「来年一斉」「5年かけ段階的」 9月入学移行の2案を提示 - 産経ニュース
令和3年9月に一斉実施なんか出来るわけがないでしょう。
というか文科省的にはさすがに「段階的実施案」が本命でしょう(実際にやるのならば、ですが。まあ、9月入学をやることがそもそも妥当かどうかはひとまず置きます)。
「令和3年9月一斉実施」なんてのは「一応つくるだけつくってみました」程度の話でしかないでしょうが、安倍自民はまともでないので「それで行く」と言い出す危険性はゼロではありません。
【正論】「国民の絆」を壊す9月入学論 九州大学教授・施光恒 - 産経ニュース
小生も9月入学論には反対の立場ですがそれは単に「メリットが感じられないから」「コロナ問題を抱える今、そんなことは後回しにすべきだから」であって、「国民の絆」などという珍論ではないので「何だかなあ」ですね。
中国文学者、井波律子さんの訃報が届いた。
普通の「追悼コラム」「訃報コラム」ですのでこれ以上は特に引用しません。ウィキペディア「井波律子」の記載を紹介しておきます。
◆井波律子(1944年2月11日~2020年5月13日)
中国文学研究者。1966年、京都大学文学部卒業。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。1974年京都大学助手。1976年金沢大学助教授、1990年金沢大学教授、1995年に国際日本文化研究センター教授、2009年定年退任。国際日本文化研究センター名誉教授。『三国志』の研究や『三国志演義』の翻訳などで知られる。夫・井波陵一*1(1953年生まれ、京都大学人文科学研究所教授)も中国文学研究者。
◆主な著書
・『中国人の機智:「世説新語」を中心として』(1983年、中公新書→後に『中国人の機智:「世説新語」の世界』と改題して、2009年、講談社学術文庫)
・『読切り三国志』(1992年、ちくま文庫)
・『酒池肉林:中国の贅沢三昧』(1993年、講談社現代新書→後に2003年、講談社学術文庫)
・『三国志演義』(1994年、岩波新書)
・『裏切り者の中国史』(1997年、講談社選書メチエ)
・『中国のグロテスク・リアリズム』(1999年、中公文庫)
・『中国文章家列伝』(2000年、岩波新書)
・『中国の隠者』(2001年、文春新書)
・『故事成句でたどる楽しい中国史』(2004年、岩波ジュニア新書)
・『「三国志」を読む』(2004年、岩波セミナーブックス)
・『奇人と異才の中国史』(2005年、岩波新書)
・『三国志曼荼羅』(2007年、岩波現代文庫)
・『中国の五大小説〈上〉:三国志演義・西遊記』(2008年、岩波新書)
・『中国の五大小説〈下〉:水滸伝・金瓶梅・紅楼夢』(2009年、岩波新書)
・『論語入門』(2012年、岩波新書)
・『中国文学の愉しき世界』(2017年、岩波現代文庫)
・『中国名言集:一日一言』(2017年、岩波現代文庫)
・『中国侠客列伝』(2017年、講談社学術文庫)
・『三国志名言集』(2018年、岩波現代文庫)
・『中国名詩集』(2018年、岩波現代文庫)
・『キーワードで読む「三国志」』(2019年、潮文庫)
一般向けの著書(文庫や新書)が多数ある点が興味深いところです。当然、才能があるわけですが、一方で彼女の専門である「三国志」がいかに日本人に親しまれてるかという面もあります。
「三国志」でぐぐれば、あるいはCategory:三国志を題材とした作品 - Wikipediaを見れば分かりますが
◆北方謙三『三国志』(角川春樹事務所・時代小説文庫)
◆柴田錬三郎*2『三国志 英雄ここにあり』、『柴錬三国志:英雄・生きるべきか死すべきか』 (講談社文庫:『英雄ここにあり』は劉備生前までを描き、『英雄・生きるべきか死すべきか』は劉備死後の諸葛亮孔明の活躍を描いたもののようです)
◆柴田錬三郎 『英雄三国志』(集英社文庫:講談社文庫の『三国志 英雄ここにあり』、『柴錬三国志:英雄・生きるべきか死すべきか』 を一つにまとめた上で改題した物で内容は同じ)
◆陳舜臣*3『諸葛孔明』、『曹操:魏の曹一族』、『秘本三国志』(以上、中公文庫)
◆宮城谷昌光*4『三国志』、『三国志外伝』(以上、文春文庫)
◆横山光輝*5『三国志』 (潮漫画文庫)
◆吉川英治『三国志』 (講談社・吉川英治歴史時代文庫)
と有名作家による多数の『三国志』関連書籍(小説やマンガ)がヒットするわけです。
それとこれを言うとおっさんであることがモロバレになりますが小生は子どもの時に見ていたNHK『人形劇三国志』(1982~1984年)が好きですね。
参考
◆『人形劇 三国志』
1982年10月2日から1984年3月24日までNHKでテレビ放送された人形劇。
『三国志演義』(立間祥介*6訳、現在は角川ソフィア文庫)をモチーフに魏、呉、蜀三国の興亡を描いた作品で、美しい人形は人形美術家・川本喜八郎が担当した。番組開始時および人形劇本編の合間には、司会兼ストーリーテラーとして漫才師の島田紳助、松本竜介が出演した。
ストーリーは劉備玄徳(その死後は諸葛亮孔明)を巡る説話が中心であり、桃園の誓い(作中では168年と設定)から五丈原の戦い(234年)までを描く。10代の少年少女を主なターゲットとしていたため、分かりやすさに重点を置いたセリフや展開になっており、荒唐無稽・勧善懲悪(勿論劉備が善で、曹操が悪)の要素が強調されている。
【キャスト】
この作品では、1人の声優*7が複数の登場人物を兼務する。同じ声優が演じている人物同士で会話する場面もある。
◆谷隼人
劉備玄徳、馬謖*8など
◆石橋蓮司
関羽、袁紹*9、諸葛瑾*10、司馬懿仲達*11ほか
◆せんだみつお
張飛、夏侯淵*12ほか
◆森本レオ
諸葛亮孔明、曹丕*13、夏侯惇*14ほか
◆岡本信人
曹操、董卓、周瑜*15、陸遜*16、関平*17ほか
◆松橋登
孫権*18、袁術*19、献帝*20、趙雲*21ほか
【人形劇三国志オリジナルの登場人物】
◆美芳(みいふぁん:声・伊佐山ひろ子)
屋台の居酒屋を営み、店の客である張飛(声・せんだみつお)とはケンカが絶えない。後に張飛の妻となる。物語の中では紳々、竜々と共に初回から最終回まで登場した。
◆淑玲(すうりん:声・長谷直美)
黄巾の乱で劉備(声・谷隼人)と出会い、漢の献帝の侍女を勤めた後、劉備の妻になり、阿斗(後の劉禅:声・田坂都)を儲ける。長坂の戦いで阿斗と共に蜀軍からはぐれて手傷を負い、駆けつけた趙雲(声・松橋登)に阿斗を託すと井戸へ身を投げて死亡した。
彼女を失った後に呉を訪れた劉備は、孫権(声・松橋登)の妹・貞姫(声・田坂都)に淑玲の面影を見出し、妻に迎えることとなる。
◆紳々、竜々(しんしん、ろんろん)
島田紳助、松本竜介の分身で、声優もそれぞれ本人が担当。狂言回し的・コミックリリーフ的な役割を担う。武名を上げ将軍に成ろうとはするものの「(現代的な価値観のため)敵兵を殺せない、臆病ですぐ逃げ出したり命乞い、任務でもドジが多い」などで出世できず、一兵卒のまま、黄巾族→董卓軍→呂布軍→魏→呉→蜀を渡り歩く。最終回ラストでは、劉備、関羽(声・石橋蓮司)、張飛、趙雲、諸葛亮(声・森本レオ)の墓を見ながら、「わしらの知ってる人達は皆あの中へ入ってしもうたなあ」としみじみつぶやいている。
検察庁法改正案断念 首相、不毛な消耗戦回避 先週末に判断 - 産経ニュース
首相には改正案の今国会成立にこだわる理由もなかった。
「法務省・検察側に頼まれてやった話だ。(今国会で)どうしてもやらないといけない法案ではない」
首相は改正案成立見送りを表明した18日夜、周囲にこう語った。
世論調査での「予想以上の不人気」にびびって方針転換したくせに、法務省に責任転嫁とは良くもふざけたことが言えたもんです。
大体、法務省があんな「黒川の定年延長を正当化する」だけの法律を積極的に出したがるわけがないでしょう。
ベタな物言いで恐縮ですが「こんなバカ、クズを育てた親はどういう子育てをしていたのか。よほど甘やかしてわがままにさせていたのか」「やはり親も子ども同様のクズなのか」と問いただしたくなりますね。安倍晋太郎*22のことですが。
福田康夫氏*23と安倍*24の違いを考えるに「福田赳夫氏*25」は安倍晋太郎と違ってまともな親だったのでしょう。安倍晋太郎の親「安倍寛」もよほど酷かったのだろうなと思いますね。
首相は「もうやらなくていい」と本音も漏らす。国家公務員法改正案が成立しなければ、国に準拠して定める地方公務員の定年引き上げも据え置かれる。困るのは、立憲民主党最大の支持団体*26である自治労だからだ。
おいおいですね。野党(立憲民主党に限らない)は「検察庁法改定以外なら賛成してもいい*27」と言っていたのに、それを蹴飛ばした上、「困るのは自治労だ」とは何という言い草か。
そもそも
1)国家公務員法改定案なのだから直接被害を受けるのはまず国家公務員
2)「地方公務員=自治労構成員」ではない(自治労以外の組合加入者もいれば、非組合員もいる)のによくもこんな馬鹿なことが言えたもんです。
「もうやらなくていい」て、なら何のために「国家公務員法改定案」を出したのか。「検察庁法改定案の悪法性をごまかすために出しただけ」とでもいうのか。まともな人間なら到底言えないアホ発言です。勿論産経も安倍もまともではありませんが。安倍なんぞ支持できる人間の気が知れません。なお、この自治労云々という与太は阿比留も、【阿比留瑠比の極言御免】支持者の利益損ねた立民 - 産経ニュースで表明しています。
自民党内では不信任案を否決した上で、いかに週内に改正案を採決まで持ち込むかについて協議を重ねてきただけに、官邸サイドの突然の方針転換に「そんなことがあるのか」(幹部)と衝撃が走った。
野党の批判に対し、繰り返し「改正案に問題はない」と反論してきた与党。自民党関係者からは「ここで引っ込めれば『やっぱり問題があったんじゃないか』と思われないか」と不満の声も漏れる。
結局の所、今の自民党は、安倍政権誕生後は完全に「安倍の私兵集団と化した」といっていいでしょう。悪法であっても安倍のいいなりに「この法律に問題はない」と強弁。そして「世論調査での不人気にびびった安倍」に「継続審議にする」とはしごを外されても安倍に何一つ不満など言えないわけです。
山田太郎参院議員「サイレントマジョリティー動いた」 検察庁法改正案見送り - 産経ニュース
もちろん自民の陣笠にすぎない山田は「安倍に逆らえるわけもなく」検察庁法改定案について、野党や弁護士会、検察OB、一部芸能人(小泉今日子など)などのような批判などしていなかったわけですが、にもかかわらず今頃、批判派ぶろうとはどこまでクズなのかと言う話です。
しかも「ネット世論ガー」と言いだす山田ですが、何も批判者はネット世論だけではないし、「ネットの批判者」は別に「ネット世論の代表面」する山田の支持者ではない(むしろ山田には批判的でしょう)。
それにしても産経が山田をこうして持ち上げる理由は何でしょうか。産経にとって山田に利用価値があるからなのでしょうけど。
【主張】改正案見送り 検察のあり方本格議論を - 産経ニュース
政府・与党は検察庁法の改正案について、今国会での成立を見送った。野党や世論の批判に加えて検察OBからの反発も相次ぎ、採決を強行すれば大きな政治問題化する可能性があった。
さんざん「野党の言いがかり」呼ばわりしていたくせに安倍が今国会の可決見送りを決めるやこれです。呆れて二の句が継げませんね。
それにしても「採決を強行すれば支持率が大きく落ち込み、退陣に追い込まれる恐れがあった」とはかけず「大きな政治問題化する可能性があった」とぼかして書く辺りは安倍応援団らしいせこさです。
議論が紛糾したのは、今春に加えられた特例をめぐってだ。これにより、内閣や法相が認めれば検事総長の定年延長や幹部検察官の職務延長が可能となった。
昨秋と今春の間に何があったか。それは今年1月、黒川弘務東京高検検事長の定年延長を閣議決定で決めた異例の措置だ。
特例が加えられたのはこの直後である。政府がいくら「黒川検事長の人事と検察庁法改正案は無関係」と強弁しても、理解は得られなかった。
政府側が「特例による恣意(しい)的人事はない」と反論しても、黒川氏の定年延長で内閣による属人的措置をみた後では、これを信用することは難しい。
「おいおい」ですね。この産経社説の内容は、概ね批判派の主張と同じ内容ですが「今頃それを言うのか?」「だったらお前らが批判派に対してこれまでに加えていた悪口雑言は何なんだよ?」ですね。
しかもこう書きながら結論は、法案廃案ではなく
森雅子法相は特例規定の要件について内閣委で、「現時点で具体的に全て示すのは困難だ」と述べた。これでは議論にならない。
検察庁法の改正論議は、政府が特例要件を示すところから再開すべきである。
として「政府が具体的な延長要件を示して恣意的な人事をしないという信用を得ろ」。
「お前、安倍が見送りを表明するまでそんなこと言ってなかったろうが!」「大体既に、黒川の人事が恣意的だろ!」「そんなことができるのなら野党が『定年延長という特例措置をする蔡の具体的要件を示せ』と要求した際にとっくにやってるだろ!」ですね。
とはいえ、産経ですら高まる批判を前に「要件を出さないと話にならない」と書いたことは次期国会での武器となるでしょう。
もちろん産経だと平気で前言撤回して恥じませんし「要件さえ出せば」どんな「曖昧でデタラメな代物」でも「要件を出したから問題ない」と強弁するでしょうが。
とはいえ、産経がこう書けば「次期国会で何も要件が出なければ」、『産経は安倍政権を批判せよ!』ということになりますし、現時点では要件が出る保証もありません。
産経がここまで書いたことは意外ですが、産経もそれだけ今回は追い詰められたと言うことでしょう。
それにしても櫻井よしこなど「安倍首相に問題は何一つない」と言っていた連中は「政府の側にも問題はあった」「野党や弁護士会、検察OBなどの批判は一理あった」と渋々認めてるこの産経社説をどう評価するんでしょうかね?。
たぶん「産経は余計なこと書くな」と反感を覚え、とはいえ「産経批判もできずに」、産経の社説をなかったことにして「政府に問題はない」と強弁し続けるのでしょうが。
*1:著書『紅楼夢と王国維』(2008年、朋友書店)、『「紅楼夢」の世界』(2020年、臨川書店)など
*2:1917~1978年。市川雷蔵が演じ人気となった『眠狂四郎シリーズ』が代表作
*3:1924~2015年。『小説十八史略』(講談社文庫)、『チンギス・ハーンの一族』、『耶律楚材』(以上、集英社文庫)、『江は流れず:小説 日清戦争』、『実録アヘン戦争』、『孫文』、『鄭成功』(以上、中公文庫)、『秦の始皇帝』(文春文庫)など中国史を題材とした小説多数。
*4:1945年生まれ。『管仲』(角川文庫)、『子産』、『重耳』、『孟嘗君』(以上、講談社文庫)、『晏子』、『楽毅』(以上、新潮文庫)、『太公望』(文春文庫)など中国史を題材とした小説多数。
*5:1934~2004年。中国史をネタにした作品では『三国志』の他に『殷周伝説』、『項羽と劉邦』、『史記』、『水滸伝』がある。
*6:1928~2014年。慶應義塾大学名誉教授。著書『諸葛孔明:三国志の英雄たち』(1990年、岩波新書)など
*7:全員、声優専業ではなくむしろ俳優業が主であるところがNHKらしいと思います。
*11:「死せる孔明、生ける仲達を走らす」の故事で知られる魏の武将
*12:魏の武将
*14:魏の武将
*16:呉の武将。三国志演義では周瑜死後の、呉の中心人物として描かれる
*17:蜀の武将。関羽の息子。三国志演義では関羽と共に魏に降伏し、処刑されるが人形劇三国志では、関羽の死後も蜀の武将として活躍する設定。
*18:呉の皇帝
*19:曹操、孫権、劉備らと天下を争った武将の一人。袁紹の従兄
*21:蜀の武将
*22:三木内閣農林相、福田内閣官房長官、自民党政調会長(大平総裁時代)、鈴木内閣通産相、中曽根内閣外相、自民党幹事長(竹下総裁時代)など歴任
*25:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相
*26:本当に「最大の支持団体」かどうかは知りません。デマ記事常習産経なのでデマの疑いはあります。
*27:もちろんこれは「本当に賛成してもいいと考えていた」というのもあるでしょうが1)「検察庁法改定反対」に論点を集中させるとともに、2)安倍が「国家公務員法のみ改定」を蹴った場合「検察庁法改定とワンセットにする必要はどこにもないのにおかしい」と批判できるという面も勿論あります。