緊急事態宣言が月末まで延長されることになった。
感染対策上はこれで仕方ないが、追加補償を迅速に決めて実行しないと恐ろしい数の倒産が待っている。
まあ、高世も小生も感染症素人ですが「感染対策上は残念ながら仕方がない」んですかね。とはいえ、「一日も早い解除」と「解除するまでの経済補償」をしなければ高世の言うように「恐ろしい数の企業倒産と失業者増加」ということになりかねません。
中国では感染をほぼ完全に抑え込み、学校も工場も再開した。いまGW5連休(5月1日~5日)で「報復性消費」に沸いているという。つまり「リベンジ消費」。14億が「爆買い」、「爆食」、「爆旅行」に走っているという。
重慶市にある家電量販店「蘇寧」(ラオックスの親会社*1)の旗艦店では、《5月1日の朝10時にオープンするや、客が殺到し、わずか1時間で1000万元(約1億5200万円)を売り上げてしまった。》https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60399
1500万円ではない。1億5千万円!である。一つの店舗で!
中国のコロナの傷は圧倒的に小さくて済んだ上に、素早く正常化できている。
もちろんここから「中国の共産党一党独裁限定」であれ、「独裁一般」であれ「独裁の方がコロナが封じ込める」と「独裁を美化する」のは間違っています。民主国家である台湾や韓国も封じ込めに成功してますので。
「一党独裁国家」中国のコロナ封じ込め、「民主国家」韓国、台湾の封じ込め、「民主国家」日米のコロナ失政、ここからわかることは
・民主主義は「たとえ間違ったとしても皆で決める方が独裁よりいい」という価値観に基づく物であり、「皆(と言うか選挙民の多数派)がバカ」で、その結果「馬鹿な指導者」が選ばれれば「馬鹿な結果」しかでない。
選挙民が利口*2な台湾や韓国では利口な指導者が利口な政策を打ってコロナを封じ込めた
しかし「馬鹿な選挙民が馬鹿な指導者を選んだ日米」では対策を失敗し、コロナは蔓延している。
一方、独裁だろうと「利口な指導者・習近平*3」は利口な政策を打ってコロナを封じ込めた
ということですね。
民主主義という物は「正しい結論を得るためにやってるわけではない」「たとえ間違っていたとしても皆で決めることが大事だという価値観によるのだ」「だから選挙民が賢くなる努力をしないと政治が劣化しても何ら不思議ではない」という話です。
まあ、習氏の場合
などの下積み(地方回り)、実務経験があるのが大きいのかなとは思います(この点は陳水扁政権副首相だった蔡英文氏、盧武鉉政権大統領秘書室長だった文在寅氏も同じでしょうが)。
習氏の場合、父親「習仲勲」は「副首相、全人代副委員長を歴任した最高幹部」ですが、「毛沢東・中国共産党主席」「劉少奇・国家主席」「周恩来・首相」「鄧小平・国家中央軍事委員会主席」といったビッグネームに比べたら格下です。
そして毛沢東、劉少奇、周恩来、鄧小平の子どもは「習氏と違い国家主席になってない」わけです(ちなみに、ウィキペディアに寄れば、「周恩来の養子である李鵬」が首相、全人代委員長に、「鄧小平の長男・鄧樸方」が全国政治協商会議副主席になっています。なお、ウィキペディア「李鵬」によれば彼も首相、全人代委員長になる前に「電力工業省副大臣」「電力工業省大臣」「水利電力省副大臣」「国家教育委員会主任(日本の文科相に当たる)」などの下積み経験があります)。
もちろん「二世の方が人脈面で有利」とはいえ、中国は「二世政治家なら偉くなれる」つうほど単純ではない。それなりの成果がないと出世できない。むしろ「三世というだけで無能な安倍が首相になれた日本」のほうが「家柄主義(実績、能力軽視)」でしょう。
一方、トランプは「企業経営者としての実績」はともかく政治家としての実績など何らありません。
安倍も「祖父・岸*5元首相、父・安倍晋太郎元外相」という「七光り」で首相になれたにすぎません。安倍にはまともな実務経験は「小泉内閣官房副長官、官房長官、自民党幹事長(小泉総裁時代)」しかない。
「東大卒。大蔵省主計局長から岸信介元首相のスカウトで政界入り」し、「岸派を岸から福田派として受け継ぎ」、岸の支援を受けたライバル・福田赳夫*6を破って首相に成り上がったノンエリート田中角栄*7のような能力は何一つない。
「マスク外交」はじめ外交的なプレゼンスの増大と、トランプの愚行によるアメリカの地位低下も加味すれば、コロナ禍は「中国の時代」の到来を加速しそうだ。
「コロナを封じ込めた中国」が株を上げ、一方、「コロナ封じ込めに失敗したあげく、『中国が悪い』と責任転嫁ばかりするトランプ・米国」が株を下げたこと、今後、中国が経済的に発展していくのに対し、米国の経済発展が横ばいなのは確かでしょうが「中国の時代」なんて当面来ないでしょう。
そこまで中国は政治、経済面で「米国、ロシア、EU諸国(英仏独伊)など」を圧倒する大国ではない。
【追記】
朝日は中国のメッセンジャー・ボーイ - 酒井信彦の日本ナショナリズム
「中国のコロナ封じ込めからは学べる点が多数あると思う」と朝日が書いただけでその主張の是非は論ぜず、「朝日は中国のメッセンジャーボーイ」「そもそも武漢で感染拡大しなければ何の問題もなかった。後から封じ込めに成功しようがそんなことは知ったことではない。」と言い出す非常識な反中国右翼「酒井信彦」にはいつもながら呆れます。
この酒井理論だと「中国のコロナ対応を評価する」高世仁も「中国のメッセンジャーボーイ」なのか。
というか「コロナ対応評価」と「それ以外の評価」は別物だし、コロナ対応について高世や朝日は評価していても、それ以外の例えば「香港デモへの対応」などは別に評価してない(むしろ反民主主義的として批判的)わけです。
*1:今や「ラオックスの経営が傾いたこと」と「中国企業の経済発展」で、元々は日本企業だったラオックスが中国企業系列になってしまったわけです。また、ウィキペディア「ラオックス」によれば元々は家電量販店だったラオックスですが「ヤマダ電機、ケーズデンキなど同業他社との家電量販戦争で敗北した」「むしろ、中国人の爆買いにターゲットを移した方がいい」との判断から今は「外国人観光客(インバウンド)向け免税ショップ」が主たる営業になっています。また「インバウンドの低迷(コロナ蔓延による中国人観光客減少前からその傾向があった)」から、「ギフト販売会社のシャディ」を子会社化するなどの経営多角化も進めています。
*2:他の問題(例:蔡の対中国外交、文の対北朝鮮外交、蔡、文両名の脱原発政策など)はともかく少なくとも「コロナ対策がまともだった」と言う意味では台湾、韓国の「選挙民及び指導者(蔡英文総統と、文在寅大統領)」は疑いなく利口でした。
*3:他の問題(例:一帯一路、香港デモ問題、ウイグルやチベットの少数民族問題など)はともかく少なくとも「コロナ対策がまともだった」と言う意味では習近平主席は疑いなく利口でした。
*5:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相を歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相を経て首相
*6:岸内閣農林相、自民党幹事長(岸、佐藤総裁時代)、政調会長(池田総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相