今日の産経ニュース(コロナ問題以外:2020年5月13日分)

【主張】検察庁法改正案 疑念もたれぬ説明尽くせ - 産経ニュース
 説明すれば分かってもらえるという話では全くありませんが、高まる批判に産経ですら「言いがかりだ」と完全に居直る度胸はないようです。


【正論】中国礼賛の価値や戦略改める時 文化人類学者、静岡大学教授・楊海英 - 産経ニュース

◆楊海英(ウィキペディア参照)
 2016年に第3回国家基本問題研究所(国基研)・日本研究賞を『チベットに舞う日本刀:モンゴル騎兵の現代史』(2014年、文藝春秋→後に2020年、中公文庫)、『日本陸軍とモンゴル:興安軍官学校の知られざる戦い』(2015年、中公新書)で受賞
 2018年に第19回「正論新風賞」を受賞

という産経文化人(反中国・右翼活動家)の楊らしいですが日本人のほとんどは「手放しで中国を礼賛する中国万歳」でもなければ、「何でもかんでも中国を叩くアンチ中国」でもなく是々非々です。
 日本人が「手放しで中国を礼賛する中国万歳」かのように言いつのり、中国や親中派日本人に悪口雑言する楊にはいつもながら呆れます。
 なお、我々日本人は「手放しで中国を礼賛する中国万歳」ではありませんが、とはいえ、「隣国にして経済大国」の中国とは「それなりの友好関係を築く必要」はあります。まあ、楊のような「常軌を逸した反中国」は「それなりの友好関係の構築」レベルでも「手放しで中国を礼賛する中国万歳」呼ばわりし誹謗中傷ですから話になりませんが。
 内モンゴル出身者(少数民族)として中国在住中に酷い差別でもされたのかもしれませんが、そんなことは今の楊の「げすな反中国」を何一つ正当化しません。
 簡単に楊の駄文にも突っ込んでみましょう。

 日本は国内の経済と教育を健全な状態に戻すためには、中国からのインバウンドに期待しない方がいい。調和の取れた日本文化が破壊されているからである。

 のっけから呆れて二の句が継げませんね。
 「中国からのインバウンド」に期待して何が悪いのか。まあ、それでも「中国人観光客に過度に日本の観光産業が依存するのはいかがなものか(中国人観光客が来なくなった場合に備えて、韓国人や欧米人など他の外国人も集客すべきだ)」というのはまだ理解できる(とはいえそれを「経済を健全な状態に戻す」と表現するのはどうかと思いますが)。
 「教育を健全な状態に戻す」なんてのはまるきり意味が分かりません。
 「調和のとれた日本文化が破壊されてる」とはおそらく、いわゆる「オーバーツーリズム(観光公害)」の問題でしょうが、何もこれは中国人観光客限定の話でもない。昔は(いや今もか?)日本人観光客も相当酷かったことは、筒井康隆『農協月へ行く』(角川文庫)が揶揄しているところです。
 いずれにせよ「誤解による旅行客の問題」は誤解を解けばいいことですし、「万引きなどの旅行客の犯罪行為」は警察の取り締まりなどで対応すればいい。一部に困った中国人観光客がいるからといって「だから中国人観光客など要らない」などというのは正気の沙汰ではありません。
 まあ、日本観光業界は楊のような寝言は勿論無視しているわけですが。

 「中国は善なる存在で、欧米と日本は悪」、という見方が日本の思想界や学界に蔓延(まんえん)してきた。

 「どこにそんな見方が蔓延してるのか?」「楊の言う、そうした見方をする学者、研究者(中国研究者?)とは一体誰のことなのか?」と言う話です。
 なお、当たり前の話ですが「ポルトガルマカオ支配」「英国の香港支配」「日中戦争」など、「中国が一時期、欧米や日本の侵略を受けた」というのは「中国は善なる存在で、欧米と日本は悪」と言う話ではありません。
 そもそも「中国万歳が日本の思想界や学界に蔓延」が事実なら、
1)楊が「静岡大学教授になること」も
2)楊が『墓標なき草原:内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録(上・下)』(2009年、岩波書店→後に2018年、岩波現代文庫)という本を岩波書店から出版することも
3)また『墓標なき草原』によって楊が2010年に司馬遼太郎賞を受賞することもなかったでしょう。
 よくもまあここまでデタラメなことが公言できるもんです。常人には真似の出来ない恥さらしぶりです。真似したくもありませんが。

 以前、静岡県のある大学でいわゆる「南京事件」や「軍隊における性のあり方」について多様な見解を語った教師がいたが、中国人留学生らから「反動教授」とのレッテルを貼られ抗議される騒ぎに発展した。

 楊の書く中身があまりに抽象的すぎてまるきり意味不明です。産経も良くもここまで意味不明な文章の掲載をしたもんです。
 「以前」とは一体いつの出来事なのか。つい最近(1年以内)か、5年前か、はたまた10年以上前なのか。
 「静岡県のある大学」とはどこの大学なのか。「国立静岡大学(つまり楊の同僚)」なのか、「公立静岡県立大学」なのか、はたまた私立大学なのか。
 教師とは教授か、准教授か、講師か。一体どんな場でその多様な見解とやらを語ったのか。授業(例えば歴史学?)の場で「学生相手」なのか、それとも全く私的な場なのか。その教師の個人名どころか、専門分野(歴史学、経済学など)すら楊が上げないのはどういうことなのか。
 そもそもその「多様な見解」とは具体的に何なのか? 
 騒ぎの結果はどうなったのか?。その教員は謝罪したのか?。あるいは大学から何らかの懲戒処分を受けたのか?
 どう見ても「具体的に書くと都合が悪いから、楊がごまかしてる」としか見えません。
 おそらく「抗議された」という事から見て

南京事件についての多様な見解:南京事件否定論
・「軍隊における性のあり方」についての多様な見解:「慰安婦は公娼」だの「戦争でレイプがあるのは当然だ」だのという暴論

を放言したのだろうと言うことが予想できますが。まともな内容なら誰も抗議しないでしょうし、不当な抗議なら楊ももっと具体的に書くでしょう。具体的にかけないこと自体が「抗議されて当然の暴論であると楊も自覚している」ということであり、まさに「語るに落ちて」います。
 そんな話を書いて恥じない、楊の恥知らずぶり、クズぶりにはいつもながら呆れます。もちろんこれはid:Mukkeが「早稲田大学教授」I濱Y子を「I濱先生は偉大なチベット研究者だ」と詭弁で擁護したように「楊先生は司馬遼太郎賞を取った偉大な学者だ」で擁護できる話ではありません。そんなことで、楊が「デマ屋で人間のクズであること」が免罪されるわけもない。
 まあ、id:Mukkeも自分の主張「I濱先生は偉大なチベット研究者だ」のデタラメぶりを自覚していたからこそ、最終的には、はてなブログからトンズラしたのでしょうが、改めてMukkeのクズぶりにも呆れます。とはいえ実名でデマを垂れ流して恥じない楊よりはMukkeの方がましだとは思います。静岡大学もそろそろこの男を「懲戒処分すべき時期」に来ているのではないか。「懲戒解雇しろ」とまでは言いませんがこんなヘイトスピーチには「それ相応の罰」が必要でしょう。

【参考:オーバーツーリズム(観光公害)】

「観光公害」が一転窮地に 休業要請の京都 「先見通せず、つらい」 - 毎日新聞
 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が全国に拡大し、不要不急の外出の自粛が要請される中、全国有数の観光地で知られる京都が大きな打撃を受けている。感染拡大前にはインバウンド(訪日外国人)など急増する観光客が集中し、住民生活が損なわれる「観光公害」が深刻化していたが、一転して窮地に立たされている。

【参考:『農協、月へ行く』】

現実と向かい合うための避難所としての読書 -青春の一冊 筒井康隆「農協月へ行く」- - 今日も知らない街を歩く
 最近になって、来日する中国人環境客のマナーの悪さが取り沙汰されていますが、本作品を読むと、高度成長期時代の日本人も、(小説だから脚色されているとはいえ)ずいぶんだなあと思わざるを得ません。
 本書は高校の頃に読みました。当時は「ノーキョー」という組織は名前しか知らず、ずっと後になって、「ノーキョー」が、東南アジアへ買春ツアー*1を行っていたことを知りました。高校の頃はそんなことも知らず、あまりの荒唐無稽な展開に素直にギャグだと捉え、傍目も憚らずゲラゲラ笑っていました。

*1:まあ買春ツアーを行っていたのは「農協」だけではありませんし、場所も東南アジアだけではありませんが。例えば今では「台湾や韓国への旅行は一般的」になり、そんなことはありませんが、昔は成人男性が「台湾や韓国へ旅行に行く」といえば「買春観光に行くのか」と言われる時代が明らかにあったわけです。キーセン観光なんて言葉もあった(勿論俺はそうした時代をリアルタイムでは知らず、あくまでも本などによる知識ですが)。