島田洋一に突っ込む(2020年5月3日分)

【時局を斬る】「ウイルス自爆テロ」に備えよ――島田洋一(国際政治学者) - WiLL Online

 新種のウイルスを体内に仕込んだ工作員*1を送り込み、満員電車やエレベーター内で盛んに咳をさせ、ドアノブや商品を触って回らせれば、感染爆発によって相手社会を麻痺させられる。以前から指摘されてきた「生物兵器自爆テロ」である。
 好景気に沸いたアメリカ経済が一転、歴史的不況に陥り、米空母の一つは艦内での感染拡大を受けて戦線離脱を余儀なくされた。中国共産党政権(以下、中共)をはじめ、世界の反米勢力は「ウイルス兵器」の威力に目を見張った*2だろう。今後、中共が台湾侵攻に出る場合、準備の一環として、米空母の乗組員に濃厚接触しウイルス感染させる作戦を考えるはずだ。

 まあ、そういうことはしないんじゃないですかね。新型コロナがわかりやすいですが、「自分たちだけは密かに予防ワクチンを持ってる」と言うケースでもない限り、下手に「バイオテクノロジーで開発した新種の細菌、ウイルスによる生物兵器攻撃」なんか仕掛けたら、自分たちまで被害を受けかねません。生物兵器には他の兵器とは違うそう言う恐怖がある。
 とはいえ「自分たちだけは密かに予防ワクチンを持ってる(そしてそれを自分たちだけで使う)」のでは「あの国が怪しい」と思われて自爆してるような物でしょう。「正体不明のテロ組織」ならともかく国家がそういうモロバレの行為は出来る物ではない。
 結局、「正体不明のテロ組織」ならともかく国家が仮に「生物兵器攻撃」を仕掛けるにしても「ペストやコレラ」などといったメジャーな細菌、ウイルスによる攻撃しかありえないんじゃないか。

 生物兵器は、効果発揮まで時間を要する一方、いつ誰がどこで攻撃を行ったかが見えにくい。ただし難点は「死体」である。致死力の強いウイルスだと、感染工作員が潜入先で死亡して、遺体や所持品の分析から「送り主」が特定されかねない。しかし今回のように、感染力は強いが致死力はさほど強くなく、基礎体力の弱い者以外では重篤化しにくいウイルスの場合、工作員は作戦遂行後、何食わぬ顔で出国することができる。証拠はまず残らない。

 いやいや生物兵器の最大の難点はそういうことではなく、「自爆、自滅の恐れがあること」でしょう。「感染ルートを完全にコントロールすること」など不可能でしょうから、「回り回って自分たちに被害が及ぶ」危険性が否定できません。

 新型コロナウイルスが、一部専門家の示唆するように、武漢ウイルス研究所その他中国の公的機関から漏れ出た開発中の生物兵器だったかどうかはまだ分からない。

 「COVID19は人工的に開発された生物兵器と疑わせるものはない(人工的に開発された物なら、開発に使った『元のウイルス』があり、それを一部加工したことになるが、そのような加工の痕跡がない)」として「人工的に開発されたウイルスではない」とするのが通説です。今時「生物兵器説」など非常識にもほどがあります。では「自然界に存在するウイルスを研究のために武漢ウイルス研究所などが保管していた物が流出した」かといえば、それについても「そのように見なす根拠はない」とするのが通説です。
 どっちにしろ、今回の新型コロナのような物に対する対処は「一般的な感染予防対策」で充分でしょう。
 「そのような攻撃があるかどうかすら怪しい」生物攻撃への対処など考える材料には少なくとも「新型コロナの経験」はなりません。明らかに「新型コロナ」は生物兵器攻撃ではないし、台湾や韓国の対応も「一般的な感染予防対策」にすぎないからです。

 ファシズム政権の発想では、認知症で「習近平思想」を理解できないような年寄りや「社会主義建設」に役立たない病人などは、生きる価値がない。現役世代はほぼ無症状ないし軽症で済み、高齢者や基礎疾患のあるものが集中的に犠牲となる武漢ウイルスは、ファシストの観点からは、まさに便利な「人口調節ウイルス」「財政健全化ウイルス」であろう。

 吹き出しました。何も新型コロナに限らず、インフルエンザであれ、何であれ「感染症で死亡するのは高齢者、基礎疾患の保有者など体力の弱い者が多い」のは当たり前の話です。そして「都合がいい」どころか、「経済への悪影響」「国内外の政府批判」などを恐れて、新型コロナ封じ込めに全力投球しているのが習近平政権ですが。


島田洋一のツイート

島田洋一
 武漢ウィルス研究所の「コウモリ女」こと石正麗研究員が(ボーガス注:研究所からのCOVID19流出を裏付ける)秘密文書を持って亡命というネット情報が流れたが、残念ながら(ボーガス注:デマだという)本人の否定声明が出たようだ

 「残念ながら」て。アンチ中国の島田らしい物言いです(苦笑)。いずれにせよ中国関係ではこのように「ネット上にデマ垂れ流し」状態ですから、うかつに鵜呑みにしたら痛い目に遭います。
 まあ、朝日、読売、毎日、NHK、日テレ、TBS、フジ、テレ朝など「大手メディアが報じた物」でもない限り信じない方が無難でしょう。

島田洋一
・福井は今日も感染者ゼロ。県民相手の飲食店などは現在の8時まで営業OK(酒は7時まで)を近々2、3時間延長すべしと前のめりの提案をしておきたい(ボーガス注:この島田のツイートは勿論、「5月末まで延長」発表前の物です)。
・連休明けには営業規制緩和に果敢に踏み込むべきだ。中小企業や自営業者を不必要に苦しめてはならない(ボーガス注:この島田のツイートも勿論、「5月末まで延長」発表前の物です)。
・出来る地域、出来る部門から自粛解除していかないと日本経済全体が死んでしまう
・マスク、消毒、高齢者施設保護などを徹底した上で、政治の責任で経済活動への縛りを解いていくべきだ。でなければ(ボーガス注:コロナ不況による)倒産、失業、自殺、(ボーガス注:窃盗などの経済)犯罪の蔓延で社会崩壊となる
・(ボーガス注:緊急事態宣言が5月末まで延長の見込みとの報道を受けて、福井市営)足羽山動物園が「5月6日まで休園」から今日は「5月31日まで」と書き換えられていた。まあ市営動物園はそれでも良いとして、居酒屋などはもっと早く自粛解除としないと何の落ち度もない経営者らが余りに気の毒だ。全国どこでもそうだが特に今日で感染ゼロ5日連続の福井では納得しようがない

 うかつに緊急事態宣言を解除できないのも事実でしょうが、一方で島田の言う「休業や利用者減少で苦しんでる自営業者」をどうするのかという問題もあるわけです。できる限り、早く解除すべき*3だし、解除できない場合も休業補償などが必要でしょう。
 「経営努力で頑張れ(国としては何も出来ません)」で済む話ではない。
 島田の場合「トランプの楽観論」まで支持するから困りものですが「経済の影響を考えずに、コロナ予防の自粛論だけ唱えるのは片手落ちだ」というのは全く同感です。

*1:そもそも「体内に仕込む」必要性はどこにもないでしょう(そんなことをして工作員の健康を害する必要もない)。ウイルスを「感染症を招くような形で仕込めばいい(例えばドアノブにウイルスを塗りつける、ビルやマンションの給水タンクにウイルスを投入するなど)」だけの話です。まあ、「感染予防に気をつけているはずの病院ですら院内感染が起こってる」ので「工作員の手落ち」で工作員自身が感染することはあり得るでしょうが。

*2:むしろ世界中が「米国に目を見張った」のは1)他国に比べて異常なまでに感染者数と死者数が多い米国の医療システムの欠陥、2)責任問題を恐れて「中国が悪い」と責任転嫁ばかりに走るトランプ政権の無責任さでしょう。台湾や韓国の成果で分かるようにまともな対策をとっていれば米国だってあそこまで酷い惨状にはなりません。もはや米国の現状は「トランプ政権の失政」といっていいでしょう。

*3:ただしコロナ予防との兼ね合いを考えると解除時期の判断は困難でしょうが。