今日の産経ニュース(コロナ問題以外:2020年5月14日分)

首相「恣意的な人事はない」 検察庁法改正案 - 産経ニュース
 というなら「例外措置としての定年延長をする場合、どう恣意的な延長をしない制度設計をするのか」説明すべきですが「安倍晋三を、自民党を信じて下さい」だから話になりません。
 「モリカケ桜を見る会の手前なんか信じられるか」ですが、それは置いても

「今後、政権交代はないとでも思ってるのですか?。それとも野党に政権交代してもそんなことはないという気ですか?。あなた、『悪夢の民主党政権』と散々悪口してましたよね?」
ポスト安倍が、例えば石破氏や岸田氏が首相になったとして絶対にそんなことはしないとどうして言えるのですか?」
「あなたが『そんなことはやる気はない』とか関係ないんですよ。あなた、不老不死で、今後200年も300年も首相やるわけじゃないでしょ?。なんで他人の行為について『恣意的な人事はあり得ない』と公言できるんですか?。10年後、20年後の首相が誰かなんかあなたにわからないでしょ?」

ですよねえ。そう聞かれたら安倍はどう答える気なのか。無責任に「首相になるような有力政治家の中にはそんな政治家は過去、現在、そして未来において一人もいません」とでも言う気なのか。

 今回の改正と関わりがあるとして批判が広がっている黒川弘務東京高検検事長の人事についての質問に対しては「私がここでそれを申し上げることは恣意的になるのではないか。今の段階では申し上げることはできない」と述べた。

 つまりは「フリーハンドの状況」にして黒川について厚遇できれば、検察官として厚遇(検事総長?)するが、国民の批判で無理そうなら退官させて「いわゆるヤメ検弁護士」として「大企業の顧問」でも紹介したい、だから何も言わないと言うことでしょう。全く国民も舐められたもんです。


岸田氏「軽々しく考えてはならない」 検察官定年法 - 産経ニュース
 野党どころか、石破と比べてすら腰砕けですが、さすがに居直るのはまずいと思い始めているようです。

 船田元(はじめ)・元経済企画庁長官も自身のウェブサイトで「内閣にとって都合の良い役職検察官の定年延長は認め、それ以外は認めないという現象が生じる可能性が排除できない」と懸念を表明した。

 今のところ、船田が一番はっきりとした安倍批判ですかね。石破は単に「国民の理解が得られてない」だけですから。


自民・石破氏、検察官の定年延長「国民に理解されず」 - 産経ニュース
 はっきりと「反対」といえないところは石破の限界でしょうが、さすがに二階幹事長や岸田政調会長などと違い、正当化はしないわけです。
1)こんなことで安倍に媚びたところで安倍が今の「石破に対する冷遇」を変えるとは思えない
2)世論調査で石破の支持が岸田政調会長などに比べ高いのは、明らかに安倍に対する批判票の影響
である以上、石破としては安倍にへつらう気持ちにはとてもならないでしょう。一方、岸田氏などは「今更安倍批判しても支持率が上がるとは思えない」がこのまま、安倍にへいこらしても、安倍支持層は安倍を支持し、安倍批判層は(野党支持でない場合は)石破を支持し、自らは低空飛行という笑えない状況にあるわけです。
 岸田氏としては
1)安倍からの禅譲狙いか
2)適当なところで安倍に見切りを付けるかですが、どっちにしろ今の状況では見通しは暗いでしょう。


公明・北側氏「理解しがたい」 検察官の定年延長批判に反論 - 産経ニュース
 予想の範囲内ですが、公明党もここまで劣化したのかと思うと言葉もないですね。もはや公明党の自民に対する態度は「どこまでもついて行く下駄の雪」状態ですが、「他人事ながら」それで果たして公明党の将来に展望があるのか。


【正論】プーチン政権20年が意味するもの 青山学院大学名誉教授・袴田茂樹 - 産経ニュース

 2014年3月の「クリミア併合」、15年9月のシリア空爆で89・9%にも達したプーチン氏の支持率は、(ボーガス注:原油価格の低迷とコロナ蔓延の影響か)この4月の世論調査では、過去最低の59%に下がった。

 とはいえ「59%」とは我が国の安倍(40%台)に比べれば相当に高いわけです。一応過半数も超えてる。したがって、この世論調査結果が「水増しされた捏造」ではなく信頼に値するならば、安倍を『国民に支持されてる』という産経としては『支持が下がってるとは言え未だプーチン氏は国民に支持されてる』と言うべきでしょう(もちろん皮肉、嫌みのつもり)。
 まあアンチロシア、アンチプーチンの産経は勿論そうは言いませんが。
 まあ、嫌みはともかくプーチンの現状は産経がいうほど危機的でもないのではないか。とりあえず40%台に突入(つまり過半数割れ)するまではプーチン的には「ひとまず御の字」でしょう。現状でも巻き返しのために色々手を打つでしょうがそんなに焦る必要もない(なお、俺は別にプーチン支持と言うことではなく以上、単なる事実認識にすぎません)。


【産経抄】5月14日 - 産経ニュース
 「水曜集会は辞めるべきだ」「慰安婦支援団体は反日を煽ってる」云々等と言いだした元慰安婦李容洙(イ・ヨンス)氏の言葉を利用し「俺たちの正しさが裏付けられた」「慰安婦支援活動家は日本叩きに慰安婦を政治利用しているだけだ」などと強弁する産経です。見るのもおぞましい文章なので引用は「ほとんど」省略します。コメントに必要な限りで「一部のみ」紹介します(なお無料記事ですが登録しないと途中までしか読めません。俺は登録しているので全文読めますが)。
 もちろん

慰安婦問題の件・1つ目 - 誰かの妄想・はてなブログ版
 李容洙氏(元日本軍慰安婦)と尹美香氏(正義記憶連帯前理事長)のいずれが正しいのか、あるいはいずれとも間違っているのかを判断する材料を私は持っていません。
 一般論として、(ボーガス注:拉致被害者家族会と救う会の関係のように)被害者が自身の記憶を変容させることや周囲に流されることはよくあることですし、支援団体が不正を犯すことも珍しくはありません。被害者と支援団体の方向性で齟齬が生まれ対立することもよくあります。これも一般論ですが、被害者が自身の被害を重視するあまり社会問題へと昇華させることができないことままありますし、被害者自身の考える社会化の方向性と支援団体の目指す社会化の方向性が違うこともあります。
 しかし、これらはあくまで一般論であり、李容洙氏と尹美香氏のケースでどうなのかは個別の事情や経緯をちゃんと踏まえないと何とも言えません。
 ただ一つだけ間違いないことは、李容洙氏と尹美香氏の対立の原因が何であろうとも、アジア・太平洋戦争中の従軍慰安婦問題は旧日本軍・政府による戦時性暴力であり、現日本政府にはその責任があることに変わりはないということです。(赤字強調は小生がしました)

雑感 - 誰かの妄想・はてなブログ版
 慰安婦問題が日本軍政府による戦時性暴力問題であり、日本政府に責任があることに変わりはない

id:scopedog氏が言うように「仮に李容洙(イ・ヨンス)氏の批判に一定の正当性がある」にしても、それは「韓国での慰安婦支援運動に政治的、道義的な問題があった(場合によっては法的な問題もあった)」と言う話にすぎず、「慰安婦制度に法的、政治的、道徳的に問題はない」「河野談話やクマラスワミ報告書などは間違ってる」「安倍や産経が正しい」「韓国での安倍批判や、吉見義明氏や植村隆氏、マイク・ホンダ氏が間違ってる」などという話では全くありません(なお、無知な小生なんぞよりid:scopedog氏はこの問題に詳しいので色々と参考にさせていただいています)。
 大体そう言う批判を始めたのは元慰安婦の中でも「現時点では」李容洙(イ・ヨンス)氏「だけ」のようですし。
 つうかその理屈なら「蓮池透氏の家族会、救う会拉致議連批判(バーター取引を否定するのはおかしい。救う会などは単に北朝鮮叩きに拉致を政治利用するウヨ集団ではないのか?)」を理由に「バーター取引を主張する田中均氏、和田春樹氏などの正しさが裏付けられた」「救う会拉致議連北朝鮮叩きに家族会を政治利用しているだけだ」ともいえるでしょうにねえ。
 蓮池氏の批判については「ほとんどの拉致被害者家族はそんな批判をしてない」「蓮池氏が間違ってる」という癖に、「慰安婦支援団体(拉致問題での救う会に当たる)批判」を始めたのは元慰安婦の中でも「現時点では」李容洙(イ・ヨンス)氏「だけ」なのに「ほとんどの元慰安婦はそんな批判をしてない」「李容洙(イ・ヨンス)氏が間違ってる」とは言わない産経らウヨはいつもながらデタラメです。
 また慰安婦については「一部に誤解、曲解しているバカ」もいますが「韓国の慰安婦が一番多い」とはいえ「台湾や東南アジア(フィリピン、インドネシアなど)にも慰安婦はいたこと」も指摘しておきます。李容洙氏の批判は当然ながら「韓国の慰安婦支援団体限定」の話です。

 30年にわたって活動をともにしてきた正義連*1の前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)氏(55)にも矛先を向ける。4月の総選挙で初当選した尹氏は、「国会議員になるために私*2を利用した」というのだ。

 「国会議員になるために政治利用した」というならむしろ「拉致を使って国会議員に成り上がった中山恭子(元ウズベキスタン大使、第一次安倍、麻生内閣首相補佐官(拉致担当)、福田内閣で拉致担当相*3)」でしょうねえ。まあ、「幸いなこと」にろくに出世も出来ずに終わりましたが。
 そして「首相になる為に拉致を利用した」のがもちろん安倍で、「不幸なこと」に、そのあげく「モリカケ」「桜を見る会」「検事長定年延長」「布マスク疑惑(謎の企業ユースビオへの利益誘導疑惑)」(政治不正疑惑)「コロナ蔓延」です。そんな男が長期政権であること、そして未だに支持率が四割であることに心底うんざりします。
 李容洙(イ・ヨンス)氏の告発が正しいかどうかは勿論俺は知りませんが、いい加減家族会も『李容洙(イ・ヨンス)氏の尹美香(ユン・ミヒャン)氏批判』のように、あるいは『蓮池透氏の安倍批判(著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社))』のように「安倍首相は拉致を政治利用して首相になり上がっただけだ」と安倍批判したらどうなのか。まあ「期待はしていません」が。どうしても安倍批判はできないんでしょうねえ。

【参考:安倍の拉致政治利用】

【衆院予算委員会】安倍首相マジ切れ! 民主議員「拉致を政治利用したのか」との質問に「私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う」とも(1/4ページ) - 産経ニュース
安倍晋三首相は12日午前の衆院予算委員会で、北朝鮮による日本人拉致問題をめぐり、民主党緒方林太郎氏から「拉致を使ってのし上がったのか」と問われ、「議論する気すら起きない。そういう質問をすること自体、この問題を政治利用している」と切り捨てた。また、この問題を巡る自身の発言について「真実だ。バッジをかける。言っていることが違っていたら、国会議員を辞める」と覚悟を示した。
・緒方氏は、拉致被害者蓮池薫さんの兄、蓮池透さんによる著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)に「拉致問題はこれでもかというほど政治利用されてきた。その典型例は安倍首相だ」などとする一説があるとして、首相に認識を尋ねた。
・首相は「いちいちコメントするつもりはない。家族会にもその本に強い批判がある。大切なことは北朝鮮に対して一致結束し、すべての被害者を奪還するために全力を尽くすことだ」と述べた。
 緒方氏が「首相は拉致を使ってのしあがったのか」と重ねて質問すると、首相は「議論する気すら起きない。その質問をすること自体がこの問題を政治利用しているとしか思えない」と真っ向から否定した。
・緒方氏が「蓮池氏がウソをついているのか」と続けると、首相は「誰かを落とすことは言いたくない。私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う。違っていたら私は国会議員を辞める」と断言した。
 さらに緒方氏は、一昨年の衆院選の新潟2区で、拉致被害者の親族が活動していたとして「政治利用ではないか」と迫った。
 すると首相は「本の引用だけで独自の取材を全くせず、私の名誉を傷つけようとしている。極めて不愉快だ。何の意味があるのか。20年前、私たちが一生懸命拉致問題をやっていたときにあなたは何をしていたのか」と色をなした。
 その上で「あなたが批判することが北朝鮮の思うつぼだ。そういう工作が今までもあったというのは事実だ。常にマスコミを2分し、国論を二分し、この問題で戦う力を落とそうとしてきたのが今までの歴史だ。大切なことは、すべての拉致被害者奪還のために、一致協力して全力を尽すことだ」と緒方氏を批判した。
 最後に首相は「政治利用」との指摘に対し、「こんな質問で、大切な時間を使って答えるのは本当に残念だ。1人の方の本だけで誹謗中傷をするのは、少し無責任ではないか」と述べ、怒りがさめやらぬ様子だった。

「安倍さんは拉致問題を政治利用して総理大臣にまでなった」――拉致被害者家族・蓮池透氏が会見で「真相」を暴露! 〜安倍総理は国会で「誹謗中傷」「北朝鮮の思うつぼ」と"逆ギレ"! | IWJ Independent Web Journal
「首相は拉致を使ってのしあがったのか?」
 安倍総理は2016年1月12日の衆院予算委員会で、民主党緒方林太郎議員から北朝鮮拉致問題を政治利用した可能性を言及され、「議論する気すら起きない」と露骨な不快感を示した。
 緒方議員はこの日、北朝鮮による拉致被害者蓮池薫氏(2002年帰国)の兄で、拉致被害者家族連絡会の元副代表・蓮池透氏が昨年12月18日に出版した『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)をもとに国会質問に立った。本は対北朝鮮強硬派として政治的な地位を高めた安倍総理らの打算と裏切りを告発したとして、波紋を呼んでいる。
 緒方議員が「蓮池氏が嘘をついているのか」などと迫ると、「私が言っていることが真実だとバッジをかけて言う」と主張。そのうえで、「本の引用だけで独自の取材を全くせず、私の名誉を傷つけようとしている。極めて不愉快だ。何の意味があるのか」「あなたが批判することが北朝鮮の思うつぼだ」「1人の方の本だけで誹謗中傷をするのは、少し無責任ではないか」などと怒りを露わにした。
 では、真実はどこにあるのか。さかのぼって2015年12月21日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、本の出版に合わせたタイミングで蓮池透氏の記者会見が行われた。
 「安倍さんは、拉致問題を政治利用して総理大臣にまでなった。であれば、この問題についてしっかり対応すべきだ」。
 会見で蓮池透氏は、一向に進展のない拉致問題について、(被害者が)家族と抱き合う日まで、といった安倍首相の発言は情緒的で具体的戦略が見えてこないとして、「これまでにやったことは、経済制裁拉致問題対策本部および担当大臣の設置だけだ」と批判した。

*1:以前は挺対協と呼ばれていた団体が発展したもののようです。

*2:もちろん李容洙(イ・ヨンス)氏のこと

*3:安倍や麻生が首相補佐官止まりなのに福田氏が中山を大臣にしたのが注目されます(なお、第一次安倍、麻生では拉致担当相は官房長官の兼務)。まあ、中山を取り込むことで「家族会、救う会を懐柔するため」にすぎない(中山の能力を評価したわけではない)でしょうが、福田氏が拉致解決をそれなりに真剣に考えていたことがうかがえます。