであること」を示唆しています。
 そもそも「研究所が起源であるとは断定できない」のならば虚心坦懐に調査を続けるだけの話です。「研究所が研究用に保管していたウイルスが誤って流出したのかも」などと大騒ぎするなどとんでもない話です。


【主張】9月入学 「コロナ紛れ」には反対だ - 産経ニュース

・短期間で実施するには課題が多すぎる。
・懸念するのは、これほどの大改革をウイルス禍に紛れて実施する危うさだ。9月入学・始業を決めた後、感染の第2、3波や別の新興感染症が広がり、新たな対応を余儀なくされたら、また4月入学に戻すというのか。
 授業が遅れた分をどうするかは本来、文部科学省を中心に教育関係者が知恵を絞るべきことだ。それ抜きに時期を変えても、その影響は何年にもわたって続く。議論はあってもいいが、入試の行方など受験生らの不安は大きい。

 まあこの部分については全く同感ですが、「はあ?」と言う部分もあります。

 首相主導で実現可能かを早急に明らかにし、国民に説明すべきだ。入試改革も満足にできぬ文科省に任せれば混乱に拍車がかかるだけだ。

 おいおいですね。「入試改革」は安倍ももちろん了承したものであり、当初は野党の「延期すべき」との批判にも安倍や萩生田は「予定通り実施」としていたのになんで「文科官僚だけが悪いこと」になるのか。
 「失敗は全て官僚のせい、手柄は安倍のおかげ」とはばかばかしいにもほどがある。
 それはともかく、安倍はおそらく「9月入学」について何の興味も識見もないでしょう。
 萩生田文科相や文科官僚に丸投げして終わりというのが目に見えています。
 まあ、一番あり得るのは「4月入学のまま」でしょうね。コロナが「今年9月までに収束しなければ」9月入学にしても意味がないし、9月入学にしなければ「学校におけるコロナ対応」ができないわけでもない。
 文科省も「9月入学」には「コロナで現場が混乱している時期にそんなことをしたら一層混乱する」と消極的なようだし、世間の反応もそんなに「ブラボー9月入学」ではない。
 この状況で「9月入学にしてかえって混乱を招いた」などの批判をあびるリスクを冒す度胸は小心者の安倍にはないでしょう(俺的にはなくていいですが)。モリカケと違って利益誘導できる話でもないでしょうし。
 むしろ東京の小池や大阪の吉村、国民民主の玉木が安易に「9月入学賛成」と言う方が意味不明です。

【追記】
「9月入学」を支持する 太田文雄(元防衛庁情報部長) « 国基研ろんだん 国基研ろんだん « 公益財団法人 国家基本問題研究所

・筆者も9月入学案には賛成である。
 その理由は、防衛大学校の国際教育研究官として、諸外国の士官学校と1学期間交流プログラム推進してきた者として、学期を国際標準に合わせることが国際交流を進める上で極めて大切だと痛感したからである。
・9月入学慎重論者の意見を聞いていると、その殆どが今年の実施に踏み切る困難性を指摘しているだけで、長期的かつ大局的な視点からの議論がない。
・筆者は防大の国際教育研究官として28カ国、約60カ所の士官学校を訪問したが、例外なく9月入学であった。
・このため、世界から優秀な人材を集めようとしている東京大学平成23年に秋入学を提案した。しかし、小中高の関係者や企業から反対されて当面は見送らざるを得なかった。今回は、小中高を含め全ての学校が春から止まっているのであるからやり易い。逆に言えば、今回のような機会は「世界標準」に切り替える千載一遇のチャンスと言える。この機会を逃すべきではない。

 産経は「現状では支持できない」とした9月入学を国基研は支持するようです。
 それにしてもその理由は「海外は9月入学だから」とは説得力があるとはとても言えないでしょう。
 一方で「海外は女帝を認めてる、日本も認めよう」などと言う意見には「日本には日本の伝統がある」と言い出すのだから、まあデタラメです。

*1:中曽根内閣文相、自民党政調会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*2:「台湾訪問をするのは独立支持表明を意味することになりかねない。訪問しないことを求める」が「脅迫」ねえ。

*3:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*4:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相